全青司京都役員会開催

 平成22年5月29日(土)30日(日)は、京都で全青司第4回役員会が開催された。
 なお、29日(土)午前中には、民法(債権関係)改正対策委員会が開催され、意見書の起案検討が行われた。
 委員会での検討をうけ、役員会では民法意見書についても協議された。

 また、全青司ホットラインという相談電話回線に寄せられる相談内容の集計結果を公開するための準備も協議された。悪質商法など、次々と新しい類型の消費者被害が頻出する中、事例の概要をまとめ、解決のための法律構成等をある程度あらかじめ整理しておくことは有益であろう。

 その他、貸金業法完全施行に向けた対策など、数多くの議題が協議された。

ハローワーク巡回相談

 静岡県のハローワーク3か所では、月に1回、司法書士による巡回無料相談を実施している。

 私は、毎月第4金曜日に1時から5時まで、沼津のハローワークの相談員を担当している。

 本日がその相談日である。

主な相談受付内容は、
・給料の未払いや突然解雇を言い渡されたなど、労働トラブルを抱えている方
・消費者金融等から借金をしていて返済でお困りの方
・訴訟を起こされて、手続きなどでお困りの方
となっている。

 相談は予約制となっているので、お問い合わせ・予約は、ハローワーク沼津紹介第1部門(TEL 055-918-3711 もしくは 055-918-3712)まで。


静岡県司法書士会 平成22年度相談事業部の重点項目

 静岡県司法書士会の定時総会をおえて、相談事業部長として、承認をうけた事業計画を基に、次のような文章を発信させていただいた。

平成22年5月22日に開催された定時総会において、相談事業部の次の骨子の事業計画が承認された。

事業計画のキーワード…「連携」
① 市民と司法書士との連携を図る。
② 行政、異業種、地域との連携を図る。
③ 日司連と本会との連携を図る。
④ 本会における事業部相互間との連携を図る。
⑤ 相談事業部内における委員会相互間との連携を図る。


 事業計画においては、次のような事業を展開することを念頭においている。

Ⅰ 全国的に多発している司法書士の債務整理事件に関する不祥事につき、本会としても早急に対応する必要があると考えているところである。
  具体的対応策としては、債務整理事件の執務に関する規則の制定を検討している。制定については、公聴会を実施したうえで、秋口には臨時総会にお諮りしたい。市民と司法書士との連携、すなわち、信頼関係の構築・維持という意味において、喫緊の課題である。会員各位におかれては、規則制定に向けて、積極的なご意見・ご協力をお願いしたい。

Ⅱ 貸金業法完全施行に向けた対策を実施する必要があると考えているところである。
  具体的対策としては、改正法の周知のための新聞広告等と相談窓口の充実を検討している。多重債務問題対策委員会と消費者問題対策委員会が担当する。
  改正法の影響により、ヤミ金利用者の増加、専業主婦からの新たな類型の相談(本人は多重債務ではないと認識しており、配偶者に借金の事実が知れるのは困るという相談等)が寄せられることが予想される。相談を受ける司法書士も、常に新たな情報をキャッチし、情報を共有しなければならない。そのため、青司協とも連携して、活動を展開していく予定である。会員におかれても、総合相談センターしずおかの相談員として、引き続き、ご協力をお願いしたい。

Ⅲ 債務整理事件以外の一般民事事件等において、より一層、簡裁代理権を活用する必要があると考えているところである。
  具体的対策としては、既に毎年実施している「労働トラブル110番」、「賃貸トラブル110番」のほか、新たに「物損交通事故110番」の開催を企画検討している。相談事業推進委員会が担当する。
  物損交通事故事件は、専門的な知識を要することが多いので、研修部とも連携し、事前研修を数多く開催する予定である。
  会員におかれては、この機会に、物損交通事故の相談スキルを磨いていただき、幅広い事件類型で簡裁代理権を活用していただきたい。

