最高裁判決を忘れない

 今回の最高裁判決は裁判外の和解に関するものであるため、裁判業務をさほどしない司法書士の中には、関心が高くない方もいるかもしれない。
 しかしながら、司法書士である以上、自分には関係ないでは済まされない。
 この最高裁判決は、司法書士制度の敗北というべきであるからだ。
 繰り返すが、立法当初、適法とされていた解釈が10余年の時を経て、最高裁判所によって覆されたのである。司法制度改革の狭間で、まるで、司法書士制度が揺れ動いているかのように。
 これに司法書士にとって肯定的な意味をあえて持たせるのであれば、それは、この敗北を糧にして、将来的に、司法書士制度が目覚ましい発展を遂げ、失った職域を取り戻すこと、さらには、新たな職域をつかみ取ることである。
 一朝一夕に叶うことではないだろう。
 私自身、この悔しさを胸に秘めながら司法書士として生き、そして、おそらくは無念を晴らす機会に恵まれることのないまま、死んでいくだろう。
 しかし、幾代の後には、司法書士業務のうち、司法判断を仰ぐ場面がまたやってくるはずである。その業務は、裁判業務ではなく、登記業務なのかもしれないし、企業法務、後見業務、31条業務なのかもしれない。
その時まで、司法書士が今回の敗北の悔しさを糧にして絶え間ない努力を続けており、その結果、独自の専門職能として社会から求められる存在であり続けていれば、司法書士制度にとって、きっと今回とは異なる結論が出るだろうと信じている。
 だからこそ、今回の最高裁判決を、裁判業務をする司法書士だけの問題としてはならない。
 すべての司法書士が、この敗北を後世の司法書士に伝えていかなければならないのだ。

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プロフィール

Author:赤松 茂
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(平成26年5月に事務所移転しました。)

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