ジュリスト2011年11月1日号NO.1432

 ジュリストで連載中の債権法改正の争点というコーナーがあるが、2011年11月1日号NO.1432では、「相殺」が取り上げられている。

 金融機関からみると、最重要論点の一つと言ってよいだろう。
 この論点は、制限説と無制限説、債権譲渡と相殺、相殺の遡及効、第三者による相殺など、金融機関だけでなく、取引一般における実務を変えるおそれも十分ある。

 今回の特集では論文が2つ掲載されているが、同様に大きな影響があると思われる民法509条の不法行為により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止については検討が示されていない。

 法制審議会では、現行法の禁止を緩和する方向で検討されており、この論点の改正が実現すると、物損交通事故などで、示談がなかなか成立しない相手方もしくは連絡の取れなくなった相手方との紛争処理が一気に解決する可能性を秘めているのだが、今回の特集に限らず、他団体の意見書などでも、あまり注目されていない、もしくは改正に消極的意見が多いようだ。
 不法行為により生じた受働債権であっても相殺契約をすればよいので、わざわざ法定相殺を認める必要はないという意見もある。
 そうはいっても、損害額が少額となる相手方と、その相殺契約ができないケースも多々あるのだ。
 訴訟実務においても、被告は、相殺の抗弁ではなく、反訴を求められることがほとんどだ。
 私としては、これらの悩みが、この論点の改正によって解決するものと強く期待している。

 司法書士は少額民事紛争の専門家でもあるので、軽微な物損交通事故などのトラブルを簡易迅速に解決する、という視点には秀でているのかもしれない。



 また、ジュリストの今号から、最高裁迅速化検証報告書を受けての座談会も連載され始めたので、司法書士は必読だ。
 気になる弁護士強制制度は次号以降触れられるようだ。
 ところで、最高裁の検討会委員には何故司法書士が選任されないのだろう。
 簡裁の迅速化という視点もしくは本人訴訟の迅速化という視点において、司法書士は専門的知見を有していると信じているので、追加選任されることを期待している。



 

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プロフィール

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