法制審議会民法(債権関係)部会での日司連ヒアリング

 平成23年6月21日(火)に開催された法制審議会民法(債権関係)部会において、日司連がヒアリングを受けた。その際の資料が法務省HPにおいて、公表されている。

 http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900077.html


 日司連がヒアリングの際に述べた意見を大別すると、1 消費者問題(非対称性概念の導入、未成年者取消しにおける現状回復義務の見直し)、2 債権譲渡における第三者対抗要件の登記一元化、である。

 詳細は公表されている資料をご確認いただきたい。

 現在行われているヒアリング及びパブリックコメントが一段落した後、それらを踏まえ、2周目の検討である第2読会が開始される見込みである。

 

兵庫県司法書士会労働研修

 平成23年6月27日(月)18時から20時まで、兵庫県司法書士会において、労働研修が開催されたので、講師として登壇させていただいた。
 テーマは、「解雇事件における労働審判の活用について」である。
 労働審判制度が施行されて、5年が経過し、利用件数も順調に推移しているところである。
 この労働審判制度は、本人訴訟率が2割弱と公表されており、それら本人訴訟をいかに支援していくか、ということが司法書士の課題となっている。
 とくに、司法書士が解雇事件に関与するにあたっては、労働審判制度を使いこなすことができなければならない、と私は考えている。

 講義では、私が実際に関与した3つの事例を基にしながら、できる限り具体的な概要を紹介しつつ、労働審判申立て及び手続進行の際の留意点を解説させていただいた。

 労働審判制度は、施行当初は地裁の本庁のみでの運用であったが、昨年より、一部(福岡・東京)の地裁支部でも開始されており、ますます身近な制度となってきているし、災害対策の紛争解決の方法としても注目されているところなので、今後の利用件数は益々増加するだろう。

 ところで、司法書士が個別労使紛争に関与する際の大きな留意点として掲げておきたいのは、個別労使紛争は簡裁代理の範囲での対応が極めて困難となるケースが多い、ということだ。
 解雇事件などでは、労働者としての地位確認を求めることが多いのだから、受任当初から、本人訴訟支援として司法書士法3条5号業務として関与していく姿勢が求められる。
 本人訴訟支援の在り方についても再考していく時期に差し掛かっているように感じている。

全青司きょうと役員会2

 平成23年6月25日(土)13時から18時まで、26日(日)9時30分から13時まで、京都司法書士会において、全青司役員会が開催されたので、副会長として参加した。
 先月に続き、京都での開催である。
 日司連の総会が同月23日(木)24日(金)に同じく京都で開催されることになり、日司連総会に参加する全青司役員会も多いことから、急遽、全青司役員会も京都で開催されることになったものである。

 役員会での主な議題は次のとおりである。
1 民法(債権関係)改正のパブコメ内容の承認
2 東日本大震災災害対策
3 司法書士開業フォーラムの実施方法
4 会員向け広報の在り方

 役員会終了後、4日ぶりに自宅に戻るが、翌27日は、午後からまた関西へ向かわねばならない。
 神戸で、労働審判に関する講師をするためだ。

クレサラ実務研修会in京都2011

 平成23年6月25日(土)10時から、クレサラ実務研修会が京都で開催されたので、12時まで参加した。

 基調講演は、京都大学大学院法学研究科・法学部教授の潮見佳男氏が「民法債権法改正の動向と見直し」というテーマで行われた。
 法務省より示されている「中間的な論点整理」の各論点のうち、消費者に強く影響すると思われる論点を取り上げ、それに対する解説及び私見まで述べられ、非常に有益な内容であった。
 また、現在募集されているパブリックコメントの対応方法も助言いただいたので、この講演を契機に、多数の消費者・消費者団体などが民法(債権関係)改正に対する意見を述べていくことなるだろう。

 その後、日弁連の取り組みの紹介の後に、全青司の意見を発表させていただく機会をいただいた。
 静岡の榛葉司法書士が全青司を代表して発表した。
 榛葉司法書士の「個人保証廃止をしている先進国がないというのであれば、わたしたち日本が、その先駆けとなればよいのだ」という意見には、クレサラ運動に取り組む初心を思い出した。

 保証制度の見直しは、民法(債権関係)改正にとっても、クレサラ運動にとっても、今年が正念場となりそうだ。

 クレサラ実務研修は、ほとんど休憩もなしに夕方まで続くのだが、同日、午後から全青司役員会が同じく京都であるため、ここまで受講して会場を後にした。


日司連第74回定時総会【2日目】

【第2日目】
 日司連定時総会の質疑答弁は、テーマごとに行われる。
今年は、次のテーマが設けられた。
1 東日本大震災対応
2 司法書士法改正(法律相談等、簡裁等代理権、懲戒、法曹人口問題等)
3 司法書士制度(職責、倫理、懲戒、債務整理事件処理問題等、司法制度改革関連)
4 登記制度(新オンライン申請システム、不動産登記法改正、商業登記等)
5 民法改正
6 組織・財政改革(財政、会費、組織改革等)
7 事業Ⅰ(司法制度関連、司法過疎解消、ADR制度、成年後見、人権、社会活動、消費者問題等)
8 事業Ⅱ(研修、広報等)
9 その他

テーマ5の民法改正では、次のような質疑がなされた。
・日司連は、今後の民法改正への意見において、現状の保証被害の実態を踏まえた被害者救済の視点をどのように盛り込み、具体化させる方針であるか。(愛知・野崎代議員)
→ 保証被害の実態に鑑み、連帯保証の廃止を含み、重点的に意見を述べているところである。
・日司連は、債権譲渡の第三者対抗要件を登記制度に一元化し、登記制度の整備と併せて検討するよう述べられているが、法制審議会民法部会では時期尚早との反対意見も多い。この点について、日司連として、どのように対応していくつもりか。(静岡・山崎代議員)
 → 債権譲渡の第三者対抗要件の登記一元化に向けて、実績を踏まえて、具体的に対応していく所存である。

 総会開会中議案提出として、第2日目に次の議案及び修正動議が追加された。
・【組織員提案】詐害的会社分割を可能とする現行会社法を早期に改正するための具体的活動をする決議の承認
 → 行政・国会などに対し、詐害的会社分割を可能とする現行会社法を早期に改正するために具体的な活動をすることを決議することを求める。
・【組織員による修正動議】特別会費及びその関連事項に関して修正する動議
→ 特別会費の額を一人につき月額600円とし(同額の研修特別会費を廃止し、事実上振替える)、平成23年7月1日から期間を限定せずに徴収することを求める。

