スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

消費者シンポジウム「くらしやすい社会の実現をめざして!『集団的消費者被害救済制度』を実現させましょう!」

 平成23年3月10日(木)13時30分から16時まで、東京・主婦会館において、全国消費者団体連絡会、埼玉消費者被害をなくす会、主婦連合会、消費者機構日本、(社)全国消費生活相談員協会、(財)日本消費者協会、(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会、日本生活協同組合連合会の主催で、消費者シンポジウム「くらしやすい社会の実現をめざして!『集団的消費者被害救済制度』を実現させましょう!」が開催されたので参加した。
 当日は、司法書士・弁護士などの法律専門職能のほか、消費者の方々も含めて、およそ130名以上が参加した。
集団的消費者被害救済制度については、少額同種の被害が多発するという消費者被害では、費用及び労力との見合いから、個々の消費者が自ら訴えを提起して被害回復を図ることを断念しがちであることを踏まえ、消費者庁において、このような消費者被害を回復するための制度の検討が行われているところであり、平成23年8月には、消費者庁からは、制度の在り方に関するとりまとめがなされる予定である。
 そのような状況を踏まえ、今回のシンポジウムでは、集団的消費者被害救済制度がどのように消費者被害救済に資することになるのか、わかりやすく解説することを目的に開催されたものである。
当日の次第および概要は次のとおり。

【消費者被害笑百科】
 コープとうきょう組合員の方々による寸劇を交えながら、どのような消費者被害救済に集団的消費者被害救済制度が影響を及ぼすのか、わかりやすく解説がなされた。

【行政からの報告】
 消費者庁企画課企画官加納克利氏より、消費者委員会の下に設けられた「集団的消費者被害制度専門調査会」の検討内容や今後のスケジュールについての報告がなされた。

【特別報告】
 主婦連合会参与の清水鳩子氏より、「ヤミ協定・灯油裁判」を題材に、集団的消費者被害救済制度の必要性と同制度の活用されるものにするためには、法律専門職能・消費者・消費者団体などが連携をしていくことが重要であるとの示唆もなされた。

【パネル・ディスカッション】
 コーディネーター:明治大学教協政策大学院教授・消費者機構日本会長、青山佾氏
 パネラー:弁護士、野々山宏氏
      ㈳全国消費生活相談員協会、丹野美恵子氏
      ㈳日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会、唯根妙子氏

  各パネラーの発言およびレジュメから、以下抜粋して引用する。
《唯根妙子氏》
「どうして制度が必要なのか」
 消費者被害は少額で多数の人が巻き込まれます。その中でも、情報も知識も交渉力もない若者や高齢者、障害者が悪質な事業者にだまされるような被害は、たとえ事業者が摘発されたとしても救済されず多くが泣き寝入りになります。
 たとえば、若者が被害に遭うキャッチセールスでの宝石や化粧品の高額品や、高齢者が巻き込まれる健康食品や老人ホーム入所金などは、価格が高額で不透明な契約で違約金も法外だったりしています。こういった被害救済が可能になりますし、輸入品などの偽装表示による被害も救済できたり、抑止できるのではないかと思います。
「こんな時に制度があったらよかったのに」
 最近のインターネットを利用した情報商材といわれるHP作成ソフトやギャンブルソフトの被害、海外宝くじの当選商法や、地デジ・火災報知器設置にからむ訪問業者の被害救済ができるのにと思います。又、携帯電話やプロバイダの通信契約と端末機器のセット販売などの問題も検討していけるのではないかと期待しています。

《丹野美恵子氏》
「どうして制度が必要なのか」
・消費生活センターでは、様々な消費者苦情を受けますが、大部分は契約トラブルであり、とくに少額多数被害と呼ばれるものが多数を占めます。
・消費生活センターでは、消費者の紛争について助言をし、案件によってはあっせんを行うなどして、消費者の被害回復のために尽力します。ただし、中には、消費生活センターには法的強制力がないこともありますが、①そもそも事業者が責任を認めない、②認めたとしても資力がない、③その上、零細な業者では連絡さえつかないなどの理由により、実際には被害回復ができないこともたくさんあります。
・被害回復に有効な方法として裁判がありますが、消費者にとって、裁判は時間、費用、立証責任等の観点から心理的にも実務的にも非常に敷居が高いものです。また裁判外紛争解決機関が複数設立され活用されていますが、紛争件数の多さから言えば、とても全部はフォローできないと思っております。
・このように消費者の少額被害が救済されていない現実を踏まえれば、当然に、集団的消費者被害救済制度が創設される必要があると思っております。
「こんなときに制度があったらよかったのに」
・この制度を作る中で、どのような消費者被害であれば救済できるのかという点は、これからきちんと検討する事柄だと思っています。
・全相協では、既に、専門学校の学費の返還について、また美容整形外科の解約料について、有料老人ホームの退去や死亡時の入居金の返還について、スポーツジムの会費の返還について、探偵契約のキャンセル時の返還金等について、不当条項の差止を行っています。これらは、条項を使うなとの差止や改善が行われても、あくまで「今後は使うな」ということに留まるので、差止の結果の公表後にも、消費者の方から「この業者の以前の契約ではお金が戻るんですか」と問い合わせがあります。その消費者の声に応えなくてはいけない、応えるためには、本制度が必要になると思っています。

《野々山宏氏》
 集団的消費者被害救済制度は、現在、①集合訴訟制度、②行政による経済的不利益賦課制度、③財産保全制度などのいくつかのパターンが構想されており、消費者被害の事案に応じで、これらのパターンを組み合わせて、被害救済にあたることが重要である。
 消費者個人が訴訟を起こすことは現実的には厳しいことが多いのであるが、このような制度の創設により、消費者被害が回復される可能性が高くなる。また、ひとりひとりの被害額が少額で救済が得られない場合でも、事業者に不当利得を吐き出させることにより、市場の公正化が進むと考えられる。
 とくに、①について、当事者適格(適格消費者団体?・被害者の会?)、対象事件(どこまで限定するか?)などについての検討が重ねられている。消費者側としては、できる限り、これらを広い範囲になるよう求めていくべきであろう。

              *

 わたしたち司法書士も、①集合訴訟制度、②行政による経済的不利益賦課制度、③財産保全制度などの様々な視点から集団的消費者被害のための制度を検討していく必要がある。かつ、これは喫緊の課題である。
 とくに、①集合訴訟制度については、個別の消費者が、集合訴訟の過程において、権利確定若しくは分配手続に関与することになる。わたしたち司法書士が、どのように、これら個別の消費者と集合訴訟手続とを繋ぐ懸け橋となっていくことができるのか、という視点からの研究を早急に進めていかなければならない。

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

赤松 茂

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。