平成24年度司法書士試験出願状況

 平成24年7月に行われる司法書士試験の出願状況が法務省から公表された。

  http://www.moj.go.jp/content/000098639.pdf

 平成19年度 32,469人
 平成20年度 33,007人
 平成21年度 32,558人
 平成22年度 33,166人
 平成23年度 31,227人
 平成24年度 29,379人

  平成24年度は、2年連続で出願人数が減少し、ついに3万人を割ったことが特徴である。

  出願者とは、司法書士試験を受験する予定の人、すなわち、司法書士を目指している人であり、その出願人数は、司法書士試験の人気のバロメーターであるということもできる。
 もちろん、合格するためには、1年ないし2年は人生の最優先事項に司法書士試験受験を位置づける必要があるので、司法書士を目指すには相当の覚悟が必要であるから、単純に「人気のバロメーター」と言い切ることはできないが、一つの目安にはなるだろう。

 それが減少傾向であることに、私たち一足先に司法書士となった者は留意しておかねばならない。

 

原稿の執筆について

 司法書士になると、司法書士としての通常業務のほか、会務(むしろ、これが大半を占める…)、研修講師などのように派生業務を担当することが殊の外多くなる。(司法書士にもよるのだろうが)
 このような派生業務には、原稿の依頼というものもある。

 原稿のご依頼をいただく際に、「何時までに」「どのような内容のものを」寄稿いただきたい、ということは必ずと言ってよいほど伝えられるのだが、時に「お好きなだけ書いてください」と言われることがある。

 執筆するこちら側に気を使って、このような申入れをしてくださっているのだろうが、実は、このように言われると私は、とても躊躇してしまう。

 「お好きなだけ」と言われても、原稿を執筆する際に、執筆量を決めないで書き始める人はいないだろう。
 同じテーマであっても、2000字のまとめ方と10000字のまとめ方では大きく構成が異なってくるからだ。

 逆に言うと、(これが一番大事なポイントなのだが、)原稿のご依頼をいただくほど自分が関心のあるテーマであれば、2000字だろうと、10000字だろうとまとめることは可能ということだ。

 このようにまとめる気になれば、どんな分量でもできてしまうだけに、この執筆量を自分で決めるというのは、簡単なようで実はなかなか難しい。
 また、依頼する側にも、本心では、大体何ページ分の原稿がほしいという期待があるはずだ。書き上げた原稿と期待されていた量との間に大きな過不足が生じると、依頼趣旨に反するということにもなってしまう。ときたま、誌面の特集などで、一本だけ分量が突出している原稿に出くわしたりすると、依頼する側が執筆量をきちんと伝えていなかったのだろうかと勘ぐってしまう。逆に、掲載する前に、分量が多すぎでリライトを要求するケースもあるのだろう。

 執筆する側、依頼する側双方にとって無駄を省き、何より読者のために、より良い内容の原稿を書くために、ご依頼される際には、「何時までに」、「どのような内容のものを」、「どのくらいの量で」という3点を明示してくださるとよいと思う。

 執筆する側、依頼する側のコミュニケーションが取れてさえすれば、後の原稿は執筆者の問題だ。
 読者の方は、「内容が薄い」「参考にならない」などのご批判があれば、思う存分、執筆者に向けていただきたい。

アフリカでの靴の市場調査の寓話から考える事実と意見

 アフリカの奥地に商社の営業担当が2人市場調査に行った。
 目的は靴の販売調査だ。
 一人は「ダメです。ここの人たちは靴を履くという習慣がないので、靴は売れません。」と本社に報告した。
 もう一人は「ここには膨大な市場があります。なぜなら、まだ誰も靴を履いていないからです。」と本社に報告した。

 どちらが営業担当としてセンスがあるかということを感じさせるという意味で、企業の営業研修などでは好んで使われる寓話のようだ。

 これを司法書士のような法律実務家にあてはめてみたらどうだろう。
 法律実務家の報告という意味では、いずれの回答も落第である。
 なぜなら、上記の回答はいずれも事実と意見とが混在しており、報告者の主観が混在しているので、報告を受けた側をミスリードさせるおそれがあるからだ。
 法律実務家としては、「アフリカの奥地の人たちは靴を履く習慣がありません。」という事実だけをまず指摘するべきである。
 この事実に対し、「靴を履くという習慣を現地に根付かせることは困難であると思われ、短期的には靴が売れるとは考えることができない。しかしながら、その習慣を根付かせることさえできれば大量に靴の販売を見込むことができると考えられる。」
 と、それぞれの立場の根拠を述べながら両論併記で書くべきであろう。

