「簡裁代理権の範囲と本人訴訟支援の執務の在り方に関する研修会」開催報告

 平成25年2月9日(土)13時から17時30分まで、静岡県司法書士会において、制度対策委員会主催で「簡裁代理権の範囲と本人訴訟支援の在り方に関する研修会」を開催した。
 簡裁代理権の範囲においては、この数年の間に職域争いといってよい視点から、いくつかの論点について見解が鋭く対立しており、未だ決着がついていない問題である。さらに、直近では書類作成業務の範囲までも論点となっており、司法書士が長年携わってきた本人訴訟支援の在り方までもが問われている。
 しかしながら、これらの論点を含む事件が債務整理事件に多く見受けられるという事情を踏まえてか、会員の関心が薄れてきているような印象も受ける。もしかしたら、もはや過去の論点と考えている会員も多いのではないだろか。
 裁判業務を自ら考えながら行っている会員には自明のことであるが、もちろん、そのような認識は誤りである。
 問題となっている論点は、債務整理事件に留まらず、広く一般民事事件にも該当するものばかりであるからだ。
 こういった認識に立ち、本研修会を開催した。
 当日の研修会では、第一講は、僭越ながら私が「簡裁代理権の範囲の整理」というテーマで、とくに司法書士法3条に関する知識の整理および問題となっている論点の紹介をさせていただいた。
 第二講では、小澤吉徳先生、古橋清二先生、鈴木修司先生による鼎談という形で、本人訴訟支援の執務について、実際の事例を基に会員からの執務姿勢も聴き取りながら、奥深い意見交換を行った。
 私の行なった講義では、簡裁代理権の範囲の知識を正確に持つこと、とりわけ現在争われている論点について整理するとともに、現時点では未だ争われていない論点においても結論の出ていないものがあるということを知ること、さらに、実際に争われた事案の多くは、制度的な論点を争点としようと訴えが提起されたものであるとは言い難く、受任した司法書士の執務が適切なものでなかったために依頼者等との信頼関係が壊れて訴えが提起され、その過程で、いわば制度的な争点が作出もしくは抽出されて顕在化したと思われるので、各会員は、自らの執務が適切なものであるか否か、常に自問自答しながら業務にあたるべきであること、などを伝えることが主たる目的であった。
 第二講では、本人訴訟支援としての裁判書類作成業務の限界と可能性を考えるために、その理念を振り返るとともに、個別論点について各会員の執務の在り方について忌憚のない意見を交換し、これからの一般民事事件につなげていくことを目的として行った。

 諸事情により個別論点について詳述することは避けさせていただくが、本研修会はDVD貸し出しを行う予定であるので、裁判業務を行なう、もしくは行おうとする静岡県会の未受講の会員は、ぜひ視聴していただきたい。

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赤松 茂

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