             *

各議案に関する討論を経た上での採決の結果は次のとおり。(議案の概要は「第一日目」および上記を参照いただきたい。)
・平成22年度一般会計および特別会計収支決算報告承認《可決》
・東日本大震災対策に関する債務負担行為承認および会則一部改正《債務負担行為及びそれに関する特別会計設置につき否決、1000円の特別会費につき否決》
・認証業務に関する会則一部改正《可決》
・綱紀委員会の名称変更に伴う会則一部改正《可決》
・組織・財政改革大綱承認《否決》
・平成23年度事業計画ならびに一般会計および特別会計収支予算(平成24年度暫定予算含む)決定〈否決された債務負担行為に関する特別会計に関する部分につき取下げ〉《可決された修正動議を除く部分につき可決》
・【組織員提案】「司法書士法改正大綱」一部改正承認《否決》
・【組織員提案】「外国人住民票検討委員会」設置《可決》
・【組織員提案】「懲戒処分及び注意勧告の公表並びに開示に関する規則」一部改正承認《否決》
・【組織員提案】「東日本大震災による被災者の支援に継続的に取り組むこと及び生活弱者の権利実現に努める決議」承認《可決》
・【組織員提案】詐害的会社分割を可能とする現行会社法を早期に改正するための具体的活動をする決議の承認《否決》
・【組織員による修正動議】東日本大震災に関する会則一部改正を修正する動議《否決》
・【組織員による修正動議】平成23年度事業計画決定を修正する動議《可決》
・【組織員による修正動議】特別会費及びその関連事項に関して修正する動議《否決》

 副会長選挙の結果、次の役員が選任された(敬称略)。
会 長  細田長司
副会長  今川嘉典
副会長  里村美喜夫
副会長  井上利博
副会長  早川敏夫
理 事  加藤政也
理 事  樋口威作夫
理 事  上本 博
理 事  立本宗一
理 事  岩野秀人
理 事  加藤憲一
理 事  安藤信明
理 事  長谷川清
理 事  小村 勝
理 事  芳賀 聡
理 事  和田博恭
理 事  早川清人
理 事  染矢弘芳
理 事  中  惠
理 事  関根和夫
理 事  宮崎康博
理 事  田川昭夫
理 事  峯田文雄
理 事  山本一宏  
理 事  櫻井 清
理 事  中村信二
理 事  坪田秀治
監 事  西村昭一
監 事  人見 一
監 事  木下伸二

          *

 本総会の議案の採決結果に基づき、日司連の新年度の事業が展開されることになるだろう。
 結果に対するコメントはあえてしない。

 ところで、日司連総会は既述のとおり代議員制だが、希望者は傍聴することも認められている。現に、多くの会員が傍聴されている。ただし、静岡会からは傍聴者がいなかったようだ。とくに、登録年数の浅い会員には積極的に傍聴することを勧めたい。平日の2日間を潰すことにはなるが、きっと、それに見合う以上の意義は見出すことができるだろう。




日司連第74回定時総会

 平成23年6月23日(木)24日(金)の2日間に亘り、国立京都国際会館において、日司連第74回定時総会が開催されたので、代議員として参加した。
 日司連は間接選挙制度を採用しており、各司法書士会の会員100名に1人の割合で代議員が選任されている。静岡県司法書士会では、平成23年4月1日現在446名の会員がいるので、会長1名と代議員5名(会長指名枠1名・立候補枠4名)で日司連総会に参加した。

【第1日目】
 定時総会は、9時30分から開催されたが、東日本大震災の影響により、開会セレモニーや表彰は省略され、司法書士倫理の朗読、開会挨拶の後、速やかに本会議に入った。
 本年は2年任期である日司連役員の改選の年であるので、まず、役員改選に関する議事に入った。日司連役員として、会長1名、副会長4名(会長指名枠1名・立候補枠3名)、理事22名(会長指名枠4名、立候補枠10名・プロック推薦8名)、監事3名が選任されることになるが、副会長が立候補枠3名に対し、4名の立候補があったので、副会長選が行われた。
 投票の後、昼食休憩を経て、役員改選以外の議案説明に入った。(なお、当選結果の公表は、第2日目の最後に行われる。)

 議案を大別すると次のとおりだ。
・平成22年度一般会計および特別会計収支決算報告承認(前提として平成22年度事業報告を踏まえる必要がある。)

・東日本大震災対策に関する債務負担行為承認および会則一部改正
 → 日司連が東日本大震災により司法書士業務に重大な支障をきたした会員を支援する被災会に対する資金援助のための財源として10億円を限度として借入れをし、および、その費用を管理するために新たに特別会計を設置することを求める。(被災会員の支援として、義援金、貸付、会費の免除があり、その一つ)
 → 市民救援の費用に充てるための特別会費を設置し、特別会費の額を一人につき月額1,000円、納入期間は平成24年6月1日から5年間とし、15億の財源を確保する。そのための会則改正を求める。(被災市民の支援として、相談体制の拡充、災害復興支援事務所の創設(15億の財源のうち9億の支出を見込み)、司法書士報酬減免(15億の財源のうち6億の支出を見込み)があり、本特別会費の使途は、これら事業に限定する。)

・認証業務に関する会則一部改正
 → 司法書士の電子証明書の発行業務を法の規定する認定認証事業者に委託し、経費節減、事務負担の軽減、安全性の向上等を図る。そのための会則改正を求める。

・綱紀委員会の名称変更に伴う会則一部改正
 → 綱紀委員会の役割を明確にするために、綱紀調査委員会と名称変更する。そのための会則改正を求める。

・組織・財政改革大綱承認
 → 承認を求める大綱は次のとおり。
   第1 組織改革
    1 会長が他の役員を選任する等、その権限を強化すること。
    2 会長に対する司法書士会会員の信任をより強化する選挙方法とすること。
    3 役員の常勤体制を整備して、迅速な執行体制を強化すること。
    4 委員会等を再構築して、事業の継続性を図ること。
    5 会長の権限強化に伴い、監督機能を強化すること。
    6 総会における審議を充実するため、代議員の定数を減ずる等の改革を行うこと。
   第2 財政改革
    1 執行に当たる役員は少数精鋭主義を採用し効率的な組織運営を図ること。
    2 事業評価制度を導入し執行における自己評価制度を導入するとともに、その評価が次年度予算に反映される仕組みを導入すること。