Ⅳ 犯罪被害者支援につき、司法書士の関与の在り方について、一定の方向性を会員に対して示す必要があると考えているところである。
  当会に犯罪被害者支援委員会が設置され5年が経過しているが、司法書士の行う犯罪被害者支援の在り方のイメージが湧かない会員も多いと思われる。そのため、まずは、会員に対して、今までの成果物を発表する予定である。

               *

  相変わらずお願いごとばかりで恐縮であるが、会員各位のご協力により平成22年度も相談事業のさらなる充実を図っていきたい。

日司連民事法改正対策部

 平成22年5月25日は、日司連において、民事法改正対策部が開催されたので、部委員として参加した。
 民法(債権関係)改正の論点ごと、消費者事件に関するグループと登記業務に関するグループに分かれ、それぞれのグループで協議をし、意見のベースを作成した。
 法制審議会の1クール目が終わる前には提出できる見込みである。

 なお、6月8日の法制審議会では、意思表示という消費者事件に大きな影響をおよぼす論点が検討される見込みである。
 消費者事件に関するグループの意見も、この前後に集中的に議論して固めてしまいたいところである。

第一法規「司法書士NAVI」編集会議

 平成22年5月23日は、東京において、第一法規「司法書士NAVI」の編集会議が開催された。今秋に発行予定の追録版の原稿のチェックが主な目的だ。
 私の担当する「雇用」の章は、①平成22年労基法改正への対応、②労働審判制度の解説の充実、③松下PDP最高裁判決の解説などが主な追録内容である。
 その他の章も、新問が追加されたり、最新の法改正・判例の解説が追加されるなどしており、非常に充実した内容となることが予定されている。
 この執筆会議には、編者である加藤新太郎判事も参加していただいており、執筆者には、直接、加藤新太郎判事と意見交換をすることができるという役得もある。
 これだけでも、執筆会議に参加する意義がある。

 もちろん、そのような意見交換を踏まえた原稿は、さらに良い内容となっているので、今年度の追録版にも期待していていただきたい。

 「司法書士NAVI」の詳細は、こちら


静岡県司法書士会定時総会

 平成22年5月22日は、静岡において、静岡県司法書士会第89回定時総会が開催されたので、常任理事として参加した。
 総会では、相談事業部長として、平成21年度事業報告と平成22年事業計画について説明させていただいた。
 平成21年度は、各委員会の委員長をはじめ委員各位に支えられ、充実した相談活動を実践することができたものと自負している。
 平成22年度事業計画では、債務整理事件の処理に関する規則化の制定、貸金業法完全施行への対応、債務整理以外の民事事件への対応、の3つを主たる柱として、各事業を展開することを念頭に置いている。
 承認された事業計画の実践に鋭意取り組んでいきたい。

 総会後の懇親会が終了後、その足で東京へ。

 翌日、朝から第一法規「司法書士NAVI」の編集会議があるためだ。


静岡県司法書士会常任理事会

 平成22年5月20日は静岡県司法書士会において常任理事会が開催されたので、常任理事として参加した。
議題は、同月22日に予定されている定時総会の議事進行の協議が中心だ。
議長・副議長予定者等にもオブザーバーとして参加していただき、詳細な打ち合わせが行なわれた。

 ところで、今年の定時総会の参加率が悪いように感じる。強制である司法書士会の定時総会であるので、司法書士会員は、もっと積極的に参加していただきたい。
 また、会員からの業務報告に対する質疑も、今のところ、ほとんどないようだ。総会は、静岡県司法書士会の最高意思決定機関なのであるから、もっと活発な議論を行っていきたいのだが・・・。
 総会の意義を今一度問い直す必要があるのかもしれない。

