アフリカでの靴の市場調査の寓話から考える事実と意見

 アフリカの奥地に商社の営業担当が2人市場調査に行った。
 目的は靴の販売調査だ。
 一人は「ダメです。ここの人たちは靴を履くという習慣がないので、靴は売れません。」と本社に報告した。
 もう一人は「ここには膨大な市場があります。なぜなら、まだ誰も靴を履いていないからです。」と本社に報告した。

 どちらが営業担当としてセンスがあるかということを感じさせるという意味で、企業の営業研修などでは好んで使われる寓話のようだ。

 これを司法書士のような法律実務家にあてはめてみたらどうだろう。
 法律実務家の報告という意味では、いずれの回答も落第である。
 なぜなら、上記の回答はいずれも事実と意見とが混在しており、報告者の主観が混在しているので、報告を受けた側をミスリードさせるおそれがあるからだ。
 法律実務家としては、「アフリカの奥地の人たちは靴を履く習慣がありません。」という事実だけをまず指摘するべきである。
 この事実に対し、「靴を履くという習慣を現地に根付かせることは困難であると思われ、短期的には靴が売れるとは考えることができない。しかしながら、その習慣を根付かせることさえできれば大量に靴の販売を見込むことができると考えられる。」
 と、それぞれの立場の根拠を述べながら両論併記で書くべきであろう。

 そこまで述べることによって、客観的に「靴を履くという習慣」の実現可能性が争点となってくるわけである。
 以下、その実現可能性について報告者の主観を交えながら、主張をまとめていけばよい。

 と、ここまで自分で書いておいてなんだが、法律実務家は営業に向かないなぁと、つくづく実感した。
 今回も、閑話休題ネタで。

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