・平成23年度事業計画ならびに一般会計および特別会計収支予算(平成24年度暫定予算含む)決定
 → 「事業計画の基本方針」
    司法書士をさらに魅力ある職能とし、震災復興支援に尽力するなど社会的責任を十全に果たすために一丸となって取り組む。
   「重点事業」
    1 司法制度における司法書士の位置付けを確立する司法書士法改正の実現を目指す。
    2 登記業務における司法書士の独自性・専門性を高める。
    3 社会の変化に対応した、依頼者中心の業務を行うために必要な研修を実施する。
    4 司法書士の社会的役割が充実する「地域連携」を強化し、プロボノ活動を推進する。
    5 司法過疎地の解消を目指し、国民に対する法的サービスが十分に提供できる態勢を整備する。
    6 財産管理業務など新しい分野でのサービス提供を推進する。
    7 人材と財源を有効に活用できる連合会組織を構築する。

・【組織員提案】「司法書士法改正大綱」一部改正承認
 → 既に承認されている「司法書士法改正大綱」のうち、「業務範囲内の事案について相談に応じること」を「業務について法律相談に応じること」に改めることを求める。

・【組織員提案】「外国人住民票検討委員会」設置
 → 「外国人住民票」のあり方を検討し、その改善策について提言を行う委員会を設置することを求める。

・【組織員提案】「懲戒処分及び注意勧告の公表並びに開示に関する規則」一部改正承認
 → 異議申立てができない戒告処分の公表を中止する必要がある。そのための会則改正を求める。

・【組織員提案】「東日本大震災による被災者の支援に継続的に取り組むこと及び生活弱者の権利実現に努める決議」承認

・【組織員による修正動議】東日本大震災に関する会則一部改正を修正する動議
 → 災害対策費を恒久的に確保するために会員1人につき月額1,000円の特別会費の徴収は時限措置とすべきではない。そのために上程されている会則改正の一部修正を求める。

・【組織員による修正動議】平成23年度事業計画決定を修正する動議
 → 市民救援の対策として、司法書士の登記報酬の減免、すなわち、市民救援基金から司法書士事務所への支弁は妥当ではない。そのために上程されている事業計画の一部修正を求める。

 これら議案に対して各分野別に質疑答弁がなされた。
 2日目には、質疑答弁の続きがなされた後、討論・採決がなされる予定である。
 なお、上記各議案は、あくまで上程議案であり、可決議案ではないことにご留意いただきたい。


相殺について

 債務整理事件などでは、依頼人が貸金について不当利得返還請求権を有する(これをA取引という)と同時に、立替金返還債務(これをB取引という)を負っているケースがある。
 この事例を基に、相殺について考えてみたい。
 A取引は、平成23年3月31日に最後の弁済が終了しており、過払い金の計算が終わった日が5月31日とし、過払い元本が50万円、元本に対する5月31日までの利息が10万円とする。(なお、4月30日までの利息は8万円とする。)
 一方、B取引は、平成23年4月30日に立替金が確定し、その額が30万円とする。
 A取引とB取引とを相殺して、不当利得返還請求の訴えを、平成23年6月30日にするとしたら、請求の趣旨は、どうなるだろうか?
 ただし、原告被告間において、明示・黙示による合意は何らなされていないものとする。

 この問題を考えるに当たって、まず、相殺適状日を判断する必要がある。
 上記ケースでは、A取引の弁済日が3月31日、B取引の弁済日が4月30日であるので、双方の債権債務が相殺可能となるのは、それぞれのうち遅い日である4月30日になる。

 次に、相殺充当について判断する必要がある。
 民法512条が準用する民法491条により、利息・元本の順に充当することになるのであるから、B取引の30万円は、A取引の相殺適状日の利息8万円から充当し(30万ー8万)、残額の22万円をA取引の元本に充当することになる(50万ー22万)。したがって、28万円が相殺後の元本であり、これに対する遅延損害金は相殺適状日の翌日である平成23年5月1日から走ることになる。

 このようなケースにおいて、A取引の50万円とB取引の30万円とを対当額で相殺し、20万円の請求をしていることはないだろうか?
 この方法は計算が簡便であるが、相殺適状日と相殺充当について、原告被告間で合意がなければならない。
 また、実は、法定の規律に従った計算をしたほうが一般に元本が大きくなる点にも留意しておく必要があろう。


静岡県司法書士会制度対策委員会開催

 平成23年6月21日(火)18時から20時まで、静岡県司法書士会において、制度対策委員会が開催されたので、委員長として参加した。

 制度対策委員会には、登記部会、司法書士法改正部会、民法(債権関係)改正対策部会、簡裁民事対策部会の4つの部会を設けているのだが、それぞれの部会の専門性が高いため、簡単な全体会の後、各部会において今年度の具体的事業に関する協議を行った。

 協議の結果、具体的事業として決まったことは次のとおりである。

1 登記部会
   公益法人に関する研究に重点を置き、会員向けに定期的に情報発信を行う。

2 司法書士法改正部会
   日司連大綱案の研究と並行して、独自に司法書士法改正の必要性や論点についても検討を重ねる。
   平成24年3月3日には会員向けにシンポジウムを開催する。

3 民法(債権関係)改正対策部会
   パブリックコメントへの対応を行う。
   市民向けにHP等を通じて情報発信を行う。

4 簡裁民事対策部会
   7月に座談会を行い、その内容を会員向けに情報発信する。
   平成24年3月2日の司法書士法改正シンポに簡裁民事の論点も含め、企画について連携する。


 いずれも制度対策において重要な内容ばかりだ。
 本日、決定した内容をこれから具体的事業として展開していくことになる。
 静岡県司法書士会の会員各位におかれては今後ともご協力の程をお願いしたい。

全青司しずおか全国研修実行委員会

 平成23年6月20日(月)18時30分から20時30分まで、静岡県司法書士会において、全青司しずおか全国研修実行委員会が開催されたので、全青司副会長として参加した。

