静岡県司法書士会「債務整理事件の処理に関する規則」制定

 平成22年9月20日は、静岡県司法書士会において、臨時総会が開催されたので、常任理事として出席した。
議案は「債務整理事件の処理に関する規則」承認の件、である。議案提出担当として議案説明を行い、質疑応答の後、賛成多数で承認された。
 この規則の肝は、「受任時(全て、例外なし)」と「方針決定時(原則、例外あり)」の少なくとも2回、委任者と直接面談することにより、委任者の生活状況等をしっかりと把握して適切な債務整理事件の処理を行っていく、という点にある。
 債務整理事件は、当初の債務から、引き直し計算を行うことによって、債務が残ったり、逆に過払い債権を有することになったり、と受任後に大きく状況が変化することに特色がある。そのため、受任時はもちろん、引き直し計算後に確定的に方針を決定する際にも、面談を行うことを定めたものである。
 この規則には、継続的に委任者の状況を把握することにより、信頼関係を深めていこうというメッセージが込められている。

 ちなみに2回の面談を行うことを定めた規則は、司法書士会で全国初。

 この規則制定の過程で、静岡県司法書士会の会員の皆様から多数のご意見をいただき、様々な視点から多くのことを考えさせていただいた。規則制定にあたり、ご意見をいただいた会員の皆様に感謝申し上げたい。
 規則で定めたことは、いわば当たり前のことであるので、多くの会員は既に実施していることと思われるが、この規則制定をきっかけに、今まで以上に適切な債務整理事件の処理がなされることを切に期待する。


 参考までに、承認された規則を以下に掲げる。

 (目的)
第1条 この規則は、静岡県司法書士会(以下「本会」という。)の会員(以下「会員」という。)が行う債務整理事件に係る業務(相談業務を含む。以下同じ。)に関して会員が遵守しなければならない事項を定め、債務整理事件に係る業務の適正を図ることを目的とする。

(定義)
第2条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意味は、当該各号に定めるところによる。
(1)債務整理事件 金銭の貸付けを業とする者、立替払いを業とする者、信用供与を業とする者若しくはこれに類する者に対して債務を負担する者から受任する和解手続、過払金返還請求手続、特定調停申立手続、破産申立手続、民事再生申立手続又はこれに類する事件
(2)委任者 前号の事件について司法書士に委任をしようとする者又は委任をした者

(広告)
第3条 会員は、債務整理事件に関して、委任者に有利な結果を保証する内容の広告をしてはならない。

(偏った事件受任の禁止)
第4条 会員は、合理的な理由がないにもかかわらず、特定の相手方に対する債務整理事件についてのみ受任をし、又は受任をしないことをしてはならない。

(受任時の面談)
第5条 会員は、債務整理事件を受任するにあたっては、委任者又はその法定代理人と面談をしなければならない。

(報酬及び委任の範囲の説明等)
第6条 会員は、債務整理事件を受任するにあたっては、あらかじめ、委任者に対し、書面をもって、報酬額の算定の方法その他の報酬の基準を示さなければならない。
2 会員は、債務整理事件を受任するにあたっては、委任の範囲を記載した委任契約に関する書面を委任者に交付しなければならない。

(本人訴訟)
第7条 会員は、債務整理事件に係る業務の遂行にあたって裁判書類作成関係業務を行うときは、委任者に対して裁判書類作成関係業務と簡裁訴訟代理等関係業務との相違を十分に説明しなければならない。
2 会員は、債務整理事件に係る業務の遂行にあたって紛争の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超える事件に関して裁判書類作成関係業務を行うときは、委任者の実質的な代理人として業務をしてはならない。

(金銭の管理)
第8条 会員は、債務整理事件に係る業務の遂行にあたって委任者の金銭を管理するときは、自己及び他の委任者の金銭と明確に区分して管理しなければならない。
2 会員は、債務整理事件に係る業務の遂行にあたって、委任者又は第三者の名義の預貯金口座を利用する方法により、委任者の金銭を管理してはならない。

(方針決定時の面談)
第9条 会員は、債務整理事件の受任時に行われた面談において方針を決定した場合を除き、当該債務整理事件の方針を決定する時にも、委任者又はその法定代理人と面談をしなければならない。

(費用精算・書類の返還)
第10条 会員は、委任を受けた債務整理事件に係る業務の遂行が終了したときは、遅滞なく、委任者のために行った入出金の明細を明らかにして費用の精算をし、委任を受けた事務の処理の経過及び結果を委任者に報告しなければならない。
2 会員は、委任を受けた債務整理事件に係る業務の遂行が終了したときは、遅滞なく、委任者から預かった書類及び委任者のために取得若しくは作成した書類等を交付しなければならない。

(指針)
第11条 本会は、会員が行う債務整理事件処理に関する執務姿勢につき、理事会の承認を得て、指針を定めることができる。

附 則
1 この規則は平成22年11月1日から施行する。

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(平成26年5月に事務所移転しました。)

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