fc2ブログ

民事司法制度改革推進に関する関係府省庁連絡会議「取りまとめ(案)」公表

 内閣官房に設置されている「民事司法制度改革推進に関する関係府省庁連絡会議」から「取りまとめ(案)」が公表されている。

   https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/minjikaikaku/kanjikai_dai12/sidai.pdf

 この会議は、関係行政機関等の連携・協力の下、民事司法制度改革に向けた喫緊の課題を整理し、その対応を検討するために開催されているものだ。
 「取りまとめ(案)」となる「民事司法制度改革の推進について(案)」の「第2」で「民事裁判手続等のIT化T」について触れられている。
 ここでは、
「⑵ 民事裁判手続等のIT化に当たって必要な社会的基盤の整備上記⑴のとおり、民事裁判手続等のIT化を進めるに当たっては、全面オンライン化を実現すべきであり、そのためには、代理人として弁護士等が選任されていない本人訴訟について、IT機器を有していない本人やその利用に習熟していない本人に配慮した十分なサポート態勢を構築することが必要不可欠である。十分なサポート態勢を構築するという観点からは、最高裁判所において、民事裁判手続の利用者にとって使いやすいシステムを構築し、利用者の声を踏まえた不断の改善をすることが期待されることはもとより、以下のとおり、適切な担い手による充実したサポート態勢を構築することが重要である。
ア 民事裁判手続の利用者の望むサポートは、単なる書面の電子化等のITリテラシー支援(形式的サポート)にとどまらず、個別具体的な事案についてどのように民事訴訟を追行すべきか、という点に関する法的助言を含めたサポート(実質的サポート)である場合が多く、実際のサポートの場面においては、これらの両方を担える個々の弁護士のほか、日本弁護士連合会及び各地の弁護士会(簡易裁判所におけるサポートについては、個々の司法書士のほか、日本司法書士会連合会及び各地の司法書士会)の果たす役割は極めて大きい。
また、形式的サポートについては、各地の裁判所や日本司法支援センター(法テラス)等の公的機関はもとより、個々の弁護士や司法書士、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会及び各地の弁護士会や司法書士会をはじめとする士業者団体等、受け皿となり得る者において幅広くサポートを担当すべきである。
イ この点に関し、個々の弁護士や司法書士によるサポートとしては、書面の電子化等のITリテラシー支援サービスを提供するとともに、本人の依頼に応じて、民事訴訟の追行に必要な法的助言の提供を行う(司法書士の場合には、代理業務が可能な範囲で法的助言の提供を行う)こと等が考えられる。また、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会及び各地の弁護士会や司法書士会におけるサポートとしては、窓口に書面の電子化のための機器を設置すること等が考えられる。こうした方策を前提に、さらに具体的なサポートの内容については、個々の弁護士や司法書士、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会及び各地の弁護士会や司法書士会において検討することが期待される。
また、法務省は、法テラスが、現行法上の情報提供業務や民事法律扶助業務の枠組の中で行い得るサポートに加え、特定の拠点に裁判所のシステムにアクセス可能な機器を設置すること等をはじめ、法テラスにおけるサポートの内容について、IT化の範囲や導入されるシステム等の具体的内容等を踏まえ検討する。
さらに、最高裁判所においては、書面の電子化のための機器を窓口に設置すること等をはじめ、裁判所におけるサポートの内容について検討することが期待される。」
と述べられており、司法書士には、簡易裁判所での代理業務に関するサポートが期待されている。
当然、その期待には応えなければならないだろう。

 一方で、わざわざ「簡易裁判所における」と限定しているということは、内閣官房は、司法書士に地裁本人訴訟のサポートは期待していないという深読みをすることもできる。
 ほんとうにしなくてもいいんだろうか。
 期待されていないのなら、ほんとうにやらないけれども。




コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

カテゴリ
司法書士 赤松 茂の著書