 しずおか全国研修が9月17日(土)18日(日)開催予定であるので、いよいよ3ヶ月を切った。

 全国研修とは、例年50~1000人ほどの司法書士が集まり、年に1度開催される全青司最大規模の研修だ。

 当日スタッフの確保や来賓の確認など、いよいよ詳細な部分の打ち合わせに入ってきた。

 会場となる浜松アクトシティでの受付会場や研修会場が縦に若干離れており、建物内の移動がたいへんそうだ。

 これからの大詰めの時期に向けて、意識を高めていきたい。

民法(債権関係)改正に関する取材

 平成23年6月17日(金)13時から15時まで、日司連において、ある新聞社の取材を受けた。
 民法(債権関係)改正に関してだ。
 日司連で民事法改正対策部に部委員として所属しているため、同席を求められた次第である。

 私の方からは、民法(債権関係)改正に関する日司連の今までの取り組みや日司連の意見書についての説明をさせていただいた。

 その取材の中で、記者の方から、「今回の民法改正の必然性がまだ理解できない。一般の市民は尚更ではないか。弁護士なども民法改正に関する書籍を出版し始めているが、内容が高度で、読者対象が一般市民であるとは思えない。市民に向けて、民法改正の動向を分かりやすく伝えたり、一般市民の声を法制審議会に伝えるのは司法書士の役目ではないか。」との問題提起をいただいた。

 まさに、そのとおりである。
 しかしながら、今までは、わたしたちも、どちらかと言えば法制審議会の動向を把握し、法制審議会に対して意見を述べることばかりに注力していた感が否めない。

 こういった素朴な指摘によって、初心に立ち戻ることができる。

 とても良い問題提起だと感じたので、次年度(来週)から、一般の市民向けに対する事業も積極的に展開していこうと思う。

 そうは言っても、日司連の事業として動くには組織決定が必要なので、まずは、このブログに一般の市民を対象とした民法(債権関係)改正の動向を分かりやすく掲載していこうと思う。

静岡県司法書士書士会理事会開催

 平成23年6月16日(木)14時から15時30分まで、静岡県司法書士において、理事会が開催されたので、理事として参加した。
 常任理事や委員会構成の承認などを行い、これで正式に新年度の事業執行が進むことになる。

 理事会開催後、15時30分から17時まで、部会が開催された。
 本会には、企画広報部、相談事業部、研修部、経理部、総務部が設けられている。
 私は企画広報部所属の理事となった。

 企画広報部には、制度対策委員会、広報委員会、市民権利擁護委員会、法教育委員会の4つの委員会がある。
 私は、制度対策委員会委員長を兼任することになった。

 制度対策委員会には、登記チーム、司法書士法改正対策チーム、民法(債権関係)改正チーム、簡裁代理活用チームを設けることとした。
 具体的な委員会活動は、来週の委員会で決定する予定だ。



【民法改正】法制審議会ヒアリング

 民法(債権関係)改正は、現在、法制審議会において、いわゆる第一読会が終了し、その議論の成果物に関してのパブリック/コメントが実施されているところだ。
 また、この時期には、各団体に対してのヒアリングも複数回に分けて実施されている。

 平成23年6月7日には、日本貿易会、情報サービス産業協会、コンピュータソフトウェア協会、日本チェーンストア協会、日本証券業協会、京都消費者契約ネットワーク、消費者支援機構福岡、住宅生産団体連合会に対するヒアリングが実施されたようだ。

 法務省HPでは、この際の資料も公開されている。
 http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900076.html

 できる限り多くの団体にヒアリングを実施し、利用者のニーズを反映させていただきたい。

民事紛争と司法書士

 司法書士の業務の中核をなす登記業務に関しては、業務内容について依頼人との間にトラブルが生じることは少ない。
 登記がなされたという成果物が明らかとなるからだ。

 しかし、裁判書類作成関係業務や簡裁訴訟代理関係業務などのように民事紛争そのものに関与する業務は、紛争解決という成果物が眼に見えないことも多く、依頼人との間のトラブルには、より慎重に気を配らなければならない。
 一般に、民事紛争は金銭に換算することが多いが、その金銭の額だけでなく、金銭以外の解決方法の模索が必要になるケースもある。
 また、対応する司法書士の姿勢によって紛争を抱えた依頼人に対する二次被害が生じ、その損害賠償というトラブルが生じるケースもある。ここで、留意しなければならないのは、「現に二次被害が生じたかどうか」ではなく、「依頼人が二次被害と感じたかどうか」によって、トラブルは顕在化する、ということだ。

 業務に慣れれば慣れるほど、依頼人にはルーティーン化した対応をしてしまうおそれもある。
 そのような対応では、依頼人に不満を与えてしまうだろう。

 民事紛争を主たる業務とする司法書士事務所として、紛争を抱えた依頼人目線で自分の業務を見直すという作業は常に行っておきたい。


司法書士試験出願状況

 平成23年度の司法書士試験の出願者数が公表された。

 司法書士試験の本年度の出願者数は,昨年度に比して,1,939人減,増減率で5.8%減の31,227人となった、とのことである。

 司法書士にとっては、受験者の出願者が減少した理由について、思いをよせる必要があるだろう。
 
 知り合った人たちに、ああいう司法書士になりたい、という目標になりたい。
 おこがましいかもしれないが、それは、さまざまの幸運が重なり合格した者の責務だと思っている。

 詳細は、法務省ホームページでご確認いただきたい。
 http://www.moj.go.jp/content/000075187.pdf

全青司民法改正対策委員会

 平成23年6月11日13時から18時まで、同月12日9時から13時まで、静岡県司法書士会において、全青司民法改正対策委員会が開催されたので、副会長として参加した。

 民法(債権関係)改正に関するパブリック・コメントの提出期限が8月1日までとなっているので、その内容についての協議が主な議題だ。

 既に公表している全青司意見書に基づき、その他の論点についても、同様の視点で意見を述べることが検討された。
 消費者概念や相殺など、多岐に渡る論点について協議がなされた。
 7月下旬には確定させる予定で、今月来月と頻繁に委員会を開催する予定になっている。

