静岡青司協東部地区勉強会

 平成22年11月29日18時30分より、三島市において、静岡青司協東部地区勉強会が開催されたので参加した。以前も述べたことがあるが、静岡は東西に長いので、青司協は、東部・中部・西部の各地区に分かれて、おおよそ月に1回のペースで勉強会を開催している。
 全体では定期的に集まるのは、年に何回かのイベント(研修会・総会など)しかないので、静岡青司協の活動は各地区に相当委ねられていると言ってもよいかもしれない。
 さて、東部地区では、以前より、物損交通事故をテーマに勉強会を進めており、道路交通法の逐条が一区切りついたところである。
 逐条勉強会の後、当チームが本会より講師要請を受けた来年2月の研修会の内容について、具体的に詰める作業に入った。普段あまり裁判業務をやらない司法書士の方に対しても受講していただく予定なので、できるだけ分かりやすい内容とすべく、講義ではロープレを行うこととした。
 東部地区幹事が脚本を作成し、来月の東部地区勉強会の合間に試演する予定だ。

第30回全国クレサラ・ヤミ金被害者交流集会IN岐阜

 平成22年11月27日(土)28日(日)は、岐阜において、「第30回全国クレサラ・ヤミ金被害者交流集会IN岐阜」が開催されたので参加した。
 この交流集会は、毎年、全国を持ち回りで開催されるクレサラ関連の最大規模の集会だ。毎回、1000人以上の参加があり、今回も国際会議場のメインホールがほぼ満席という大入りだった。
 平成22年は改正貸金業法が施行され、総量規制の導入により、(あくまで立法上ではあるが)多重債務問題が解決され、金利のグレーゾーンもほぼ撤廃された。しかしながら、平成22年は、大手貸金業者の倒産などによる社会混乱が顕在化した年であるともいえ、多重債務問題をめぐる社会状況は未だ気を抜くことができない。
 そのような状況を踏まえ、今回の集会のテーマは、「だれもが希望を持てる社会へ」~多重債務・貧困・自殺をなくそう~である。このテーマから、近年の多重債務問題に関する運動は、その問題の抜本的解決のために、貧困、自殺などへの対策も取り込みつつ、その連携の裾野を広げていることがわかる。

 集会の主な内容は次のとおりである。
【1日目】
記念講演「生きがい、希望を持てる社会へ~貧困、自殺、多重債務問題とわが弁護士人生~」
       日弁連会長 宇都宮健児氏
分科会  合計20にも及ぶ様々なテーマの分科会が開催された。
     (私は、保証人被害に関する分科会に参加した。)

【2日目】
パネルディスカッション「貧困、自殺、多重債務をなくすために今、私たちが為すべきこと」
      パネリスト
       反貧困ネットワーク事務局長 湯浅誠氏
       ライフリンク代表      清水康之氏
       元消費者庁等担当大臣    福島みずほ氏
      コーディネーター
       仙台弁護士会会長      新里宏二氏
分科会報告
集会宣言
集会総括

          *

 なお、集会宣言の前に、貸金業改正に多大な寄与をした団体として全青司を表彰していただいた。
 全青司の諸先輩方の活動に敬意を表しつつ、これからも、消費者問題に高いアンテナを張り、問題に気づく力、その問題の対策を考える力、その対策を実践する力を兼ね備えた団体として活動を展開していきたい。


日司連民事法改正対策部開催

 平成22年11月25日は、日司連において、民事法改正対策部が開催されたので、部委員として参加した。
 日司連意見書として抽出した論点のうち20個ほどが対策部内において骨子承認された。これで、意見書として取り上げるべき論点のすべての骨子承認が終わったことになる。
 11月末までに確定させた上、執行部に回付し、1月中には日司連意見として確定させたい。

 また、次年度の事業も検討を始めた。
 次年度は、4月に中間的な論点整理が公表される見込みなので、それに向けた対策や大規模な研修会の開催などを実施していく予定である。
 現在起案中の意見書をベースに、それら新事業を展開していきたい。

静岡県司法書士会「労働トラブル110番」開催

 平成22年11月23日(火)10時から17時まで、静岡県司法書士会において、「労働トラブル110番」が開催されたので、相談事業部長として参加した。
 今回のサブテーマは、「有期契約社員の保護」である。相談員として、司法書士10名以上が参加した。
 開催趣旨は、次のとおり。実行委員長の趣旨文から抜粋する。
 「経済的不況に伴う雇用情勢の悪化、及び日雇い派遣や偽装請負といった社会的問題を受けての派遣労働者保護の機運の高まりから、平成16年の改正労働基準法施行以降の長期的傾向として、正規雇用のアルバイト・パート・契約社員といった有期雇用への転換・代替が進んでいるのが現状です。
 パート・アルバイト、契約社員といった有期雇用は法による保護が不十分であることから、近年、民事紛争件数も増加傾向にあります。有期雇用における労働環境が劣悪かつ低待遇であることも多い上、労働条件切り下げが即、生計を断たれることにつながるため、ひとたび民事紛争となった場合、深刻化しやすい傾向にあります。

 一方、平成16年施行の改正労働基準法については施行後一定期間をおいて見直すこととされており、本年、厚生労働省内に「有期労働契約研究会」が発足し、同研究会内での検討の末、本年9月に「有期労働契約研究会報告書」として、有期労働契約に関するルールの方向性が提示されました。ところが、提示論点には全て、「課題等」といった形で雇用者側の反論が付されており、改正等の方向性については、決して予断を許さない状況となっています。

