民事訴訟法107条の送達

 悪質商法と思われる事案について、当該会社を被告として訴訟を提起したところ、訴状が送達されないという事態が生じた。
 本店所在地に送達すると、不在のため保管期間経過で郵便物が戻ってきてしまい、被告会社代表者の住所地に送達すると宛所訪ねあたらずで郵便物が戻ってきてしまう。
 これは現地調査か、と思われ、裁判所からもそのような促しがあったのだが、基本的に、このようなケースでは極力現地調査は避けたいと考えている。
 被告会社のある東京には通勤といってもよいほど頻繁に行っているので、私の場合、調査することは比較的困難ではないのだが、これを始めると、本店所在地がさらに遠い場所にある他の事案も同様の扱いをしなければならなくなるおそれがあるし、何より全国的に考えると、さらに地方の悪質商法被害者も同様の調査を求めらることも想定しうることになるからである。
 本店所在地が宛所訪ねあたらずであれば、ともかく、保管期間経過であれば、意図的に郵便物を受領しないことは明白だ。そのため、何とか、現地調査せずに、民事訴訟法107条に規定される書留郵便等に付する送達が発動されないものか思案していた。
 代表者の旧住所も調査してみたが、そもそも代表者は登記簿上の住所地に住民票を置いていないことも判明した。(会社の登記の際に住所の記載された印鑑証明書を添付するはずなのだが…)

 どのように送達に関する手続を進めようか思案し、ダメもとで被告会社に電話してみると、何と従業員が電話に出た。そこで、郵便物の送達はどこに送付すればよいか単刀直入に尋ねると、登記簿上の本店所在地に送ればよいとの返事を得ることができた。

 被告会社自らがそういうので、再度訴状の送達を試みていただくとともに、それも保管期間経過であれば、これで民事訴訟法107条の送達がなされるはずである。

 送達に関しては、運用・解釈でなされる部分も多いが、悪質商法を営む会社の逃げ得は許すわけにいかない。
 これを機会に少し研究してみたいと思う。

 
 

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