 全国の青年会や本会においても、ぜひパブリック・コメントへの意見提出をお願いしたい。

司法書士からみた民法(債権関係)改正―中間試案に向けて編―その4

その4 これからの予定

 「中間的な論点整理」の公表後、パブリックコメントの募集期間内に、法制審議会民法(債権関係)部会では、関係団体のヒアリングが行われる予定だ。
 これらパブリックコメントやヒアリングを踏まえて、今夏以降、同部会の第2ステージが開始されることになると思われる。
 この第2ステージでは、より具体的な改正案である「中間試案」の作成が主な目標になるようだ。また、「中間試案」の公表後には、この「中間試案」に対するパブリックコメントも、さらに実施される予定とのことである。
 今回のパブリックコメントで意見を述べなかった全国の司法書士会や司法書士の任意団体におかれても、司法書士の専門的知見を発揮し、民法(債権関係)改正に関する研究を進めていただき、次回のパブリックコメントでは是非意見を述べていただきたいと考えている。
 そこで、全国の司法書士会や司法書士の任意団体の研究の促進のために、法制審議会民法(債権関係)部会の今後の予定を踏まえつつ、月報司法書士において、7月号から12回に亘って、司法書士からみた民法(債権関係)改正というテーマでの論考を掲載させていただくこととなった。
 本連載が、司法書士読者諸氏が民法(債権関係)改正について考える契機となれば幸いである。

(注1)「中間的な論点整理」は法務省HPで公表されている。
(http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900074.html)
(注2)筒井健夫「民法(債権関係)の改正に関する中間的な論点整理」NBL952号、商事法務参照
(注3)民法改正研究会「民法改正 国民・法曹・学界有志案●仮案の提示」日本評論社参照

司法書士からみた民法(債権関係)改正―中間試案に向けて編―その3

その3 各論 -保証-

 日司連の意見書の中から、保証に関する論点の一つを参考までに紹介する。
保証人の要件に関する意見だ。この意見の背景には、主債務者には、一定の場合に総量規制等の制限が課せられることがあるにも関わらず、保証人には何ら制限が課せられないという現状は保証人にとって好ましいものでないことはもちろん適切な金融市場の形成にも障害となるのではないかとの問題意識がある。

(意見の趣旨)
 債権者の指名に関わらず、保証契約によって負う見込みのある債務につき、一括して弁済する資力を有しない者を保証人とすることを認めない、との規定を置くことを検討すべきである。

(意見の理由)
 保証被害の実態は、主債務が不履行となったときに、保証人が自らの資力で弁済することが困難となって生活破綻を招き、果ては自殺にまで追い込まれるというものである。
 主債務者との深い人的関係により保証人となる者は、保証人となることを断る自由を有していない場合が多いことを鑑みると、仮に債権者から保証の意味及び保証契約の内容や主債務者の資力に関する情報について十分な説明を受けても、保証契約を締結するかしないかを自由に選択することができないことが想定される。
 したがって、保証被害の防止の観点からは、債権者の説明義務の規定の創設に加えて、さらに保証人の資力に関する要件を保証人の視点に立った規定として定めるような見直しも検討すべきである。
 保証人の要件を定める規定としては、「弁済をする資力を有すること」と規定する現民法第450条があるが、この規定は、保証人の要件を示すことによって、債権者を保護しようとする規定であると解されており、同条第2項により債権者が保証人を指名した場合には適用されない。
 しかしながら、現代社会においては、このような債権者の視点に立った規定が保証被害の要因となるとの見方も必要である。弁済資力のない者が保証人となれば、主債務に不履行があったときに、保証人が資力以上の弁済を求められ破綻するのは当然の理である。
 保証人を保護する視点からは、保証本来の機能を、保証人の「現に有する資力」によって主債務者の信用力を高めて経済活動を活性化させることに求めるべきところ、保証人の「将来の信用力」によって主債務者の信用力を高めるものとして保証契約が締結されていることから保証被害をより深刻なものにしているとも考えられる。
 もっとも、債権者は、与信管理を誤り資力のない者を保証人としたときは、回収不能というリスクを負うのだから、保証人の要件は債権者の選択に委ねればよいという考えもあると思われる。しかしながら、現実には、多額の保証債務を長期分割払いで支払い続け、延々と保証債務の履行を続けている保証人も多く見られる。債権者が回収不能のリスクを負うとしても保証人の要件を私的自治の原則に委ねることが相当であるかどうか、つまり保証人の要件を、債権者のための規定から、保証人を保護する規定へと大きく転換させる必要があるのではないかという点を検討すべきである。
 具体的には、例えば、現民法第450条の「債務者が保証人を立てる義務を負う場合」という限定を外し、同条第3項を廃止した上で、保証契約締結にあたり債権者に保証人の資力調査を求めることが考えられる。
「弁済をする資力」については、保証額全額を一括で弁済する資力とするか、あるいは保証額を分割して弁済する際の一定期間内(例えば、一カ月)の負担額を継続的に弁済する資力とするか、検討を加える必要がある。
 なお、仮に保証人保護の規定が導入された場合、「併存的債務引受契約」や「連帯債務契約」等の保証と同様の機能を持つ契約を締結することによって、それらの規定を免れようとすることも考えられるため、保証契約と実質同視しうる契約に対して保証の規定を適用することも検討すべきである。


 すなわち、この意見は、現民法第450条を強行規定とし、弁済をする資力のない者を保証人とすることを禁止すべきである、というものである。債権者のための規定であると解されている現民法第450条を保証人保護のための規定へと転換させることによって実現を図ることを提案している。
 既に述べたとおり、わが国においては、既に貸金業法で主債務者となる借主に対しては総量規制という形で類似の規定が立法化されている。
 比較法的にみると、類似の規定はフランスにもあり、比例原則等とも言われている。
 規制の在り方については、債権者の保証人に対する説明義務を強化するという方法もあろうが、それのみでは債務者と保証人との人的関係に基づく断りきれない保証依頼を防止することはできないと考えられる。
 このような情宜的関係を考慮すると、保証人の意思に関わらず、弁済をする資力のない者を保証人とすることを強行規定において禁止することが実効的となるのではないだろうか。
 一方、保証人は特別法で保護すれば足りるという考え方もあろうが、法人代表者の保証を念頭におくと理解しやすいように、保証契約を消費者契約等の一定の範囲で制限するとなると、その範囲から保証人が漏れるケースが多発することが容易に想像される。保証人となる者は消費者に限られないという保証人被害の実態に鑑み、そのような漏れは避けられなければならない。
 したがって、適用範囲の制限のない一般法たる民法で、保証人に対する然るべき制限を加えることが妥当であると考えているところである。

