債権法改正と公証人手数料

 国会で審議中の債権法改正では、消費貸借契約が要物契約のみだったものから、要物契約と諾成契約と併存さえるものとなる。
これによって、技術的な面ではあるが、公証人手数料が影響を受けることになるだろう。
すなわち、公証人手数料が現行のままであれば、片務契約(要物契約)では額面どおりだが、双務契約(諾成契約)では倍額となるからだ。
 http://www.koshonin.gr.jp/hi.html

 改正後、締結された消費貸借契約が要物契約か諾成契約かというチェックは登記原因に影響を及ぼすことから、司法書士にとって重大事であるのは当然であるが、公証人もまた同様となりそうだ。否、報酬額に直結する分、より大きな関心事となるのかもしれない。

市民と法98号「民法(債権関係)改正と司法書士実務」

市民と法98号(民事法研究会)において、「民法(債権関係)改正と司法書士実務」というテーマで拙稿が掲載されている。

http://www.minjiho.com/shopdetail/000000000854

現在執筆中の書籍の内容を簡潔にまとめた内容なので、興味のある方は、ご一読いただきたい。


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民法(債権関係)改正に関する研修会

少し前になるが、平成28年1月23日に大分県司法書士会で、
民法(債権関係)改正に関する研修会が開催され、講師を務めた。

講義時間は4時間程度で、100名弱の司法書士に受講していただいた。

改正法案は、今の通常国会での審議が遅々として進まず、
成立時期の見通しが立ちにくい状況ではあるが、
司法書士としては、成立してから学ぶといった姿勢では遅すぎる。

他会も、平成28年中に1回は研修会を開催しておくべきだろう。

余談だが、研修会当日は大寒波が西日本に覆い、
帰りの航空便が欠航になることが講義中に判明するというトラブルもあり、思い出深い研修であった。
(便を早めたために、せっかくご用意いただいていた懇親会をキャンセルせざるを得なかったことも含めて。)

司法書士とランニング

私の趣味はランニングであるが、主にマラソン大会において、司法書士として気になる点が3点ある。

1 マラソン大会の約款・規約に疑問がある。
 → すなわち、キャンセル時期を考慮しない代金不返還特約である。消費者契約法に抵触する可能性があるのではないかと考えている。

2 マラソン大会の参加費の使途に疑問がある(大会もある)。
 → ランニング人口の急増を受け、年々、大会数が増え、人気大会はエントリー料がアップしているが、その使途が明らかとなっていない。また、明らかにすることを求める権利も、ほとんど保障されていない。

3 トレイルランの環境づくり。
 → 森林、山林を走るためには、所有者の承諾を得る必要があるところ、森林、山林は相続登記未了などで、所有者が不明となっているものも少なくない。

 走る司法書士として、これらの点について動く必要があると考えている。

相続放棄をする前に

 「疎遠の兄弟が亡くなった。兄弟には妻子がなく、両親も既に死亡している。どうも家賃を滞納しているようだ。」というような相談を受けることがよくある。
 この場合のスタンダードな回答は、「3か月以内に相続放棄してください。」というものだろう。
 確かに、相続放棄の手続をすれば、なんの債権債務も負わなくなる。
 しかし、実際に相続放棄をする前に、上記の例であれば家主の立場から振り返って考えてみたほうが良い。
 兄弟全てが相続放棄をしてしまい、相続人不存在となったら、家主は、相続財産管理人の選任を申し立てなければならない。亡くなった方に、とくに資産がなければ、けっして安くはない予納金を家主が納めることになる。
 家主にしてみれば、滞納家賃を放棄してでも、相続人である兄弟に建物を円滑に明け渡してもらいたいと考えるのが合理的であるので、相談されている事案についても、実際に家主が望んでいるのは、どういったことであるのかと知ることが、まずは先決であろう。
 そういった事案ごとの事情を考慮せず、判で押したように「相続放棄」を勧めるのであれば、生身の法律実務家は、もはや不要である。


プロフィール

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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