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司法書士からみた民法(債権関係)―中間試案に向けて編― パブリックコメントに寄せられた意見の概要  その4

4 各論について寄せられた意見の要約抜粋
 各論は63の論点におよぶため、本稿では、とくに司法書士実務に影響が深いと思われる保証制度のうち保証制度の部分的廃止に関する意見の要約と、同様に債権譲渡のうち第三者対抗要件に関する意見の要約とを抜粋して紹介することとする。
 ① 保証制度
(個人保証に関する意見)
・個人保証の可否を論点として取り上げるとともに、その前提論点として、そもそもの保証制度の意義を検討するべきであるという意見
・保証制度および実質的に保証と同視しうる契約の個人への適用は、すべて無効とするべきであるという意見
・主債務者が消費者である場合における個人の保証を禁止するとともに、主債務者が事業者である場合における経営者以外の第三者保証についても、保証契約を無効とするべきであるという意見
・保証制度の個人への適用を原則として無効とし、例外的に実務上有用なもののうち、弊害の少ない一定の類型を有効とするべきであるという意見
・保証制度の個人への適用を原則として無効とし、例外的に主債務が事業資金である場合の当該事業の代表者等、当該事業に直接関与したものを有効とするべきであるという意見
・保証制度の個人への適用を原則として無効とし、例外的に夫名義の住宅ローンや車のローンに妻が保証人になるなどのように債務者と保証人との利益が共通しているものを有効とするべきであるという意見
・保証制度の個人への適用を無効とし、経過措置として、それが実現するまでの間、保証債務に見合った資力のない保証人の保証は無効とするべきであるという意見
・個人保証については、適合性の原則を導入するとともに、年収の3分の1以上の保証契約の締結および既存の保証契約については取立てを禁止するべきであるという意見
・保証契約によって負う見込みのある債務につき、一括して弁済する資力を有しない者を保証人とすることを認めないとの規定を置くべきであるという意見
・賃貸借契約から生じる債務を主債務とする保証契約において、保証人が個人となることを無効とするべきであるという意見
・保証人の属性により類型化し、規律の内容を分けることにより、保護が必要な類型の保証人保護のために詳細な規定を設けるということも検討するべきであるという意見
・保証にも多様な形態があり、個人保証も同様である。保証人保護の観点からの検討に偏ると保証制度全体が重くなり、円滑な金融を阻害することにもなりかねないので留意するべきであるという意見
・保証人保護の規制に関する適用対象から、保証人が法人である場合および経営者保証の場合を除外するべきであるという意見
・保証制度のうち、個人保証とは別に「機関保証」に関する規定を設けることを検討するべきであるという意見
・「法人」と「個人」とで区分する根保証の規定を維持するのか、このような区別を保証制度全般に拡大したうえで、「消費者」と「事業者」という区分に変更するべきかについて検討するべきであるという意見
・保証制度は、債務者の信用補完という経済機能の点から重要な制度であるということに留意しつつ、保証制度の目的や経済機能を害することがないよう慎重に検討するべきであるという意見
・経営者以外の第三者保証は、保証人が保証できる程度に債務者の資力が優良であるという保証人の認識を示すものであり、債権者の情報不足という情報の非対称性を埋め、「逆選択」を回避する一つの手段として機能していることにも留意するべきであるという意見
・個人の経営者を保証人とするのは、経営責任を自覚してもらい、モラルハザードを防止することが目的であるということに留意するべきであるという意見
・保証契約には、資力が乏しいため与信を行うことが困難な主債務者に対しても一定程度の融資を可能にするなどの有用性があることを踏まえ、過剰な規制をするべきではないという意見
・主債務者が消費者である場合等における保証契約を無効とする考え方は、人的担保を過剰に制約するものであり、実務的には極めて非現実的なものであるという意見

