スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

シンポジウム「債権法改正の基本方針」⑥

【第5準備会に関する報告】
 第5準備会は、「条件及び期限」「期間の計算」「時効(消滅時効)」「債権の消滅」等を担当した。
 神戸大学教授の山田誠一氏より、「債権の消滅等」をテーマに報告がなされた。
 ①弁済、②相殺、③一人計算、④債権時効が主な報告内容である。
 ①弁済につき、今までは正当な利益を有する者以外の者は、債務者の意思に反してまで弁済をすることができないが、基本方針では、債務者の意思に反して弁済をすることができるとし、その弁済をしたときは、債務者に対して求償権を取得しない、と提案する。また、弁済による代位についても、任意弁済を廃止する提案をした。
 ②相殺につき、受働債権については、その弁済期到来を相殺適状の要件とせず、自働債権に抗弁権が付着していないことを相殺適状の要件として明らかにし、相殺適状の規律について現状の解釈を明文化する提案をした。ほかにも、相殺の効力や債務者以外の者による相殺について提案をした。
 ③一人計算とは、「多数当事者間の債権債務関係を決済するために用いられることを予定した新規の制度」であり、その提案の内容は、次のような内容の合意が、将来の債権者(A)と将来の債務者(B)との間で行なわれ、それを計算人(清算機関)が承諾すること。提案内容は、将来Aに対してBが負う債務(甲債務)に応答する債務(甲1債務)を計算人に対してBが負い、同様の債務(甲2債務)をAに対して計算人が負い、かつ、甲債務が成立すると、甲債務が消滅し、甲1債務と甲2債務が成立する。その後甲1債務が履行されない場合であっても、甲債務の消滅は影響されないというものである。
 ④債権時効は、可能な限り時効期間を統一、起算点について見直し、時効障害を合理化、時効の効果について2通りの考え方を示すという基本的な考え方に基づき、提案がなされた。時効の起算点については、債権を行使することができるときから、若しくは、債権者が債権発生の原因及び債務者を知ったときからのいずれかが経過したことにより債権時効期間は満了するという提案である。また、今までの短期消滅時効規定を廃止し、時効期間は可能な限り統一すべきであり、例外的に、人格的利益等の侵害による損害賠償債権の債権時効期間を設けるべきであるとの提案がなされた。
 債権時効に係る時効障害について、今までの中断と停止に対し、「更新」「進行の停止」「満了の延期」という新たに3種類の時効障害を設けるべきである等という提案がなされた。
 時効期間満了の効果として、一般的な規律につき、2つの案を併記した提案となっている。1つは、債権時効を「援用」をすることができるという考え方。もう1つは、債務者は履行を「拒絶」することができ、債権者はその債権の実現を求めることができず、債権は消滅するという考え方である。また、債務者以外の者に対する規律としても、2つの案を併記した提案となっている。1つは、債務者以外の保証人等であっても、債権時効を「援用」することができるという考え方。もう1つは、債務者以外の保証人等は、債務者に履行を拒絶するか否か催告すべきことを請求し、債務の履行を留保することができるという考え方である。この場合、催告の請求の時から一定期間内に主たる債務者が履行拒絶権を放棄しないときは、主たる債務者が債務の履行を拒絶したものとみなすというものである。
 ほかに、債権時効によって履行を拒むことができる債権を自動債権とする相殺、形成権に係る期間制限についても提案がなされた。

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。