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SFCG債権2重譲渡事件から考える

 SFCG(A)が貸付債権を新生信託銀行(X)と日本振興銀行(Y)に2重譲渡していた事件につき、XがYに対して、債務者ら(B)から弁済を受けた金員についての不当利得返還請求が提訴されていたが、その請求を全面的に認める判決が平成22年7月27日に言い渡された。

 事案としては、Xの債権譲渡登記がYの債権譲渡登記に優先しているもののYはBから民法上の承諾を得ていたというもののようだ。
 争点は、信託契約の成立やYの相殺の可否などであったようだが、ここでは債権譲渡登記に絞って検討を加える。

 結論として、Xが先に第三者対抗要件を備えていた場合、Yが遅れて第三者対抗要件と債務者対抗要件を備えて、Bから弁済を受けたとしても、Bの債務は消滅するものの、YはXに対して、当該弁済金相当額につき、不当利得として返還しなければならない。
 よって、今回の判決は、この論点については、極めて妥当な判断であるといえる。

 ここで、Yの視点から債権譲渡登記制度そのものについて考える。
 Yが債権譲渡登記を申請しようとしたときに、Aの債権譲渡登記記録を調べたところ、先行してXA間の債権譲渡登記がなされていることが判明したとしよう。
 このときに、Yは、XA間の債権譲渡登記が、これから譲渡を受けようとする自己の債権と同一であるか否かを調べるにはどうしたらよいだろうか。
 民法上は、債務者をインフォメーションセンターとして、債務者に尋ねることになるのだが、債権譲渡登記制度では債務者対抗要件と第三者対抗要件の制度そのものが区別されており、第三者対抗要件を備えても債務者対抗要件は留保しておくという、いわゆるサイレント型も多く見受けられるところである。
 このサイレント型の場合には、債務者に尋ねても、債権譲渡の債権の特定はもちろん、債権譲渡の有無も分からないのである。
 また、Aは2重譲渡を企てたものであるし、XにはYの照会に応じる法律上の義務がないのみならず、事実上のメリットもない。
 つまり、先行する疑わしい取引が登記されていた場合、Yはその真偽を確認する方法がないのである。

 債権譲渡登記の制度は、疑わしい取引が既に登記されていた場合、その後の債権譲渡の取引を止めるという選択をするほかない。つまり、債権譲渡登記制度とは、真の取引だけでなく疑わしい取引までを含めた登記制度だと整理する必要がある。

 この制度設計を維持するのか、真の取引のみ公示または調査できる制度として新たに構築しなおすのか、登記の専門家として司法書士も、より深く検討しかなければならないだろう。
 特に民法(債権関係)改正の大きな論点となっているだけに尚更だ。

 なお、上記問題意識は、福岡のK弁護士からご教示いただいたものであることを念のため申し添える。


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司法書士としての生き方 その6

 司法書士になるまでの回想記の続きである。
 バックナンバーは、このブログ左欄の「司法書士新人研修」からご覧いただきたい。

 私が社会人になり、司法書士の存在を知り、司法書士試験を目指すという理由で会社を退職したところまでは、「その5」で既に紹介した。このときの、司法書士試験を目指すというのが、会社を辞めるための現実逃避に過ぎなかったということも既に述べたとおりである。

 さて、そんな中途半端な私が会社を退職後、何をしていたかというと、司法書士試験を目指すという確固たる信念もないまま退職理由として掲げたものの法律の基礎も知らないので、とりあえず、もっと難易度の低い資格試験を受験してみようと、さらに中途半端なことを目論み、図書館に通っていた。
 会社を辞めたものの他にやりたいことがあるわけでもなく、かといって、司法書士試験は受験勉強がかなりたいへんそうだし、私はそもそも法学部出身でもないので法律の基礎が分かっていないから、そうだ、独学でも何となく受かりそうな資格をとりあえず取得してみよう、という極めて安易な思考プロセスを経た結果である。

