全青司「民法(債権法)を考えるシンポジウム」開催

 平成23年4月24日(日)13時から15時45分まで、愛知県司法書士会において、全青司主催で「民法(債権法)を考えるシンポジウム」が開催されたので参加した。

 講師は、法務省経済関係民刑基本法整備推進本部参与 内田貴氏、法務省民事局参事官 筒井健夫氏である。

 以下、講義内容の抜粋である。
 ・中間的な論点整理の公表及びパブリックコメントの開始は、震災の影響により、現時点では未定。GW明けの状況を見ながら、それらの時期を決定したい。
 ・見直しの観点は、社会経済の変化への対応並びに判例法理の明文化及び不明確な規定の見直し、としている。
 ・中間的な論点整理の後に中間試案を作成予定。それぞれにパブリックコメントを付す予定。
 ・中間的な論点整理、中間試案、最終試案の3段階での議論をすることを検討している。
 ・中間的な論点整理に関するパブリックコメントは改正論点の範囲の確認、現時点での議論の到達点(問題意識)の共有に関して意見募集することが目的である。
 ・中間的な論点整理とともに、補足説明も公表するが、論点の詳しい説明は部会資料(詳細版)を引用するにとどめ、議事の概況等を述べることを予定している。
 ・中間的な論点整理の範囲の整理及び確認が目的であるので、論点の内容に関する意見はパブリックコメントの主たる目的ではない。中間試案に向けて議論を進めるに当たっての留意点などについての意見をいただくことを期待している。
 ・改正の具体的視点としては、1 判例法理(裁判実務)の明文化とその目的、2 制度の現代化とその背景、3 法発展に伴う整備、の大きく分けると3つが挙げられる。
 ・債権譲渡は有事に利用されるだけでなく、平時の資金調達のための制度としても利用されることが多くなったといえるので、サイレント型を利用しやすい第三者対抗要件備えた制度を整備する必要性が高い。
 ・保証制度については、個別事例としては無効にすべきような事案もありうると思われるが、一般法たる民法においては、さらに広い視点から検討すべきであり、経営者保証などのように合理的と思われる保証の利用方法もあることも念頭に置かなければならない。親が子の保証人となる場合、保証が廃止されたとしたら、親が子に、子が借りようとしていた金銭を交付することしかなくなるおそれがある。保証被害対策については、特別法による手当も視野に入れるべきではないか。

 以下、次のような質疑応答があった。
 ・判例法理の明文化について実務上の弊害のおそれについて、どのように考えるか。
  ⇒ 実務上弊害のないよう表現に留意しつつ検討し、弊害のおそれが高いと判断される場合には明文化しないこともありうつ。
 ・法制審の委員・幹事の補充はあるのか。
  ⇒ 増員は困難な状況
 ・中間試案の段取りはどのようになっているのか。
  ⇒ 日程は未定。
 ・危険負担を廃止し、解除に一元化すると、意思表示を要することは負担とならないか。
  ⇒ たしかに負担となるおそれがある。今後引き続き、場合分けして検討する予定である。
   (限界事例を保護する別の手当をするべきか、解除一元化を避けるべきか、など)
 ・時効期間の短期化について、3年から5年の根拠はなにか。
  ⇒ 学者グループの案としては現民法の短期消滅時効期間を踏まえての案であると思われる。
 ・国民に分かりやすい民法を理念に掲げる意味があるのか。
  ⇒ いくら分かりやすく書く努力をしても民法はどっちみちわからないだろうといのは、法律家の思い上がりではないだろうか。法律家の協力を得ながら、国民に分かりやすい民法を目指していくべきだろう。
 ・時効期間が変更になるとしたら、混乱は生じないか。
  ⇒ 経過措置で慎重に対応する。
 ・主観的起算点の弊害について、どのように考えるか。
  ⇒ 起算点と時効期間との組み合わせによって、弊害が生じないような時効制度および特例等を検討していきたい。
 ・抵当権付債権が時効になった場合に、時効の効果を抗弁にすると弊害は生じないか。
  ⇒ 仮に抗弁説を採用した場合、このようなケースでは、特則によって処理することが考えられる。




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プロフィール

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(平成26年5月に事務所移転しました。)

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