 そこまで述べることによって、客観的に「靴を履くという習慣」の実現可能性が争点となってくるわけである。
 以下、その実現可能性について報告者の主観を交えながら、主張をまとめていけばよい。

 と、ここまで自分で書いておいてなんだが、法律実務家は営業に向かないなぁと、つくづく実感した。
 今回も、閑話休題ネタで。

司法書士とダイエット

 連休に入り、ブログの閲覧者も減ると思うので、今のうちに閑話休題的な話題を…。

 この数年で20キロほど体重を落としたところ、周囲の人からは「どうやって、そんなに痩せたの?」という聞かれ方をされることが多くなった。
 ただ、そう聞かれても、「運動して、食事に気をつけてるだけです。」と答えるぐらいしかできない。
 実際に、突き詰めていえば、それ以外のダイエットの方法などないだろう。

 ここで、疑問に思うのは、「なんで、ダイエットをしようと思ったのですか?」という聞かれ方がないことである。
 素朴に、「痩せたらよいなぁ…」ぐらいは多くの方の念頭に常にあることだと思われるので、今さら聞くまでもないと思われているのかもしれない。
 
 しかし、物事を成すに「動機」は極めて重要である。

 司法書士の方は、司法書士試験の受験時代のことを思い返してみていただきたい。
 同じ能力と思われる受験生でも、短期間で効率よく受かる受験生と中々受からずに結局受験を止めてしまう受験生がいなかっただろか。
 つまるところ、司法書士試験(に限らず資格試験は総じてそうだと思うが)は、試験に受かりたいという気持ちを強く持っている受験生が受かるようになっている。
 その気持ちを発生させ、維持し続けることが難しいのだ。とくに司法書士試験は最低でも1年程度は、人生の最優先事項に試験勉強を位置づけなければ合格に必要な能力は身につかない。
 そして、そのためには、「何はともあれ試験勉強」という気持ちを常に抱くだけの「動機」が必要になる。
 結局は「動機」なのだ。

 さて、話をダイエットに戻すと、ダイエットを成功させるというのも「動機」がすべてだ。
 ダイエットしなければならない、という強い動機があれば、必ず達成できるのだ。
 これさえしっかりと持っていれば、方法論は後からついてくる。

 ちなみに、私の動機は、以前、中央新人研修の講師を受けたからだ。
 司法書士有資格者の前で、講義をするというのに、いかにも自己管理できていない体型の司法書士が出てきたら、受講生の夢を壊してしまうだろう。
 それぐらい、中央新人研修の講師に課せられたものは重い、と考えている。
 

 皆さんも周囲に痩せた人が出てきたら、「どうやって?」ではなく、「なぜ?」と聞いてみてほしい。
 きっと、その方が参考になる話が引き出せるだろう。



関東ブロック新人研修クレサラゼミナール開催

 平成24年1月20日(金)10時から15時50分まで、東京・多摩において、関東ブロック新人研修のカリキュラムの一環として「クレサラゼミナール」が開催されたので、チューターとして参加した。
 
 クレサラゼミナールとは、関東ブロック新人研修に参加する400~500名の司法書士有資格者の受講生を12名前後のグループに分け、各グループでクレサラ事件に関するロープレやディスカッションなど、とくにアウトプットを中心とした講義を行うものだ。

 私がチューターするのも今年で6回目ぐらいである。
 
 チューターとして伝えたい事は毎年同じだ。

 「クレサラ事件は人の生き死ににかかるので、相当の覚悟を持って取り組む必要がある。」
 「クレサラ事件だけでなく、幅広い業務、とくに、もうからない業務をしっかり取り組む必要がある。」

 これから実務を学ぶという時期には、以上のことがしっかり伝われば、その年のクレサラゼミナールは成功だと私は考えている。

 
プロフィール

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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