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消費者問題シリーズ研修会開催報告

 平成22年10月21日(木)13時30分から16時30分まで、静岡県司法書士会において、多重債務問題対策委員会主催による「消費者問題シリーズ」研修会が開催された。この研修会は、行政機関等との相談担当者を対象に数年前から開催している継続研修会である。今回の参加者は27名ほどであった。
テーマは、労働問題である。
 多重債務相談を受けていると、多重債務に陥るきっかけは、給料の未払いであったり、不当な解雇であったりすることが多い。債務の整理を相談するだけでなく、それら背景に潜む紛争にまで目を向ける必要があるのではないか、というのが、今回の研修会のテーマ選定における問題意識である。
「賃金未払いに対する法的対応」として第1講を鈴木修司会員、「不当解雇に対する法的対応」として第2講を杉山圭会員が講師を務めた。
 以下、講義内容の概要を紹介する。

【賃金未払いに対する法的対応】
 賃金未払いの相談を受けるときのポイントは、次のとおりである。
① 労基法上の「労働者」であるかを確認する。該当しなければ、労基法24条をはじめ、労基法の保護を受けることができない。少なくとも裁判例で問題となったことのある「委託検診員」、「研修医」、「トラック運転手」、「一人親方大工」などの職種には十分な留意をしておかなければならない。
② 賃金未払いの理由が、会社の経営困難によるものなのか、労働者に対する損害賠償との相殺等の理由によるものなのか、経営者の意志による組織的なものなのか、早期に把握する必要がある。
③ サービス残業代の請求等では、特に消滅時効(賃金2年、退職金5年が各支払日から起算する)に留意する。受任後直ちに時効中断措置をとる必要がある。

【不当解雇に対する法的対応】
 解雇にめぐる紛争は、即日解雇における解雇予告手当の請求だけではない。
 解雇予告手当は、あくまで手続上の問題であり、たとえ解雇が有効であったとしても、即日解雇であったときには、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない、というものである。
 したがって、この解雇予告手当の検討の前に、そもそも当該解雇が実態上有効であるか否かについて事情聴取する必要がある。
 当該解雇が、懲戒解雇か、整理解雇か、普通解雇か、もしくは、退職勧奨なのか等によって、要件やその後執るべき手続も大きく異なってくるのである。
 解雇の実態上の紛争になると、労働者の地位確認という請求の立て方も検討することもなるが、訴額算定不能として地裁案件となるため、司法書士の関与する紛争解決の方法が本人訴訟支援となることに十分留意し、相談者の訴訟遂行能力等を見極めることになる。
 また、一旦、離職すると、会社の資料を入手することは困難となることが通常であるため、紛争が顕在化していない段階で相談に訪れた場合には、出来る限り書面化された証拠を保全しておくよう助言しておくことも重要となる。
 相談者の意向によっては、労働審判の利用により、迅速な紛争解決手続を利用することも検討することができる。

               *

 例年行っている、この消費者問題シリーズも、典型的な消費者問題に限られず、消費者を取り巻く生活全般に関する問題への関与、といった具合に広がりをみせてきている。
すなわち、消費者からの相談を受ける司法書士には、より広範な法律問題に関する知識・スキルが求められている、ということである。
 消費者問題シリーズは、次回以降も、貸金業法・利息制限法改正の総括、物損交通事故トラブルの実務等、幅広いテーマを扱っていく予定である。
 行政等の相談担当者のほか、静岡県司法書士会会員の参加も受け付けているので、奮ってご参加いただきたい。

コメント

No title

相談担当者との研修という企画は良いですね。

岐阜では司法書士会と消費生活センター等の相談窓口との繋がりが薄い(個人的にもですが・・)のです。設立されたばかりの消費者ネット岐阜に世話人として参加したのも,ツナガリ,連携のきっかけとなればと思ってのことなので。

今後色々楽しい活動がしていければと思っていますが,どうなることやら。

静かなるドンも、いよいよ佳境に入ってきましたね!

静岡では行政担当者との研修会は、もう5,6年前から形を変えて実施しています。

行政機関等との連携は、相談者のトータルの生活再建を図る、という意味でも重要ですね!

岐阜では、消費者ネットの設立や被害者交流集会をきっかけに、行政との連携も深まりそうですね。
がんばってください~。

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プロフィール

赤松 茂

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

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(平成26年5月に事務所移転しました。)

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