司法士に名称変更する理由

 司法書士の名称を「司法士」に変更しようと、あるところでは本格的に検討していると聞く。

 司法書士の業務が広範となり、もはや「司法書士」という名では体を表していないから、というのが、その主な理由のようだ。つまり、簡裁訴訟代理権が付与され、代理人としての業務も増えたので、代書屋を想起させる「書」はいらない、ということなのだろう。

 果たして、この理由は妥当なのだろうか。
 私には次の疑問がある。

1 簡裁訴訟代理権の実績がほんとうにあるのか?
  現在のような偏った実績では名称変更するだけの理由にならないのではないか。名称を変更するほどに実績があるというのであれば、広く一般民事事件等にも簡裁代理権を活用し、市民間紛争に関わっていかなければならないのではないか。まず、名が表すべき「体」を作ることが先決ではないか。

2 司法書士が「書」を捨てる意味をほんとうに考えているのか?
  司法書士の本来業務は、登記申請代理や裁判書類作成関係業務である。つまり、私たち司法書士は書くことありき、ではないのか。しかしながら、書くことが本来の業務であるはずなのに、(私を含めて)司法書士の文章は総じてうまくない。(これは資格試験に論文がないことも影響しているだろう。)
 このまま「司法士」に名称変更すると、司法書士は文章がへただから、「書」を捨てた、と揶揄されることになるのではないか。登記申請の書式をマスターするだけでなく、まず、論理的文章のトレーニングをすることが先決ではないか。

 これらの疑問があり、私には、司法書士の名称を変更するだけの理由があるとは到底思われないのである。



 本日は、辛口エッセイ風。
 お断りしておくが、司法書士にも文章が上手い方は多数おられる。
 上記の司法書士の文章に対する認識は私の主観的なものである。




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