民事紛争における司法書士の果たすべき役割その1

 民事紛争における司法書士の果たすべき役割について文章をかいたので、4回にわたりアップすることとする。なお、本稿は、さらに推敲したものが月報司法書士2月号に掲載される予定である。

 1 はじめに
 司法書士が簡裁訴訟代理関係業務を行うようになり7年が経過し、その業務も定着しつつあるようにみえる。司法統計の司法書士関与率からも明らかのように、簡裁訴訟代理関係業務が司法書士の業務に大きな影響を与えたことは間違いない。
 しかしながら、その関与の在り方には大きな偏りがあるのではないか、との指摘も寄せられているところである。
 簡裁訴訟代理関係業務が、このような偏りを見せながら定着しようとしつつある今こそ、従来の業務との比較、そして、これからの業務の在り方について再考すべき時期ではないだろうか。
 このように考えていた折、東京大学出版会から「現代日本の紛争処理と民事司法」全3巻が刊行された。1巻では「法意識と紛争行動」というサブテーマで、とくに法意識や問題経験と紛争行動について論ぜられており、2巻では「トラブル経験と相談行動」というサブテーマで、とくにトラブルから相談への経過や法専門職の関与について論ぜられており、3巻では「裁判経験と訴訟行動」というサブテーマで、訴訟当事者の社会的属性、利用者の期待と評価、民事訴訟における和解について論ぜられている。このうち、とくに2巻では、大阪大学准教授の仁木恒夫氏の『司法書士の紛争処理機能』という論文(以下「仁木論文」という)が掲載されており、その内容は司法書士の紛争処理機能を理念と実践との両面から考察したものであり、司法書士にとって、非常に示唆に富む内容となっている。
 筆者が、この仁木論文に触れ、司法書士としての民事紛争への関与の在り方を文章にまとめたいという思いを強くしていたところ、幸いにも月報発行委員会の委員として、「現代日本の紛争処理と民事司法」に関する論考を寄稿する機会に恵まれた。
 そこで本稿では、仁木論文を手がかりに簡裁訴訟代理関係業務を行うようになった前後の民事紛争における司法書士の役割の変遷を振り返った後、現状における司法書士の紛争処理機関としての機能を確認し、さらに、それらを踏まえ、今後の民事紛争における司法書士の果たすべき役割について考えてみたい。









コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

カテゴリ