静岡県司法書士会「物損交通事故ホットライン」開通

 静岡県司法書士会では、常設相談である「総合相談センターしずおか」において、物損交通事故に関する相談を受けつけている。平成22年8月29日に「物損交通事故ホットライン」として、本格的に相談を受けることを表明した。

 初日は、残念ながら相談が寄せられなかった。

 多重債務問題、労働問題、賃貸問題と異なり、当事者双方が一般市民であることが大多数であり、広報が非常に難しいことを実感しているが、司法書士は市民間紛争に積極的に取り組むべき責務を担っており、日常時に突発的に生じ、かつ、少額民事紛争のために一方当事者の泣き寝入り等を強いられやすい物損交通事故は重点的に相談の受け皿となることをアピールしていく必要性が高いと考えているところである。
 常設の相談機関として周知されるよう、今後も活動を展開していきたい。

 そのためには、司法書士会のHPへの掲示や事故時の対応Q&Aなどといった小冊子の作成・配布など、やらなければならないことが山積みだ。

 物損交通事故に関する相談は、静岡県司法書士会総合相談センターしずおか(TEL 054-289-3704)で、平日10時から14時までは司法書士事務所の紹介をしており、14時から17時までは直接司法書士が電話相談を受けつけている。


 

静岡青司協「不正広告撲滅活動IN沼津」

 平成22年8月28日(土)16時より18時まで、沼津市において、静岡青司協「不正看板撲滅活動」を実施したので参加した。
 不正看板撲滅活動とは、貸金業法改正の影響により、「カードで現金」などの貸金以外の金銭ドラブルが増加する懸念が生じているので、街中に氾濫する、それら看板の分布状況をチェックし、行政機関等に情報提供するというものである。
 街中に貼られている看板には、電柱やガードレール等の公共施設に貼られているものと民家等の私人の所有物に貼られているものとの2通りのパターンがある。
 公共施設に許可無く貼られているものについては、行政機関等が除去することができる。
 一方、私人の所有物に貼られているものについては、当該所有者が承諾している以上、除去を求めることが困難となることが多い。また、廃屋等所有者が判明しにくいものに貼られていると、所有者が承諾しているか否かすら判明しづらいこととなる。
 以上のとおり、街中に貼られている「カードで現金」などの看板の掲示方法が必ずしも全て不正であるとはいえない状況であるが、まずは掲示方法が不正であるか否かのチェックする必要がある。
 そのために、このような「不正看板撲滅活動」を県内各地で展開している。

 当日は10人以上の司法書士が集まり、沼津市内を分担し、累計100枚以上の看板を把握することができた。

 8月30日には、沼津市等に、静岡県青年司法書士協議会から、これら成果の情報提供をする予定だ。



静岡県司法書士会犯罪被害者支援委員会開催

 平成22年8月26日18時から21時まで、静岡県司法書士会において、犯罪被害者支援委員会が開催されたので、担当常任として参加した。

 主に、来年3月に開催予定の犯罪被害者支援に関する研修会についての内容を協議した。
 研修の内容は、①告訴・告発、②犯罪被害回復、③証拠収集、④犯罪被害に取り組む留意点、というテーマで、委員が講師を務める予定だ。

 司法書士が犯罪被害者支援に、いかに取り組むか。
 以下、犯罪被害者支援委員会委員長の文章を引用する。

「犯罪被害者支援」という概念と、私たちの業務との間には、相当の隔たりがある、とお考えの会員の方も多いのではないだろうか。犯罪被害者とは刑事手続上の概念であり、私たちが普段携わっている業務(たとえば登記業務・裁判所提出書類作成業務・簡裁訴訟代理等関係業務)とは、一見してほとんど関連しない。そのため、そもそもなぜ司法書士が犯罪被害者支援に取り組まなければならないのか、といった根本的な疑問をお持ちになる会員もいらっしゃることと思う。

 このような疑問に対し、当委員会では、「総合法律支援法第10条第3項に基づき、司法書士は犯罪被害者に対する法律支援の実施及び体制の整備のために必要な協力をするよう務める義務が課されている。」と解し、犯罪被害者支援に取り組んでいる。
 
 今年度中には、上記の疑問への回答を形にしたい。

日司連民事法改正対策部

 平成22年8月25日13時から17時まで、日司連において、民事法改正対策部が開催されたので、部委員として参加した。
 いつもなら、民事法改正対策部では、民法(債権関係)改正に向けた検討を行うのであるが、今回は、現在パブコメに付されている非訟事件手続法への対応について、部委員のうち数名に招集がかかった。
 意見を述べる論点の抽出から意見の方針までを議論した。

