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静岡県司法書士会「消費者問題シリーズ研修会」第2回開催報告

 平成22年11月18日(木)13時30分から16時30分まで、静岡県司法書士会において、消費者問題シリーズ研修会が開催されたので、相談事業部長として参加した。
 この消費者問題シリーズは、行政機関等の相談員向けに定期的に開催しているものであり、先月に続き本年度2回目の開催である。今回も35名以上の方々にご参加いただいた。
 今回の研修テーマは、「貸金業者の過剰与信防止義務と返済能力調査義務」、「クレジット事業者の過剰与信防止義務と調査記録作成義務」とし、前者を第1講として司法書士の中里功氏、後者を第2講として司法書士の宮内豊文氏が講師を務めた。
 これらテーマ選定の趣旨は、次のとおりである。(研修会案内文から抜粋)
「平成18年12月に成立した改正貸金業法は、深刻化する多重債務問題を解決するため、貸付の上限金利の引下げ、貸付残高の総量規制の導入等を行いました。改正貸金業法は、段階的に施行され、最終施行となった過剰与信防止のための総量規制も本年6月18日から施行されています。
 一方、クレジットに関して規定する割賦販売法は、特定商取引法と同時に改正され、平成20年6月に成立しました。改正された割賦販売法においては、いわゆる次々販売などに対処するため過剰与信の防止として支払可能見込額調査義務が規定され、この実効性を確保するため、支払可能見込額の調査記録を作成して保存するように規定しました。割賦販売法の過剰与信防止義務(支払可能見込額調査に関する規定)については、本年12月頃施行されると考えられます。
 貸金業法・割賦販売法それぞれの法律について定められた過剰与信防止義務ですが、その定め方は、それぞれ異なりますので、本研修において確認いただき、今後の相談業務に役立てていただければと思います。」

               *

 貸金業法に基づく総量規制は、銀行や販売信用業者は含まれない点に留意しなければならない。
 つい先日も、ある銀行が、ある貸金業者を保証会社として、貸金業者の総量規制に抵触する資金需要者に対しての融資を積極的に行っていくという方針が報道されたばかりだ。
 今後、銀行からの借入れが多重債務の要因となることが懸念される。とくに、このようなケースでは、保証会社となった貸金業者が自らの加盟する信用情報機関(JICC)からデータを取得し、保証の適否を決するものと推測されるが、当該銀行への返済が滞ると、保証会社が代位弁済し、結局は、貸金業者が代位弁済した保証債務を資金需要者に対して求償することになる。これは、貸金業法の総量規制の潜脱になるのではないかとの危惧も生じるところである。
 一方、販売信用業者には、貸金業の総量規制とは全く異なるスキームで、別個に割賦販売法において過剰与信防止義務が課せられており、原則として年間の支払可能見込額を超える利用が禁止されている。生活維持費の算出など、非常に細かい計算が必要となる。その与信のために、販売信用業者にCICなどの指定信用情報機関のデータが利用される。指定信用情報機関と言っても、貸金業法の定める指定信用情報機関とは制度上異なるので、区別することが重要だ。

 貸金業法改正により、理論上、多重債務は生じない仕組みが確立された。しかしながら、銀行などからの借入れや販売信用業者などからのショッピングには規制が及ばないので、それら貸金業者以外からの債務による多重債務が社会問題化しかねない。
 今後、貸金業者の動向を注視するとともに、銀行や販売信用業者にも留意しておく必要があろう。


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赤松 茂

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

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(平成26年5月に事務所移転しました。)

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