静岡県司法書士会「労働トラブル110番」開催

 平成22年11月23日(火)10時から17時まで、静岡県司法書士会において、「労働トラブル110番」が開催されたので、相談事業部長として参加した。
 今回のサブテーマは、「有期契約社員の保護」である。相談員として、司法書士10名以上が参加した。
 開催趣旨は、次のとおり。実行委員長の趣旨文から抜粋する。
 「経済的不況に伴う雇用情勢の悪化、及び日雇い派遣や偽装請負といった社会的問題を受けての派遣労働者保護の機運の高まりから、平成16年の改正労働基準法施行以降の長期的傾向として、正規雇用のアルバイト・パート・契約社員といった有期雇用への転換・代替が進んでいるのが現状です。
 パート・アルバイト、契約社員といった有期雇用は法による保護が不十分であることから、近年、民事紛争件数も増加傾向にあります。有期雇用における労働環境が劣悪かつ低待遇であることも多い上、労働条件切り下げが即、生計を断たれることにつながるため、ひとたび民事紛争となった場合、深刻化しやすい傾向にあります。

 一方、平成16年施行の改正労働基準法については施行後一定期間をおいて見直すこととされており、本年、厚生労働省内に「有期労働契約研究会」が発足し、同研究会内での検討の末、本年9月に「有期労働契約研究会報告書」として、有期労働契約に関するルールの方向性が提示されました。ところが、提示論点には全て、「課題等」といった形で雇用者側の反論が付されており、改正等の方向性については、決して予断を許さない状況となっています。

 静岡県司法書士会においても平成17年以降、毎年11月に労働トラブル110番を開催して、多くの労働者から相談を承っておりますが、内容としては情報収集・問題解決能力の高い正規労働者(正社員)からの相談が多く、パート・アルバイト、契約社員といった有期雇用者からの相談件数は、まだまだ少ないのが現状です。
しかしながら、労働トラブルに関する紛争の解決にあたっては、事前の相談及び事前の証拠収集が極めて重要であり、そのことは、法による労働者保護が不十分であり、雇用者側にコンプライアンス意識の低い有期雇用にこそあてはまるものです。また、有期雇用の場合、紛争の価額そのものは少額となることが多く、費用対効果の点で、司法書士による紛争解決機能も十分期待できるところです。

 そこで、本110番においては、未払賃金、残業、解雇・雇止めの問題をはじめ、その他労働トラブル全般にわたり幅広く相談に応じ、特に劣悪な労働環境で働く労働者を救済するとともに、違法な労働実態を広く社会に喚起し、職場環境の改善、労使間の権利意識の向上に寄与したいと考えております。」

 なお、労働トラブル110番に寄せられる相談について、経済的利益が140万円以内の紛争は法律相談を行い、超えるものについては裁判書類作成関係業務を前提とした相談を行っている。

 当日は、20件前後の相談が寄せられ、正規非正規を問わず、解雇、退職勧奨やいじめ、使用者側による賃金搾取等、深刻な相談内容が多く寄せられた。
 寄せられた相談について個別適切に対応することは当然、さらに事例を分析し、問題点を共有することで、司法書士全体のスキルアップにつなげていきたい。

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