 非訟事件の類型は数多くあり、どのような事件を念頭におくかによって、意見の方針も大きく変わる可能性がある。とくに今回改正が予定されている部分は総論の部分で、抽象的な規定に対しての意見となるから尚更だ。

 協議の結果、非訟事件手続法の特質に鑑み、
1 当事者の役割
2 相手方のある非訟事件への特則
3 参加
4 取下げ
5 法人登記、夫婦財産契約
などについて意見を述べることとなった。

 今回は、9月上旬には執行される予定の短期決戦だ。


  日司連での会議後、夜からは三島で、物損交通事故に関するDVD研修を受講した。静岡県司法書士会で8月29日(日)に開催する物損交通事故ホットラインの事前研修だ。

 最近、クレサラ以外の一般民事にも取り組む司法書士が増加してきたようで好ましいことである。


今週末、物損交通事故ホットライン開催!

 静岡県司法書士会では、平成22年8月29日(日)10時から17時まで、物損交通事故ホットラインを開催する。物損交通事故に特化した相談会を開催するのは司法書士会で全国初。

 物損交通事故は、一過性のものであり、一日の開催では相談が大量に寄せられるという類のものではないが、このホットライン開催を契機に、常設相談でも物損交通事故を扱っているという点の周知を図ることが狙いだ。

 以下、実行委員長の案内から抜粋。

 さて、「損害保険料率算出機構」の「自動車保険の概況(平成21年度)」によると、乗用自動車保有登録数は、昭和45年以降増加し続けているものの、同機構に会員登録している39社の任意自動車保険の収入保険料は、平成18年以降減少しています。
また、自動車保険の加入に関するインターネット調査(調査期間2008年8月1日~同年8月5日、回答数15,036名、調査会社マイボイスコム㈱)によれば、任意自動車保険に「加入していない」が16.9%、「わからない」が6.3%で、計23.2%が任意保険に加入しているとはいえない状況にあります。
この背景として、昨今の経済不況等により自動車保険に加入する金銭的余裕がない者やこれまで加入していた自動車保険を失効若しくは解約せざるを得ない者が増加しているということが考えられます。
そのため、車両保険に加入していない交通事故の当事者が対物保険に加入していない相手方から車両の修理代やその他損害を回収する場合には、直接、相手方に対し請求しなければならなりません。また、交通事故の加害者として相手方から請求を受けることも考えられますが、損害額等の認定につきましては、道路交通法をはじめとする法律知識や過失割合などの専門的知識が要求されるため、当事者間で適正かつ迅速な解決を図ることは困難であることが少なくありません。さらに、保険会社が介入するケースにおいても示談金額等をめぐり、保険会社と相手方当事者との間で紛争が発生することも予想されます。
物損交通事故に関するトラブルは、一般私人間で突発的に生じるものですので、損害額によってはその後の生活基盤に多大な影響を与えかねないものです。
そこで、今般、静岡県司法書士会は、物損交通事故の被害者、不当な損害額の請求を受けている加害者等を適正に解決に導く趣旨で別紙内容の相談会を開催いたします。広報ご担当者様におかれましては、本相談会の開催趣旨をご理解いただき、大きく広報していただきたくお願い申し上げます。なお、当日は電話相談だけでなく、静岡県司法書士会にて「面接相談」も受付けますので、併せて広報をお願い出来れば幸いです。

「物損交通事故ホットライン」実施要領

下記の日程で、「電話相談」「面接相談」を無料で行います。
面接相談を希望される場合は、時間内に下記会場にお越し下さい。
(予約は必要ございません)
 開  催  日  平成22年8月29日(日)
 会    場  下記のとおり
 相談電話番号 054-289-3704 
 開 催 時 間   10時00分~17時00分


ただし、代理人として関与することを前提とする相談は物損交通事故の損害となる額が140万円以下に限る。それを超える額の相談は裁判書類作成関係業務に基づく相談となる点に留意。

8月30日以降も、平日14時から17時までの間、上記電話番号で引き続き、相談が可能である。

民法(債権関係)改正勉強会

 平成22年8月22日(日)夕方16時から21時までと同月23日朝6時から9時30分までの述べ8時間30分にわたって、静岡の私の事務所において、伊豆のY司法書士と秋田のS司法書士とで、民法(債権関係)改正勉強会を開催した。全員、日司連民事法改正対策部部委員であり、非公式ながら、ミニ対策部合宿というわけである。

 主に、約款・保証・その他典型契約について協議した。
 既に意思表示や契約の成立については検討が進んでいるので、今回の協議で消費者視点の意見書の概要をほぼ固めることができた。

