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新型インフルエンザと旅行キャンセル料

 新型インフルエンザが猛威をふるっている。
 既に国内に蔓延しているとみることもできるので、もはや新型インフルエンザ発生国への渡航を止めるという理由も薄れてきたようにも感じられる。
 しかし、今までの過程で、直前に旅行をキャンセルし、キャンセル料の支払いについて、トラブルとなっているケースが散見されるようだ。

 問題点は、2段階に分けて考えることができる。

① キャンセル料を定めた約款が消費者契約法9条に抵触するのではないかという考え方。この点、内閣府国民生活局消費者企画課編「逐条解説消費者契約法(新版)」196ページで「(キャンセル料を定めた約款の)条項は、事業者に生じる平均的損害を超えているとはいえないので、無効とはならない」と解説されているところである。しかしながら、キャンセル料の条項が、直前のキャンセルにより生じた損害を超えているとはいえないという理由付けについては不明であるので、同条について直接有効性について司法判断を求める余地もあるものと考えられる。

② 約款のキャンセル料条項自体は消費者契約法9条に抵触しないものの、今回のように新型インフルエンザが世界的に発生し、合理的行動をとれば海外旅行等を自粛することが妥当であると思われる事態においては、一律に約款を適用することは妥当ではないという考え方。この考え方にたつと、新型インフルエンザの蔓延という事情変更により、約款の条項の効力を制限的に解すことになる。

 いずれの見解に立ったとしても、現行の解釈よりも、消費者に有利なものとなるが、現時点でこれら主張を旅行業者が任意に認めるとは思われないので、司法判断を得ることになろう。

 今回のように重大な社会現象の発生時に、キャンセル料リスクを消費者に負わせることは妥当ではない。これからも同様の事態が生じないとも限らないので、この機会に旅行業約款の見直しを図るべきである。



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プロフィール

Author:赤松 茂
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(平成26年5月に事務所移転しました。)

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