司法書士としての生き方 その3

 司法書士になるまでの回想記の続きである。

 さて、ある大学の経済学部で何となく大学生活を送っていたものの、大学に行くのは定期試験のときだけであった。3年からゼミが始まるのだが、ゼミの申込締切日前日に友人から教えてもらい、あわてて申込みをしたほどだ。あのとき友人からの留守番電話への吹込みがなければ、きっと卒業はなかっただろう。後から知ったのだが、そこは倍率の高い人気ゼミであったらしい。そんなことも知らずに当選し、金融論のゼミに所属することになった。抽選に漏れた真にやる気のある学生に申し訳ない、と今にして思う。
 4年になり、このままでは大学生活で何も得たものがないことに、ようやく気づき、やっとケインズなどをぼちぼち読むようになった。ゲーム理論の基礎に触れたのも、ちょうどこの頃だ。「経済学も面白いかな」と、卒業も間近になり、少し思い始めていた。
 ところが、4年のゼミ旅行のとき、ちょうど、その年で退官される教授から、懇親会の席で直々に、こう言われた。

  「経済学は社会に出たら役に立たない。それよりも民法や刑法をしっかり勉強しなさい。」と。

 教授の真意は定かではない。ゼミで一生懸命勉強していなかった私に対する嫌味だったのかもしれないし、人生の大半を経済に捧げてきた(であろう)ご自分の本心なのかもしれない。
 しかし、真意はどうであれ、経済学部の教授から最後にそう言われると、「自分の学部選択が誤っていたのでは…」という疑問も湧いてくる。
 そのときから、「法学部に入っておけばよかった」という後悔を抱くようになった。ある意味、自己否定である。

 ただし、時、既に遅し。

 私は、既にある金融機関に内定を得ていたのだ。

 教授生活最後に、教授が、最もできの悪かった学生である私に言った言葉は、そのまま、ずっと私の頭の片隅に残り、以降、漠然とした法律への憧れとなった。
 それが、後に資格試験を目指した際に、司法書士という資格が候補となった理由のひとつである。

 

日司連月報発行委員会

 平成22年5月18日は、日司連で月報発行委員会が開催されたので、委員として参加した。
 いよいよ6月には、特集で「司法書士からみた民法(債権関係)改正」を取り上げる。
 特集には、急遽、私も拙文を寄せさせていただくこととした。準備期間がなく、1万字分の原稿の構想から脱稿までの期間が1週間程しかなかったので、充分満足できる内容ではないかもしれないが、ご容赦願いたい。
 特集のその他は、5つの担当領域について、それぞれの専門分野の司法書士が、司法書士の視点で民法(債権関係)改正を解説し、意見を述べるという形式となっている。
 全体的には、質・量ともに納得のできる特集に仕上がったと感じているので、楽しみにしてほしい。

【書籍紹介】特別法と民法法理

 民法(債権関係)改正の議論が法制審議会、実務家の間でなされている。
 その議論において、もっとも大きなテーマの一つになると思われるのが、民法への消費者契約法、商法などの特別法の取り込みだ。他にも電子消費者特例法や場合によっては債権譲渡特例法も取り込まれる可能性がないとはいえない。

 それら特別法は、民法の規定では不足する部分を補ってきた役割を持つが、特別法が多数制定され、肝心の民法そのものの空洞化が目立つようになってきたともいえる。
 そこで、今般の民法(債権関係)改正では、一部の学者から、特別法を民法に取り込み、民法を豊な法典とすることが提案されている。

 しかしながら、特別法の対象は、広範であり、一方では、B2Cという消費者契約について適用されるものがあり、一方では、B2Bという事業者(商人)間契約について適用されるものがある。他にも、その適用対象は多様であり、かつ、限定的だ。
 これらを一つの法典にまとめることによって、一覧性は向上するものの、実務上、問題が生じるおそれはないのだろうか。
 たとえば、規範的要件の解釈にも、影響が出ないだろうか。

 このような問題を考えるにあたり、次の書籍が参考になりそうだ。

   潮見佳男・山本敬三・森田宏樹編「特別法と民法法理」有斐閣

 

 

