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マラソン大会の出走権を題材に考える。

しばらくの間、近年参加者が急増しているマラソン大会の出走権を題材に、民法の規定などを考えてみたい。
具体的に問題となるのは、次のような点である。

マラソン大会にエントリーしたところ、当日、何らかの事情により出走できないという事態となった場合、あらかじめ主催者に連絡すれば、エントリー料の返還が受けられるのであればよいのだが、多くの大会では返金に応じていない。(ポイント1・・・不返金特約)

そこで、参加できないことが明らかとなっても依然エントリーしたままの状態となり、当日若しくは後日に参加賞だけをもらうということなる。これが大会の求める流れだ。

もっとも出走権が無駄になってしまうと考えた者の中には、有償若しくは無償で、自らの権利を利用し、他人に出走してもらうことがあるようだ。(私は経験したことがないが。)
実際には、自らエントリーしていない人が出走することを認めている大会はほとんどない。
しかし、その法律構成は曖昧だ。
このように他人に出走してもらう際の法律関係としては、代理出走という考え方と出走権の譲渡という考え方があり得るところだが、大会規約に、何ら特約が掲げられていない大会も数多くある。そのような場合、少なくとも法的には、代理して出走することも、出走権を譲渡することも自由となる。
また、大会規約で、代理出走禁止と謳っているのみの大会もある。そうであっても、出走権を譲渡することは法的には自由だ。
このように実は自らがエントリーしていない人が出走することを禁止する法的根拠に乏しいのが現状だろう。
(私の知る限り東京マラソンの規約では、代理出走・出走権の譲渡のいずれも禁止されていた。)

ここで、法律構成について整理して検討する。
代理人による権利行使を特約で禁止することは可能だ。(ポイント2・・・代理出走の禁止)
もっとも代理の法律構成から考えると、効果が本人に帰属することになるのだから、代理人が走った大会の結果が実際に走ってもいない本人のものとされても、お互い迷惑だし、大会も運営に窮するだろう。
つまり、マラソン大会においては、最低限の規約として、代理出走は禁止しておいた方がよいことになる。

次に、出走権の譲渡が問題となる。(ポイント3・・・出走権の譲渡の禁止)
債権の譲渡は原則自由だが、当事者が反対の意思を表示した場合には、譲渡禁止債権とすることができるからだ。(民法第466条第2項)
実は、この譲渡禁止債権について、来春国会に提出される見込みの民法(債権関係)の改正案で検討されている。
(法制審議会において、マラソン大会の出走権を念頭に債権譲渡に関して議論された形跡はない。だからこそ、ここで考えてみるのだともいえる。)
そういった次第で、次回以降は、マラソン大会の出走権の譲渡と譲渡禁止債権について考えてみることとしたい。

【民法】(債権の譲渡性)
第四百六十六条  債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2  前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。

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赤松 茂

Author:赤松 茂
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(平成26年5月に事務所移転しました。)

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