 静岡県司法書士会においても平成17年以降、毎年11月に労働トラブル110番を開催して、多くの労働者から相談を承っておりますが、内容としては情報収集・問題解決能力の高い正規労働者(正社員)からの相談が多く、パート・アルバイト、契約社員といった有期雇用者からの相談件数は、まだまだ少ないのが現状です。
しかしながら、労働トラブルに関する紛争の解決にあたっては、事前の相談及び事前の証拠収集が極めて重要であり、そのことは、法による労働者保護が不十分であり、雇用者側にコンプライアンス意識の低い有期雇用にこそあてはまるものです。また、有期雇用の場合、紛争の価額そのものは少額となることが多く、費用対効果の点で、司法書士による紛争解決機能も十分期待できるところです。

 そこで、本110番においては、未払賃金、残業、解雇・雇止めの問題をはじめ、その他労働トラブル全般にわたり幅広く相談に応じ、特に劣悪な労働環境で働く労働者を救済するとともに、違法な労働実態を広く社会に喚起し、職場環境の改善、労使間の権利意識の向上に寄与したいと考えております。」

 なお、労働トラブル110番に寄せられる相談について、経済的利益が140万円以内の紛争は法律相談を行い、超えるものについては裁判書類作成関係業務を前提とした相談を行っている。

 当日は、20件前後の相談が寄せられ、正規非正規を問わず、解雇、退職勧奨やいじめ、使用者側による賃金搾取等、深刻な相談内容が多く寄せられた。
 寄せられた相談について個別適切に対応することは当然、さらに事例を分析し、問題点を共有することで、司法書士全体のスキルアップにつなげていきたい。

試験合格者との顔合わせ会

 平成22年11月22日(月)は、静岡県司法書士会において、午後から常任理事会が開催され、夕方から本会役員らと平成22年度司法書士試験合格者との顔合わせ会および懇親会が開催されたので、常任理事として参加した。
 今年の県内合格者のうち18名が参加した。
 合格者は、年内から本会の集合新人研修が始まり、年明け早々から関東ブロック新人研修が開始し、すぐに中央新人研修、そして認定考査のための特別研修と研修づくしになる。
 落ち着いて配属研修として、各事務所での実務を学ぶのは3月以降になるだろう。

 司法書士試験の合格後は、これら長期の研修をほとんど合格者の自己負担で受講しなければならない。
 (日司連や本会からも助成はでるのだが、あくまで気持ち程度である。)

 合格者にしてみれば、おそらく、今までは試験に合格するだけで精一杯で、どんな司法書士になりたいかなどは、あまり考えたことがない、という方が大半だろう。
 「どんな司法書士になりたいか」ということは合格してから考えるべきことだと私も思っているし、それで十分だとも考えている。(むしろ情報の少ない受験時代に考えることは勧めない。)
 合格者は、先輩の姿をみて司法書士の執務姿勢を学び、時間をかけて、自らの司法書士像を築いていただきたい。

 今年の合格者とは、次は、来年1月に関東ブロック新人研修や中央新人研修でお会いすることになる。
 クレサラゼミのチューターや労働問題の講師として講義を行う予定だ。




消費生活相談員入門講座

 平成22年11月20日(土)、静岡県主催の消費生活相談員入門講座が沼津市で開催されたので、第2講「悪質商法」と第3講「多重債務」の講義を担当した。
 同講座の実施は、静岡県から消費者問題ネットワークしずおかが委託を受けており、同ネットワークからの要請があったためだ。
 消費生活相談員は、県や市町の消費者相談窓口で相談にあたっており、消費者トラブルの専門知識を要する。消費生活相談員になるには複数の方法があるが、「消費生活専門相談員」という資格を取ることもその方法の一つだ。
 今回の講座は、一般市民を対象に受講生を募り、消費生活相談員に関心を持ってもらい、来年の消費生活専門相談員の資格取得のきっかけとなっていただくことが狙いだ。
 県内7会場で順次実施しているが、沼津では50名前後の方に参加いただいた。

 私は、悪質商法や多重債務などの消費者問題の実務をできるだけ分かりやすく伝えることが担当だ。
 
 司法書士向けのいつもの講義と異なり、一般の方を対象に講義をするのは、自分の講義話法の点検にもなる。つまらない講義には、つまらないというリアクションが、眠い講義には眠ってもらうというリアクションが重要なのだ。
 そうならないように、一生懸命講義することが、講師をする自分のスキルアップにも繋がる。
 司法書士は真面目な方ばかりなので、このあたりのリアクションが素直でないときもあり、「我慢しているのでは?」と感じるケースもある。これは良くない。

 今回の講座をきっかけに、一人でも多くの方が消費生活相談員になってくださり、一緒に県内の消費者問題に取り組んでいけたら幸いである。

講演会「債権法改正と消費者法の関係」

 平成22年11月19日(金)18時から21時まで、東京大学山上会館において、財団法人民事紛争処理研究基金第25会講演会が開催されたので参加した。

 講演会のテーマは「債権法改正と消費者法の関係」である。現在、法制審議会民法(債権関係)部会において議論されている民法(債権法)改正において、消費者契約法を始めとする消費者法の取り込みが検討されているところであるので、民法(債権関係)改正について司法書士が意見を述べるためにも重要なテーマである。

 講演会では、第1講として、「民法典の意義の再検討」というテーマで、東京大学大学院法学政治学研究科教授の大村敦志氏が講演され、第2講として、「消費(者)法典の構想との関係」というテーマで、立教大学大学院法務研究科教授の野澤正充氏が講演された。第1講では、民法に消費者法を積極的に取り込むべきであるという視点から、第2講では、民法に消費者法を取り込むのは慎重であるべきであるという視点から述べられ、多面的な視点から考えることができるプログラムであった。
なお、消費者の定義に関する質問が司法書士の山田茂樹氏より提起され、その後、内田貴氏からフランス法に関する質問もなされた。いずれも、非常に参考になる視点だった。

