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司法書士としての生き方 その11

 司法書士になるまでの回想記の続きである。バックナンバーは、左欄の「司法書士新人研修」からご覧いただきたい。

 さて、司法書士試験の受験勉強を始めたはよいものの、司法書士試験の内容は、それまで法律にほとんど縁がなかった者にとっては途方に暮れるに十分なものである。試験科目だけでも11の法律があるし、「書式」と呼ばれる記述式の問題もある。データを見ても、毎年3%弱の合格率という宝くじのような確率である。通常の神経では、合格できる気にすら中々なれないだろう。そこを詭弁でも何でもよいので、とりあえずクリアして、まず、自分が合格できる気にならなければならない。

 思うに、合格できる気になり、司法書士試験を突破するに重要なことは次の事項である。
1 本気で受験勉強に取り組むだけのきっかけがあること
2 受験勉強を継続するモチベーションを保つこと
3 常に根拠のない自信をもつこと

 私にとっての上記1については、今までに既に述べた。

 今回は、上記2について、である。
 私は、通信で受験対策をたてていたために、しばらくの間、司法書士試験の受験生とは、どのような属性の人なのかすら分からず、私が司法書士試験の受験生として浮いているのではないか、と思うこともあった。それでも、いったん始めると決めた以上、受験勉強は続けるのだが、時には本当に合格できるのか不安にもなる。

 そのようなときの不安を払拭してくれたのが、中学時代の友人の存在だった。

 彼は、中学時代もっとも仲がよく、放課後、毎日のように一緒にスケートボードをしていた仲間だ。地元では彼がスケートボードNO1、隣にいた私がNO2というほど、二人して熱中していた。(NO1,NO2というものの彼の滑りとの間の隔たりは大きく、世界と町内くらいの差があったのだが。)彼とともに新しい技にチャレンジするのは、とても楽しかったし、親分肌の彼からはスケートボード以外の多くのもの、人との付き合い方なども学んだ。
 ところが、中学卒業後、それぞれ別の高校に進学し、それまでのように会うことがなくなってしまった。
 部活を始めたことによってスケートボードをすることができなくなってしまった私は、高校以降もスケートボードを続けていた彼に会うのに引け目を感じるようになっていたからである。

 そして、高校在学中に、噂で、彼がスケートボードからスノーボートに転向したと聞いた。冬の間は、リフト小屋のトイレの個室で寝泊りをしてまでスノーボードを滑っていたらしい。そのような彼の姿は容易に想像することができた。あいかわらずだ。
 その後、彼は、世界選手権に出るまでのスノーボードの選手になった。今では、大企業がスポンサーとなって、プロスノーボーダーとして活躍をしている。

 スノーボード一つで世界に達した彼に比べれば、国内で司法書士試験に合格することなど容易いことのように思えた。だからこそ試験勉強で不安を感じたときも、彼の存在を思い返し、合格しない97%ではなく、合格する3%の層だけを意識することができたのである。
 司法書士試験に、ふと、くじけそうになったときにもモチベーションを維持できたのは彼の存在のおかげだ。

 住む場所も変わってしまい、すっかり会わない日々が続いているが、司法書士となってからも、彼の存在は忘れたことはない。誰でも気持ち次第で世界を目指すことができるのだ、ということに気づかせてくれたのだから。

 司法書士となった今、今度は、私が、あのときの彼になる番だ。
 そのような気持ちで、このブログを続けている。

 
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【全青司】株式会社武富士の会社更生手続きに対する要望書(東京地方裁判所 民事第8部宛:第2回目)

 全青司が、平成22年10月26日、東京地裁に対し、武富士会社更生に関する要望を次のとおり提出した。
同日、調査委員宛にも提出しているので、詳細は全青司HPをご参照いただきたい。
 http://zenseishi.com/opinion/


 私たち全国青年司法書士協議会は、全国の司法書士約3,100名で構成する「市民の権利擁護及び法制度の発展に努め、もって社会正義の実現に寄与すること」を目的とする団体である。

 本年9月28日、株式会社武富士(以下「武富士」という)が、東京地方裁判所に対して、会社更生法に基づく手続開始の申立を行い、倒産手続に入った。

 会社更生手続きは、申立時に債権者が確定している一般企業を想定した手続きであるが、これに対し、武富士の債権者には自覚していない潜在的過払い債権者が膨大に存在するという特徴がある。多数の一般個人顧客を有する消費者金融会社の会社更生手続きにおいて、債権者が自らが債権者であることに気付かないまま、権利行使の機会を奪われる結果になるようなことが許されてはならず、権利変更を強いられる債権者にとって、裁判所に対する信頼及び透明性が確保されなければならない。

 したがって、今般の武富士の更生手続きについては、下記の事項を強く求めるものである。
                    

                           記

1 法の理念に照らし、武富士に対して、更正手続開始の申し立て以降に判明した過払債権者を含む更生債権者一覧表の補正・追完を求めること。

2 武富士の会社更生問題は多数債権者の重大な関心事項であるので、財産状況報告集会は必須である。したがって、上記会社更生開始決定申立事件について会社更生手続開始決定がなされる場合には、財産状況報告集会を開催すること。


■ 理 由 ■
 
1 武富士は、会社更生手続き開始の申立以前から、当該申立に向けて、完済した顧客を含めた全取引について、利息制限法に従った利率での引き直し計算を行っていると債権者説明会でも公表した。

 平成22年10月25日、当協議会は、柴田祐之保全管理人代理と面会し、引き直し計算についてはおおよそ完了し、和解した案件等の精査を行っていると説明を受けた。更生債権者となることが見込まれる者が新たに判明したのであるから、更生債権者一覧表について補正・追完を求めるのは当然である(会社更生規則13条1項5号)。しかしながら、武富士は、引き直し計算によって申立以後に、新たな過払債権者及び債権額が判明したしたにもかかわらず、裁判所へは、過払債権者及び債権額ともに合計による報告しかしないとの方針を表明した。

 裁判所が厳格な手続きを進めるうえで、各債権者及び債権額の把握は重要な検討事項であるため更生債権者一覧表の補正・追完を求めるべきである。なお、柴田祐之保全管理人代理も裁判所の要求があれば、各過払債権者の氏名及び債権額の再提出を行うとしている。

2 財産状況報告集会は、関係人にとっては、裁判所が関与することで、関係人から直接意見聴取をすることができ、更生手続き全体の信頼感を得られることとなる。武富士の会社更生問題は多数債権者の重大な関心事項であるので、情報提供の充実と更生手続きに対する信頼性の向上の観点からも財産状況報告集会は必須である。したがって、上記会社更生開始決定申立事件について会社更生手続開始決定がなされる場合には、財産状況報告集会(会社更生法85条)を開催すべきである。

