民法改正の論点整理その6

(短期消滅時効の廃止と消滅時効制度の全般的な見直し)

 現民法には、数多くの短期消滅時効が規定されているが、その分類やそもそも短期消滅時効を設ける必要性に合理性がない等の批判がなされているところである。
(たとえば弁護士報酬と司法書士報酬の消滅時効期間も異なるようだ。そうなると、通常、いずれかの士業は不公平感をもつだろう。)

 そこで、今般の民法(債権関係)改正では、短期消滅時効を廃止し、時効期間の統一を図ることが検討されているようだ。
 時効期間は3年から5年の間とする提案がなされているが、起算点を主観的に変更することにより、実務上の弊害を生じさせない工夫をしている。

 また、時効障害についても、今までの「時効の中断」と「時効の停止」という2つの概念ではなく、①時効の更新、②時効の停止、③時効期間の満了の延期、という3つの概念を導入することが検討されている。時効の更新は、「時効の中断」に該当するものであり、時効期間の満了の延期は、「時効の停止」に該当するものといえる。今回、新たに導入が検討されているのが、時効の停止、であり、これは、時効障害事由が生じている間、時効期間を一旦停止させるものだ。
 たとえれば、①に該当する時効障害事由が生じるとストップウォッチがリセットされる、②に該当する障害事由が生じるとストップウォッチを止め、事由がなくなると止めた時点からストップウォッチが再開される、③に該当する障害事由が生じるとストップウォッチは止まらないものの時効完成というゴールラインをまたぐことはない、といった違いであろうか。

 消滅時効の主張は、多重債務事件でも重要な手続のうちの一つである。債権者の主観によって起算点がずれるとなると、債務者に弊害が生じないとも言い切れない。そのような視点から、この分野の検討を深めていく必要もあろう。



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