時効期間満了後の承認

 現民法と判例では、事項期間満了後に弁済などをして、債務承認をすると、時効援用権の喪失になり(最判S41・4・20)、時効期間満了後の債権者の請求が違法行為ではなく、債権者が受領した弁済も不当利得とはならないと解されている。
 そのため、一部の街金では、時効期間満了となった債務者で連絡が取れる者には1000円などの少額の弁済を受けて債権の時効承認をさせた後、今までの元金、利息、遅延損害金を請求するという手口もみられているところである。

 上記のようなケースでは、債務者が時効の完成を知らずに、言われるがままに、少額を支払ってしまうということも多々あるので、今般、審議されている民法(債権関係)改正では、時効期間満了後に請求しようとする債権者に時効完成の事実を告知したうえで、請求をするように義務づけてはどうか。

 債務者が時効の完成を知った上で、弁済をするということを制度上担保していただきたいのである。
 
 「合意」を重視するのであれば、時効承認における「債務者の意思」も重視していただきたい、と思う次第である。


 

司法書士としての生き方 その2

 司法書士になるまでの回想記その2である。
 読者から「あの青春日記みたいな記事」と言われたが、とくにそのような意図はない。

 さて、さしたる目的もなく、大学に、それも経済学部に入ったのだが、入学してからも、とくに意義は見出せず、必須科目を落として留年の危機にさらされたりもした。しかも、それは、私の努力で回避されたのではなく、なぜか、その年に急に単位取得制度が大幅に変更され、たまたま留年しないですんだだけだ。
 また、部活やバイトに専念し、大学の教室には定期試験のときにしか顔を出さず、留年しないですんだし、このまま何となく就職活動するんだろうと、ぼんやりとしたイメージを持ち続けていた。

 ところが、ちょっと世の中に対する見方が変わった事件があった。
 初めて買った宝くじが、2箇所の数字以外1000万円の当選番号と同じであったのだ。
 結局、その宝くじは1円にもならなかったが、宝くじは当選することもあるんだ、また、ほんの些細なきっかけで、人生は変わる可能性もあるんだ、ということを強く実感した。
 自分の人生を自分で変えることができる。それまで、周囲に流されて生きてきた大学生にとっては、そのような当たり前のことに気づくだけでも大変革である。

 この実体験に基づき、しばらくは、宝くじ・パチンコ・スロットという安易な方向に流れた。人生が劇的に向上することは、そうそうないものである。
 しかしながら、8年後、司法書士試験という人生最大のギャンブルにかけたのは、このときの宝くじの原体験があったからに他ならない。しかも、司法書士試験というのは合格率は宝くじ並みだが、努力すればその率をあげることができる。
 大学時代の私は、そのようなことも考えずに、操作された勝率の中でバイト代を浪費することが関の山であったが。

 なぜ、経済学部の私が法律に興味をもったか、という大学時代後半の話は、また次の機会に。



民法(債権関係)改正・・・契約の成立

 民法(債権関係)改正では、契約の成立につき、「承諾」を現民法の発信主義から、到達主義に変更することが検討されそうだ。
 これにより、現民法において、522条2項と526条の解釈が難しかった部分がすっきり理解できることになる。
 ただし、クーリングオフについては、特別法で、発信主義が維持される必要があろう。

 しかしながら、その他の改正検討部分で、実務上、とくに契約書作成の段階で問題となりそうな部分もある。
 具体的には、大筋合意ができているものの、細かい部分(たとえば、専属管轄の問題)などの合意ができていないケースを想定して、以下の3つを比較していただきたい。

「ミラーイメージ」
契約の成立に際して申込みと承諾の厳格一致を求める規律である。
現民法528条が採用している。
すなわち、申込みに変更を加えた承諾は、申込みの拒絶とともに新たな申込みとなる。
→ さらに承諾がされる必要があるため、契約の成立時期が遅れる、もしくは成立しない。

「ラストショットルール」
申込みと承諾の内容が異なる場合に、最後に送付した内容が契約内容となる。
ウィーン売買条約が採用している。
→ 迅速に契約が成立するが、合意内容の争いが生じるおそれもあるといえる。

「ノックアウトルール」
申込みと承諾の内容が異なる場合に、変更がなされた部分を除いた内容で契約が成立する。
基本方針、ユニドロア商事契約原則で採用されている。
変更がなされた部分は、何の合意もないことになる!
→ 果たして妥当か?