 以上のとおり、当協議会は、厳格かつ適正な手続きを遂行するためにも判明している過払債権者を記載した債権者一覧表の再提出及び開始決定後の財産状況報告集会の開催を強く求めるものである。


日司連「司法書士民事法律扶助業務開始10周年記念事業」報告

 平成22年10月26日(火)12時30分から17時まで、日司連において、「司法書士民事法律扶助業務開始10周年記念事業」が開催されたので、相談事業部長として参加した。この事業は、司法書士が民事法律扶助業務を開始して10年が経過するので、それを記念して行われたものである。全国の各単位会から民事法律扶助業務担当者と司法書士の法テラス副所長ら総勢100名以上が参加した。
 記念事業は、第1部として「司法書士会法テラス担当者意見交換会」と「法テラス司法書士副所長会議」が別に開催され、以降は合同で第2部「座談会」、第3部「セレモニー」が開催された。
 以下、概要を報告する。

【司法書士法テラス担当者意見交換会】
(1)民事法律扶助業務(審査体制等を含む)について
 契約司法書士の受託予定者数契約率は、平成18年度18.8%、平成19年度21.1%、平成20年度24.2%、平成21年度25.7%と増加傾向にあり、書類作成援助も平成18年度3877件、平成19年度4197件、平成20年度5101件、平成21年度6769件と、こちらも増加傾向にある。生活保護受給者の破産予納金決定数は、平成22年度(10月12日現在)7525件のうち、書類作成援助は1002件である。なお、数値は公式データではない点に留意されたいとのことである。
 以降、日本司法支援センター事務局長らと各単位会担当者等との間で、各号に関する質疑応答がなされ、日本司法支援センターから次のような回答若しくは要望がなされた。
  ①「裁判外紛争解決手続への法律扶助の援助について」
 現在は、裁判外の交渉事件として対応しているところである。今後、対象となるADR機関などを検討していきたい。
  ②「自死対策相談としての出張相談への対応について」
 出張相談を積極的に活用していただきたい。出張相談については、旅費の支給規程もあるので参考にして欲しい。ただし、事前に出張相談の申込が必要である点には留意。
  ③「民事法律扶助審査会における司法書士の権限について」
 審査員は専門資格によって権限を分けていないので、司法書士が審査員となる場合であっても、審査の対象が代理権限の範囲に限定されることはない。
  ④「代理援助(法律相談援助)の簡裁事物管轄における、相談票の“一社あたりの経済利益”の考え方について」
 コールセンターでは、便宜、総額で振り分けているが、扶助の申込の際においては、便宜、一社ごとの債務額もしくは過払い額で判断する運用を行っているところである。
  ⑤「指定相談場所の捉え方及び広報活動について」
 司法書士総合相談センターのうち指定相談場所となっている所は地方事務所との連携を図って広報活動等も充実させていただきたい。
  ⑥「センター相談における司法書士の活用について」
 司法書士のセンター相談も司法書士の専門的知見や代理権の特色に配慮した上で積極的に活用を検討していきたい。簡裁の答弁書に司法書士のセンター相談などの案内もしていくとよいのではないか。

(2)情報提供業務について
  ①「地方事務所における司法書士窓口対応専門職員による情報提供について」
 日司連より、司法書士窓口対応専門職員の配置状況に関する報告がなされた。司法書士窓口対応専門職員に対する助成金も行っているところである。
  ②「地方事務所における情報提供業務対応席数の取扱について」
 日本司法支援センターから、予算の都合上、平成23年度より窓口対応専門職員の席数を10席ほど減らさなければならないとの報告があった。
  ③「窓口対応専門職員の採用及び今後の司法書士の活用について」
 日本司法支援センターから、司法書士の専門的知見を活かす形で、今後も司法書士には窓口対応専門職員として活躍していただきたいと期待しているとの報告がなされた。
 なお、最後に、日本司法支援センターでは、現在、資力要件を問わない初期相談の創設を検討しているので、これが創設されると膨大な相談が法テラスに寄せられることが予想されるので、司法書士の活躍に期待している旨の報告がなされた。

【座談会】
 「司法書士の法的サービス提供と民事法律扶助の活用と新たな可能性にむけて」をテーマに、コーディネーターを日司連法テラス対応委員会委員長の和田博恭氏、パネラーを日本司法支援センター本部事業企画本部長の藤井範弘氏、同本部事務局長の田中晴雄氏、同本部第一事業部長の佐川孝志氏、日司連会長の細田長司氏、日司連常任理事の山本一宏氏が務め、司法書士と民事法律扶助の関わり方について、活発な意見交換がなされた。とくに、司法書士の法律扶助の利用については、関与する事件の偏り、地域ごとの偏りが顕著であるので、今後の是正課題である旨が確認された。
 一方、司法書士が積極的に法テラスに関わっていくためには、司法書士の総合相談センターが指定相談場所になることも検討されなければならないが、無料の総合相談センターでは困難となるケースも少なくない。日司連では、これらケースに対応できるよう日本司法支援センターとの協議を重ねていくとのことである。

【セレモニー】
(1)法務省大臣官房司法法制部長の後藤博氏より、「民事法律扶助の一翼を担う司法書士への期待」と題して講話がなされた。不動産登記、商業登記に関する業務はもちろんのこと、憲法に保障された裁判を受ける権利を実現するためにも、司法書士には法律扶助の積極的関与を期待したい。社会の変化に応じて様々な新しい類型の事件が生じるので、継続的な研鑽を積んでいくことも求められる。最後に、法制定時の意気込みを忘れることなく、今後も民事法律扶助の一翼を担っていただきたいと述べられた。

(2)日本司法支援センター理事長の寺井一弘氏より、「民事法律扶助の課題と司法書士への期待」と題して講話がなされた。司法書士には代理援助とともに書類作成援助の活用を期待している。とくに、書類作成援助は、司法書士の方の利用を念頭において設置した制度であるので、積極的に利用していただきたい、とのことであった。最後に、法テラスにおいて、初回、法律相談の無料化を検討していきたいと述べられた。

(3)日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏より、「多重債務問題、貧困問題に対する取り組みと弁護士、司法書士の協働」と題して講話がなされた。平成18年の貸金業法改正の際にも、弁護士、司法書士は力をあわせて法改正運動を行ってきた。これら法改正運動は国民運動となって画期的な結論を産み出すことができたが、法改正運動を国民運動にまで高めるためには弁護士、司法書士などの専門職が協働したからにほかならない。これからは貧困問題に対しても同様に協働していかなければならないだろうと述べられた。