 そのような安易な受験勉強は成し遂げられることもなく3カ月で終了することになる。

 理由は、失業保険の給付が始まったからである。失業保険の給付がされるまでの待機期間の3カ月の生活費を確保した状態で前職は退職していたのだが、いよいよ失業保険の給付が始まることによって、その給付が切れた後の生活が現実のものとして迫ってきて、生活を維持するために働かなければ、という、これまた中途半端な気持ちが生じてきたからある。

 結局、ハローワークで募集していた会社に面接に行き、そこには、たまたま知人が働いていたため、その友人の推薦もあり採用されることになった。資格塾の営業である。つまり、「国家資格を取りませんか」と生徒を集めるのが、私の新しい仕事となった。断っておくが、怪しい資格商法ではない。入塾した以上、出席管理をきちんとやって、きっちり合格していただくという非常に真面目な資格塾だ。

 この失業から再就職までの間、後の司法書士試験の受験に影響を与えた事項というと、受験勉強を専業でしていると、私の場合、精神的に不安になるので合わない、ということに気づいた点だ。この時期の中途半端な経験を踏まえ、数年後、働きながら司法書士試験を目指すという行動を選択することとなった。

 しかし、まだ、この時期は、本気で司法書士試験を目指そうとは思っていなかった。
 本気で勉強を始めるまでには、後3年ほどを要することになる。

 資格塾の営業社員を経て、受験勉強を始めるに至った以降の話は、また次の機会に。

 
 

ヤミ金等の違法業者の看板撤去運動

 平成22年7月27日は、三島において、静岡県青年司法書士協議会の勉強会が開催されたので、参加した。
 議題は、今年度の集中テーマである物損交通事故の相談に関する勉強の進め方とヤミ金等の違法業者の看板撤去運動の展開について、である。
 物損交通事故の相談については、8月中旬までに、複数の典型相談事例を用い、初期段階の応答を検討する、という方針となった。
 また、ヤミ金等の違法業者の看板撤去運動とは、貸金業法改正の影響を受け、ヤミ金が跋扈するおそれが依然としてあることから、静岡県内の中でも、とくに今回は東部地区において、ヤミ金等の違法業者の看板の分布をチェックし、警察・市町村等に撤去を求めていくというものだ。
 8月下旬に向けて、看板の分布状況を東部地区の司法書士を中心に調べることになった。
 各自が調べた結果を、共有にしたグーグルマップにマーキングしていくことになる。静岡県東部地区は広範であるので、誰かの司法書士事務所に頻繁に集まるということが困難な地区でもある。そのため、インターネットを利用した情報の共有化という発想はかかせない。
 ヤミ金等の違法業者の看板撤去という本来の目的とともに、業務・会務の効率化ということも常に考えていきたい。

日司連民事法改正対策部開催

 平成22年7月26日は、東京・日司連において、民事法改正対策部が開催されたので、部委員として参加した。日司連として、民法(債権関係)改正の研究を行うことが目的である。
 このブログを閲覧していただいている方々は混乱するかもしれないが、日司連と全青司とは、それぞれ別に、民法(債権関係)改正に向けた対応をしている。
 私は、日司連では部委員として、全青司では担当副会長として関与しているので、このブログの内容も必然的に民法(債権関係)改正に関するものが多くなってしまっている状況だ。
 そのため、それぞれの立場に応じた関わり方を区別してするよう心がけている。

 さて、民事法改正対策部では、対策部内での意見書確定に向けて、最後の調整が行われた。
 順調にいけば、次回9月の会議では大筋が整っているはずだ。
 年内に公表できる状態にしたい。

 また、民法(債権関係)改正の講師派遣を積極的に行っていくために、各単位会に呼びかけをすることも決定された。部委員で分担して全国行脚を行う予定である。
 このブログをご覧になっている司法書士会研修担当の立場にある皆様におかれては、本年度もしくは来年度上期の研修内容として、ぜひ、ご検討いただきたい。

全青司札幌代表者会議

 平成22年7月24日25日、札幌において、全青司役員会・代表者会議が開催されたので、副会長として参加した。
 代表者会議とは、全青司役員と全国の青年会代表者が集う年に4回開催される会議だ。
 今回も90名前後の司法書士が集まった。