東日本大震災被災者等に対する相談対策研修会(DVD)開催

 平成23年6月7日(火)18時より20時まで、静岡県司法書士会において、東日本大震災被災者等に対する相談対策研修会のDVD研修が開催されたので、参加した。

 この研修は、東京司法書士会が同年4月11日(月)に開催したものを収録したものである。
 講師は、弁護士の森川清氏だ。
 具体的に災害に適用される法令やその他の実務対応の講義が豊富な資料ともになされた。

 被災地の状況は刻一刻と変化しており、求められる相談対応も、それによって異なるものとなる傾向にあるようだ。
 常に勉強し、被災者への相談対応に役立てていきたい。

司法書士からみた民法(債権関係)改正―中間試案に向けて編―その2

その2 民法(債権関係)改正に対する日司連の対応

 ここで、民法(債権関係)改正に対する今までの日司連の対応を振り返ってみたい。
 法制審議会民法(債権関係)部会が設置される以前より、民法(債権関係)改正の気運が高まっており、平成21年10月25日には、民法改正研究会・「民法改正を考える」研究会・「市民のための民法改正」研究会・「企業法務に役立つ民法改正」研究会の主催により「民法改正国民シンポジウム-『民法改正 国民・法曹・学界有志案』の提示のために」が開催され、日司連としても、「司法書士からみた『民法改正 国民・法曹・学界有志案』」を発表する機会に恵まれた(注3)。
 同シンポジウムにおいて、日司連としては、発表者となった筆者の私見を含みつつ、主に次の内容の発表を行なった。
 ① 民法改正に対する司法書士の視点としては、本人訴訟支援、登記、少額民事紛争に携わってきた実務家の専門的知見の立場から意見を述べていくものとする。
 ② 裁判規範ではなく、行為規範として予防司法に資する民法となることを期待する。また、消費者契約に関する規定を民法に取り込むことは慎重に検討すべきである。
 ③ 物権編を含む各論として、未成年・法人・意思無能力・錯誤・不実表示・時効・不動産登記・相隣関係・農用地上権・人役権・債権者代位権・保証・債権譲渡・契約上の地位の移転・金銭消費貸借について、それぞれ大きな方向性を示す意見を述べる。 
 このシンポジウムを皮切りに、日司連に民事法改正対策部が設置され、日司連における民法改正に関する検討が本格化するに至ったということができるだろう。

 平成21年11月に法制審議会民法(債権関係)部会が設置され、改正に関する議論が始まったが、日司連では、同部会に対し、民法(債権関係)改正に関する意見を述べる前に、平成22年6月8日に開催された第10回会議に、「消費者の視点から見た論点の提示」を提出し、次の4つの論点の提示を行なった。

 論点① 未成年者取消しに伴う原状回復義務の範囲について
 論点② 暴利行為の明文化およびその要件緩和について
 論点③ 複数の契約の解除について
 論点④ 建物の賃貸借契約の保証人の保護について

 論点①は、未成年者による契約トラブルの増加に鑑み、役務提供型の契約について、未成年者取消しを主張したとしても、既に受けた役務を現存利益と解される余地のある現民法では被害回復が困難となるケースがあるので、立法により未成年者取消しに伴う原状回復義務の範囲の特則を設けてはどうか、というものである。
 論点②は、現民法の意思表示に係る規定、あるいは、特定商取引法や消費者契約法等の特別法の民事規定の要件に該当せず、実務上の対応に苦慮することが少なくない事例が多いことに鑑み、公序良俗違反無効が、いわば民法の意思表示や特別法の隙間にある不当な契約からの解放の手段として位置づけられるように、当事者間の交渉力・情報量の較差、適合性等の主観的要素に係る社会的非難の程度が高い場合は、契約金額(被害金額)が著しく過当な利益に該当しない場合であっても、契約の無効を認めるといった見直しを行ってはどうか、というものである。
 論点③は、複数の契約当事者が介在する契約トラブルの増加に鑑み、割賦販売法、特定商取引法及び消費者契約法等の特別法による手当だけでは対処できないケースも多くあることを踏まえて、複数の契約の解除について、無効の場合との整合性、予見可能性を害する濫用的解除防止への配慮、対象範囲等を考慮しつつ、複数の当事者による複数契約の解除について検討を行ってはどうか、というものである。
 論点④は、賃貸借契約の保証人において、保証額及び保証期間が不明確であり、賃貸借契約が相当期間継続し、借主と保証人との間の人的関係が途絶えた後などに保証人としての責任を問われるケースも多くあることを踏まえて、賃貸借契約の保証人に対して、保証額及び保証期間の制限を設けることについて検討を行ってはどうか、というものである。
 これらの提示した論点の検討の過程で、民法(債権関係)改正に関して日司連が消費者からの視点として意見を述べていく際の大きな方針が固まったものといえるだろう。

 日司連は、その後、平成23年3月8日に開催された法制審議会民法(債権関係)部会第25回会議に、「司法書士からみた民法(債権関係)改正に関する意見書」を提出した。同意見書においては、民法の債権関係に関する規定について改正作業を進めることに原則として賛成した上で、主に次の7つの論点について詳細に意見を述べた。なお、この意見書は、既に本会あてに回付しており、NSR2においても公表されている。

 意見① 消費者関連(民法と特別法の関係、契約交渉段階、法律行為に関する通則、意思表示、無効・取消、契約の解除、保証、相殺、賃貸借契約、消費貸借契約)
 意見② 債権譲渡関連
 意見③ 債務不履行解除
 意見④ 代位による登記
 意見⑤ 法定利率
 意見⑥ 代理、売買、贈与、委任、請負、
 意見⑦ 時効