静岡県司法書士会平成22年度第1回ブロック研修(東部)

 平成22年10月23日(土)13時30分から17時まで、三島において、静岡県司法書士会ブロック研修が開催されたので、相談事業部長として参加した。
 静岡県は東西に長いので、静岡県司法書士会では年に2回、東部・中部・西部での研修会を開催している。たとえば、御殿場市からだと静岡市まで行くまでに2時間以上、下田市からだと静岡市まで行くまでに3時間以上かかるので、東部で研修会を開催すると、普段、静岡市まで行くことができない司法書士会員が比較的気軽に参加することができる。
 また、静岡県東部からだと静岡県西部に行くよりも、東京に出たほうが早いときもある。このような距離が研修会の開催地だけでなく、普段の勉強会や事業にも大きく影響しているのが静岡県の特色と言えるのかもしれない。
 司法書士同士も顔を合わす機会の回数などの影響のせいか、それぞれの地区ごとの司法書士によって、雰囲気や傾向が異なるような気もする。

 さて、余談が長くなったが、今回のブロック研修のテーマは、第1講「紛争解決のための思考法」、第2講「区画整理・農地・道路」、最後に「法律扶助の利用促進」である。
 第1講の講師の一人をつとめた佐藤麻妃司法書士は、今回も講義中ロープレをされていた。全青司東京全国研修の労働分科会でも、寸劇の主演を務めておられ、好評を得ていた。ロープレや寸劇の役者のオファーも全国から受付中とのことである。
 ハーバード流交渉術の技法などを交えながら、講義が行われた。ハーバード流交渉術の4原則やバトナの利用などは、交渉において欠かせない。簡裁代理権活用のために、司法書士も一層交渉スキルを磨く必要があると言える。

 私は、法律扶助の利用促進の解説を行ったが、最低限、全ての会員が生活保護者の破産事件についての知識(官報公告費用も含め、立替金の償還猶予、終結後の償還免除される)は身につけておかなければならない。

静岡県司法書士会「高校生法律講座」講師説明会

 平成22年10月22日(金)18時30分から20時30分まで、静岡県司法書士会において、高校生法律講座講師会議が開催された。
 静岡県司法書士会では、高校生法律講座の開催を5年程前から活発に行っており、毎年15校から20校ほどの高校に出張して講義をしているところである。
 今年度は、「~サラ金・クレジットカードを安易に利用してしまうと~」という悪質商法・多重債務の教材と「契約の基本(ネットトラブルを題材として)」という契約の知識に関する教材の2つを用意したので、その教材の説明を行うのが今回の会議の主な目的だ。

 高校生に講義をするのは、本来の予防司法という目的のほか、自らの講義話法のスキルアップに役立つ。高校生が居眠りをする講義は、やはり大人が聞いてもつまらない講義なのだ。大人は我慢して聞いてくれるが、それでは自分の振り返りができない。
 高校生を寝かさない話法を目指して、高校生法律講座を引き続き担当していきたい。

武富士の会社更生、過払いロンダリングを許さない決議

 平成22年10月24日14時から17時まで、東京・四ツ谷において、「武富士の会社更生を許すな!~過払いロンダリングを許さない緊急市民集会」が開催されたので参加した。160名前後の弁護士・司法書士・市民等が参加した。武富士の利用しようとしているDIP型会社更生手続の概要・問題点が協議された後、下記の決議文が採択された。

                   記


 消費者金融大手の武富士が平成22年9月28日会社更生を申し立てた。同社は、消費者金融の草分け的存在として急成長し、その後長らく業界をリードしてきた。しかし、その経営実態はまさに「高金利」、「過剰融資」、「過酷な取立」という「サラ金三悪」を具現化したものであり、これまで数々の社会問題を引き起こしつつ、多重債務被害を拡散させてきた。
 武富士は、平成20年5月16日、違法取立により行政処分を受けている。また、平成15年12月には、当時同社会長であった創業者武井保雄氏が盗聴事件で逮捕され、平成16年11月には、法人としての武富士に批判的な報道をしたジャーナリストや週刊誌に対し、言論を封圧するために高額の名誉毀損訴訟を提起したことについて東京地裁において不当訴訟であるとして損害賠償を命じられている。
 深刻な多重債務被害の救済と庶民向け金融の適正化・健全化を求める国民の声に支持されて成立した改正貸金業法が完全施行されるに至った本年、違法行為すらも厭わず、生活困窮者から高利を貪り続けるというビジネスモデルで肥大化した武富士が倒産し、市場から撤退することは時代の必然である。
 しかしながら、武富士は「反省なき復活」を画策している。その手法は「過払いロンダリング」である。すなわち、会社更生手続により膨大な過払債権を失権させ、経営陣や創業者一族を護持したまま、身軽になって再び貸金業を始めようというのである。
 そして、武富士の会社更生では、現経営陣が管財人に就任する、いわゆる「DIP型」が採用され、吉田純一代表取締役が管財人に選任される見込みであるという。しかし、これまで不祥事が絶えなかった武富士の経営陣から管財人が選任されることは極めて問題である。武富士の会社更生手続においては、約90万人の顧客、200万人に及ぶとされる過払債権者に対する手厚い保護が求められることは勿論のこと、創業者一族や経営陣に対する責任追及が強く求められるはずだからである。しかるに、そうした会社更生手続においてDIP型が採用されることになれば、会社更生法の透明・公平・公正であるべき手続が著しく損なわれてしまう。
 私たちは、本日の緊急集会で武富士の企みを改めて確認した。私たちは、「武富士の会社更生」すなわち「過払いロンダリング」を決して許すことはできない。それを許せば、武富士の逃げ得を許すだけでなく、今後、他の消費者金融業者も次々と「過払いロンダリング」に手を染めるであろう。
 そもそも、過払金は、多重債務者が苦心惨憺して支払ってきた末に発生したものであり、貴重な過払金は、多重債務からの脱出や生活再建などの原資として有効に使われなければならないはずのものである。その貴重な原資を犠牲にするのであれば、それなりの大義が伴わない限り、とうてい納得できるものではない。私たちは、多くの過払債権者と借主のために、また、健全な消費者金融市場の育成のためにも、武富士を市場から退場させるために全力を尽くすことを決議する。

