保証制度の問題点

 法制審議会民法(債権関係)部会の部会資料36によると、保証人の保護の拡充の必要性について、次のように説明されている。

「保証契約については,平成16年の民法改正によって,書面でしなければ効力を生じないものとされた(民法第446条第2項)。これは,保証契約が無償で,情義に基づいて行われる場合が多いことや,保証契約締結の際には保証人に対して現実に履行を求めることとなるかどうかが不確定であり,保証人において自己の責任を十分に認識していない場合が少なくないことなどを考慮し,保証契約が慎重に締結されるようにすることが必要であるとされたものである。
もっとも,現在では,上記の考慮を踏まえ,なお一層の保証人保護の拡充を求める見解が主張されている。」


 端的にいうと、保証契約においては、①無償性、②情義性、③軽率性が問題となりえ、民法(債権関係)改正の論点として、それらへの対応策を検討する必要があるといえよう。

 もっとも、部会資料には掲げられていないが、保証契約に関する問題点は上記3点に限られない。
 すなわち、保証契約は、主債務が履行されている間は、保証人に履行請求されることが事実上ほとんどなく(連帯保証では理論上ありうるのだが)、長期間経過後は保証人自身が失念していることも多く、とりわけ、保証人の相続人は、主債務が履行されている間は、保証債務の存在を知るきっかけすらないことが多い、という問題だ。
 これを、④非公示性として掲げることを提案したい。

 司法書士に寄せられる相続絡みの相談であっても、被相続人の死亡後、単純承認をして相当期間経過してから、主債務の履行が滞り、債権者から保証人の相続人に請求される段階で、はじめて保証債務の存在が判明したというものが往々にしてある。
 相続人が既に単純承認している場合においては、相続放棄等の相続法の問題として処理することが困難となることもあるのだから、保証債務の非公示性に着目して、財産法の分野で一定の対応策を検討してみてはどうだろうと考えている。

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Author:赤松 茂
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