 9月には対策部内で意見書を確定させたいところである。
 
 ところで、消費者視点以外の論点も順調に進んでいるだろうか。
 今度、他の部委員に進み具合を聞いてみよう。


全青司東京役員会

 平成22年8月21日は、東京において、全青司役員会が開催されたので、副会長として参加した。
 私の担当する部分で大きな議案は、民法(債権関係)改正に対する意見書の承認である。
 承認を求めたテーマは次のとおりである。
1 意思能力、2 消費者契約法の取り込みについて、3 意思表示に関する規定の拡充、4 約款・不当条項、5 複数の法律行為の無効、6 複数契約の解除、7 債権者代位権、8 債権譲渡の第三者対抗要件、9 保証、10 時効、11 瑕疵担保責任、12 登記に関する論点(弁済による代位・賃借権の登記請求権・死因贈与・登記引取義務)
 
 役員会での慎重審議のうえ、上記意見の骨子承認をいただくことができた。
 意見の内容は、今までに意見の骨子承認をいただいた分もふくめて、9月に開催される全青司東京全国研修分科会で公表できる見込みだ。
 一人でも多くの司法書士の皆様に参加いただきたい。

 詳細は下記参照。
 http://www.tokyo-ssk.org/zenkoku2010/section06.html


司法書士としての生き方  その8

 私が27才のときに父が死んだ。

 母は既に私が15才の時に死んでいた。
 両親が亡くなるにしては若干早いが、それでも周囲を見渡せば、同様の境遇の方がいないわけではない。
 周囲からは、それなりの配慮や同情をいただいたが、一定期間後は、自分の力で生活を継続するしかない。

 しかし、そうはいっても、家族の喪失は、当人にとってみると重大事である。
 私の場合は既に働いていたので、日常生活に支障はなかったが、父の最期の考えは、その後の私の人生に大きなインパクトを与えた。
 それは「父は会社員であり続けたことを後悔していた」ということだ。
 父は真面目そのものの人間で、新卒入社して以来、ずっと同じ会社で働いていた。それが、病に倒れた途端に、それまで長年勤めていた会社の対応が悪くなったことに起因していたのだろう。
 最期に「会社員を続けても、あまり良くないかもしれないぞ。」という趣旨のことを言われた。

 その父の最期の考えは、「会社で、いくらがんばっても定年後には幾ばくかの退職金のほか、何も残らない」と漠然と感じていた私の背中を後押しした。

その結果、

 会社員を辞めるためには独立するしかない。
     ↓
 それまでの人生で特に目立ったスキルも磨いてこなかったので、独立開業に適した資格を取ろう。
     ↓
 そうだ、以前より形だけ目指していた「司法書士」という資格があった。
     ↓
 機は熟した。始めるのは父の亡くなった今しかない。


 大体、上記のような思考プロセスを経て、いよいよ司法書士受験に本腰を入れることとなった。
 このとき、28才。
 今振り返ると、私が司法書士になったのは父の死の影響である。
 父の死がなければ、きっと会社員を続けていただろう。
 この出来事が私の人生を変える決定的な転機となった。


 受験勉強スタートの時期とその理由となる「動機づけ」は重要である。
 司法書士試験は合格のために、少なくとも1年から2年は朝から晩まで受験勉強漬けという生活を送る必要がある。
 したがって、そのような生活を継続できるだけの「動機づけ」がなければならない。
 私の場合、父の背中を見て、一生会社勤めはしたくない、と誓ったことが、結果的に強い「動機づけ」となった。
 この「動機づけ」は、その人が非人道的な受験勉強を継続できるだけのものであれば何でもよい。
 同職には、振られた彼女を見返すために受験を始めて一発合格したという方もいる。
 これも当人にとっては立派な「動機づけ」である。

 ところで、「法律実務家として市民のために役に立つ仕事をしたい」という理念は、この「動機づけ」となり得るのだろうか?少なくとも私は受験時代に、そのような事を考えたことは一度もない。司法書士としての職責の重さに気づいたのは合格してからだった。そもそも、司法書士本来の業務のメインが登記であるということも合格するまでは知らなかったのだから。

 なにせ「会社を辞めるために合格する」受験時代、頭にあったのは、これだけだった。
 私は、司法書士受験生としても「不良受験生」だったのかもしれないが、おそらく多くの受験生は、こんなものだろうとも思う。

