民法(債権関係)改正・・・契約の成立

 民法(債権関係)改正では、契約の成立につき、「承諾」を現民法の発信主義から、到達主義に変更することが検討されそうだ。
 これにより、現民法において、522条2項と526条の解釈が難しかった部分がすっきり理解できることになる。
 ただし、クーリングオフについては、特別法で、発信主義が維持される必要があろう。

 しかしながら、その他の改正検討部分で、実務上、とくに契約書作成の段階で問題となりそうな部分もある。
 具体的には、大筋合意ができているものの、細かい部分(たとえば、専属管轄の問題)などの合意ができていないケースを想定して、以下の3つを比較していただきたい。

「ミラーイメージ」
契約の成立に際して申込みと承諾の厳格一致を求める規律である。
現民法528条が採用している。
すなわち、申込みに変更を加えた承諾は、申込みの拒絶とともに新たな申込みとなる。
→ さらに承諾がされる必要があるため、契約の成立時期が遅れる、もしくは成立しない。

「ラストショットルール」
申込みと承諾の内容が異なる場合に、最後に送付した内容が契約内容となる。
ウィーン売買条約が採用している。
→ 迅速に契約が成立するが、合意内容の争いが生じるおそれもあるといえる。

「ノックアウトルール」
申込みと承諾の内容が異なる場合に、変更がなされた部分を除いた内容で契約が成立する。
基本方針、ユニドロア商事契約原則で採用されている。
変更がなされた部分は、何の合意もないことになる!
→ 果たして妥当か?

 上記の例で、現行のように、専属管轄の定めをしておかなければ契約を成立させたくない、と考えるのであれば、ノックアウトルールが採用された場合においては、承諾の意思表示の際に、その旨を明記しておく必要がある。

 そうしなければ、専属管轄の定めなし、管轄は民事訴訟法の原則どおりという結果になってしまうので、契約書作成に携わる企業法務担当者などは、留意が必要である。

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