司法書士による損害賠償命令申立ての実務 その1

 月報司法書士9月号に掲載予定の犯罪被害者支援に関する原稿を書いたので、推敲前であるが、今回から5回に亘りアップする。原稿の最終稿の前に、同職からのご意見をいただき、校正に反映させたいという狙いがある。ご意見は、コメント・DMでお願いしたい。


1 司法書士による民事手続に関する犯罪被害者支援
 昨今、司法書士の犯罪被害者支援への取組みが期待されてきたように感ずる。
 司法書士法上は検察庁に提出する書類作成業務が司法書士の業務と定められており(司法書士法3条1項4号)、総合法律支援法上も司法書士に総合法律支援法の基本理念ののっとり、総合法律支援の実施及び体制の整備のために必要な協力をするよう努める責務があると定められている(総合法律支援法10条)ことなどが、その期待の法的根拠となろう。なお、司法書士は裁判員になることができず(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律15条1項)、検察審査員にもなることができない(検察審査会法6条13号)ことも司法書士が犯罪事件に関与すべきであることを裏付けていると考えることができるだろう。
 そのような期待を受けてか、犯罪被害者支援に関する専門委員会等を設置する司法書士会も徐々にではあるが増えてきたようだ。平成23年度より日司連においても、犯罪被害者支援に関する専門委員会が設置されたとのことである。
 犯罪被害に関する相談を受託する司法書士も徐々に増えてきた。
 しかし、今のところ、多くの司法書士にとって、司法書士が犯罪被害に取り組むイメージが湧きづらいのではないかとも思われるところである。
 司法書士が犯罪被害への関与の在り方を大まかに分類すると、犯罪被害者の精神的側面への支援、犯罪被害に関する刑事事件そのものへの関与、犯罪被害者の加害者に対する慰謝料請求等の民事事件としての関与、の3つが考えられる。
 そこで、これらの3つの関与の在り方をそれぞれ具体的に紹介することによって、多くの司法書士が犯罪被害者支援に関心を持っていただくことになるのではないかと思われる。
本特集においては、犯罪被害者の精神的側面への支援、刑事事件そのものへの関与は別稿で紹介されることとなっているので、本稿では犯罪被害者の加害者に対する慰謝料請求等の民事事件として司法書士が裁判書類作成関係業務として関与することが可能な損害賠償命令申立制度の概要について述べた後、筆者が実際に受任した事案を基に損害賠償命令申立ての実務例を紹介し、その事案に照らし、いくつかの検討課題を示すことによって、今後の司法書士の犯罪被害者の加害者に対する慰謝料請求等の民事事件への関与の在り方を考えてみたい。

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プロフィール

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