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 法制審議会民法(債権関係)部会の第一読会も、いよいよ大詰めだ。
 意思表示のところで議論された消費者法関連の取り込みについて、第一読会の最後に再び議論されるものと想定される。
 民法のあるべき姿、消費者法との関連について、さらに深く検討をすすめていきたい。

静岡県司法書士会「消費者問題シリーズ研修会」第2回開催報告

 平成22年11月18日(木)13時30分から16時30分まで、静岡県司法書士会において、消費者問題シリーズ研修会が開催されたので、相談事業部長として参加した。
 この消費者問題シリーズは、行政機関等の相談員向けに定期的に開催しているものであり、先月に続き本年度2回目の開催である。今回も35名以上の方々にご参加いただいた。
 今回の研修テーマは、「貸金業者の過剰与信防止義務と返済能力調査義務」、「クレジット事業者の過剰与信防止義務と調査記録作成義務」とし、前者を第1講として司法書士の中里功氏、後者を第2講として司法書士の宮内豊文氏が講師を務めた。
 これらテーマ選定の趣旨は、次のとおりである。(研修会案内文から抜粋)
「平成18年12月に成立した改正貸金業法は、深刻化する多重債務問題を解決するため、貸付の上限金利の引下げ、貸付残高の総量規制の導入等を行いました。改正貸金業法は、段階的に施行され、最終施行となった過剰与信防止のための総量規制も本年6月18日から施行されています。
 一方、クレジットに関して規定する割賦販売法は、特定商取引法と同時に改正され、平成20年6月に成立しました。改正された割賦販売法においては、いわゆる次々販売などに対処するため過剰与信の防止として支払可能見込額調査義務が規定され、この実効性を確保するため、支払可能見込額の調査記録を作成して保存するように規定しました。割賦販売法の過剰与信防止義務(支払可能見込額調査に関する規定)については、本年12月頃施行されると考えられます。
 貸金業法・割賦販売法それぞれの法律について定められた過剰与信防止義務ですが、その定め方は、それぞれ異なりますので、本研修において確認いただき、今後の相談業務に役立てていただければと思います。」

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 貸金業法に基づく総量規制は、銀行や販売信用業者は含まれない点に留意しなければならない。
 つい先日も、ある銀行が、ある貸金業者を保証会社として、貸金業者の総量規制に抵触する資金需要者に対しての融資を積極的に行っていくという方針が報道されたばかりだ。
 今後、銀行からの借入れが多重債務の要因となることが懸念される。とくに、このようなケースでは、保証会社となった貸金業者が自らの加盟する信用情報機関(JICC)からデータを取得し、保証の適否を決するものと推測されるが、当該銀行への返済が滞ると、保証会社が代位弁済し、結局は、貸金業者が代位弁済した保証債務を資金需要者に対して求償することになる。これは、貸金業法の総量規制の潜脱になるのではないかとの危惧も生じるところである。
 一方、販売信用業者には、貸金業の総量規制とは全く異なるスキームで、別個に割賦販売法において過剰与信防止義務が課せられており、原則として年間の支払可能見込額を超える利用が禁止されている。生活維持費の算出など、非常に細かい計算が必要となる。その与信のために、販売信用業者にCICなどの指定信用情報機関のデータが利用される。指定信用情報機関と言っても、貸金業法の定める指定信用情報機関とは制度上異なるので、区別することが重要だ。

 貸金業法改正により、理論上、多重債務は生じない仕組みが確立された。しかしながら、銀行などからの借入れや販売信用業者などからのショッピングには規制が及ばないので、それら貸金業者以外からの債務による多重債務が社会問題化しかねない。
 今後、貸金業者の動向を注視するとともに、銀行や販売信用業者にも留意しておく必要があろう。


静岡県司法書士会個別労使紛争に関する研修会

 平成22年11月17日15時から18時まで、静岡県司法書士会において、個別労使紛争に関する研修会が開催されたので、相談事業部長として参加した。
 本研修会は、11月23日10時から17時まで開催を予定している労働トラブル110番(面談・電話相談、相談電話番号054-289-3704)の事前研修という位置づけである。
 今年で5年目を迎える当会の労働トラブル110番であるが、個別労使紛争に関する相談は、直接司法手続で対処するケースが決して多くない。直接、会社を訴えるということを躊躇する相談者も多いし、少額事件においては、できる限り費用をかけたくないというニーズも多いからだ。
 そのため、今回の事前研修では、第1講に静岡労働局紛争調整官の松尾進氏に労働局の個別労働紛争解決制度の運用状況について講義をいただき、第2講として相談事業推進委員会委員長の司法書士の鈴木修司氏に迅速な個別労使紛争の解決手続である労働審判に関する講義をいただいた。松尾氏によると、静岡労働局においても、平成21年度の個別労使紛争の相談は過去最高を記録しており、以降も高止まりしているとのことであった。また、平成22年度は、期間契約社員に関する相談が前年比120%と急増している点が特徴であるとのことであった。

 主な講義内容は次のとおり。
【第1講】
 1 静岡労働局の組織
 2 労働局の個別労働紛争解決制度について
 3 労働局の個別労働紛争解決制度の運用状況について
 4 各機関の裁判外労働紛争解決制度(ADR)等紛争解決制度との関係について
 5 質疑・応答

【第2講】
 1 はじめに
 2 労働審判制度の申立状況
 3 労働審判制度の概要
 4 相談内容別の検討

               *

 個別労使紛争の相談を受ける司法書士も、労働局長による助言・指導や紛争調整委員会によるあっせんなどの手続が個別労使紛争の解決方法の一つであると意識しておくことにより、より適切な紛争解決手続を助言していくことができることになろう。
 そのために、たとえば、募集・採用に関する紛争(内定取り消しなど)は、助言・指導の対象になるが、あっせんの対象にはならないなどの知識は最低限身につけておく必要がある。
 相談者のニーズに沿って紛争解決を目指すためには、行政機関との連携が極めて重要だ。これからも継続的に連携を深めていきたい。


データのバックアップを万全に!