会議中の主なテーマは次のとおりである。
 
・国の出先機関の地方移管に関する件
・6月10日労働トラブル110番開催報告の件(全国一斉)
・7月31日人権シンポジウム開催の件(熊本)
・8月7日多重債務問題相談会開催の件(全国一斉)
・8月8日不登法シンポジウム開催の件(名古屋)
・8月8日一般民事シンポ開催の件(旭川)
・11月21日生活保護110番開催の件(全国一斉)
・民法(債権関係)改正に関する意見書の件

など、多くのテーマが取り上げられた。

 以上のように、これから事業が目白押しである。今年度も、いよいよ大詰めだ。 

配偶者貸付と夫婦別産制

 月報司法書士7月号では、「相続と夫婦財産の清算」というテーマで論考が掲載されている。
 この中で、貸金業法の配偶者貸付の規定ついても言及されている。
 その言及から考えさせられたことは、たとえば専業主婦であっても、離婚して財産分与の請求をしたときは相当額の財産を得ることが認めらているにもかかわらず、貸金業法上は現時点で無収入と扱われることのアンバランスさだ。
 確かに、将来の財産分与請求権は、顕在化しない可能性もあり、むしろ離婚等の事情がない限り顕在化しないことが原則なのであるから、貸金業法上の考えは、実務的には妥当であると考えられ、個人的には支持している。(潜在的共有)

 夫婦別産制とわりきれば話は分かりやすいのだが、専業主婦の家事労働の現在価値化という視点で考えると、また新しい角度での疑問も生じそうだ。

 たとえ、それまでの自分の考えと異なっていても、物事を様々な角度から考察することは重要だ。
 

無償サービスの弊害

 某ウェブサイトの無償サービスであるMLを利用して情報交換をすることが多いのだが、最近、受信はできても投稿できないということが多い。

 サービス自体が無償だから、あまり過度な要求はできないのだが、自分が発信したつもりの投稿が配信されていないとなると、後で大きなトラブルを招くことにもなりかねない。

 利用規約をチェックしたくなるのは、職業病ともいえるが、やはり無償サービスの改善を求めるよりも、有償サービスに切り替えた方がよいのだろうか。
(しかし、これはML管理者・加入者に多大な影響を及ぼすので、今すぐには現実的な対策ではない。)

 メーラーからの投稿ではなく、ウェブサイトの掲示板から直接投稿すると配信されるようなので、しばらくは、それで対応することにしよう。
 (ただし、添付ファイルが投稿できないようだ。)

 本日は、閑話休題的な話題である。


 

静岡県司法書士会常任理事会開催

 平成22年7月20日は、静岡県司法書士会において、常任理事会が開催されたので、常任理事として参加した。メインの議題は、債務整理事件の処理に関する規則制定の件である。

 9月開催予定の臨時総会への上程に向けて、規則案が煮詰まりつつある。
 
 静岡県司法書士会では、最低限の執務基準は規則化し、執務向上を図る基準は指針として定めることとなった。
 規則の中でも、債務整理事件の際の直接面談を強く意識した規定となっている。
 委任者の状況を把握し適切な手続選択をするために、面談は極めて重要である。

 8月には、規則案・指針案を確定させたいところである。

全青司民法(債権関係)改正対策委員会開催

 平成22年7月18日10時から18時までと19日10時から14時までの2日間に亘って、横浜の神奈川県司法書士会館において、全青司民法(債権関係)改正対策委員会が開催されたので、担当副会長として参加した。

 委員会は、民法(債権関係)改正にあたって全青司として意見を述べるべき各論点について、起案担当者からの説明がなされ、委員から疑問点や意見を述べあっていくという方式で進行した。

 8月には大よその意見が出そろう見込みだ。次には、それらの調整作業が待っている。

 ところで、この2日間で、改めて、意見を述べる視点が難しいと感じる部分もあった。
 すなわち、全青司に求められているのは、あくまで法律実務家としての意見であり、学説に対する支持・不支持ではない、ということだ。それは当然のことであるのだが、ちょっと気を抜くと、学説の方に入り込んでしまう自分がいる。他の委員も、元来、民法の勉強が好きだというところは一致した属性をもっている者同士であるので尚更だ。


