fc2ブログ

平成29年改正民法(債権関係)と実務への影響

(5)経過措置
 改正法適用の基準時は、原則として、施行日になります。(本校執筆時点では、具体的な施行日は未定ですが、平成32年6月2日までには施行される見込みです。)
 基準となる行為で不動産登記に関連して、特に注意を要するものには、次のようなものがあります。

・代理
 代理権の発生原因が生じた時(代理権授与の表示がされた場合を含む)(附則7条1項)が基準となります。代理人として行為がされた時ではありません。

・消滅時効
 債権の生じた時(附則10条)が基準となります。消滅時効期間の満了した時ではありません。

・債権者代位権
債務者に属する権利(被代位権利)の生じた時(附則18条)が基準となります。債権者に属する権利(被保全権利)の生じた時ではありません。

・保証
 保証契約が締結された時(附則21条)が基準となります。保証債務が請求された時ではありません。

・債権譲渡
 債権譲渡の原因である法律行為(譲渡人と譲受人との間の売買契約等)がされた時(附則22条)が基準となります。譲渡制限の意思表示がされた債権の譲渡では、債務者に対して民法上の通知または承諾がされた時ではありません。

・弁済
債務の生じた時(附則25条1項。ただし、弁済の充当は除く)が基準となります。弁済がされた時ではありません。

・契約の解除
契約が締結された時(附則32条)が基準となります。解除の意思表示がされた時ではありません。

 以上、不動産登記に影響する論点のみを、ごく簡単に紹介いたしました。

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

カテゴリ
司法書士 赤松 茂の著書