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日本消費者法学会第3回大会

 平成22年11月7日(日)10時から17時30分まで、明治大学駿河台キャンパスリバティタワー1階リバティホールにおいて、日本消費者法学会第三回大会が開催されたので、会員として参加した。
 「集団的消費者被害救済制度の構築へ向けて」をテーマとして、シンポジウムが開催され、次のとおり報告がなされた。
 報告①「集団的消費者被害救済制度の展望と課題」慶応義塾大学教授 三木浩一氏
 報告②「集団的消費者被害の救済制度と民事実体法」慶応義塾大学教授 鹿野菜穂子氏
 報告③「集団的消費者被害の救済と手続法」北海道大学教授 町村泰貴氏
 報告④「消費者被害の回復―行政法の役割―」神戸大学教授 中川丈久氏
  ゲストスピーチ「ヨーロッパにおける集団的消費者被害救済制度の展開」
            ヨーロッパ大学研究所教授 ハンス・W・ミクリッツ氏
            ブレーメン大学名誉教授  ノルベルト・ライヒ氏
 報告⑤「集団的消費者被害救済制度に向けた実務からの提言」弁護士 大高友一氏
 報告⑥「適格消費者団体から見た現状の問題点と新制度への提言」消費者機構日本理事・事務局長 磯部浩一氏
  コメント:名古屋大学教授 千葉恵美子氏
  コメント:弁護士・消費者庁企画官 加納克利氏

 報告・コメントの後、それらを踏まえた質疑に応答する形でのディスカッションが展開された。

 報告によると、消費者被害を適切かつ効果的に救済するための新しい制度として、①民事訴訟制度の枠内での対応、②行政による経済的不利益賦課制度、③効果的な保全制度と破産手続の活用を挙げることができる。
 このうち、民事訴訟制度の枠内での対応として、集合訴訟制度が検討されている。消費者被害には、多数・同種の被害が頻発したり、反復されたりすることが多い点、事業者と消費者との間の情報・能力の非対称性が存在する点、被害額が少額である点などの特徴があるからである。
 この集合訴訟制度は、3つの類型に大別され、検討が進められている。
【オプトアウト型】
個々の消費者からの具体的な授権がなくても、同じクラスに属する者の権利が、そのクラスを代表する者により提起された訴訟において当然に対象となり、その判決等の効果を望まない消費者は、一定の時期までに離脱の手続をとる制度
  ⇒ 新しい立法が必要
【オプトイン型】
個々の消費者からの具体的な授権に基づき、ある者が、多数の消費者に属する多くの権利を束ねて行使する制度
  ⇒ 場合によっては、現民訴法の運用による対応も可能
【2段階型】
 業者の責任などの共通争点を第一段階で扱い、個々の消費者の損害などの個別争点を第二段階で扱う制度
  ⇒ 新しい立法が必要

               *

 司法書士実務では、消費者事件の紛争が、たとえ少額であっても個別に解決を図ることが原則であるので、今まで、私は、正直「集団的消費者被害救済」という視点で、紛争解決を考えたことがなかった。そのため、新しい制度スキームを多く知ることができ、非常に有意義なシンポジウムであった。
 

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赤松 茂

Author:赤松 茂
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(平成26年5月に事務所移転しました。)

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