 2010年10月24日

武富士の会社更生を許すな!~過払いロンダリングを許さない緊急市民集会参加者一同

☆「武富士の会社更生を許すな!    ~過払いロンダリングを許さない緊急市民集会」にご参加を

武富士会社更生に対する緊急集会が開催されるので、案内文を下記に掲げる。

           記

☆「武富士の会社更生を許すな!
   ~過払いロンダリングを許さない緊急市民集会」にご参加を
 日時 10月24日(日)14時○○分-17時○○分
 場所 主婦会館・プラザエフ 9階スズランの間
   東京都千代田区六番町15番地(案内図別紙の通り)
   電話03-3265-8111
   JR四谷駅・麹町□目の前
   地下鉄(丸ノ内線・南北線)四谷駅より徒歩1分
内容
1.開会挨拶 木村達也弁護士(全国クレジット・サラ金問題対策協議会代表幹事
2.武富士の会社更生法適用申請の問題点(平井弁護士)
3.被害者の声
4.今後の対策(新里宏二弁護士)
5.集会宣言
主催・武富士の過払いロンダリングを許さない緊急集会実行委員会

 ☆武富士を利用している人の不安に応える緊急相談会
   一人で悩まないで!借金の解決は必ず出来ます!まずはご相談下さい!
 日時 10月24日(日)10時○○分-13時○○分
 場所 主婦会館・プラザエフ 7階カトレアの間(上記と同じビルです)
 内容 過払い金はどうなるか?債務整理の方法
2010年10月20日
武富士の過払いロンダリングを許さない緊急市民集会実行委員会
連絡先
全国クレジット・サラ金問題対策協議会
    弁護士 及川智志
    047-362-5578
全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会
     事務局長 本多良男
東京都千代田区内神田2-7-2 育文社ビル3階
電話03(5207)5507 FAX03(5207)5521

 9月28日、消費者金融業界大手の武富士が会社更生を申し立てをしました。武富士は、消費者金融の草分け的存在として急成長し、その後長らく消費者金融業界をリードしてきました。しかし、その経営実態はまさに「高金利」「過剰融資」「過酷な取立」という「サラ金三悪」を具現化したものであり、これまで数々の社会問題を引き起こしつつ多重債務被害を拡散させてきました。
 私たちは、深刻な多重債務被害の救済と庶民向け金融の適性化・健全化を求める国民の声に支持されて成立した改正貸金業法が完全施行されるに至った本年に、生活困窮者から高利を貪り続けるというビジネスモデルで肥大化した武富士が倒産手続により市場から撤退をすることはあまりにも当然のことと受け止めています。
 武富士は会社更生手続において「過払い金返還逃れ」を狙い、再び「貸金業の復活」を果たそうとしています。
 私たちは「武富士の会社更生を許すな~過払いロンダリングを許さない緊急市民集会」を頭書記載の要領で開催します。
 皆様のご参加をお願いしますっ!!!これで動員ができなければ武富士の逃げ得を許し、ほかのサラ金も次々過払金ロンダリングをはじめてしまいます。時間がありません。いますぐ仲間・同志に電話架けを!!!
 東京・首都圏の皆様は全力動員を!全国からも全力動員をお願い致します!
 会場は160人です。これをいっぱいにして武富士に鉄槌をくだしましょう!
 一方、武富士の利用者の多くは過払い金はどうなるか?等の不安を抱え込まれていると思います。武富士を利用している人の不安に応える緊急相談会を集会に先立ち開催します、一人で悩まないで!借金の解決は必ず出来ます!まずはご相談下さい!

消費者問題シリーズ研修会開催報告

 平成22年10月21日(木)13時30分から16時30分まで、静岡県司法書士会において、多重債務問題対策委員会主催による「消費者問題シリーズ」研修会が開催された。この研修会は、行政機関等との相談担当者を対象に数年前から開催している継続研修会である。今回の参加者は27名ほどであった。
テーマは、労働問題である。
 多重債務相談を受けていると、多重債務に陥るきっかけは、給料の未払いであったり、不当な解雇であったりすることが多い。債務の整理を相談するだけでなく、それら背景に潜む紛争にまで目を向ける必要があるのではないか、というのが、今回の研修会のテーマ選定における問題意識である。
「賃金未払いに対する法的対応」として第1講を鈴木修司会員、「不当解雇に対する法的対応」として第2講を杉山圭会員が講師を務めた。
 以下、講義内容の概要を紹介する。

【賃金未払いに対する法的対応】
 賃金未払いの相談を受けるときのポイントは、次のとおりである。
① 労基法上の「労働者」であるかを確認する。該当しなければ、労基法24条をはじめ、労基法の保護を受けることができない。少なくとも裁判例で問題となったことのある「委託検診員」、「研修医」、「トラック運転手」、「一人親方大工」などの職種には十分な留意をしておかなければならない。
② 賃金未払いの理由が、会社の経営困難によるものなのか、労働者に対する損害賠償との相殺等の理由によるものなのか、経営者の意志による組織的なものなのか、早期に把握する必要がある。
③ サービス残業代の請求等では、特に消滅時効(賃金2年、退職金5年が各支払日から起算する)に留意する。受任後直ちに時効中断措置をとる必要がある。

【不当解雇に対する法的対応】
 解雇にめぐる紛争は、即日解雇における解雇予告手当の請求だけではない。
 解雇予告手当は、あくまで手続上の問題であり、たとえ解雇が有効であったとしても、即日解雇であったときには、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない、というものである。
 したがって、この解雇予告手当の検討の前に、そもそも当該解雇が実態上有効であるか否かについて事情聴取する必要がある。
 当該解雇が、懲戒解雇か、整理解雇か、普通解雇か、もしくは、退職勧奨なのか等によって、要件やその後執るべき手続も大きく異なってくるのである。
 解雇の実態上の紛争になると、労働者の地位確認という請求の立て方も検討することもなるが、訴額算定不能として地裁案件となるため、司法書士の関与する紛争解決の方法が本人訴訟支援となることに十分留意し、相談者の訴訟遂行能力等を見極めることになる。
 また、一旦、離職すると、会社の資料を入手することは困難となることが通常であるため、紛争が顕在化していない段階で相談に訪れた場合には、出来る限り書面化された証拠を保全しておくよう助言しておくことも重要となる。
 相談者の意向によっては、労働審判の利用により、迅速な紛争解決手続を利用することも検討することができる。

               *

 例年行っている、この消費者問題シリーズも、典型的な消費者問題に限られず、消費者を取り巻く生活全般に関する問題への関与、といった具合に広がりをみせてきている。
すなわち、消費者からの相談を受ける司法書士には、より広範な法律問題に関する知識・スキルが求められている、ということである。
 消費者問題シリーズは、次回以降も、貸金業法・利息制限法改正の総括、物損交通事故トラブルの実務等、幅広いテーマを扱っていく予定である。
 行政等の相談担当者のほか、静岡県司法書士会会員の参加も受け付けているので、奮ってご参加いただきたい。

