静岡県司法書士会「多重債務整理業務 初学者向事例検討会」開催報告

 平成21年11月20日(金)18時から20時まで、多重債務問題対策委員会主催で、「多重債務整理業務 初学者向事例検討会」が、東部・中部・西部の各会場で開催された。
 3会場で合計42名の申込みがあった。
 貸金業者の破綻、貸金業法の改正、等、多重債務整理業務を取り巻く環境は、激変しており、会員間において、多重債務整理相談の最先端の知識を共有する必要性がより高まっている。
 そのような現状認識のもと、平成21年8月23日及び同年9月6日に「多重債務整理業務 初学者向研修」を県内3会場にて開催したところ、多数の会員に参加していただいた。その際、今後、研修形式だけではなく、できれば事例を取り扱ってもらいたいとの要望があったことから、今般の事例検討会の開催へと繋がった次第である。
 事例検討会では、受講対象を①多重債務整理業務の経験が少ない会員、②多重債務整理業務について、日々生じている疑問等を議論したい会員、③今後多重債務整理業務に取り組みたいと考えている会員、とした。
 講義の内容は、担当講師が実際に経験した事例を題材とした多重債務整理業務に関する講義をした後、受講会員各自が普段の業務で感じている疑問等についてディスカッション形式で行われた。ディスカッションでは、初歩的な内容から難解な内容まで幅広く質問を受け付けることとした。

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 私は、東部の会場に参加したので、参考までに、その模様を報告する。
 東部の事例検討会は、多重債務問題対策委員会の杉山圭委員を講師とし、給料差押えを受けた後に訪れた相談者の破産事例を題材として講義が展開された。
 事例をもとに、検討課題として、①管轄(住民票地と居所が異なる場合の管轄の考え方)、②給料差押え(破産手続開始決定後の給料差押えされた額の返還方法)、③免責不許可事由(破産原因にギャンブルが含まれていたケースの考え方)、④非免責債権(破産債権に滞納税等が含まれていたケースの考え方)という論点が抽出され、具体的な説明が付け加えられた。
 その他の日々の業務の疑問点(破産申立後に取立てを辞めない個人債権者への対応、滞納税金と過払い金の関係等々)も挙げられた。
そのような前半の講義の後、受講会員から、それぞれ抱える事件等の疑問点(債権者一覧表の記載の仕方、破産案件の自動車の保有の可否、法律扶助の利用方法、等々)が挙げられ、ディスカッションがなされた。非常に活発に意見交換がなされ、今後の多重債務整理業務の糧となったことと思う。
多重債務整理相談はケースバイケースであり、書籍を読んだだけの知識では、個別の事例に臨機応変に対応できないこともあるので、今回のように会員相互間で意見交換をすることは、相談の質の向上のために、とても良いことであると感じた。

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 多重債務被害を取り巻く社会状況は、貸金業法の完全施行を控え、いよいよ詰めの局面を迎えようとしており、近々、総量規制の影響等により、多重債務相談が激増するおそれがある。そのようなときに、わたしたち司法書士がすべからく、相談の受け皿とならなければならない。
 そのためには、一部の司法書士のみが多重債務整理業務を行っているということでは十分ではない。
今回のような初学者向事例検討会を継続的に開催していき、司法書士全員が多重債務整理業務に精通する機会を増やしていきたいと考えている。
 会員各位におかれては、今後も同様の検討会等への積極的な参加をお願いしたい。



コメント

No title

はじめて、コメントに書き込みをさせて頂きます。
毎日、静岡県の司法書士の先生方のブログを、とても楽しみに拝見させて頂いている者です。
 今日のブログも、いつものように本当に勉強になりました。消費生活相談員として受ける多重債務相談も大変ですが、やりがいがあります。今後ともご指導の程お願い申し上げます。
 デザイン性にも富んだ貴ブログを、応援申し上げております。

コメントありがとうございます。

 消費生活相談員さん、いつも閲覧ありがとうございます。
 ブログの内容は、かなり固い内容であるにもかかわらず、一般の方もみていただいているとは感激です。
 ブログ更新の励みになります!
 司法書士以外を対象とした内容のものも随時アップしていきますので、今後とも、よろしくお願いします。

No title

当地で消費生活相談員として働けたなら、毎日、ハイテンションになりそうです(笑)
わくわくの連続でありそうです。
 明日の労働110番お疲れ様でございます。相談室に、労働相談はよくあります。この度もあったので、私の地元の単位会のそれをご紹介いたしました。
12/1の悪質商法被害110番も、相談室のカレンダーに記入いたしました。
 司法書士さんという職能の益々のご発展を心より応援申し上げます。

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(平成26年5月に事務所移転しました。)

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