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近刊『司法書士による被告事件の実務─訴訟活動の事例と指針─』の推薦文

 有り難いことに、民事法研究会から6月中旬に鈴木修司司法書士・山田茂樹司法書士・私との共著で発刊予定の『司法書士による被告事件の実務─訴訟活動の事例と指針─』の推薦文を大阪大学の仁木恒夫教授からいただき、転載許可をいただいたので、書籍の紹介を兼ねて掲げる。

 書籍の詳細は、民事法研究会HP(http://www.minjiho.com/)の「近刊情報」からご参照いただきたい。

推薦の辞
 司法制度改革において、司法書士は認定を受けて簡易裁判所で訴訟代理ができるようになり、多くの認定司法書士が過払い事件で訴訟代理の大きな効果を発揮しました。しかし、一般の民事事件も手がけてきた認定司法書士となると人数はぐっと少なくなるのではないでしょうか。あるいは認定は受けているが実際には裁判関係業務をほとんど行ったことがない司法書士もいるかもしれません。
 日常での利害調整において法の重要性が増している現在、法律家には大きな期待が寄せられています。一部とはいえ、弁護士と同等の機能を担うことができるようになった司法書士には、従来の裁判関係書類の作成業務とあわせて、法律家としてこの期待に応えることが求められるでしょう。しかし、一般の民事事件については、残念ながら、必ずしもまだ期待どおりの活躍がなされているとはいえないのです。
 司法書士の中には、一般の民事事件で裁判関係業務を積極的に引き受けていく必要性を感じている方々も、きっと少なくないでしょう。しかし、そうした方々も、同じ裁判関係業務とはいえ、過払い事件のような定型的な業務とは異なり、事件の個性が強く慣れない一般の民事事件の紛争処理に入っていくのには躊躇を覚えるのかもしれません。赤松茂・鈴木修司・山田茂樹という百戦錬磨の裁判関係業務の実践者たちによる本書は、そうした司法書士にとって、この未知の領域に分け入っていく勇気を与える実践の叡智に満ちています。
 法律家の扱う紛争には、少なくとも二人の当事者のあいだでの対立があります。裁判では原告と被告がいるのですが、本書で示されているように、これまで司法書士が被告側で関与することが特に少なかったことは統計データから明らかです。司法書士は、法律家として、当然被告側の当事者にも法的サービスを提供することを考えておかなければなりません。本書では、多くの司法書士が経験したことのない被告側での代理や裁判書類作成による本人支援に携わる際、当事者の多面的な紛争を適切に処理するために法や手続をどのように使って対応したらよいのかの重要ポイントを、典型的と思われる事例を素材に具体的に教えてくれます。
 もちろん、事件にはそれぞれ個性がありますから、ここに述べられていることをマニュアル的に実践すればとよいというものではありません。しかし、ここに集められた実践の叡智は、被告事件はもちろん原告事件であっても、具体的な当事者を前にした時にどういうことに注意して動くべきなのかを自分で考える貴重な手がかりを提供してくれるでしょう。また、加藤新太郎判事を囲んだ座談会も、裁判官が代理人や当事者をどのようにみているのかを知ることができるたいへん興味ぶかい内容で、裁判関係業務に大いに参考になると思います。
 実践者として成熟するためには、しっかり当事者をみながら、一つひとつの事件を丁寧にこなしていくしかありません。本書は、意識のある司法書士に、その一歩を踏み出す勇気を与え、歩みの途中で間違わないための重要な手がかりを与えてくれるものでしょう。より多くの司法書士が本書を手にして、司法制度の中で司法書士の存在感をより高めていけるよう、一般の民事事件に原告側としてだけではなく被告側としてもかかわっていく機会をどのようにつくるかの議論が活発になされ、実践的な動きが起こることを願っています。

大阪大学教授 仁 木 恒 夫

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プロフィール

赤松 茂

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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