 ここで、自分に向って宣言しておこう。

 改正に関する意見を述べる際に、現民法の判例解釈と改正提言の内容の理解は必須だが、具体的に意見を起案する段階では、それ以上の学説本は不要だ。
 必要なのは、私たちの「事件簿」なのだ。

 実務に基づき、地に足のついた意見を述べていきたい。

 

静岡県司法書士会会員研修会開催「法教育」「中小企業の組織再編をめぐる諸問題」

 平成22年7月17日13時から17時まで、静岡県司法書士会において、会員研修が開催されたので参加した。テーマは「司法書士による法教育とこれからの展望」と「中小企業の組織再編をめぐる諸問題」である。
 前者は日司連法教育推進委員会委員長の高山完圭氏、後者は商業登記倶楽部代表理事等の神満治郎氏に、それぞれ講師をしていただいた。

 法教育については、静岡県司法書士会のホームページで、私の作成した消費者トラブルと労働トラブルの2つの教材を公開しているところであるが、現在、若手の委員を中心に、それら教材の見直しを行っている。
 今回の講義で伺った内容を踏まえて、これからも法教育の活動を展開していきたい。
 なお、日司連の法教育推進委員会では、中高の教科書に「司法書士」が記載されるよう事業を展開するとの話であった。とても斬新な視点の取り組みであり、その成果をみるのが楽しみである。

 中小企業の組織再編をめぐる諸問題では、司法書士は商業登記に強くあるべきである、という力強いエールをいただいた。商業登記を扱う法務局が全国で80庁になる見込みが強い中、これからは各地域の商業登記の相談所として、それぞれの司法書士事務所がその機能を担うべきである、とのことであった。
 神満治郎氏のいう商業登記に強い司法書士とは、(1)会社法に関する相談対応力がある、(2)会社法に関する法務企画力がある、(3)会社法に関する文書作成力がある、の3つの力がある司法書士である。

 さて、研修に関する余談であるが、静岡県司法書士会の研修会は、大体、2時間か1時間30分を一コマとして、各回2コマが設けられることが多い。個人的には、内容の濃い講義の時は一コマ4時間のみの研修でも良いと思うのだが、いかがだろうか。
 私が他会で研修の講師をするときは、4時間ワンセットで依頼されることが多いのだが…。(最長8時間)

司法書士と世襲制

 以前より常々思っていたことであるが、親子で司法書士というケースが多いように感じる。
 もっとも伝統のあるケースでは4代目司法書士という家系もあるようだ。

 世襲制といっても、現在、司法書士は国家資格であるので、合格率3%前後の試験にパスしなければ親と同じ職に就くことができない。ここは他の世襲制が問題となりうる職との大きな違いである。

 さて、そうはいうものの、世襲が多いということは、それだけ、この司法書士という職に魅力があるということの証左でもあるのだろう。そうでなければ親も勧めないし、子も目指さないはずだ。

 とはいっても、この数年の間に、司法書士の職域は大きな変容を遂げ、新たな司法書士像が生まれつつある。親の背をみて、司法書士となった方が持っていたイメージとは、かけ離れたものとなっているかもしれない。

 世襲に限ったことではないが、こんなことならなるんじゃなかった、と、これから司法書士になる方に思わせたくはない。変容を遂げた司法書士であっても、良い意味での世襲が続いてほしいものだ。


 ところで、私についていえば、親も親類も、司法書士に関連した職に就いているものは一切いない。
 その意味で、私にとっての世襲とは、私の家族や関係者が将来司法書士を目指すことを意味する。

今日はエッセイ風にまとめてみた。


民法(債権関係)改正に関する意見書起案(日司連版)

 平成22年7月13日の夜と同月14日の午後から、あかまつ事務所において、私と同様、日司連民事法改正対策部の部委員である伊豆の司法書士Y氏とともに、民法(債権関係)改正につき消費者視点からみた意見書の起案を行った。2日間で、のべ8時間以上を費やした。
 意思表示を中心に、おおよその意見の枠組みは整ったものと考えている。

