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民法改正の論点整理その25

 (瑕疵担保責任と債務不履行との関係)

 現民法における瑕疵担保責任は、その法的責任を法定責任説とする見解や契約責任説とする見解等、諸説の解釈が対立している状況にあるものの、判例は、一応、法定責任説を採用していると考えることもできる。
 法定責任説の一般的な考え方は、契約の目的物が特定物である場合、履行が完了した時点で債務不履行を問うことができず、目的物に瑕疵があったとき、買主が売主に責任を問うことができなくなってしまうという事態が生じかねない。そこで、法が特別に瑕疵担保に関する規定を定められたと解釈する。その結果、不特定物を契約の目的物としたときは債務不履行責任を問うべきであり、瑕疵担保責任の規定は適用されないということになる。
 一方、契約責任説の一般的な考え方は、目的物に瑕疵があれば、それは不完全履行であり、買主は売主に対して債務不履行の責任を問うことができ、瑕疵担保責任は、その債務不履行責任をもとに定められたと解釈する。その結果、目的物が不特定物・特定物であるとに限らず、瑕疵担保責任を問うことができることになる。

 このように諸説ある中、債権法改正の基本方針では、契約責任説の立場から瑕疵担保責任の規定が見直された。
 現代的取引は代替的特定物が主であるため、契約責任説を採用することとしたとの説明がなされている。
 現民法で規定されていた期間制限も廃止されたが、その代わり買主は瑕疵の通知を合理的な期間内に売主に通知しなければならず、通知をしなかったときは救済手段を利用できないとされた。
 また、明文をもって、代金減額請求が認められた。
 なお、特定物の現状による引渡しを定めた現民法483条の廃止も提案されているところである。

 契約責任説を採用することによって、瑕疵担保責任を問う際にも、債務不履行の一般原則をもとに請求することとなるが、そうすると債務不履行の一般原則による請求権と瑕疵担保責任において定められた請求権との関係について整理する必要が生じる。例えば、一般の追完請求と瑕疵担保責任の瑕疵のない物の履行請求、一般の解除・損害賠償請求と瑕疵担保責任の解除・損害賠償請求との関係である。
 ここの部分は、まさにゼロベースから実務上の問題点を洗い出していかなければならない箇所であるといえる。

 

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