 さて、次回以降は、司法書士の受験勉強を始めてからの話となる。
 いよいよ終盤に差し掛かったので、このテーマにも、もう少し、お付き合い願いたい。



司法書士としての生き方 その7

 私が司法書士になるまでの回想記である。
 
 今までに、「やればできる」という漠然とした根拠のない自信だけはあった私は結局何もやらないまま、社会人になってから司法書士という資格を知り、「司法書士を目指す」といって会社を退職したものの受験勉強もせずに、資格塾の営業社員として再就職し、いつのまにか25才になっていた、というところまで振り返っていたものと思う。詳しくは、左欄の「司法書士新人研修」からバックナンバーをご覧いただきたい。

 さて、資格塾の営業社員時代には、データ収集により合格水準に達する方法を知ることができた。たとえば2万人前後受験する国家資格であれば、受講生が100人いれば、毎回の小テストや本番前の公開模試等のデータの蓄積により、当日の本試験の採点結果から、おおよその合格水準が推測できる。
 すなわち、逆に言うと、毎回の小テスト等で、あるラインをキープしていれば、かなりの確率で合格することができるのであるが、実際に働いていると、その「あるライン」というものを客観的に知ることができる。もちろん、生徒も成績表などにより自分が100人中何位にいるという位置を知ることはできるのだが、100人のうちの1人である自己のデータを見るのと、100人全員の客観的なデータをみるのとでは情報量が圧倒的に違う。
「受験はデータ収集とそれに向けた対策である。」これは営業社員時代に得た真理である。
 ところで、これは知識レベルの問題であり、知識はあっても本番に弱いタイプにはメンタルな部分で別の対策が必要になるのは言うまでもない。

 一方、営業社員とは多かれ少なかれそういうものなのかもしれないが、私の勤務していた会社では、営業社員が外回りのときに息抜きにパチンコに行ったり、車で仮眠したりという者もいた。
 営業とはメリハリである。(これも営業社員のときに学んだ重要な真理だ。)
 だから、それらの息抜きは許容されるべきであると私は考えている。
 ただし、私の場合は、息抜きの代わりに身近にあった教材で仕事の空き時間に勉強を始めた。宅建の教材だった。先ほども述べたように、試験日から逆算して、この時期には、この分野の小テストで、この点を取っていれば、おおよそ合格できる、ということが分かっていたので、後は、そのレールに乗るためにテキストを繰り返すだけだった。
 宅建は資格の入門としては最適だ。何といっても試験問題が4択というところが入りやすい。勉強が嫌いでも、まぐれで受かるのでは?と誤信させられ、受験勉強に取り掛かるきっかけとなりうる。
 私には今までの経緯から、一応、司法書士を目指したい、という緩やかな気持ちが依然としてあったので、出題分野がかぶる民法などの勉強をやっておいて損はないだろうという気持ちもあった。

 このように、勤務先の教材やデータをフル活用するという方法によって、私は宅建の試験に合格した。平成11年の秋である。それでも、その後、司法書士試験にチャレンジするのは躊躇っていた。このまま働きながらでも比較的容易に取れる資格をちょこちょこ取りながら会社員を続けてもよいのではないか、などと相変わらず安易な途を模索していたのである。



 そんな私が本気で司法書士試験に取り組むきっかけとなったのは、父の死であった。





消滅時効の起算日

 10年近く前から弁済をしていない債権の請求が来たが、どうしたら良いかという相談があった。昔、裁判をされたような気がするが記憶が定かではないという内容だ。
 さて、ここで一般読者向けに確認する。
 判決の写しをみれば、債権の消滅時効の起算日は分かるだろうか。


 答えは、否である。
 判決を取られている場合の消滅時効の起算日は判決確定日である。
 つまり、この日付から10年経っているかどうかを確認しなければならない。
 判決には判決言渡日は記載されているが、肝心の判決確定日は記載されていない。
 被告(この場合、相談者)に送達されてから2週間を経過して、初めて判決は確定するし、事案によって控訴などされていれば、第1審ではなく控訴審の判決の確定日を確認することになる。

 分かりにくいかもしれないが、一般知識として、判決そのものを見ても判決確定日を知ることはできない、ということは覚えておいた方がよいだろう。

 