 先日、グーグルカレンダーなどのデータが消滅してしまったケースがあったようだ。当事者は、同職である。(後日談によると、データの消滅は一時的なものであり、後ほど復旧したとのことではある。)

 昨今、クラウド化が進んでおり、無料のウェブサービスを使って、データをインターネット上に保管することも多くなっている。複数のパソコンからも同時に閲覧・編集等ができるために、非常に便利なのだが、やはり今回のようなリスクがつきまとう。
 とくに無料サービスの場合、データ消滅の際のリスクは利用者の自己責任となるケースが多いものと思われる。
 万が一に備え、クラウドサービスを利用しつつも、データのバックアップを定期的に行っていく必要があろう。

 同様に、パソコン以外の作業についても、万が一のために、データのバックアップ類似の代替措置を検討しておく、という発想は重要だ。一つの方法がダメになっても、別の方法がある、というのは確かに強い。

 同職の中には、人生のバックアップをしておくべきである、というツワモノもおり、そのような発想からは、司法書士資格のバックアップのために、別の資格も取得しておく、さらに、究極的には資格に頼らない、という業務姿勢にも行きつくことになるようだ。確かに、自分の個性のみで生きていく、というのは最強の選択であり、そこまで行き着いたら、バックアップを取る必要もなくなるだろう。

 とはいうものの、私にとっては「司法書士」という資格取得の前後を通じて得たものが大きな財産となっており、正直なところ、「司法書士」資格の代替資格はありえないと考えている。
 時代の変化に対応しながら、司法書士制度が発展し、存続することを願っている。

 今回はエッセイ風。 

全青司沖縄役員会2日目

 平成22年11月14日(日)9時30分から12時30分まで、昨日に引き続き沖縄において、全青司役員会が開催された。

 全青司から会員へ直接情報を発信するために、その内容や方法について協議がなされた。全青司会員のMLの加入率が低迷しているので、多少アナログではあるものの会員事務所へFAXするなどの方法も再考する必要があろう。受動的ではあるが全青司としてのブログを開設してもよいのかもしれない。
 また、人権委員会は、役員会終了後、愛楽園というハンセン病施設に訪問するとのことである。

 2日目の主な議題は、武富士会社更生に関する対策だ。
 会社更生の手続開始決定がなされた今、武富士の会社更生手続が適切に進められているのか監視するとともに、債権届出の促進、債権届出をした過払債権者の保護、このままでは生じるであろう期限内に債権届出をすることができなかった潜在的過払債権者への保護、など複数の対策を同時進行で進めていく必要があろう。
 全青司の具体的対策が協議されたので、今後速やかに実践されていくだろう。

 なお、今回の役員会もユーストリームを利用して、役員を対象に配信をした。220名ほどいる役員のうち、延べ100アクセス以上と多数の方に視聴していただいた。沖縄に来れなかった役員からも好評の声をいただいている。
 これを機に、「何らかの事情により、継続的に役員会に実際に参加できなくとも、全青司活動はできる」ということを周知していきたい。

 次回は12月18日(土)19日(日)に、札幌から配信する予定である。

全青司沖縄役員会1日目

 平成22年11月13日(土)13時から18時まで、沖縄において、全青司役員会が開催されたので、副会長として参加した。
 役員会・代表者会議は全国各地で行うようにしているが、それぞれの地で行う意味がある場合が多い。
 今回の沖縄もそうだ。
 沖縄は、歴史的に見ても、人権・政治的に関する問題が多く発生しているところであり、それら諸問題を肌で感じ、考えるためにも、近時、全青司では、数年に一回のペースで、その地において役員会を開催している。

 議題は、全青司の災害への対応、各委員会の活動報告など、あいかわらず多岐にわたった。
 私の担当する委員会では、民法(債権関係)改正に対する全青司意見の追加論点の承認、消費者問題に関するシンポおよび消費者庁との意見交換会などについて議論・報告が行われた。

 今年度も折り返し始めたので、下期の事業もラストスパートをかけていきたい。


【日弁連シンポジウム】保証制度を考える~保証被害のない社会を目指して~

 平成22年11月11日(木)18時から20時まで、弁護士会館において、シンポジウム「保証制度を考える~保証被害のない社会を目指して~」が開催されたので、参加した。
 今回のシンポジウムは、現在、法務省法制審議会・民法(債権関係)部会において、保証契約についても見直しが検討されているところであるので、保証被害の実態や諸外国制度検討などを通じて、個人保証の廃止を含めた抜本的な見直しについて考えるために開催されたものである。

