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約款

 約款に関する規定を民法に導入するか否かが、現在、法制審議会民法(債権関係)部会で検討されている。約款の検討資料は、すでに公開もされているところである。
 http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900017.html
 具体的には、①約款の定義を置くことについて、②約款を契約内容とするための要件について、が資料上検討されている。
 約款制度そのものは現代社会において非常に重要な位置づけを占めているが、その定義が曖昧であった。そこで、今回の改正では、約款の定義を設けることが検討されているのだが、仮に定義を「多数の契約に用いるためにあらかじめ定式化された契約条項の総体」とした場合、労働者と使用者との間の就業規則もこれに含まれる可能性もある。約款の規定と労働契約法などが定める就業規則の規定とは相いれない部分も多いため、就業規則と約款を混同することは好ましくないだろう。
 また、約款は、鉄道・バス・航空機等の運送約款、銀行取引約款等、現代社会の多くの取引に利用されており、迅速な取引の実現に寄与しているものの、その内容を相手方が知る機会がないまま、契約が締結されているという問題もある。そこで、今回の改正では、約款を組み入れるための要件も検討されている。すなわち、約款は相手方に開示されることが原則とのルールである。

 しかし、司法書士である私でさえ、つい先ほども「iTunes」の利用規約を読まないまま、同意ボタンを押してしまったほどであるのだから、「開示」自体にいかほどの意味があるのだろうか、と疑問を感じないわけでもない。実際に、約款を読んでから、契約を締結するというのでは、迅速な取引が実現されないだろう。
 すなわち、約款の問題は、迅速な取引を実現するために、万が一、紛争が生じた場合の特約成立のイニシアチブを売主・買主のいずれに与えるか、という問題に置き換えることもできよう。
 
 買主が約款を読む機会があっても、迅速性を重視し、ほとんど読まないで、契約してしまうことは、非常に多いのであるから、そのような事情を考慮し、買主が合理的に予測することのできない内容の条項(不意打ち条項)は、そもそも契約の内容とすべきではないと考えるのだが、いかがだろうか。




 

 

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(平成26年5月に事務所移転しました。)

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