 今月下旬に開催される対策部において、承認を得たうえで、来月には、この部分の簡略版の意見書を完成させたいところである。

 司法書士が意見を述べるべき視点は、消費者のほか、登記のユーザー目線という視点も重要である。車の両輪の関係にあると考えているので、バランスをとりつつ、秋口には対策部内で全体の意見書を完成させたい。

 平日にも関わらず、意見書の起案にお付き合いいただいた伊豆のY氏には、この場をお借りして感謝申し上げる。

ツイッターと消費者

 大相撲名古屋場所がTVで生中継されないことの影響で、観客がツイッターで生中継していることが話題となっている。

 今や、一消費者が容易に情報を入手したり発信したりすることが可能となっている。
 また、事業者からの情報を一方的に受け入れるのみであった一昔前の消費者とは違い、悪い商品やサービスであれば、その旨をどんどん発信できる。SNS等を通じて、消費者同士が独自のネットワークを築くことも容易となっているので、一消費者が発信した情報の伝播が瞬く間に広がるケースもある。
 そうすると、今の消費者は、インターネット等を通じ、膨大な情報を入手することもできるし、情報源を選別することによって信頼性の高い情報のみを得ることもできる。また、ブログやツイッターという情報発信の術をもつことによって事業者と交渉する力を得たと評価することもできそうだ。

 すなわち、事業者に比し、情報の質・量、交渉力に格差があるといわれる消費者だが、目まぐるしく進むIT化により、消費者の定義そのものが変わりつつあるといえるのかもしれない。

 消費者は「消費者契約法」の中に存在するわけではない。実社会で生活しているのだ。
 私たち司法書士も何事も柔軟にならなければならない。

というようなことを、大相撲名古屋場所をツイッターで中継しているニュースをみて素朴に感じた。

【書籍紹介】民法(債権法)改正を問うー改正の必要性とあるべき姿ー

 法制審議会民法(債権関係)部会の幹事でもある弁護士・法政大学法科大学院教授 高須順一氏が「民法(債権法)改正を問うー改正の必要性とあるべき姿ー」を酒井書店より出版された。

 法制審議会がハイペースで開催されている真っ只中に書籍を出版されるというエネルギーに、まずは驚かされる。実のところ、私などでは法務省のHPで公表される資料や議事録をおっかけるだけで大変なのだが、このような書籍を目の当たりにすると、そうもいっておられない。


 内容は、法制審議会の議論に関するものではなく、基本方針に対する私見が大半を占めている。
 複数の事例から生じる論点に対して、現行法による解釈、そして、基本方針にあてはめたらこうなる、というように分析を展開しておられる。
 
 基本方針を批判的に分析するために、考えさせられるヒントがちりばめられており、民法(債権関係)改正を考えるにあたって非常に参考になる書籍だ。

全青司関東ブロック研修IN江の島「DV問題を考える~いま、私たちにできること~」

 平成22年7月10日は、神奈川・江の島において、全青司関東ブロック研修が開催されたので参加した。
 テーマは「DV問題を考える~いま、私たちにできること~」である。
 第1部として、DV加害者へのカウンセリング等を行っている山口のり子氏からの基調講演が行われた。
 講演は、大多数の人がDVを受けたり、DVをしたりするおそれがある、という現実にきづくことから始められ、そのような現実社会をどのように乗り越え、変えようと努力していくべきか、ということが豊富な事例に基づき、山口氏の言葉で語られた。
 第2部として、市民劇団オンリーワンによる朗読劇が行われた。DV被害をテーマにした劇であり、示唆に富む内容であった。講義形式で直接語られるのではなく、劇のように間接的に語られていくという手法も、とくにDVのようなデリケートな問題については、とくに効果的であると感じた。

 今回の研修のように、司法書士にとって新しいテーマを見つけ出し、市民公開型の研修を開催するという英断をされた神奈川の実行委員会には敬意を表したい。

 司法書士が取り組まなければならない社会問題は、まだまだ数多くあり、司法書士がそれに気づく感受性を備えているか否かということが、これからは鋭く問われていくのだろう。
 今回の研修を受講して、そう感じた。