 シンポジウムの次第は次のとおり。
1 開会挨拶
2 保証被害の実態報告          
茆原洋子(消費者問題対策委員会幹事)
    岡島順治(消費者問題対策委員会委員)
3 判例からみた現行の保障制度の問題点  
千錦俊一郎(消費者問題対策委員会委員)
4 諸外国の保証制度について       
高橋敏信(消費者問題対策委員会委員)
    千錦俊一郎(消費者問題対策委員会委員)
5 パネルディスカッション
 (パネリスト)
   道垣内弘人 氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
   前川 清成 氏(参議院議員)
  山野目章夫 氏(早稲田大学大学院法務研究科教授)
   黒木 和彰 氏(消費者問題対策委員会幹事)
(コーディネーター)
  辰巳 裕規 氏(消費者問題対策委員会委員)
  (会場発言)
  中村 廉平 氏(商工組合中央金庫法務室長)
6 閉会挨拶
            *
【シンポジウムに参加した私の雑感メモ】
・高額な保証を禁止すべきではないか。つまり、保証人の資力を超える保証は禁止すべきではないか。
・保証人への請求が顕在化する場合(すなわち、主債務者の弁済が遅滞した場合)、保証人に対する期限の利益は喪失させるべきではないのではないか。
・保証契約締結の際、保証人に与えられる情報は、あまりにも少ないのではないか。
・保証契約の不成立、錯誤などによる意思表示の無効等、公序良俗等による無効などの保証契約を否定する裁判例を丁寧に検討する必要がある。とくに債務者の信用状態に誤信があった場合の錯誤無効について。また、公序良俗や信義則などの一般条項によって救済される判例が増加しているということは、そもそも具体的規律についての立法が要請されていることの証左であるといえるのではないか。
・フランス法では、保証人の財産が債務を実現させることを許容する場合でないときは、保証契約が制限される(消費法典313-10条)。日本の民法450条を強行規定とすることで同様の制限をしてはどうか。
・フランス法で規定される手書き要件やクーリングオフ権について、情誼的保証に対する実効力は、いかほどなのか。結局、保証人は、主債務者への情誼により、手書きをしたり、クーリングオフを留まったりするのではないか。もちろん、無いよりはあったほうがよい規定だと思うが。
・第三者保証、経営者保証などの区分をどう考えるか。
・説明義務責任は、とくに保証契約にのみ設けるべきものか。契約一般に求められる責任なのではないか。
・物上保証人に対する保護もパラレルに考える必要があるのではないか。
・連帯保証と連帯債務との規定を実務上の問題点を整理すべきではないか。
・会社法改正により資本金の最低限度が撤廃されたため、主債務者となる法人の資力要件が担保されなくなったとの考え方もある。
・保証債務が顕在化しないまま保証人が死亡した場合、保証人の相続人が単純承認した後、保証債務が顕在化して請求を受けることになるといった際に大きな問題となるケースもある。
・第三者保証は、ほぼ情誼的保証といえる。これは禁止もしくは制限すべきであることは明らか。一方、経営者保証はどう考えるか。日弁連は、経営者保証も禁止もしくは制限すべき方向で考えているようだが。
・保証制度とは本来債権者が負うべき与信リスクを保証人に負わせる制度に他ならない。
・個人保証廃止とは、債権者と保証人との間の合意を否定することになる。贈与のように一見合理的ではない契約であっても有効であるので、保証契約の合意を否定することは理論上困難ではないか。むしろ、保証契約の成立や効力を制限もしくは強化する方向で検討すべきではないか。
・保証人保護の問題は、民法で検討すべき問題か、それとも特別法で検討すべき問題か。
・経営者保証とは、経営者の道義的責任を法的責任へと変更する制度といえる。
・フランス法の比例原則を日本の民法に導入する可能性はあるのか。過大な責任の捉え方が重要である。ただし、特別法による導入が妥当であるとの見解もあるようだ。
・適合性原則を保証契約にも導入する必要もあるか。

司法書士としての生き方 その12

 司法書士になるまでの回想記の続きである。バックナンバーは、左欄の「司法書士新人研修」からご覧いただきたい。

 本編では、紆余曲折の末、父の死により、やっと司法書士を目指すだけの動機づけが形成され、途中で挫折しそうになりながらも、スノーボードの世界選手になった友人などを目標に受験勉強を続けているところである。

 今回は、番外編的に、過酷な受験勉強の先にあるものについて振り返ってみたい。
 司法書士試験は、司法書士試験を目指そうという気持ちをもつことができた人であれば、1日あたり10時間程の勉強を毎日、それを1年から2年ほど継続することで、合格レベルに達することができると思っている。(いずれ述べることになろうが、合格レベルに達することと合格することは別ではある。)

 そうは言っても、毎日10時間程の勉強時間を継続するのは楽ではない。
(とくに私の場合、1日8時間働きながらであったので尚更だった。1日10時間の勉強時間、8時間の労働時間、2時間の最低限の生活時間、8時間の睡眠時間というのが平均的な1日の内訳だった。重複する時間があるところがミソである。)

 そのような非人間的な生活を送ることができたのも、当時、「合格すれば、後は何とかなる」という漠然とした希望を持つことができたからだ。それだけ「司法書士」という資格には魅力があるように思えたのである。

 「合格後」のことは受かってから考えればよいと思うことができたので、受験時代は合格することだけを考えることに専念できていた。開業後の不安を持つことなく、受験勉強だけに専念できるというのも幸福である。
 そして、実際に、今のところ、何とかなっている。


 翻ってみて、現在は、どうなのだろう。

 「合格すれば、後は何とかなる」

 今の司法書士受験生は、そう思っているだろうか。


 「司法書士」という資格が、いつの時代も受験生にとって、そう思えるだけの魅力ある資格であり続けなければならないし、実際に「何とかなる」という実績も残し続けていかなければならない。
 そうでなければ、多くの受験生は、全ての生活を一変させてまで、朝から晩まで受験勉強漬けという毎日を送ることが嫌になってしまうだろう。

