スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

シンポジウム「債権法の未来像」を受講して

 平成24年5月9日(水)13時30分から17時まで、東京・日経ビルにおいて、(財)日本法律家協会、(公)商事法務研究会主催で、シンポジウム「債権法の未来像」が開催されたので参加した。
 600人の募集枠で、ホールがほぼ満席となる盛況であった。

 シンポジウムは、とくに「わかりやすい民法」「社会・経済への対応を図る」という諮問で掲げられた目的に沿った形で進められた。

 「わかりやすい民法」というテーマについては、わかりやすさとは「言語表現」、「論理性・体系性」、「内容の明確性」であるという解説とともに、法教育の視点、司法制度改革の視点、渉外法務の視点のそれぞれから、民法のわかりやすさの必要性が述べられた。
 そのわかりやすさの実現のために、具体的には、判例のリステイトメントを目指すということである。
 これに対し、例外事例の判例を明文化することへの危惧や、わざわざリステイトメントしなくとも不都合はない、といった批判がパブリックコメント等において寄せられているが、リステイトメントする判例の吟味・射程の検討が重要となり、判例の内容が確定し、かつ、一般的・普遍性のあるものを対象とすることで、そのような批判には対応することができる、という意見が述べられた。

 「社会・経済の変化への対応を図る」というテーマについては、民法が古くなっているのは事実であるし、日本は特別法での修正が多すぎるという問題点もあり、これから100年通用する規定を考えなければならない時期に差し掛かっているともいえる、とその必要性が述べられた。
 具体的には、約款、リース契約など新種の契約類型に対応する必要性、もはや民法が指標原理として機能していないことを改善する必要性、国際取引に対応する必要性があるとのことであった。
 なお、現代化を図ったアメリカUCCの改正を参考にするべきであるとの意見もあった。
 判例によって裁判所が法的規範を創るというより、本来、立法で対応するべきという意見も印象的であった。
 これに対し、今のままでも、実務上、不都合はないという批判がパブリックコメント等において寄せられているが、今のままでは、世界・アジアをリードする法典としては不十分であり、国内の現代事情に対応するだけでなく、世界の現代事情に対応することを意識した改正が重要となる、という意見が述べられた。
   
 今回のシンポジウムでは、民法(債権関係)改正はそもそも必要か、という総論的な視点に対する解説がメインであり、パブリックコメント等で寄せられた批判に対する一定の回答が示されたことによって、改正の必要性が根拠づけられたものと私は評価している。

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

赤松 茂

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。