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違法な労働者派遣をどう解するか?

 違法な労働者派遣について考えるには、次のいくつかの条文を押さえておく必要がある。

【職業安定法 4条6項】
 この法律において「労働者供給」とは、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律第2条第1号に規定する労働者派遣に該当するものを含まないものとする。

【労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律第2条第1号】
 労働者派遣 自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする。

 すなわち、違法な労働者派遣は、後者の定義に該当して労働者派遣法の規定に服するのか、後者の定義には該当しないものとして前者に該当し、職業安定法の規定に服するのか、という問題である。
 具体的には、前者の場合、職業安定法第44条において労働者供給事業は禁止されており、供給者および供給先のいずれにも罰則があり、労働関係の民主化と中間搾取の防止という立法趣旨から、この規定に反することは、私法上も強度の違法性が強いと考えられ、一方、後者の場合、派遣元には一定の罰則が用意されているものの、派遣先に対しては何の罰則もない、という違いが生じる。

 この点につき、判例は、松下PDP事件・大坂高判H20・4・25において、違法な労働者派遣を「脱法的な労働者供給契約として、職業安定法44条及び中間搾取を禁じた労働基準法6条に違反し、強度の違法性を有し、公の秩序に反するものとして民法90条により無効」と判示し、違法な労働者派遣が職業安定法違反になるとの見解を示していたところであるが、同事件の上告審である松下PDP事件・最判H21・12・18では、違法な労働者派遣であっても、「注文者と労働者との間に雇用契約が締結されていないのであれば、・・・労働者派遣法2条1号にいう労働者派遣に該当すると解すべきである。そして、このような労働者派遣も、それが労働者派遣である以上は、職業安定法4条6項にいう労働者供給に該当する余地はないものというべきである。」と判示し、違法な労働者派遣は労働者派遣法違反になるに過ぎないと、その見解を変更した。
 このような考えに対しては批判も多い。

 労働者派遣法の改正を控え、このような問題もある、ということも認識しておくべきであろう。





 

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