民法改正の論点整理その17

(債務引受)

 現民法では、明文の規定はないが、判例において、併存的債務引受と免責的債務引受が認められているところである。とくに併存的債務引受は、その効果が保証と類似するので、代替的に利用される例も多いようだ。
 この論点につき、債権法改正の基本方針では、併存的債務引受を原則として、契約の成立を①債務者と債務者との間の合意、②債権者と引受人との合意、のいずれによっても成立するものとした。なお、債権者、債務者と引受人との三面契約による合意も有効である。
 また、この原則に対し、債権者と債務者との間の免除の合意がある場合、例外的に免責的債務引受となるとした。

 保証人保護の規定が導入されると、債権者の立場からは、保証を避け、類似の効果となる併存的債務引受契約を債務者と締結するか、引受人と締結するよう債務者に要求するといった事態も想定しうる。
 債権法改正の基本方針では、この危惧に対し、「債務引受の合意によって引受人の負う債務が債務者の負う債務を保証する目的のものであるときは、保証の規定が準用される。」として手当てをしているが、この規定振りでは、当該併存的債務引受が保証する目的であるとの立証が、その主張をする債務者もしくは引受人に課されるものになると思われる。そうすると、主張権者は、多くの負担が課せられ、現実には保護されないといったことになりかねない。
 保証の規定が適用される併存的債務引受の類型を明記するか、併存的債務引受の中で保証の規定が準用されない類型を逆に明記するか、いずれかの方法で明確に定めることが望ましいと考えるが、いかがだろうか。


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