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紛争当事者からみた訴訟提起の意義

 以前、個人間の貸金請求の訴状作成を依頼されたことがある。
 請求額が200万円ほどであったので、書類作成業務という本人訴訟支援で関与した。

 しかし、上記の一文には語弊があるかもしれない。
 たとえ、請求額が100万円(すなわち、簡裁訴訟代理権の範囲内)であったとしても、書類作成業務という本人訴訟支援で関与することは十二分にありうるからだ。
 代理権がないから書類作成、というのではない。
 そもそも、紛争当事者が書類作成を希望している事案も数多くあるのだ。

 さて、依頼を受けた事案の話に戻ろう。
 貸金の相手方は、相談者の友人であり、10年近く前に、相談者に窮状をうったえ、それに同情した相談者から200万円を借りたとのことである。
 以降、返す返すといいながら、10年が経過しようとしていた。
 そのため、相談者は時効中断の措置として、訴訟提起をすることを決意したのである。
 相談に見えたのが時効完成の3週間前、訴えを提起したのは時効完成の2週間前だった。

 そして、期日の指定を受けて、期日をまつばかりとなった。なお、被告となった貸金の相手方は九州に住んでいるので、静岡地裁沼津支部まで出頭する可能性は低く、欠席判決となるであろうとの見込みをたてていた。

 ところが、その数日後、相談者が事務所にいらしてこう言った。
 「訴訟を取下げてください。」
 すでに、時効期間は経過している。訴訟を取下げすると、今後、消滅時効の主張に対抗できなくなるということを改めて説明した。相談者は続けて言った。
 「訴状の届いた相手方から、連絡を頂いた。充分な謝罪の言葉と現在の窮状の説明があったので、自分も納得することができた。もう、この貸金を請求するつもりはないから、時効が成立しても構わないので、訴訟を取下げてもらいたい。」
 そこまで、理解しているのであれば、何も言うことはない。
 即日、取下書を作成した。

 近時、紛争当事者が、紛争解決に納得するための、「紛争解決機関」が話題になることがある。
 しかし、本来、白黒を判断する「裁判所」の手続を利用しても、本事案のように紛争当事者が心の底から納得することも当然ありうる。
 大事なのものは、紛争解決機関の内容だけではなく、紛争解決機関をどう使うか、ということなのだろう。






 

コメント

No title

こんにちは。いつもお世話になっております。
本日の話題、全く同感です。問題を抱えている方にとってどのような方法が一番良いのか?本人が納得する方法はどれか?
私たち司法書士は多くの選択肢を持っている必要があると考えています。その一つが訴訟であり、メディエーションなのだと。
そのいずれにも精通していたいと日々努力しているんですよね!!

スカイプ3者間ではTV会議不可でした(泣)

せきかわさん、レスありがとうございます!

多様な紛争解決機関を利用しつつも、目指すのは紛争当事者の満足であることに変わりはありません。

訴訟においても、本人訴訟支援という実績をもつ司法書士は、より紛争当事者の感情に配慮した形で、利用できるのではないかと思い、今回、ブログでアップさせていただきました。

ADRに熱心に取り組んでいらっしゃるせきかわさんから、共感いただき、とても嬉しいです。

訴訟も、メディエーションも、ともにスキルアップを目指していきましょう!!

誰のための解決か

赤松さん、こんにちは。
いつも積極的にいろいろな活動をなさっており、
頭が下がります。

今回の記事、とても考えさせられる記事ですね。
私も常に誰のための解決で、解決とはなんなのか
を考えながら活動をしています。
法律家にとっての解決と当事者にとっての解決は
違う場合があることを、きちんと認識しなくては
なりませんね。

今後もお互いがんばりましょう!
ADR研究会にもまた遊びに来てくださいね。

レスありがとうございます!

紛争当事者は、必ずしも法的解決を望んでいないこともありますよね。
とくに、本人訴訟支援に携わる司法書士は、そのことを忘れてはならないと私も思います~。

紛争の真の解決とは、という大命題を多角的な視点から、模索していきたいですね!

今後とも、いろいろな活動の連携をお願いいたします!!

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プロフィール

赤松 茂

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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