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労働者派遣法改正に関する全青司意見書

 労働者派遣法改正に関し、全国青年司法書士協議会から、意見書がだされたので、引用する。


平成21年5月26日

労働者派遣法改正に対する意見書

全国青年司法書士協議会
会 長  小山田泰彦
東京都新宿区四谷1-2 伊藤ビル7F
TEL 03-3359-3513 FAX 03-3359-3527
E-mail:KYW04456@nifty.com
URL http://www.zssk.org/


 私たち全国青年司法書士協議会は、全国の青年司法書士約3,000名で構成する「市民の権利擁護及び法制度の発展に努め、もって社会正義の実現に寄与すること」を目的とする団体である。当協議会は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下「労働者派遣法」という)につき、次のとおり意見を述べる。

意見の趣旨
 労働者派遣法において、登録型派遣は禁止すべきである。


意見の理由
 近時の世界的な不況を受け、非正規社員を中心に労働者を削減する企業が後を絶たない。
とくに間接雇用である労働者派遣では、派遣先の業績悪化等に伴い、派遣元と派遣労働者との労働契約が終了するという、いわゆる「派遣切り」が相次ぎ、社会問題となった。
 このような状況を受け、当協議会では、平成21年2月15日(日)に「派遣労働者のための110番」を開催し、全国からの相談を受け付けたところ、僅か一日のみの開催であるにもかかわらず80件以上の電話相談が寄せられた。
 相談内容は、「派遣期間が残っているにもかかわらず、一方的に派遣労働契約を解除され、収入が断たれてしまった。貯えもほとんどないので、今後の生活ができない」という逼迫したものがほとんどであった。
このような相談内容の要因として、①賃金水準が総じて低いため、万一に備えた生活設計ができていないこと、②派遣元が急に派遣労働契約を終了させることが多いため、失業に備えた準備期間が不足すること、③雇用保険の失業給付を受けることができないケースが多いため、失職後、直ちに生活費の困窮という事態に陥ること、等が考えられる。
それら要因について分析をしたところ、登録型派遣に問題の根源があることが判明した。
すなわち、①については、そもそも派遣先と派遣元との間の労働者派遣契約が商取引であるため、派遣先は派遣代金の減額を要求するという構造になる。一方、顧客を失いたくない派遣元は、これを受け入れざるを得ないことが多いと考えられる。つまり、経済的優位の立場に立つ派遣先が、ほとんどの場合派遣代金を決定しているのである。労働者派遣契約は商取引であるので価格交渉が行われること自体は本来好ましいことである。ただし、労働者派遣においては、その減額分が派遣労働者の賃金の低下に直結することになる。すなわち、商取引の価格交渉の影響を派遣労働契約は直ちに受けるのである。特に派遣先と派遣元との間の労働者派遣契約が成立したときのみ、派遣元と派遣労働者との間の派遣労働契約も成立するという登録型派遣においては、この影響が一層顕著となる。
また、②については、登録型派遣は、派遣先と派遣元との間の労働者派遣契約が前提となるので、その前提となる労働者派遣契約が解除された以上、派遣元と派遣労働者との間の派遣労働契約が終了してもやむを得ないという考えにたった裁判例もあり、そのような見解を受け、派遣先が安易に労働者派遣契約を解除する傾向がみられるところである。その結果、派遣元が派遣労働者に補償をせずに、派遣労働者が、派遣先と派遣元との間の労働者派遣契約の解除により生じるリスクを被っているケースも散見されている。このように派遣労働者は、明日の生活の保障もないまま働き続けなければならなくなってしまっているのである。
さらに、③については、登録型派遣では派遣期間が短期間であることが多く、雇用保険の加入対象とならないケースもあり、また、仮に雇用保険の加入対象となっていたとしても、派遣元が雇用保険に加入していないケースが散見されるところである。その原因として、前述のとおり労働者派遣契約では価格ダンピングが生じているので、派遣元には社会保険料等のコストを抑えたいというインセンティブが強く働いているものと考えられる。このインセンティブは労働者派遣の構造に起因するものであり、雇用保険法の改正のみによって対処することは期待できない。
以上のように、労働者派遣の問題(派遣労働者の労働条件が一層悪化し、その地位も不安定であり、かつ、失業後の保護も不十分)は、登録型派遣において、特に顕著である。現にそれらを裏付ける実態が当協議会の開催した相談会に寄せられた相談内容によっても浮彫りとなっている。
このような登録型派遣の諸問題は労働者派遣の構造上の問題であるといえるため、登録型派遣の制度を廃止するほか、解決の道はないと考えられる。
 よって、労働者派遣における問題は他にも多数あると考えられるものの、今般審議されている労働者派遣法の改正では、少なくとも登録型派遣を一切禁止すべきである。
 なお、登録型派遣を禁止する際には、経過措置を設ける等により、既存の登録型派遣労働者への配慮をすることが好ましいと考える。

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(平成26年5月に事務所移転しました。)

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