平成21年度司法統計からみる司法書士関与率 その2

 司法統計第14表(少額訴訟既済事件数)についての補足である。
 第14表とは、全国の簡易裁判所における少額訴訟既済事件について、弁護士・司法書士の関与率を原告・被告別に集計されたものだ。
 事件数は、ここ数年1万7000件から1万8000件前後で推移しており、大きな変動はない。第13表の簡易裁判所における通常訴訟の事件数が急増しているのと対照的だ。
 少額訴訟とは、訴額が60万円以下の訴訟であり、同一原告には1年間の利用回数制限もあるので、過払い訴訟に利用されることは、ほとんどないと思われる。
 つまり、少額訴訟が利用されるのがほぼ市民間紛争であるという実情に鑑みると、市民間紛争の数は、ほぼ横ばいと見てよいのではないだろうか。
 これが第14表から得る1つめのポイントである。
 2つめのポイントは、第14表においては、平成21年度になっても、司法書士関与率が3.52%なのに対し、弁護士関与率は7.22%である、ということである。
 簡裁訴訟代理権が付与された司法書士は少額民事紛争の専門家として紛争の解決に関与することが期待されていると思われるが、その実態は「まだまだ」という結果が続いている。

 以上のように、司法書士の過払い訴訟以外の少額民事紛争への関与の度合いを推し量る、という意味で、私は司法統計第14表にも注目している。


平成21年度司法統計からみる司法書士関与率

 既に平成21年度司法統計が最高裁判所から公表されている。
 司法統計とは、全国の裁判所の事件が様々な角度から集計された統計だ。暦年で集計され、毎年、8月から9月に前年分が公表される。私は、この司法統計のうち、とくに第13表(第1審通常訴訟既済事件数)と第14表(少額訴訟既済事件数)に注目し、毎年の比較をデータ分析してる。

 第13表(第1審通常訴訟既済事件数)とは、全国の簡易裁判所における司法書士・弁護士の関与率が原告・被告ごとに集計されたものだ。この第13表のうち、まずは、事件総数が平成20年度の53万7626件から大幅に増加し、62万2492件となっていることに着目したい。平成19年から平成21年にかけて、前年比119%増、117%増、116%増と大幅な増加傾向が続いている。この増加傾向は「平成19年から」というところがポイントである。この時期以降に何があったのか、法律関係者であれば、すぐに察しがつくであろう。個人的には、貸金業者への過払請求事件が終息すると思われる数年後までに簡易裁判所の事件数は平成18年以前の数値である30万件台後半に落ち着くのではないかと推測しているところである。
 また、第13表では、原告司法書士・被告本人という事件が平成20年度の7万3561件から10万8567件に急増した点も特筆すべきであろう。いよいよ10万件の大台を突破したという感がある。この部分の急増を受けて、平成21年度は司法書士関与率が18.40%となり、簡裁代理権付与後、弁護士関与率を初めて上回った。ちなみに、平成21年度の弁護士関与率は18.09%である。
 一見、目覚ましい数値である。

 しかし、個人的には、あまり評価できる内容だとは思っていない。
 経験上、司法書士の関与している事件に偏りがあるのではないかという危惧があり、その偏った事件も永続的な事件類型ではないと思われるからだ。このような状況で、今後、一般民事事件などの市民紛争型の訴訟に一層多く取り組む必要があると考えている。簡裁代理権が付与されたものの活用したのは過払請求だけでした、というのでは恥ずかしいし、そもそも付与された意味がない。
 司法書士の関与率の高まりがいつまで続くのか。また、その内容はどのようなものなのか。
 これから数年間をかけて、鋭く問われていくことになる。

 司法統計第13表・第14表の詳細は、こちら





「非訟事件手続法及び家事審判法の見直しに関する中間試案」に関する意見募集

「非訟事件手続法及び家事審判法の見直しに関する中間試案」に関して、意見の募集がされている。
いわゆるパブリックコメントだ。

 非訟事件手続法も家事審判法もいずれも司法書士業務に大きな影響を与える法律だ。
 司法書士からも積極的に意見を述べていきたい分野である。

 パブコメの締切りは、9月24日まで。

 詳細は、こちら




ユーストリームテスト配信

 会議や研修の配信に利用するために、ユーストリームのテストを行っている。
 簡易な機材で、生配信や録画配信も可能であるため、とくに東西に長い静岡県のような地域では、移動のコストを省くことが可能になる。

 ユーストリームとは何か、というところから説明をしなければならないのかもしれないが、まずは、
http://www.ustream.tv
にアクセスしていただきたい。

 私の事務所が映っていると思う。

「クラウド」というと訳がわからないかもしれないが、要はインターネットを利用して、カメラ映像・音声を配信するだけである。
 ツイッターを利用しての双方向での情報交流も可能のようなので、もう少しテストを行って、司法書士の会議等への利用の実現に結びつけたい。
 

司法書士事務所の夏季休暇

 8月中旬になると、司法書士事務所によって、夏季休暇のため、事務所を数日間閉めるところもある。
 オンとオフの区別をしっかりつけることは重要であるし、リフレッシュも大切だ。このように自分の裁量で休業日を決めることができるところは自由業の魅力のひとつであるといえる。