「DV問題を考える~いま、私たちにできること~」

 平成22年7月10日11日と神奈川の藤沢において、全青司関東ブロック研修が開催される。全青司では、年に1回開催される全国研修のほか、全国の各ブロック単位でも別に研修会が開催されるのだ。今年の主管会は神奈川である。テーマは「DV問題を考える~いま、私たちにできること~」である。
 一般市民の参加も受け付けていることが今回の大きな特長だ。
 詳細は、こちらをご覧いただきたい。
 http://www.pref.kanagawa.jp/

 基調講演のほか、朗読劇も行われるとのことであるので、司法書士劇団主宰者としてはそちらも気になるところだ。

 

地域主権改革

 内閣府に地域主権戦略会議が設置され、地域主権改革が議論されている。
地域主権改革とは、「日本国憲法の理念の下に、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにするための改革」とのことである。
 また、地域主権戦略会議とは、内閣府HPによると、「地域主権改革は、地域のことは地域に住む住民が責任を持って決めることのできる活気に満ちた地域社会をつくっていくことを目指しています。このため、国が地方に優越する上下の関係から対等なパートナーシップの関係へと転換するとともに、明治以来の中央集権体質から脱却し、この国の在り方を大きく転換していきます。地域主権戦略会議は、こうした地域主権改革に関する施策を検討し、推進していくため、平成21年11月17日に閣議決定に基づき内閣府に設置されました。」と説明されている。

 その一環として、国の出先機関改革として、法務省の機関も議論されているようだ。
 具体的には、法務局の地域移管などが視野にあるように思われる。
 詳細は、こちらをご確認いただきたい。
http://www.cao.go.jp/chiiki-shuken/desaki/100521discussion_result.html

 非常にハイペースで会議が重ねられているので、こまめに注視していないと、気が付いたら法務局が県や市の管轄になっていたということにもなりかねない。

 結論の是非を含めて、司法書士は高い関心を持たなければならない問題である。




月報発行委員会開催

 平成22年7月5日は、日司連において、月報発行委員会が開催されたので委員として参加した。
 6月号の特集「司法書士からみた民法(債権関係)改正」について、アンケートで多くのご感想をいただき、企画担当者としても、非常に励みになった。
 特集の企画は、なんと来年の4月号までの分が順次進行している。あまりに先行しすぎても、月報司法書士のタイムリー性が損なわれてしまうおそれがあるので、企画のペースをスローダウンする必要もあるかもしれない。
 私の月報発行委員会の任期も、予定では来年の6月までなので、あと1回、特集の企画担当になることができるかどうか、といったところか。
 さて、委員最後の特集は何にしようか。ゆっくりと考えることにしよう。

司法書士試験実施

 平成22年7月4日は、司法書士試験が実施された。
(といっても、既に合格している私はもちろん受験していないが。)

 法務省によると、受験者は、前年の1.9%増の33,166人とのことである。
 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00011.pdf
 私が合格したのが、平成14年なので、もう8年も経ったことになる。月日の経つのは、ほんとうに早いものだと最近つくづく感じる。
 合格した年は、試験が終了しても気力が体に溜まったままだったので、エネルギーを抜くために、試験の翌日から数カ月の間、毎朝ジョギングをしていたことが懐かしい。
 私の場合、それほど、当日の集中力を最高潮にまで高めることができたので、合格できたともいえるのだろう。
 このあたりの思い出話は、いつか「司法書士としての生き方」で再掲することになると思う。

 さて、今年は、どんな新人がでてくるか、来年1月の中央新人研修でお会いするのが、今から楽しみである。

全青司東京全国研修申込開始

 全青司会員のお手元には、そろそろ東京全国研修の申込書が届いていることと思われる。
 実行委員によるHPも内容が充実したものとなっている。
 http://www.tokyo-ssk.org/zenkoku2010/