(根保証に関する意見)
・個人がする根保証契約は全面的に禁止するべきであるという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定の適用について主たる債務の範囲の見直しを検討する際には、平成16年民法改正の衆参法務委員会の付帯決議の趣旨を重くとらえるべきであるという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定の適用について主たる債務の範囲を貸金等債務が含まれない根保証にまで適用範囲を広げるべきであるという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定の適用について主たる債務の範囲を貸金等債務が含まれない根保証にまで適用範囲を広げ、とくに不動産の賃貸借契約を主債務とする根保証をその適用対象とするべきであり、不動産の賃貸借契約の更新と元本確定期日を同じくすることによって、必要であれば、契約更新の都度、保証人に契約更新の意思を確認するよう規定するべきであるという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定の適用について主たる債務の範囲を貸金等債務が含まれない根保証にまで適用範囲を広げ、継続的商品供給、不動産賃貸借、加盟店契約、入院等診療契約、身元保証などを主債務とする根保証をその適用対象とするべきであるという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定を保証人が法人の場合であっても適用することを含め、法人根保証の在り方を検討するべきであるという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定の適用について主たる債務の範囲を貸金等債務が含まれない根保証にまで適用範囲を広げるが、不動産の賃貸借契約を主債務とする根保証についてはその適用とはせず、別途の規律を設ける方向で検討するべきであるという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定の適用について主たる債務の範囲を不動産の賃貸借契約を主債務とする根保証まで広げた場合、元本確定期日後に保証人が保証契約を更新することを合意しなかったとすると、保証人なしの賃貸借契約となってしまい、賃貸人が弱い立場となってしまうおそれがあるので、借地借家法の正当事由の見直しなどを含めた広範な検討をするべきであるという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定の適用について主たる債務の範囲を貸金等債務が含まれない根保証にまで規定の適用範囲を広げるとしても、不動産の賃貸借契約を主債務とする根保証については極度額の設定や元本確定請求には馴染まないため、その適用とするべきではないという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定について、一般的な元本確定事由を規定することを検討するべきであるという意見
・根保証契約の主たる債務の範囲の債権が譲渡された場合の随伴性について明文の規律を設けるべきであるという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定の適用について主たる債務の範囲を貸金等債務が含まれない根保証にまで規定の適用範囲を広げると、法人カードの保証人となっている代表者にまでその適用がおよび、当該法人の利便性を損なうことになりかねないことに留意しつつ検討するべきであるという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定の適用について主たる債務の範囲を貸金等債務が含まれない根保証にまで規定の適用範囲を広げると、商品取引や消費者間での取引について、取引継続に支障をきたすおそれがあるので、慎重に検討するべきであるという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定の適用について主たる債務の範囲を貸金等債務が含まれない根保証にまで規定の適用範囲を広げることは、契約類型ごとに区分して慎重に検討するべきであるという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定の適用について主たる債務の範囲を貸金等債務が含まれない根保証にまで規定の適用範囲を広げると、契約締結事務、事務管理の負担が増大することから、正常な取引の抑制効果が生じてしまうことを踏まえ、慎重に検討するべきであるという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定の適用について主たる債務の範囲を貸金等債務が含まれない根保証にまで規定の適用対象を広げるとしても、その規定は「極度額」のみで足り、「元本確定期日」まで要求する必要はないという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定を保証人が法人の場合にまで、その適用を拡大するべきではないという意見
・現在の貸金等根保証契約に関する規定のうち、元本確定期日の最長5年という規定をそのまま一般化して支障が生じないか慎重に検討するべきであるという意見

 ② 債権譲渡の第三者対抗要件
 (第三者対抗要件に関する意見)
 「中間的な論点整理」において、債権譲渡の対抗要件制度の見直しには、具体的に次のような案が示されているところである。
 [A案] 登記制度を利用することができる範囲を拡張する(例えば、個人も利用可能とする。)とともに、その範囲において債権譲渡の第三者対抗要件を登記に一元化する案
 [B案] 債務者をインフォメーション・センターとはしない新たな対抗要件制度(例えば、現行民法上の確定日付のある通知又は承諾に代えて、確定日付のある譲渡契約書を債権譲渡の第三者対抗要件とする制度)を設けるという案
 [C案] 現在の二元的な対抗要件制度を基本的に維持した上で、必要な修正を試みるという案