 一方、私の事務所では、特段の夏季休暇日を設けていない。
 開業のときに、事務所の稼働日は、裁判所・法務局の開庁日と同一にする、と決めたからだ。
 このように自分の裁量で決めることができるところも自由業の魅力のひとつであるといえる。
 (補助者には当番で夏季休暇がある。)

 実際のところは、平日だけでなく、週末も費やさなければならないことが多いので、夏季休暇どころでなく、まず、週末休暇を取得するかどうか、というところからが問題になるのだが。

 そろそろ同職らの多くも夏季休暇モードに入ってきたようなので、本日は閑話休題。

静岡県司法書士会常任理事会開催

 平成22年8月9日は、静岡県司法書士会において、常任理事会が開催されたので、相談事業部担当常任として参加した。
 債務整理事件の執務に関する規則と指針も、いよいよ確定した。
 今後、8月31日の理事会に上程し、9月20日に臨時総会を開催し、ご承認いただくことを予定している。
 当会の規則の内容は、直接面談を重視したものとなった。
 すなわち、債務整理事件は受任時に債務額が確定しており、直ちに方針が決定できるという事案は稀である。そのため、適切に方針を決定するためにも、受任時に面談することはもちろん、方針決定時にも面談することを定めるものである。
 会員からのご意見を踏まえ、規則では、適切な債務整理事件の執務を行うために最低限の事項を定め、質の向上を図る規定は指針に定めることとした。
 9月20日は、規則制定の臨時総会の開催のほか、司法書士法改正のための研修も行う予定である。
 お忙しいところ恐縮であるが、いずれも重要な問題であるので、静岡県司法書士会の会員におかれては、9月20日には静岡県司法書士会にお集まりいただきたい。



全青司「一般民事シンポジウムIN旭川」開催

 平成22年8月8日(日)10時から15時まで、旭川において、全青司司法アクセス・ADR推進委員会主催で「一般民事シンポジウム『活用しよう!簡裁代理権』~民事紛争解決の担い手として、司法書士に未来はあるのか~」が開催されたので、担当副会長として参加した。
 旭川会の方々を中心に40名前後の司法書士にご参加いただいた。
 このシンポジウムは、司法書士が広範な一般民事紛争に取り組むことによって、簡裁代理権を一層活用していこう、という目的で開催している。

 講義は、第1講として「建物明渡事件の実務」というテーマで、谷嘉浩委員が講師を務めた。
 第2講として「簡裁における一般民事訴訟の現状とこれからの司法書士」というテーマで、堀木博貴委員がコーディネーターを務め、村上美和子会長、梅垣晃一委員長、旭川会の上村修一郎会員、私、がパネラーを務めた。

 経験上、ここ数年の間に、司法統計の簡裁事件の既済事件数の代理人の選任状況の数値(第13表)が大きく動くであろうと予想している。そのときに、司法書士が一体どれだけの一般民事に関与しているのか、という簡裁代理権活用の内容が鋭く問われることになる。
 来たるべく、その時に司法書士が自信をもって回答できるよう、今回のシンポジウム等を通じて、一人でも多くの司法書士が意欲的に一般民事事件に取り組んでいただければ幸いである。

全青司民法(債権関係)改正対策委員会開催IN静岡

 平成22年8月6日10時より、静岡県司法書士会において、全青司民法(債権関係)改正対策委員会が開催されたので、担当副会長として参加するため、現在、移動中である。
 全青司の民法(債権関係)に関する意見書は、9月には途中経過を会員に公表することを目指し、取りまとめを行っているところである。
 本日は、新たな意思表示の拡充、保証、その他の大きな論点について、意見の内容を最終承認し、公表する場の全青司全国研修で、どのようにプレゼンするか、までをディスカッションする予定である。

 平日の急な開催であるにもかかわらず、全国から委員が集まってくださるようだ。
 当委員会の委員は、全青司経験が初めてという方が多いのが特徴である。
 民法改正に対して意見を述べるという当初の目的の他に、全青司の活性化という非常に大きな副次的効果も生じていると感じている。

 

司法書士業務の効率化・IT化

 本日は、私の事務所で行っている効率化・IT化の一環と思われる業務を備忘録がてら列挙しておく。
 数年後に見直したら、陳腐化しているものも多いと思われるが、それを確認するのも列挙しておく目的のひとつである。