全青司しずおか全国研修実行委員会

 平成22年10月20日は、静岡で、全青司しずおか全国研修会の実行委員会が開催されたので、懇親会に参加した。
 しずおか全国研修会とは、来年の9月に開催される全国の司法書士が500名以上集まる予定の大規模な研修である。1年程前から実行委員会が準備を進めている。開催まで、いよいよ1年を切ったので、しずおか全国研修会も現実のものとなってきた。
 基調講演の候補者のほか、分科会の大枠も固まってきており、準備が整いつつある。
 研修会のテーマは、「突破」である。
 司法書士を包み込む閉塞感をこの研修会の開催により、「突破」していけると良いと思う。
 また、個人的には、このような研修会や大会のテーマは全青司共通の目的として、様々な全青司事業において、サブテーマ等に掲げるとよいと思う。(たとえば、「悪質商法被害を突破する」など)
 このような意識は、全青司全体の結束力を高める意味でも重要だろう。

 今回の実行委員会には、東京から全青司会長も参加していただいたので、地元実行委員との懇親を深めることができた。
 

静岡県司法書士会常任理事会開催

 平成22年10月19日16時から19時まで、静岡県司法書士会において、常任理事会が開催されたので、常任理事として参加した。

 相談事業部では、日司連・関東ブロック主催の会議に参加するほか、行政向け消費者問題セミナーの開催、労働トラブル110番の開催、多重債務相談ウィークの開催、債務整理事件執務事件に関する研修の開催など秋口からの事業も目白押しだ。
 また、武富士対策事業としても、現在の9時から21時まで行っている相談体制を今後も継続することになった。相談員の確保等を進めていく必要がある。

 来月の常任理事会の前には、今年度の司法書士試験合格者との顔合わせがある。今年は、どんな新人が出てくるのか、楽しみだ。

武富士対策会議&消費生活相談員入門講座講師会議

 平成22年10月18日(月)は、静岡県司法書士会において、16時から18時30分まで武富士対策会議が、18時30分から20時まで消費生活相談員入門講座講師会議が開催されたので、それぞれ参加した。

 武富士対策会議では、会社更生手続の特徴を踏まえて、今後、静岡県司法書士会として、どのような対応をしていくかが協議された。協議の結果、開始決定がなされる前に、武富士及び管財人に対して、過払い債権者への全件告知を求めていくという方針が確認された。これを受け、早急に要望書を作成することとなった。
 また、同会議では、スカイプを利用し、3人が参加した。
 スカイプは、参加者全員がベータ版をインストールしないとグループでのビデオ通話ができないようで、音声のみでの参加となった。会議の音声は伝わったようだが、音声のみだと、スカイプ参加者がリアル会議に発言するきっかけを掴みづらく、一方的に受信するだけという状況になってしまった。今後のビデオ会議の進め方の検討課題である。引き続き、ビデオ会議の導入を進めていきたい。

 消費生活相談員入門講座講師会議では、司法書士が講師を務める「悪質商法」と「多重債務」に関する教材を用いて、講義内容の打ち合わせを行った。10月から12月にかけて県内7会場で入門講座が行われ、私は11月20日の沼津会場で講師を務める予定だ。既に50名の受講生の枠が一杯とのことである。将来、消費生活相談員を目指したい、興味がある、という方が対象の講座であるので、一人でも多くの方が消費生活相談員となって、消費者問題に取り組んでいただけるよう、入念に準備をし、精一杯の講義をしたい。

 ところで、今週は、会議の掛け持ちが多い。
 一日二会議連続という日ばかりだ。がんばろう。
 

全青司福岡役員会・代表者会議

 平成22年10月16日(土)13時から18時まで、17日(日)9時30分から13時まで、福岡において、全青司代表者会議が開催された。なお、16日(土)9時30分から12時までは、同所で、全青司役員会も開催された。いずれも副会長として参加した。

 役員会の模様は、ユーストリームを利用して、インターネット配信を行った。
インターネット配信の主な目的は次のとおりである。
・全青司役員となっても、なかなか役員会に参加できないという方に全青司をもっと身近に知っていただくこと。
・役員会に参加できない日の補助として活用し、役員が継続的に事業執行に係わることができるようにすること。
・全青司役員の旅費負担の軽減を図ること。
・上記の点を踏まえ、司法書士全体の会議の在り方を変えること。

 事前に告知をしたところ、当日は、延べ人数として、欠席者の15%程の役員に視聴していただいた。無線LANのため、映像や音声が滑らかに配信されるか若干不安であったが、概ね順調に配信された。喋る人によって配信状況にバラつきがあり、音声が聞き取りやすいケースと聞き取りにくいケースとがあったようだ。喋り方やマイクの持ち方などによって変わってくるのかもしれない。
 また、ユーストリームで、同時にチャットもすることによって、視聴者との相互の情報交流もできる。これは、欠席者に限らず、場合によっては、会議参加者も利用することによって、会議が活性化するかもしれない機能だ。たとえば、発言したくとも発言の順番が回ってこない人もチャットを利用すれば円滑な議事運営が図れるものと思われる。
 次回役員会は11月に沖縄で開催される。
 無線LANが入る限り、継続して配信していく予定だ。

 代表者会議では、全青司の活動報告や全国の青年会との意見交換会などが活発に行われた。
 代表者会議は、毎回100名前後が集まる大規模な会議だ。
 普段は仲々会うことのできない、静岡の青年会代表者とも福岡では会うことができた。
 次回は、1月に、さいたまで行う予定だ。



日司連会長会

 平成22年10月13日・14日と日司連において会長会が開催され、13日に会長代理として出席した。
 会長会とは、年に4回ほど全国の司法書士会の会長が集まり、日司連執行部との間で行われる会議である。したがって、参加者は70~80名ほどとなる。司法書士会最高峰の会議である。

 事前に申込をすれば司法書士会員は傍聴もできるし、私は月報発行委員会で今までに複数回取材参加をしていたが、代理出席は初めてである。立場が違うと同じ会議でも、やはり緊張感が違う。

 さて、会長会では全国の会長が交代で議長を務めるため、会議の運営は、日司連執行部ではなく、会長主導のようにみえる。
 会議の内容は、日司連執行部からの一般報告事項と会長間の意見交換、そして、特定の分野に関する報告・協議等という進め方が多いようだ。
 今回は、ある問題に対する日司連の対応が不十分ではないかとの指摘が、多くの会長らからなされ、日司連執行部がそれに対する答弁を繰り返す、という場面もあった。