 「司法書士」という資格が、過酷な受験勉強の先にある「輝かしい未来」であり続けるために、司法書士を取り巻く環境が大きく変化している今こそ、一足先に司法書士になった者が奮起するときではないかと感じている。

 

エステ契約の中途解約

 最近、エステ契約の中途解約の相談が多い。
 エステ契約は、特商法に規定する特定継続的役務契約に該当し、同法において中途解約が認められているにもかかわらず、業者によっては消費者に対して中途解約はできないという主張をしてくることもあるようなので注意が必要だ。
 エステ契約の解約において代金全額を既に支払っていた場合、基本的には、まだ施術を受けていない分の時間単価から2万円か残額の10%のいずれか低い額を控除した額の返還を請求することができる。
 ただし、エステに必要なパックなどの関連商品の清算やクレジットを利用していた時の手数料の清算など、計算が複雑になるケースも多々見受けられる。
 それらにも留意しながら、業者に対しては中途解約による返金請求をしていくことになる。

 エステ契約の中途解約は残金が比較的少額になることも多く、消費者が泣き寝入りすることも多いようだ。
 しかし、泣き寝入りする前に、司法書士などの専門家に、ぜひ相談をしていただきたい。

【書籍紹介】現代日本の紛争処理と民事司法

 平成22年11月8日は、日司連において、月報発行委員会が開催されたので、委員として参加した。
 月報司法書士に寄稿することになっていた原稿を一本脱稿し終えた後だったので、少し気が楽だった。
 原稿の内容は、一般民事に関するものだ。昨今インターネットを利用した新しい契約トラブルが急増しているが、そのような書籍に載っていない類型の事件も、適切な思考プロセスを経て、わたしたち司法書士が積極的に受任していこうという要旨のものである。

 さて、そうは言うものの、実はもう一つ原稿が残っている。
 大阪大学の仁木恒夫准教授の執筆された「司法書士の紛争処理機能」という論文を踏まえての司法書士制度論に関する原稿だ。簡裁代理権取得後の司法書士の紛争処理機能としての在り方を考察する予定だ。このテーマを考察するにあたっては簡裁代理権取得前の本人訴訟支援との対比が重要になると考えている。
 今月中には脱稿したい。
 
 なお、上記論文の掲載されている書籍は、こちら↓
 「現代日本の紛争処理と民事司法2トラブル経験と相談行動」東京大学出版会
 http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-035072-3.html

 司法書士の在り方を非常に考えさせられる内容の論文なので、司法書士は、すべからく熟読していただきたい。


日本消費者法学会第3回大会

 平成22年11月7日(日)10時から17時30分まで、明治大学駿河台キャンパスリバティタワー1階リバティホールにおいて、日本消費者法学会第三回大会が開催されたので、会員として参加した。
 「集団的消費者被害救済制度の構築へ向けて」をテーマとして、シンポジウムが開催され、次のとおり報告がなされた。
 報告①「集団的消費者被害救済制度の展望と課題」慶応義塾大学教授 三木浩一氏
 報告②「集団的消費者被害の救済制度と民事実体法」慶応義塾大学教授 鹿野菜穂子氏
 報告③「集団的消費者被害の救済と手続法」北海道大学教授 町村泰貴氏
 報告④「消費者被害の回復―行政法の役割―」神戸大学教授 中川丈久氏
  ゲストスピーチ「ヨーロッパにおける集団的消費者被害救済制度の展開」
            ヨーロッパ大学研究所教授 ハンス・W・ミクリッツ氏
            ブレーメン大学名誉教授  ノルベルト・ライヒ氏
 報告⑤「集団的消費者被害救済制度に向けた実務からの提言」弁護士 大高友一氏
 報告⑥「適格消費者団体から見た現状の問題点と新制度への提言」消費者機構日本理事・事務局長 磯部浩一氏
  コメント:名古屋大学教授 千葉恵美子氏
  コメント:弁護士・消費者庁企画官 加納克利氏

 報告・コメントの後、それらを踏まえた質疑に応答する形でのディスカッションが展開された。

 報告によると、消費者被害を適切かつ効果的に救済するための新しい制度として、①民事訴訟制度の枠内での対応、②行政による経済的不利益賦課制度、③効果的な保全制度と破産手続の活用を挙げることができる。
 このうち、民事訴訟制度の枠内での対応として、集合訴訟制度が検討されている。消費者被害には、多数・同種の被害が頻発したり、反復されたりすることが多い点、事業者と消費者との間の情報・能力の非対称性が存在する点、被害額が少額である点などの特徴があるからである。
 この集合訴訟制度は、3つの類型に大別され、検討が進められている。
【オプトアウト型】
個々の消費者からの具体的な授権がなくても、同じクラスに属する者の権利が、そのクラスを代表する者により提起された訴訟において当然に対象となり、その判決等の効果を望まない消費者は、一定の時期までに離脱の手続をとる制度
  ⇒ 新しい立法が必要
【オプトイン型】
個々の消費者からの具体的な授権に基づき、ある者が、多数の消費者に属する多くの権利を束ねて行使する制度
  ⇒ 場合によっては、現民訴法の運用による対応も可能
【2段階型】
 業者の責任などの共通争点を第一段階で扱い、個々の消費者の損害などの個別争点を第二段階で扱う制度
  ⇒ 新しい立法が必要