 この論点に対し、次のような意見が寄せられた。
・A案に賛成。サイレント方式の債権譲渡に現行の民法上の制度では対応ができない。A案批判の根拠となる登記費用や制度の未整備は改善可能であるという意見
・A案に賛成。第三者対抗要件の具備について、登記だけを確認すればよいとなれば、債権譲渡を利用したファイナンスの実務の観点から、大きなメリットとなるという意見
・A案に賛成。公示機能の確立、対抗要件具備時の固定化機能の確立などにより債権譲渡取引の安全に資することになるし、また、対抗要件具備の有無の調査も容易になるという意見
・A案に賛成。現行法では、債務者不特定の将来債権譲渡は譲渡人が法人の場合のみ、特例法において、第三者対抗要件を具備することができるが、これを個人についても認めるべきであるという意見
・A案に賛成。第三者対抗要件の具備について、民法と特例法とが併存している現状では、登記を確認することによって権利関係を予見するという登記本来の機能が果たされていないという意見
・A案に賛成。債務者をインフォメーション・センターとする民法上の制度はもはや十分に機能していない。ただし、特例法上の債権譲渡登記制度を見直すことが前提であり、その前提を達成することが困難であれば、現行制度どおりの併存(C案)もありうるという意見
・A案に賛成。権利関係の明確化、画一的な処理という観点から登記制度は優れているので、現行の制度を実務上のニーズに合わせて十分に改善し、事務負担の軽減などを図るべきであるという意見
・A案に賛成。登記制度には多くのメリットがある。ただし、当事者自身が登記手続を申請できるように簡便なものとするべきであるという意見
・いずれの案も支持しうるが、とくにA案のメリット・デメリットについて引き続き慎重に検討するべきであるという意見
・いずれの案を採用するとしても、特例法上の債権譲渡登記制度の見直しはするべきであるという意見
・米国のUCCのような簡便な登記制度は望ましい一方、現行制度にもベネフィットがあるとも考えられるという意見
・仮にA案を採用する場合、債権の差押えについても、裁判所から嘱託登記が行われることとするべきであるという意見
・A案は有益であると思われるが、性急にA案に移行するのは無理があるという意見
・C案について到達日時を確定日付で公証するものと修正し、特例法上の対抗要件を具備した譲受人は民法上の対抗要件を具備したものに対抗できるものとするべきであるという意見
・B案に賛成。譲渡契約書に確定日付を付すことにより、当事者の全員が譲渡の事実を円満に受け入れることが望ましいという意見
・民法上の対抗要件と登記による対抗要件が競合した場合は、登記が優先するという制度にするべきであるという意見
・A案を採用したとしても、個人は含まないとした場合には、対象者によって登記事項証明書の要否が異なることとなり、実務が却って混乱するという意見
・C案に賛成。改正に当たっての現実性を考慮するべきであるという意見
・C案に賛成。現状、サービサーが債権を譲り受けた場面では、確定日付ある通知が利用されることが多く、登記はほとんど利用されていない。ただし、登記制度の有用性は認めるので積極的にA案に反対というわけではないという意見
・理想的な制度としてはA案だが、現実的にはC案に賛成。ただし、A案について、少額の債権や親族間、中小企業間等きわめて親しい関係における対抗要件具備の方法、費用、手続の煩雑さ、インフラの整備などが改善されるのであれば、積極的にA案に反対というわけではないという意見
・C案に賛成だが、将来的にはA案に賛成。また、法人が譲渡人となる金銭債権譲渡については、債権譲渡登記への一元化がされるまでの暫定的な取扱いとして、当該法人が債権者となっている一定の債権につき、債権譲渡における第三者対抗要件の具備を債権譲渡登記によるか現民法上の確定日付ある通知又は承諾によるかを選択できるようにするとともに、当該法人の商業登記簿にどちらの対抗要件を選択しているかを公示する制度を導入するべきであるという意見
・A案は明確性の観点から望ましいが、費用の問題と登記によって債権が公知となることで不必要な信用不安を招くおそれがあり、金銭債権と非金銭債権との区別も困難ではないかという意見
・現行の制度は債務者に負担をかける側面がある一方、債務者は自己の認識に基づいて弁済すれば弁済の効力が生じるという側面もあるのではないかという意見
・C案に賛成。A案の制度に反対するわけではないが、実現可能性が担保されていないという意見
・C案に賛成。債務者の承諾によって第三者対抗要件が認められるような制度にするべきであるという意見
・C案に賛成。債務者保護の観点からC案を維持するべきであるという意見
・C案に賛成。A案では、債権譲渡の事実を対外的に秘したいという要請に答えることができないという意見
・C案に賛成。現在の対抗要件制度は実務的に機能しており、安価かつ簡明な対抗要件制度であるという意見
・C案に賛成。特例法上の登記制度は、資金調達手段として利用することを目的としたものであり、真の当事者を探知するには適しておらず、また、不動産登記との連続性もないため、不動産流通上のネックとなっているという意見
・C案により、配達日時を証明する制度を利用するべきであるという意見
・C案に賛成。流動資産担保融資保証制度では、異議をとどめない承諾の掛目が最も高く、中小企業者にとっても資金調達効果においてメリットがあるという意見
・C案に賛成。現行法の対抗要件制度の下で、特に支障はないという意見
・A案に反対。登記制度は、個人が利用しにくいし、債権譲渡登記ファイルに記載する債権の特定にかかる表現等にも改善の余地があるという意見
・C案に賛成。債務者の認識可能性に留意するべきであるという意見
・C案に賛成。A案ではコストの観点から、中小企業金融では受け入れがたいという意見
・C案に賛成。現行制度をベースに債務者を保護する規定を設けるべきであるという意見
・C案に賛成。登記制度をもってしても二重譲渡を防止することは困難であるという意見
・C案に賛成。サイレント型や債務者不特定の将来債権譲渡では登記、それ以外は簡便な民法上の手続というように、それぞれの長所を使い分けることができるという意見
・差押えの対抗要件を登記とすると、債権執行手続が使い勝手の悪い重い手続になってしまい、空振りの手続にも差押登記がなされ、不実の登記が多数作出さて登記制度に対する信頼を損なう結果を招きかねないという意見
・C案に賛成。契約上の地位の移転について相手方の承諾を必要とするのであれば、債権譲渡においてもA案のように承諾を否定するのは整合性を欠くのではないか、また、A案では自然人を登記するとなると個人情報保護法上の問題が生じるのではないかという意見
・C案に賛成。現在の民法上の手続であれば、「確定日付ある通知」・「確定日付ある承諾」により、第三者対抗要件と債務者対抗要件を一挙に具備できるのに対し、特例法上の登記手続では、それらの要件が異なっており、それぞれ別に具備しなければならないのは不便であるという意見
・A案に反対。将来債権譲渡が拡大して利用されるようになると、譲渡人が破産などに至った場合において、譲渡任の経済生活の再生がそれだけ阻害されるおそれがあるという意見

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Author:赤松 茂
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(平成26年5月に事務所移転しました。)

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