 会長代理の立場で参加していると、いろいろなことを考えるきっかけにもなり、とても刺激を受けることができた。たとえば、ベテラン司法書士同士で行われる会議は、当然、良い点もあるし、反面教師とせざるを得ない点もいくらかはあろう。どんなに優れた会議であっても、批判的精神をもって、できかぎりのことを吸収したい。
 雑感として、以上のようなことを感じた次第である。


 
  

平成22年度第1回関ブロ業務拡充担当者会議参加報告

(今回の記事は、かなり内向きの議論なので、司法書士以外の方は読み飛ばしていただいた方がよいかもしれない。)

 平成22年10月13日(水)15時から17時まで、東京の司法書士会館2階において、平成22年度第1回関ブロ業務拡充担当者会議が開催されたので、相談事業部長として参加した。関東ブロック常任理事2名と関東ブロック11会の担当者が参加した。
 議題は、「多重債務事件以外の裁判事務受託促進問題について」と「簡裁代理権の積極的な活用、周辺業務や新たな業務分野の開拓について」である。会議では、主に、以下のような議論がなされた。

【多重債務事件以外の裁判事務受託促進問題について】
・神奈川県会では、2年前より一般民事事件の共同受託の制度を設けているが、あまり活用されていない現状である。
・埼玉会では、実際の事件と同時進行で少人数によるリアルタイムでの研修を実施している。また、少額事件に関する助成金制度も行っている(会より相談受託司法書士に5万円の援助)。
・千葉会では、次年度、交通事故110番の開催を検討している。
・茨城会では、とくになし。
・栃木県会では、消費者問題(特商法・割販法)のチームと賃貸借のチームで対策を検討している。
・群馬会では、とくになし。
・静岡県会では、労働トラブル110番、賃貸トラブル110番、物損交通事故110番の開催(一部予定)をしている。とくに、物損交通事故では広報の切り口を工夫しなければならない。
・長野県会では、自死問題などと絡めて、一般民事の受託促進も行っている。
・新潟県会では、とくになし。

【簡裁代理権の積極的な活用、周辺業務や新たな業務分野の開拓について】
・被告事件の増加を図るために、助成金の検討をしてはどうか。助成は、日司連に主導してもらいたいが、無理なら本会主導となるか。
・登記業務をメインにしている司法書士事務所が簡裁代理業務を活用するような対策も必要ではないか。
・法テラスの集計を書類作成業務と代理業務の区分だけでなく、弁護士と司法書士の区分も組み合わせてもらうよう要望をあげてはどうか。
・関東ブロック内の司法過疎地の意見交換もなされた。

司法書士としての生き方 その10

 司法書士になるまでの回想記の続きである。バックナンバーは、左欄の「司法書士新人研修」からご覧いただきたい。

 さて、紆余曲折の末、いよいよ司法書士試験の受験勉強を本格的に始めたのが、28才になった日である。今までの経験から、専業受験は合わないことが分かっていたので、働きながら準備をすることにした。
 ところが、職場は地方都市だったものの、当時、司法書士受験の予備校などはなかったので、予備校に通学することができなかった。そのため、通信講座を利用することにした。通信講座の教材が届いたのが、たまたま私の誕生日だったので、よく覚えている。

 通信講座でも、講義の情報は通学と同じものが手に入る。繰り返し聴けたり、倍速で聴けたりする分、むしろ合理的といえるかもしれない。講師の口調が移ってしまうほど聴きこんだ。

 以前、勤めていた資格塾でも、あえてDVD講座を続けていた。地元の講師による講義を行うと、全国で画一的な講義を提供できない、ということが、主な理由だ。2流の地元講師よりも、1流のDVD講師、という発想があったようだ。
 確かに、そのとおりである。
 生講座の利点は、講師に直接質問ができるという点と、周囲に受験生がいるためモチベーションをあげることができるという点であろう。
 通信を利用する場合は、それら生講座のメリットを他の方法で補えば良い。私の場合、「合格体験記」というものをよく読んだ。合格体験記の経験が直接役立つことは少ないものだが、体験記を読むこと自体で、モチベーションを上げることができ、その意味で非常に有益だった。

 ところで、司法書士となり、今では実務に関する講義などを担当させていただくことが多くなったが、司法書士の方々は、どうも生講座の方がよいと思われる方が未だに多いようだ。合格すると、通信で学んだ方であっても、それまでの体験を忘れてしまうのであろうか。情報を正確に得るという目的からは、生講座でも、DVDなどでも変わらないような気がするのだが。

 余談はさておき、そうは言うものの通信で司法書士の受験勉強を続けるのは、かなりのエネルギーを要する。
 実は、私が通信で受験勉強を続けることができたのは、中学時代の友人の存在の影響がある。

 そのあたりの話は、またの機会に。

月報発行委員会&全青司民法(債権関係)改正対策委員会

 平成22年10月8日は、日司連において、月報発行委員会が開催されたので、委員として参加した。
 委員長より、月報発行委員としての最後の仕事として、大阪大学の仁木先生の『現代日本の紛争処理と民事司法』(全3巻)を参考に、司法制度改革期の司法書士の紛争処理機能について、まとめるように命じられた。
 また、ドロップシッピングに関する事例報告も年内には、まとめなければならない。
 月報発行委員足掛け7年の集大成として、鋭意取り組んでいきたい。

          *

 平成22年10月9日は、全青司事務局において、民法(債権関係)改正対策委員会が開催されたので、担当副会長として参加した。10名前後の委員が参加した。
 意見書の補充論点、今後の委員会活動の方針について、協議がなされた。
 下期は、外部団体との連携のほか、シンポジウム・委員会合宿の開催など様々の提案がなされた。
 委員の皆さんが充実した活動が実践できるよう、こちらも鋭意取り組んでいきたい。