               *

 司法書士実務では、消費者事件の紛争が、たとえ少額であっても個別に解決を図ることが原則であるので、今まで、私は、正直「集団的消費者被害救済」という視点で、紛争解決を考えたことがなかった。そのため、新しい制度スキームを多く知ることができ、非常に有意義なシンポジウムであった。
 

静岡県司法書士会相談事業推進委員会

 平成22年11月4日は、静岡県司法書士会において、相談事業推進委員会が開催されたので、相談事業部長として参加した。

 主な議案と議論の要旨は、次のとおり。
1「総合相談センターしずおか」の相談員として登録していただいている司法書士を対象とする研修の開催
 ⇒ 本年度、既に1回実施しており、下期は110番事業を2つ残しているので、表記研修会は次年度以降の課題とする。

2「労働トラブル110番」開催
 ⇒ 11月23日に開催予定。テーマは法改正が検討されている「有期契約労働者」に焦点をあてたものとする。事前勉強会には労働局の方を講師に招く予定。

3「賃貸トラブル110番」開催
 ⇒ 3月27日に開催予定。近日、最高裁による判断が下されることが予想される「更新料」について、静岡県の実態を事前に調査する。今までの経験上、静岡で、関西並みの更新料をとる慣習はないと思われるが、あまりにも高額の慣習があるようであれば、対策も検討する。その他、同時に新規会員向けに、この機会に敷金の論点整理も行ってはどうか。また、貸主側の建物明渡請求の相談件数にも着目しておく必要がある。

4「物損交通事故ホットライン」の周知方法
 ⇒ 「総合相談センターしずおか」で物損交通事故に関する相談も取りあつかている旨を継続的に広くアピールしていく。3月に行う予定の行政相談担当者向研修会で、物損交通事故をテーマとするので、その際に告知することも考えられる。

 静岡県司法書士会の事業年度は3月までである。ただし、定時総会が行われるのが5月なので、総会終了時までは暫定期間として年度終了後も事業を行う必要がある。定時総会終了まで、いよいよ、あと6カ月だ。残りの期間、充実した相談事業の活動を展開していきたい。

【書籍紹介】アウトプット・リーディング

 当事務所で研修されていた静岡県御殿場市の司法書士小林亮介さんが読書術の本を出版した。「アウトプット・リーディング」というタイトルである。ツイッターを利用して、読書の効果を高めようという趣旨の内容だ。なお、校正のお礼に著者サイン本の謹呈をいただいた。ツイッター上では、ハッシュタグ「#outputreading」で情報交流を図っているようだ。詳細は、右記リンク先から著者のブログをご参照いただきたい。

 ところで、著者は、ツイッターだけでなく、各種クラウドサービスの活用にも熱心である。それには、御殿場市で開業という土地柄も多分に影響していると思われる。御殿場市は、よく会議や研修のある静岡市まで行くのに片道1時間半から2時間ほどかかり、著者は、そのような移動時間のロスを極力省きたいと常々言っていたからである。
 「業務効率化」は、たとえ静岡市に事務所をおく司法書士にとっても重要な課題だ。
 著者には、本書執筆の経験などを踏まえて、一層業務効率化に取り組んでいただきたい。

 書籍の売れ行きもかなり良いようである。詳細は、こちら↓。



 司法書士が一般読者層に対してメッセージを発信するという意味においても注目すべき書籍であろう。

【静岡県司法書士会】武富士更生手続開始決定を受けた会長声明

 静岡県司法書士会では、武富士の会社更生の手続開始決定を受けて、平成22年11月1日次のとおり会長声明を出したので掲示する。

                       記

 平成22年10月31日、東京地方裁判所民事第8部(以下「東京地裁」という)は、株式会社武富士(以下「武富士」という)に対し更生手続開始の決定をした。

 武富士は、今日までに、完済者を含めた全顧客との取引につき、利息制限法に基づく元利充当計算を終了し、この結果、約200万人の過払債権者の存在が判明したそうである。

 本件更生手続が公正かつ適法に進行されるためには、約200万人の過払債権者全員が債権者一覧表(会社更生規則13条)に記載され、東京地裁より開始決定書が送付される必要がある。
 そうでなければ、債権者一覧表に記載されない過払債権者は、更生手続開始決定の事実を知る機会が奪われ、配当を受けるために必要な債権届出を行うことなく失権してしまう可能性が残る。

 武富士はこれまで、現に顧客から過払金返還請求を受けている約16万人の過払債権者だけを債権者一覧表に記載し、残りの約184万人はこれに記載せず、新聞広告やテレビCMを通じて債権届出を促す方針との説明をしてきており、その後この方針が変更になったとの情報を得ていない。東京地裁も、武富士の方針を受け入れ、更生手続開始の決定をしたものと考えられる。
 しかし、約184万人の全員が新聞広告等による告知を目にするとは考えられないし、告知を目にしたとしても、その告知によって「自分も債権届出が必要」との認識を持つことができる者は一部に限られるものと考えられる。

 告知を目にすることができなかった者、告知を目にしても「債権届出が必要」との認識を持てなかった者は、いずれも配当を受ける権利を失ってしまう。

 武富士自身が「債権者」として認識している約200万人の過払債権者を、債権者一覧表に記載しないまま手続が進行されるならば、本件更生手続は重大な瑕疵を伴う違法な手続であると指摘せざるを得ない。
 東京地裁が、全過払債権者に等しく債権届出の機会が保障されないことを知りながら更生手続開始の決定をしたことは極めて遺憾であり、当会は、これが是正されるよう強く求める。