 ・登記業務は、業者のソフトを利用する。
 ・顧客との打ち合わせは、電話だけでなく、メールも多用する。
 ・有線LANにより、事務所内の複数台のパソコンのデータを共有する。
 ・不動産登記の決済は、ノートパソコンとハンドスキャナーを持ち込み、決済現場でオンライン申請を行う。
 ・登録免許税の納付は、インターネットバンキングを利用する。
 ・スケジュール管理は、ウェブカレンダーを利用し、事務所スタッフ全員で共有する。
 ・TODOリストも、ウェブを利用し、事務所スタッフ全員で共有する。
  (上記とは別にプライベートのTODOリストも併用する。)
 ・メールは、ウェブメールを活用し、どのパソコンやスマートフォンからでも、アクセスできるようにする。
 ・債務整理の面談の際は、パワーポイントとモニターを活用し、ビジュアル的にも分かりやすい説明をする。
 ・事件の進捗状況をエクセルの一覧表で確認できるようにフォーマットを整えてる。
  (分割払いの和解書なども、連動して、すぐに印字できる。)
 ・残業代請求事件用に、始業時刻・終業時刻、給与額を入力すれば、残業代が算出されるエクセルシートを作成し、活用している。
 ・外出先でも、データ通信カードを利用し、ノートパソコンでインターネットにアクセスできる環境を整えている。
 ・預り金の清算も、特段の事情のない限り、インターネットバンキングを利用する。
 ・IP電話回線で遠方への電話を対応する。
 ・同職との会議ではスカイプも利用する。
 ・情報発信の手段として、ブログを活用する。
 ・情報収集や情報発信の手段として、ツイッターを活用する。


ひとつひとつ挙げてみると、自分で思っているほど、たいした工夫をしていない現実に気づいた。
(もちろん、ここには挙げていないアナログな部分での効率化もあるが。)
それにしても、まだまだ改善や工夫の余地がありそうだ。





島田簡易裁判所にて

 平成22年8月3日は、島田簡易裁判所に出廷した。
 私の事務所所在地からは、片道1時間30分以上かかる。
 遠方の管轄を受任することは、私にとって珍しい。持参債務を請求する裁判は、基本的に原告の住所所在地が管轄となり、地元に密着する業務をしていると、遠方の当事者が依頼人となることは稀だからだ。

 今回のケースは物損交通事故だ。
 加害者および事故現場が島田簡易裁判所の管轄であったため、加害者の出廷を期待して、島田簡易裁判所に提訴することとした。
 事前交渉の段階では加害者からの反応はなかったので、裁判も欠席裁判となるかと思われた。実際に前日まで答弁書もでなかったのだが、いざ出廷してみると被告が出廷されていた。裁判所からの呼出しは、やはり効果がある。

 物損交通事故の場合、被害者の損害だけでなく、加害者にも自己の車両の損害が生じていることが大多数であるので、双方の損害を過失割合後の対当額で相殺契約し、一括で解決することが紛争の早期解決に繋がる。
 そのために、加害者の出廷は重要だ。
 欠席の際は、こちらの請求額が全額認められても、加害者からの請求が残ってしまう。
 これは本来好ましいことではない。

 遠方の裁判所まで足を運んだかいがあり、和解金額も分割回数も想定の範囲内でまとまった。

 裁判業務は判決を取れば良いというものではない。
 裁判を通じて相手方と話し合いの機会を設けるという意味においても、相手方の出廷しやすい裁判所で裁判を起こすというのは重要だ。


 

簡裁訴訟代理等関係業務推進のための意見交換会参加報告

 平成22年7月31日(土)10時から15時まで、日司連において、「簡裁訴訟代理等関係業務推進のための意見交換会」が開催されたので、相談事業部長として参加した。
 この意見交換会は、日司連裁判事務推進委員会主催で行われたものであり、今回は関東ブロック会の相談業務担当者を対象に開催されたものである。全国から単位会担当者11名、主催委員会担当者6名が参加した。
 簡裁訴訟代理権取得後、全国の司法書士の簡裁訴訟代理権の活用に偏りが見られることにかんがみ、一般民事事件を広く受託することにより、簡裁訴訟代理等関係業務を推進していくためのブロック別に各単位会の担当者が密に意見交換を行うことが開催の目的であるとのことである。
 意見交換会は、前半に、日司連が平成21年度に実施した裁判事務に関するアンケート結果についての報告がなされ、当該データに基づき各単位会間で意見交換がなされた。