静岡県司法書士会「武富士」「東京地裁」への要望

静岡県司法書士会は、平成22年10月7日、武富士および東京地裁に次のとおりの要望をした。

                  *

             要 望 書

株式会社武富士 御中

                         静岡県司法書士会  
                        会長 早 川 清 人


 本年9月28日、貴社は東京地方裁判所に対して更生手続開始の申立てを行い、同日受理された(平成22年(ミ)第12号)。
 平成19年の株式会社クレディア(静岡市)の経営破綻は約16万人の顧客に対し多大な混乱をもたらし、当会開催の緊急相談には、最初の1週間で1000件を超える相談が寄せられた。一方、貴社の平成23年3月期第1四半期報告書によれば本年6月末時点の貸付件数は約96万人とされ、平成19年9月に経営破綻し民事再生申立を行ったクレディアの約6倍にのぼっており、今般の貴社の経営破綻は、全国に存在する貴社の顧客に大きな不安、混乱をもたらしているに違いない。
 現在まで、貴社に対し過払金の返還を請求していない顧客の多くは、過払いとなっていたにもかかわらず過払金の返還を受けないまま取引を終了したため、あるいは現在も取引継続中のため、自身が過払債権者であるとの認識を有していないと思われる。よって、貴社は、このような顧客が不利益を被らないよう最大限の措置を講ずるべきである。
 また、貴社は、本件申立ての理由として「いわゆる過払金返還請求が徐々に増加し当社のキャッシュフローに悪影響を及ぼ」し経営を圧迫したことを第一に挙げているが、貴社の旧経営陣が利息制限法及び貸金業規制法を遵守し、顧客から違法な利息を徴求するようなことがなければ、本件申立てに至ることはなかった可能性が高いと推測されるものであるから、旧経営陣の経営責任も厳しく追及されるべきである。
 そこで、当会は、貴社の会社更生手続に際し、次のとおり要望する。
 

                記

1.更生計画認可決定が確定するまでは、混乱を避けるため、全顧客につき信用情報機関へ「完済」以外の情報を登録しないこと

2.顧客への告知を徹底するため、貴社ホームページのトップページに、目立つ文字で下記の各事項を掲載すること
① 貴社が現在、全顧客(完済した顧客を含む)との取引につき、利息制限法制限金利による引直し計算を進めていること
② ①により、債務額が減少したり、過払いとなったりする場合があること
③ ①②により、減少した債務だけを支払ったり、過払い金について更生債権としての届出をしたりした場合も、信用情報機関に不利益な情報が登録されないこと
④ ①により、すでに過払いとなっている顧客(完済した顧客を含む)は、更生債権の届出ができること、並びに債権届出の方法

3.前項①により、過払いとなっている顧客(完済した顧客を含む)に対し、過払いである旨及び今後の支払いを行う必要がない旨を通知し、債権届出書を速やかに発送すること

4.貴社が、第2項①によりすでに過払いとなっている顧客から、更生手続開始申立て以後、開始決定までの間に受けた弁済相当額については、共益債権として直ちに当該顧客に返還すること

5.旧経営陣の責任を調査するため、第三者による調査機関を設置すること


                   *


             要 望 書

東京地方裁判所 御中

                         静岡県司法書士会  
                        会長 早 川 清 人


 本年9月28日、消費者金融大手の株式会社武富士(以下「武富士」という)が御庁に対して更生手続開始の申立てを行い、同日受理されました(平成22年(ミ)第12号)。
 武富士は、平成14年3月期には貸出残高1兆7666億円を誇っていた消費者金融業界の牽引者であり、同社の平成23年3月期第1四半期報告書によれば本年6月末時点の貸付件数は約96万人とされ、平成19年9月に経営破綻し民事再生申立を行ったクレディアの約6倍にのぼります。したがって、今般の武富士の経営破綻は、全国に存在する同社の顧客に大きな不安、混乱をもたらしているに違いありません。
 多重債務被害救済に長く取り組んできました当会は、武富士の会社更生手続に重大な関心を持っており、9月28日以降、緊急の相談窓口を設置して武富士の顧客からの相談に連日応じており、10月6日までに寄せられた相談件数は383件に及びました。
 ところで、平成18年1月13日最高裁判決(第二小法廷、平成16年(受)第1518号)により、貸金業規制法第43条のみなし弁済が成立するには、要件の具備が厳格に求められている現状の下、武富士の顧客の中には、利息制限法制限利率による引き直し計算を行うことにより、同社に対して過払債権を有する顧客が多数存在するものと思われます。平成22年9月29日付日本経済新聞朝刊によれば、武富士に対し、既に請求されている未払いの過払債権だけで約1万件(1700億円)に上り、未請求の過払債権を含めると約200万件(1兆~2兆円)に膨らむ可能性があるとのことです。現在まで武富士に対し過払金の返還を請求していない顧客の多くは、過払いとなっていたにもかかわらず過払金の返還を受けないまま取引を終了したため、あるいは現在も取引継続中のため、自身が過払債権者であるとの認識を有していないと思われます。よって、このような顧客が不利益を被らないよう最大限の措置を講ずるべきであると考えます。
 また、武富士は、本件申立ての理由として「いわゆる過払金返還請求が徐々に増加し当社のキャッシュフローに悪影響を及ぼ」し経営を圧迫したことを第一に挙げていますが、貴社の旧経営陣が利息制限法及び貸金業規制法を遵守し、顧客から違法な利息を徴求するようなことがなければ、本件申立てに至ることはなかった可能性が高いと推測されますから、旧経営陣の責任も厳しく追及されるべきです。
 そこで、当会は、御庁に対し、武富士に対する全ての過払債権者が手続参加の機会を奪われることのないよう下記のとおり要望します。

               記

1.現在、武富士が進めている全顧客(完済した顧客を含む)との取引に関する利息制限法制限金利による引直し計算の結果、過払いであることが判明した顧客(完済した顧客を含む)に対し、更生手続開始決定の通知をし、更生債権届出の機会を保障すること

2.調査委員の調査の結果により、役員等の責任を追及する必要があると認められるときは、更生手続開始決定後速やかに会社更生法第99条1項の保全処分をすること

3.会社更生法第42条第1項に定める更生債権等の届出をすべき期間を4か月とすること

4.会社更生法第42条第1項に定める更生債権等の届出をすべき期間経過後においても、過払債権者からの更生債権の届出に関しては、会社更生法第139条第1項に定める更生債権者等がその責めに帰することができない事由があるとして届出期間経過後の届出を受理すること

5.更生手続開始申立て以後、開始決定までの間に過払債権者がした弁済相当額については、共益債権とするなど過払債権者が不利益を被ることのない措置をとること 

ラ・パルレ民事再生申立て

 平成22年10月5日、大証ヘラクレス上場企業のエステ会社「ラ・パルレ」が東京地裁に民事再生の申立てをした。平成20年には行政処分なども受けている会社だ。
 エステ代金のローンが膨らみ多額の債務を負うことになったという相談も多い。

 ラ・パルレのエステ代金について、ローンを利用している場合、再生申立て後、未施術の分の役務提供を受けることができるのか、ということが、利用者にとって最大の関心事となる。英会話学校などでは、事業を承継した他の会社が役務提供を行ったという例もある。
 同社のHPでは、この点が未だ明らかになっていないため、利用者の不安が募っているものと思われる。

