平成24年度近弁連消費者保護委員会夏季研修会受講

 平成24年8月25日(土)13時から17時まで、神戸において、平成24年度近弁連消費者保護委員会夏季研修会が開催され、受講した。
 本研修会は、原則として、近畿ブロックの弁護士のみしか受講できないものであるが、主催者の特別の計らいにより、受講させていただいたものである。およそ90名前後の参加があった。

 テーマは「保証被害の根絶をめざして~保証人紹介業、賃貸借保証、判例の動向、民法改正について~」であり、民法改正における保証についての議論状況を踏まえ、保証被害の実体及び対策、判例の到達点について研究することが目的である。
 資料は、基調講演のレジュメのほか、第1分冊(保証人紹介ビジネスに関して)、第2分冊(不動産賃貸借に関して)、第3分冊(保証をめぐる裁判例に関して)、第4分冊(資料編)という構成の膨大な資料が配布された。

 研修会の内容は、次のとおり。
1 基調講演
  山野目章夫教授(早稲田大学教授、法制審議会民法(債権関係)部会幹事)
2 実行委員会報告
  保証人紹介ビジネス被害、賃貸借保証被害、判例・制度の研究
3 パネルディスカッション
  コーディネーター:渡辺法之弁護士(大阪会)
  パネリスト   :山野目章夫教授
           鈴木嘉夫弁護士(大阪会)
           平泉憲一弁護士(大阪会)
           辰巳裕規弁護士(兵庫県会)
           小川顕彰弁護士(京都会)
 
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 本研修会では、家賃保証を含めた一定の個人保証廃止という趣旨の近弁連消費者保護委員会の保証制度に関する意見が報告されるとともに、保証貧紹介ビジネスなどに対応するために保証業法の立法をも提案されており、さらに保証人をつけることができずに困っている主債務者のために、保証制度を利用しなくてもすむ地域ぐるみでの取組みをしている伊賀市社協の活動の紹介もあり、非常に広範な視点から保証問題に取り組んでられると感じた。
 山野目教授からは、保証の論点は、民法(債権関係)改正に関し、唯一といってよい実務家からの提言があったことにより改正論点とされたものであるので、引き続き議論を深めていただきたい旨の激励もあった。
 司法書士としても、この論点にさらに積極的に取り組んでいきたい。



日司連民事法改正委員会「座談会」開催

 平成24年8月6日(月)は、10時から16時まで、日司連において、民事法改正員会を開催したので委員長として参加した。
 議案は、来年3月に開催予定の研修会の企画のほか、今年の10月には出版予定の民法(債権関係)改正に関する書籍執筆状況、法務省法制審議会民法(債権関係)部会に提出予定の保証や供託に関する意見書の内容協議などだ。
 これらのほか、当然、現在進行中の2読の議論について部会資料や議事録に基づいて、司法書士としての視点から意見形成のための協議がある。

 また、16時から20時まで、山野目章夫教授を迎えて、民法(債権関係)改正に関する座談会を行った。
 座談会で主に取り扱ったテーマは、登記分野では、危険の移転時期、登記申請権の債権者代位、不動産賃貸物件の将来債権譲渡、債権譲渡の第三者対抗要件、裁判分野では、意思能力、消滅時効、保証制度だ。
 この座談会の模様は、月報司法書士12月号に掲載される予定なので、会員の皆様は楽しみにしていただきたい。

 20時から22時までは、山野目章夫教授を囲んでの懇親会。
 司法書士に対する率直な意見、法制審議会の生の議論状況など、非常に参考になるご意見を数多くいただいた。

 なお、10時から22時まで委員会関連事業を行うといったハードスケジュールに文句も言わずにつきあってくださる委員の皆様には、ほんとうに感謝したい。
 

「簡裁代理権の範囲と本人訴訟支援」に関する研修会

 平成24年8月4日(土)10時から13時まで、千葉司法書士会において、「簡裁代理権の範囲と本人訴訟支援」に関する研修会に、日司連執務問題検討委員会委員として講師として伺った。
 参加者は50名ほどであった。

 昨今、司法書士の簡裁代理権の範囲を巡る紛争の中で、司法書士の本人訴訟への関わり方も問題視されることが多くなってきた。
 司法書士は、あくまで本人が主体となる本人訴訟に対して、裁判書類作成関係業務という業務の範囲内で紛争に関与するのであり、あたかも司法書士が主体となったかのような関わり方は、この業務の範囲を超えていると言わなければならない。
 事前交渉、訴訟提起の判断、訴状の内容、係属中の交渉、和解行為、など、実体上、司法書士が主体となって関与することはできないのであるが、無用な紛争を生じさせないためにも、客観的に疑わしいと思われる行為も慎んだ方がよいだろう。
 もちろんん、本人訴訟に関する裁判書類作成関係業務は、司法書士の根幹業務の一つであり、利用者のニーズの高い業務でもあるので、過度に委縮する必要はない。
 基本をおさえたうえで、積極的に受任していくべきである。

 ということを本人訴訟支援に関する部分では講義させていただいた。

 ところで、この本人訴訟支援に関する問題は、「弁護士業務と司法書士業務との相違」という問題に置き換えて語られることが多いようにも見えるが、本質は「代理業務と書類作成業務との相違」である。
 司法書士であっても簡裁事件であれば代理業務をすることができるのであるし、弁護士であってもあえて書類作成業務をするということも観念し得るのであるから、この問題を職域争いの問題としてはならない。
 本人訴訟支援の在り方という、まさに市民に関する問題なのである。

プロフィール

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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