 後半は、次の事項につき、各単位会間で意見交換がなされた。
① 専門委員会の設置・専門研修会の実施など、会員に対して裁判事務を推進するために行っている施策・活動について寄せられた意見は次のとおりである。
 ・裁判の共同受託マニュアルの作成を行っている。
 ・少額裁判受託推進のための援助事業を行っている。
 ・物損交通事故の相談会や研修会の実施をしている。
 ・一般民事として受託する事件の範囲についても、司法書士の専門性を意識すべきである。
 また、ほとんどの単位会が裁判事務を推進する専門委員会を設置しているとのことであった。

② 意見交換会や協議会など、裁判所との間でコミュニケーションを図る機会について寄せられた意見は次のとおりである。
 ・裁判所との協議を定期的に設けている。
 上記意見とは別に、司法書士の現在の裁判業務の実績等を踏まえ、あえて裁判所との協議を設けていないとの意見もあった。

③ 裁判事務に関して、裁判事務を推進する上で障害・問題となるような情報があるかについて、)簡裁から地裁への移送、)民事再生事件での再生委員の選任状況、)書類作成援助の際の送達場所の各テーマにつき、各単位会の実情に関する意見交換が行われた。
 なお、静岡県司法書士会としては、書類作成援助の際の送達場所に司法書士事務所がなることに問題があると考えている旨の意見を述べさせていただいた。

④ 簡裁代理権の活用に際し、トラブルや問題となっていることについて、各単位会の実情に関する意見交換が行われた。
 その意見交換の中で、司法書士が被告となり提訴されている訴訟についての報告もなされた。

 最後に、日司連と各単位会との間で、裁判事務推進に関する意見交換がなされ、会議は終了した。


個別労働案件訴訟に関するブロック別研修会参加報告

平成22年7月30日(金)13時から17時まで、東京・四ツ谷の主婦会館において、日司連裁判事務推進委員会主催による「個別労働案件訴訟に関するブロック別研修会」が開催されたので、相談事業部長として参加した。
 この研修会は、個別労働紛争解決支援に関する裁判手続について、ブロック会にて個別労働紛争解決支援に関する研修会講師の養成と会員の意識向上のために開催されたものである。
 主催者によると、個別労働事件を扱うことは、その専門的領域に踏み込むことが要求されるので、各地において、この問題における研修会講師やエキスパートを養成することが重要であり、単にマニュアルや書籍の紹介に留まらず、実務に即した知識及び経験を会員に伝える研修会等が広く開催されることが、個別労働事件受託促進へ繋がるとのことである。
今回のような研修会に各会より担当者が参加することによって、「伝達講師」として充実した研修が相次ぐことが期待されている。
第1講として、東京労働局総務部企画室総括労働紛争調査官の藤本由紀夫氏より、「労働局の個別労働紛争解決制度の仕組み及び状況について」と題して1時間の講義が行われた。
講義では、個別労使紛争の急増を受け、各種個別労働紛争解決制度が整えられた旨の説明があり、労働局における個別労働紛争解決システムの紹介がなされた。個別労働紛争解決促進法に基づく個別労働紛争解決制度の基本的性格についての説明がなされた後、東京労働局における個別労働紛争解決制度の運用状況及び東京労働局長による「助言・指導」、東京紛争調整委員会における「あっせん」の事例が紹介され、平成21年度全国の個別朗働紛争解決制度の運用状況についての説明がなされた。
なお、「あっせん」は、申請件数に対する率でいうと合意率は36%前後だが、相手方が参加さえすれば合意率は70%前後になるとのことであった。つまり、「あっせん」の入口部分で、いかに相手方に説明をし、参加してもらうかというところがポイントになるのであろう。
強制力のない「助言・指導」「あっせん」と強制力のある司法手続とのメリット・デメリットをそれぞれ比較し、紛争の実態に即して柔軟な手続選択をすることが重要であるとのことであった。
第2講として、日司連裁判事務推進委員会委員らによる個別労働紛争に関する裁判実務の講義が行われた。
労働者性、賃金未払い、サービス残業、労働条件の引き下げ、辞職、解雇及び派遣労働者などの事例を用いて、それぞれの事例から検討項目を抽出する形で解説講義が行われた。なお、静岡県司法書士会の鈴木修司会員も裁判事務推進員会委員として講師を務められた。各講師から実務に即した講義が展開された。

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 日司連は平成19年度より労働トラブル110番の開催を呼びかけているところであり、今般の研修会の開催は日司連が労働相談の内容の充実に一層の力を注ぎ始めたものと高く評価することができよう。
 今回の研修会で勉強させていただいた事柄を静岡県司法書士会にも、しっかりとフィードバックし、静岡県司法書士会が行う労働トラブル110番等の労働相談の内容の充実に役立てていきたい。



プロフィール

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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