 また、未施術の分の役務提供を受けることができなければ、未施術の支払い済みの額は、再生債権として届出ることもできると考えられる。
 しかし、クレジット払いの場合、クレジット会社を含む清算関係まで考慮する必要があり、その計算は煩雑となりそうだ。

 なお、同社の倒産は、日本振興銀行関連の連鎖であるという点、筆頭株主がネオラインホールディングスであるという点などについても留意して、司法書士は高い関心を持つ必要がある。

武富士債権者説明会

 平成22年10月5日は、大阪において、武富士会社更生に関する債権者集会が開催された。
 残念ながら、参加はできなかったが、伝え聞くところによると次のような内容であったとのことである。

1 完済案件も含めて(ただし、時効成立分は除く)、すべて引き直しを行う。
2 すべて一連計算で行う。
3 引き直して、債務の残るものについては、引き直し後の額を請求。
4 引き直して、過払いになるものについては、個別通知をせず、債権者からの連絡を待つ方針。
5 過払いの場合、信用情報機関に不利益情報は登録しない。

 以上、現時点では、過払いが判明し、武富士自身が過払い債権者を認識したとしても、債権届出書の送付は当該過払い債権者からの連絡がなければしないようだ。
 この方針を選択したことについては、武富士を利用していたことが周囲に知れると困るという苦情が相当数寄せられたことを理由の一つして掲げている。
 しかしながら、会社更生法上、知れたる債権者に個別通知をしないと手続違反になるのは間違いない(会社更生法規則42条)。
 
 管財人の責任は重大だ。
 慎重に方針を決定していただきたい。





静岡県司法書士会「武富士緊急相談会」開催

 平成22年10月4日17時より21時まで、静岡県司法書士会で開催している「武富士緊急相談会」電話相談員を担当した。

 静岡県司法書士会では、武富士が会社更生の申立てをした9月28日より、連日、電話相談会を開催しており、利用者に今後の対応を呼びかけている。当面の間、司法書士が当番で司法書士会に詰めて、相談にあたっている。

 武富士では、取引中の債権を現在引き直ししているところのようであるが、既に過払いになっているにもかかわらず、そうと知らずに弁済をしてしまうと、返還手続きに非常に手間取ることになるし、返還が保障されないケースも今後生じうる。そのため、利用者は、まず、自分の債権を利息制限法所定の利率によって引き直すと、債権が残るのか、過払いとなっているのか、を把握しなければならない。過払いであれば、その旨を武富士に通知して、以降の弁済を止めるべきだろう。
 武富士によると、引き直し後の額は、ATMに表示するとのことであるが、①提携ATMでも表示されるのか、②銀行振込による返済の方にはどのように知らせるのか、の2点が未だ明らかとなっていないようである。

 10月5日以降開催される債権者集会で、この点は明らかにしていただきたい。

 また、利用者にとって最も関心事となるのは、今回の届出等により、自己の信用情報に不利益情報は登録されるのか、という点であろう。
 JICCによると、3ヶ月以上の延滞で「延滞」情報の登録、司法書士・弁護士の介入で「任意整理」情報の登録がなされるとのことであるが、後日、過払いの事実が判明すると、それらの情報は抹消されるとのことである。引き直しても債権が残る場合、和解後の弁済までに3ヶ月以上が経過していれば「延滞」情報が「延滞解消」情報に書き換えられ、1年間情報登録され、「任意整理」情報は5年間登録されたまま、とのことである。
 なお、JICCとは貸金業系の情報機関であり、銀行系は独自の情報機関があり、延滞等の事故情報のみ、それらの信用情報機関では情報交流を行っているようである。(JICCとクレジット系のCICとは、いわゆるホワイト情報についても情報交流を行っている点に留意。)

 ところで、静岡では、武富士に関する相談も、ある程度落ち着いてきたようである。
 次のステップは、武富士の過払い債権者が一丸となることだ。
 全国団体の結成が望まれるところである。



【書籍紹介】事例別 司法書士のための法律相談NAVI

 第一法規出版の「事例別 司法書士のための法律相談NAVI」の今年度の追録が発行されている。
 私の担当する雇用の章では、平成22年労基法改正に伴う見直し、労働審判制度に関する大幅加筆などを行っている。
 その他の章でも、最新情報や最新論点が大幅に加筆されているので、まだ、ご覧になっていない方は、ぜひご一読を。

 http://www.daiichihoki.co.jp/dh/product/604785.html

武富士会社更生を考える

武富士のHP等によると、貸付金につき、次のような措置を取るらしいが、同様に「⇒」のような疑問が生じる。

1 取引中の債権
 すべて引き直し計算をするが、告知方法は原則としてATM表示、例外的に問い合わせがあれば積極的に告知。
 ⇒ 銀行振込みで支払っている利用者は問い合わせをしなければならないのか。
 ⇒ 提携ATMでも引き直し額が表示されるのか。
 ⇒ 過払いだった場合には、問い合わせをしなくとも、債権届出書の送付が全件いわば自動的になされるのか。
  (本来、なされなければならないが、なされた場合には家族に秘密の利用者に大混乱を招くおそれと武富士にとって連絡先不明の利用者への連絡をどうするのか、という問題も生じる。)

2 取引終了後の債権
 問い合わせがあったものについては、債権届出書を後日送付。
 ⇒ まず、武富士に「問い合わせ」をしなければならないのか。「問い合わせ」のない利用者には自ら告知しないのか。(本来、なされなければならないが、なされた場合には「1」と同様の問題が生じる。)

 同じくDIP型会社更生手続を利用したロプロでは全件引き直しがなされ、「問い合わせ」の有無を問わず、全件告知がなされたようだ。(ただし、ロプロからの告知の後、債権届出という利用者側のアクションは要した。)
 武富士においても同様の手法が取られなければならないが、問題となるのは規模が異なるので物理的にできない、という考え方が採用されたときだ。過払い債権者保護のためにも、このような考え方が採用されないことを期待している。

 また、武富士が公表している資料によると、取引中の債権について、全件引き直しをするとも読める。全件引き直しをすること自体は評価できるが、それならば、全件、告知もすべきだという要望と同時に、資産に関する不安も生じてくる。
 すなわち、クレディアのときの財産評定のように、貸付金の約定残高に一定の掛け率を乗じて、いわば「一山いくら」で見積もられずに、すべての貸付金を引き直し後の残高で資産計上すると、一体どの程度の資産が残っているのか、という不安である。

 上記の疑問は、おそらく来週の債権者集会で解消されるだろう。



プロフィール

赤松 茂

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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