平成22年11月1日
静岡県司法書士会 会長 早 川 清 人

【全青司】武富士の会社更生手続開始決定を受けての会長声明

 武富士の会社更生手続の開始決定を受けて、全青司は、平成22年11月1日、下記のとおり会長声明を出したので掲示する。


                     記


 私たち全国青年司法書士協議会は、全国の司法書士約3,100名で構成する「市民の権利擁護及び法制度の発展に努め、もって社会正義の実現に寄与すること」を目的とする団体である。

 本年10月31日、午前10時、東京地方裁判所より株式会社武富士(以下「武富士」という)の会社更生法に基づく手続開始決定がなされた。
当協議会は、日頃より多重債務問題の抜本的解決に取組み、多重債務被害者救済活動をしている現場の法律家として、以下のとおり声明を発表する。

【声明の趣旨】
 今回、東京地裁民事第8部は武富士の会社更生法手続申立代理人である小畑英一弁護士を更生管財人に選任した。しかし、会社更生手続においては手続の公正性・透明性の確保が強く要請されるところであり、それを疑わしめるような利害関係を有する者を手続の適法性保持を職務とする法律家管財人に選任することは避けるべきである。この点会社更生手続きの申立代理人弁護士(今般選任された更生管財人)は、会社更生手続の申立代理人であるから実質的には申立人が推薦する者であり、利害関係のある者と言わざるを得ない。
 武富士の創業者や役員等については、違法行為の調査・責任追及・責任財産の確保を適正に行うことは、更生手続きにおいて犠牲を強いる事になる更生債権者等の納得と協力を得るため、また会社財産の充実を得るために重要である。また、自らが債権者であることを知らない潜在的過払債権者に個別直接の通知をして債権届出を促すこと、更生計画の中で過払債権者の債権の弁済率をどれだけ確保できるのかは、公正・公平な適任者が管財人に選任されるか否かにかかっていることは言うまでもない。
 したがって、今回の武富士会社更生手続き開始決定において利害関係人である会社更生手続申立代理人が更生管財人に選任されたことは重大な問題である。
 今回の武富士会社更生における主要な債権者は過払債権者であるが、過払金は、高金利、過酷な取立てにより他社から借り入れた借金の返済、それらの返済のために滞ってしまった生活費や教育費、滞納していた公租公課等の支払いに充てられるものであり、公正・公平な管財人によって、武富士の創業者や役員等についての違法行為の調査・責任追求・責任財産の確保を適正に行い潜在的過払債権者を含めた全ての過払債権者に対する手続き参加の機会の確保及び弁済原資の充実を図ることが必要である。しかし、創業者や役員等への責任追及が利益相反ともみられるような会社更生手続申立代理人である管財人の関与のもと、武富士が債権者と認識しているにもかかわらず、自ら債権者であることを認識できない過払債権者が権利行使の機会を奪われることになるような手続きは、公正性・透明性を欠き、更生裁判所への信頼を失墜させるものである。
 武富士の会社更生開始決定にあたり、そこに至る背景には、高金利・過剰融資・過酷な取り立てにより、実に数多く多重債務被害を生じさせていたことや、盗聴問題で当時武富士会長であった創業者武井保雄氏の逮捕及び同社の有罪判決並びに違法取り立てやそれを隠匿するための不正な取引記録の作成等による業務改善命令等、武富士の経営自体に様々な問題が指摘されていたことを忘れてはならない。
 また裁判所の関与の下、直接意見をすることができる財産状況報告集会が開催されないのは、会社更生申立代理人という利害関係人を管財人に選任したことに加えて、甚だ遺憾であり、武富士の会社更生手続きの不公正さと不透明性を感じざるを得ない。当協議会は、日頃より多重債務問題の抜本的解決に取組み、被害者救済活動をしている現場の法律家として今後も今回の武富士会社更生手続きを注視し、被害者の声を届け続けることを宣言するとともに、今後の武富士の更生手続きについては、武富士利用者の保護の視点から、特に下記の点に留意して手続きが進められるよう強く求めるものである。
                     記
1.管財人を利害関係のない人材に変更すること。
2.現在の利用者のみならず完済後10年以内の利用者も含め自ら利息制限法の上限利率による引き直し計算を行った結果、過払金が判明した過払債権者に対して、既に権利行使を行っている者及び債権届出をする意思がないことが明らかであると認められる者以外は全て、個別に、過払金が発生していること及び届出に関する通知を直接行うこと。
3.潜在的過払債権者を含めた全ての過払債権者への弁済率を高めることを優先するため創業者・役員等への違法行為の調査・責任追及・責任財産の確保を適正にかつ徹底して行うこと。
4.引き直し計算の結果、残高のある債権の利用者については債務者の経済的更生を妨げないよう経過利息・将来利息を付さない分割弁済等に応じること。
                                            以上

武富士会社更生手続開始決定!

 平成22年10月31日10時に、東京地裁が武富士の会社更生手続開始決定をした。
 同決定により、申立代理人が管財人に選任されたが、武富士経営者の吉田純一氏が管財人に選任されていない点に留意を要する。
 なお、過払いを含む更生債権等は、平成23年2月28日までが届出期限とされた。会社更生手続は、自認という概念がないため、このまま会社更生手続がすすむと、同期限内に届出がないと、更生債権は失権する。

 詳細は、こちら。
 http://www.takefuji.co.jp/main.html

 今回の会社更生手続開始決定により、武富士について会社更生手続のレールがひかれたが、果たして、このまま会社更生手続が進められるべきなのだろうか、という疑問は未だ払拭できない。
 各団体も、本決定に際し、続々と意見、声明を出すと思われる。それらが公表され次第、本ブログにもアップしていきたい。

プロフィール

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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