 意見①は、前述の4つの論点を踏まえ、消費者の視点から各論点に対する意見を述べたものである。とくに、民法は基本的な契約ルールを規定すべき法律であるから、適用の対象が特定の事物、人などに限られる取引等については、原則的には特別法による規律に委ねるべきであるとして、消費者契約法等の取り込みには慎重に検討すべき、との意見を述べている。同時に、「消費者」、「事業者」の概念も民法において規律する必要性は乏しく、消費者契約に関する特則は特別法においてすべき、との意見も述べている。
 意見②では、とくに債権譲渡登記について、登記制度の整備をすることによって、登記一元化を図ることが可能であるという意見を述べている。
 意見で述べた登記制度の整備としては、次の事項を掲げた。
  )債権譲渡登記の対象について、金銭債権に限定せずに非金銭債権も含むすべての債権の譲渡とする。
  )債権譲渡登記の利用者(譲渡人)について、法人に限定せずに個人も利用できるものとする。
  )債権譲渡登記の申請について、オンライン申請を利用しやすい仕組みを整備し、例えば、当分の間、不動産登記申請と同時に添付書類の法務局への別途持参または送付の特例を設ける。また、債権譲渡登記に係る証明書について、登記事項概要証明書の“インターネット登記情報”による情報取得ができるようにする。
  )債権譲渡登記の真実性を担保するとともに、利用の促進を図るために現行制度に以下のとおりの修正等を加える。
   ア)原因照明情報の提供を義務付ける。
   イ)登記申請の補正を認める。
   ウ)一定の登記事項の変更・更生を認める。
   エ)質権設定登記に、順位の概念を採用する。
   オ)登録免許税を低減する。
   カ)できる限り当事者が利用しやすい仕組みを整備する。
 意見③乃至意見⑦については、それぞれ実務上の観点から、各論点に対する意見を述べたものであるが、紙幅の関係から説明は割愛する。
 この意見書の検討の過程で、日司連が、民法(債権関係)改正に関して、消費者関連の意見と債権譲渡登記関連の意見という2つの大テーマを中心に意見を述べていくという基本方針が固まったものといえるだろう。

 さらに、前述の4つの論点及び意見書で述べた意見に基づき、「中間的な論点整理」によって示された論点に対する意見をパブリックコメントに提出したところである。
 パブリックコメントにおいては、既に述べた意見を掘り下げるといった方針ではなく、それら意見の関連論点を中心に、既に述べた意見との整合性を保ちつつ、できる限り多くの論点に意見を述べる方針でまとめることとした。
 今回のパブリックコメントの趣旨としては議論の留意点についての意見を募集するとのことであるし(注2)、意見を掘り下げる作業は、これから始められる法制審議会民法(債権関係)部会の第2ステージと並行して行うほうが効率的であると考えられたからである。

関東ブロック定時総会

 平成23年6月4日(土)10時30分から12時まで、日司連ホールにおいて、関東ブロック定時総会が開催されたので、組織員として参加した。
 5月に行われた静岡県司法書士会の定時総会において代議員に選任されたのだが、「代議員=関東ブロック組織員」となるようだ。
 関東ブロックでは、新人研修や会員研修などの研修事業が活発に行われているが、それ以外の事業は担当者会議の開催などによる情報交流が多い。
 次年度、関東ブロックでは1500万円を東日本大震災への対策費として計上することになった。

 また、定時総会後、代議員の会議が行われた。
 6月下旬に開催される日司連総会対策が主な議題だ。
 ブロック推薦、ブロック指定の質疑の決定を行った。
 関東ブロックの推薦、指定として、東日本大震災対策や簡裁訴訟代理関係業務の促進に対する質疑がなされる予定である。
 今まで、日司連総会は月報司法書士の取材として毎年参加していたが、今年は代議員として参加することになる。立場が違うと、総会も違ったものに感じる。

 代議員としての職責をしっかりと果たしていきたい。


司法書士からみた民法(債権関係)改正―中間試案に向けて編―その1

今回から4回に亘って、民法(債権関係)改正の中間試案に向けた司法書士の取り組みについて掲載する。

その1 民法(債権関係)改正の動向

 民法(債権関係)改正に関する法務大臣の諮問を受け、平成21年11月から開催されている法制審議会民法(債権関係)部会は、平成22年12月までに20回開催され、その中で、原則として民法典の配列に従い、改正論点の整理に関する議論がなされた。平成23年1月からは、さらに6回の部会が開催され、それまでの議論をまとめる作業が行われ、同年5月には、その作業の成果物が「中間的な論点整理」として公表されたところである(注1)。
 この「中間的な論点整理」においては、次の63の論点が検討項目として掲げられている。

 1 債権の目的
 2 履行請求権等
 3 債務不履行による損害賠償
 4 賠償額の予定(民法第420条、第421条)
 5 契約の解除
 6 危険負担
 7 受領遅滞
 8 債務不履行に関連する新規規定
 9 債権者代位権
10 詐害行為取消権
11 多数当事者の債権及び債務(保証債務を除く。)
12 保証債務
13 債権譲渡
14 証券的債権に関する規定
15 債務引受
16 契約上の地位の移転(譲渡)
17 弁済
18 相殺
19 更改
20 免除及び混同
21 新たな債務消滅原因に関する法的概念(決済手法の高度化・複雑化への民法上の対応)
22 契約に関する基本原則等
23 契約交渉段階
24 申込みと承諾
25 懸賞広告
26 第三者のためにする契約
27 約款(定義及び組入要件)
28 法律行為に関する通則
29 意思能力
30 意思表示
31 不当条項規制
32 無効及び取消し
33 代理
34 条件及び期限
35 期間の計算
36 消滅時効
37 契約各則―共通論点
38 売買―総則
39 売買―売買の効力(担保責任)
40 売買―売買の効力(担保責任以外)
41 売買―買戻し、特殊の売買
42 交換
43 贈与
44 消費貸借
45 賃貸借
46 使用貸借
47 役務提供型の典型契約(雇用、請負、委任、寄託)総論
48 請負
49 委任
50 準委任に代わる役務提供形契約の受皿規定
51 雇用
52 寄託
53 組合
54 終身定期金
55 和解
56 新種の契約
57 事情変更の原則
58 不安の抗弁権
59 契約の解釈
60 継続的契約
61 法定債権に関する規定に与える影響
62 消費者・事業者に関する規定
63 規定の配置