 全国研修は、9月18日、19日に開催される予定であるが、1日目には民法(債権関係)改正の分科会、2日目には労働問題に関する分科会を担当する。
 1日目の分科会では民法(債権関係)改正の最新情報と全青司の考え方をお示しする。
 また、2日目の分科会では村田弁護士による基調講演のほか、恒例になりつつある司法書士によるロープレを行い、労働相談のイメージを掴んでいただく。とくに、ロープレでは配役も一新し、静岡のS司法書士、鹿児島のU司法書士、千葉のT司法書士にご活躍いただく予定である。

 他の分科会のいずれも非常に興味深いものばかりであるが、もし、申込の際に、どの分科会にしようか、お迷いの方は、上記2つの分科会への参加を積極的に検討してみていただきたい。
 お勧めである。


 

司法書士としての生き方 その5

 司法書士になるまでの回想記の続きである。
 バックナンバーは、このブログ左欄の「司法書士新人研修」からご覧いただきたい。

 さて、新卒後、ノンバンクで働いていた私は、配属になった支店の業績が急上昇するなどして天狗になっていた。内面では「やればできる」という根拠のない自信をますます増長させていたといえるのかもしれない。

 しかし、入社後1年半ほどして、大規模店のチーフに抜擢されてから、馬脚を現し始めることになる。

 思うように業績が上がらず、新しいメンバーでのチームワークも統率がとれなかった。
 そうなると、途端に仕事が嫌になって、数日間、無断欠勤をしてしまったこともあった。
 「やればできる」という自信は「やってないから、できないだけだ」との言い訳に変わっていった。

 時を前後して、勤務先には、司法書士からの通知が届くことが多かった。すなわち、「介入通知」である。
 司法書士には当時代理権もなく、まさに非弁との誹りを受けながら、慎重に裁判書類作成業務によって、債務整理事件を扱っていた時代だ。
 当時、弁護士介入だと、即、本社へ移管だが、司法書士介入だと、裁判所からの受付票が届くまで、支店管理、その間は、通常と同様の取り扱いである。
 今にしてみれば、恐ろしくもあり、浅はかでもあるのだが、当時は私も、よく司法書士事務所に「先生、弁護士法72条はご存知ですよね。」という趣旨の電話をかけていた。 
 そのようなとき、ある日、いつものようにキツイ口調で司法書士事務所に介入通知を出しても無意味であることをお断りする旨の連絡をした際に、その司法書士の方から、逆に、こちらの行為の違法性の疑いがある点を厳しく指摘されたことがあった。それはあくまで疑いのある行為であり、違法行為とまでは思われなかったが、代理権がないにもかかわらず、堂々と対峙する司法書士に出会い、その後、私の司法書士をみる目が変わった。

 何か中途半端で怪しい資格だけど、しっかりした仕事もできるんだ、という認識になったのである。

 あのとき、あの司法書士に出会わなければ、私は司法書士になっていなかっただろう。
 (おかげで、相談者も含め、それ以外の人の人生をも変えることのできる司法書士になりたいという気持ちを今も強く持っている。)

 そのようにして、司法書士の存在をしり、見直しつつも、会社勤めをしていた私であるが、サービス残業などで、いくら会社に奉仕しても、数回大きな失敗をすれば降格、仮に降格がなくとも、定年後は幾ばくかの退職金以外は自分に何の財産も残らない、という会社制度に物足りなさを感じるようにもなっていた。そもそも会社勤めに向かない性質であることが、やっと判明したのである。

 それに加え、支店の成績が上がらないという状況は、私に退職を決意させるのに十分な事情となった。

 入社してから、ちょうど3年後、私は、退職届を支店長に提出した。
 退職理由は、司法書士試験を目指すため、だ。

 しかし、今にして思えば、それは退職するための口実に過ぎなかった。
 なぜなら、退職しても、実際には司法書士試験の勉強を始めなかったのだから。

 世の中、そう劇的に物事が変わらないのは相変わらずであり、最初の会社の退職ぐらいで、私の人生が大きく変わることもなかったのだ。

 そのようにして、しばらくすると別の会社に転職をして、結局は、またしばらく会社勤めをすることになるのだが、それ以降の話は、また次の機会に。


プロフィール

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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