 法務省によると、「中間的な論点整理」とは、次にまとめられる「中間試案」の取りまとめを目指すにあたって、議論すべき論点の範囲を明らかにしつつ、法制審議会民法(債権関係)部会におけるこれまでの議論の到達点を確認しようとするもの、と説明されている(注2)。
 しかしながら、法務省からは、次のステージで議論される論点は「中間的な論点整理」に示された論点には限られないとの説明も合わせてなされているところであり(注2)、この説明を踏まえると、現時点では議論すべき論点が限定されないことになるのであるから、前者の「議論すべき論点の範囲を明らか」にする必要性は乏しいのではないかとも考えられ、そのような考えを前提とすると、「中間的な論点整理」の意義は、とくに後者の「これまでの議論の到達点の確認」という部分にあるということができるだろう。
 このような問題意識に基づくならば、「中間的な論点整理」を精査する際、とくに、次のような文末の表現に留意すべきであると考えられる。
すなわち、その表現とは、部会内で具体的な内容についてコンセンサスがあったと評価される論点については、文末が「~としてはどうか」と示されていると説明されており(これを仮に「Aランク論点」という)、改正の方向性について部会内で一定のコンセンサスがあったと評価される論点については、文末が「~とする方向で、更に検討してはどうか」と示されていると説明されている(これを仮に「Bランク論点」という)。その他の論点については、文末が「~について、(更に)検討してはどうか」と示されていると説明されている(これを仮に「Cランク論点」という)。
 つまり、Aランク論点及びBランク論点については、これまでの議論の到達点として、既に、部会内において、改正の方向性がある程度共通認識のものになっているといえる。したがって、今後、実務家団体などが、その方向性を覆すためには、相当説得力のある反対意見を述べなければならないといえるだろう。Aランク論点とBランク論点の相違は、コンセンサスの程度の問題であると考えられ、Aランク論点の方が、よりコンセンサスの程度が高いものであるので、Aランク論点の方向性を覆すには、Bランク論点のそれ以上の反対意見を準備する必要があると考えられる。
 これに対し、Cランク論点は部会内における方向性が示されておらず、現時点においてはニュートラルな論点であるといえる。「中間的な論点整理」において示された論点のほとんどは、このCランク論点である。
 このように、数は少ないもののAランク論点及びBランク論点として掲げられた論点について、その方向性に異議がある場合には、然るべき時期に適切な反論を述べておかねば、公表されている方向性で改正が進んでしまう可能性が強いことに留意しておかねばならない。
 この「中間的な論点整理」とともに、今までの議事の概況なども盛り込み、事務当局の責任においてまとめられた「補足説明」も公表されているので、パブリックコメント等で意見を述べる際には、より詳細に今までの議論の経過を把握するために、「中間的な論点整理」の各論点に対応する「補足説明」と今までに公表されている「部会資料(詳細版)」等を照らし合わせつつ、検討作業を行う必要がある。
 さて、今回の「中間的な論点整理」に対するパブリックコメントにおいては、前述したとおり、今後議論すべき新たな論点等についての意見も求められているが、とくに、各論点を次のステージで議論する際の留意事項などを指摘する意見が期待されているようだ(注2)。
 パブリックコメントへの意見提出は平成23年8月1日までと定められており、日司連のみならず、全国の司法書士会や司法書士の任意団体からも、多くの意見が提出されることを期待している。
 今回のパブリックコメントを経て、民法(債権関係)改正のスケジュールも、いよいよ第2ステージに進むことになる。

出会い系サイト

 出会い系サイトの相談が多い。
 司法書士は少額民事紛争の専門家という側面も持つため、被害額が数十万となる出会い系サイトの相談が多く寄せられるのだろう。

 出会い系サイトの被害は主に次の2パターンに大別される。
1 決裁代行業者を通じ、クレジットカードで支払ってしまうケース
2 サイト運営業者指定の振込先に直接送金してしまうケース

上記1については、法的根拠はさておき、決裁代行業者およびクレジットカード会社へのアクションを起こすと事実上解決することがある。ただし、クレジットカード会社での引き落としがなされた後だと交渉の難易度が高まる傾向にある。決裁代行業者への法的責任を問うための理論構築の確立を図る必要がある。

上記2については、サイト業者と交渉し、サイト業者に対し直接返金を求めることになるので、一層難易度が高くなる。サイト業者は、すぐに会社名やサイトを変更し、その所在をくらますことも多いので、解決の可能性を高めるために迅速な行動が求められる。サイト業者の銀行口座に対する保全手続や口座凍結などの手続も検討していかなければならない。

 同様の手口では、競馬情報やパチンコ必勝法などの勧誘も該当する。
 高まる相談を受け、司法書士は、これら相談類型の被害救済の手法をより洗練させていかなければならないだろう。


 

消費者月間シンポジウム

 平成23年5月30日(月)15時から18時まで、東京・三田において、消費者庁主催で消費者月間シンポジウムが開催されたので、全青司副会長として参加した。
 このシンポジウムの開催趣旨は次のとおりである(パンフレットから抜粋)。
 消費者庁では、毎年5月を「消費者月間」とし、消費者問題に関する事業を集中的に行っています。
 今年のテーマは『地域で広げよう消費者の安全・安心』です。
 消費生活の現場は地域にあります。安全・安心で、消費者が主役となる社会の実現に向けては、消費者団体をはじめ、福祉、子育て、環境、産業等の様々な分野において地域で活躍している皆様が連携を深め、消費者問題に取り組む住民の輪、地域の輪を広げることが大切です。


 当日のプログラムは次のとおりである。
第1部
 消費者支援功労者被表彰者のご紹介
 消費者支援活動等に対する民間団体からの表彰

第2部
 パネルディスカッション
  テーマ:「地域で広げよう 消費者の安全・安心」
  パネリスト:宇都宮健児氏(日本弁護士連合会会長)
        田中 信孝氏(人吉市長)
        吉富 崇子氏(山口県地域消費者団体連絡協議会会長)
        福嶋 浩彦氏(消費者庁長官)
 パネルディスカッション
  テーマ:「食品と放射能」
  パネリスト:滝澤 行雄氏(秋田大学名誉教授、内閣府食品安全委員会専門参考人)
        阿南 久氏 (全国消費者団体連絡会事務局長)
        黒田 岳士氏(消費者庁政策調整課長)
  コーディネーター:福嶋 浩彦氏(消費者庁長官)

            *

 シンポジウムには300人ほどの参加があり、盛大に開催された。
 様々な団体の代表が参加されており、このシンポジウムを通じ、消費者問題の幅の広さを感じることができた。

プロフィール

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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