 上記の例で、現行のように、専属管轄の定めをしておかなければ契約を成立させたくない、と考えるのであれば、ノックアウトルールが採用された場合においては、承諾の意思表示の際に、その旨を明記しておく必要がある。

 そうしなければ、専属管轄の定めなし、管轄は民事訴訟法の原則どおりという結果になってしまうので、契約書作成に携わる企業法務担当者などは、留意が必要である。

貸金業法完全施行に向けて

 平成22年5月11日は、ある会議で、貸金業法完全施行につき、総量規制の影響について解説させていただいた。
 予想される影響および対策は、資金需要者が貸金業者からの追加借入れができなくなることにより、ヤミ金へと流れていくことを防ぐために啓発活動を続けるということ、専業主婦のような無職の資金需要者が配偶者の同意を要することができない場合(配偶者に秘密で借入れをしていた場合)、いかに配偶者に打ち明けるかというカウンセリングも含めた面談を実施すること、の2点に集約されるように思う。
 静岡県司法書士会では、完全施行に向けて、総合相談センターしずおかの相談電話の増設を行う予定だ。
 困ったら、まずは、054-289-3704に電話をしてほしい。
 平日の14時から17時は司法書士が直接電話対応をする。

静岡県の消費者月間キャンペーン

 5月は消費者月間である。
 そのため、静岡県は、消費者月間のキャンペーンとして、平成22年5月10日11時45分から12時15分まで、静岡駅において、リーフレット等のチラシ配りを行ったので、静岡県司法書士会相談事業部長として参加した。
 各団体から20名前後が参加し、およそ1000部チラシを配った。
 とくに、今年の5月は、貸金業法完全施行を直前に控えているので、総量規制の影響で借入れができなくなったときに備えて、相談先を周知しておくという意味でも重要だ。
 なお、静岡県司法書士会では、会長・副会長も率先垂範してチラシ配りに参加している。
 
 

全青司民法(債権関係)改正対策委員会勉強合宿

 平成22年5月8日9日は、熱海において、民法(債権関係)改正対策委員会と静岡県青年司法書士協議会との共済による民法勉強合宿が開催されたので、全青司副会長として参加した。30名ほどの司法書士が参加した。
 意見を述べる論点の抽出と、その論点に対するディスカッション、また、全体での意見交換をし、情報の共有が行われた。いずれも充実しており、意見書の視点もほぼ固まったようだ。
 これから意見書の起案という具体的な作業に入っていくことになるが、委員の皆様におかれては、行き詰ったときは今回の合宿を思い出していただきたい。
 

全青司労働トラブル110番事前勉強会IN千葉

 平成22年5月7日17時30分より20時30分まで、千葉において、全青司労働トラブル110番事前勉強会が開催されたので、副会長として参加した。千葉県青年司法書士協議会の司法書士の方々を中心に20名ほどの参加者があった。
 労働トラブル110番は、今年も6月10日に全国一斉での実施を呼び掛けているところであり、全国で事前勉強会を開催していただくためにDVD収録も行った。DVDは5月中旬には全国の青年会に配布する予定である。
 勉強会の内容は、平成22年労基法改正のポイント、労働条件の切り下げ、労働相談の事例から、という3部構成で行われた。
 事前勉強会を受講していただくことによって、初めての方も、労働相談に関するイメージがつかみやすくなるだろう。詳細は全青司司法アクセス・ADR推進委員会編「労働相談Q&A2010」をご参照いただけば甚大である。

 ところで、今年で、全青司の全国一斉労働トラブル110番の呼びかけは6年目、「労働相談Q&A」の改訂は4年目である。
 全国一斉労働トラブル110番の呼びかけをさせていただいたのが、つい最近のようだ。
 ほんとうに月日が経つのは早いものだ。 

消滅時効制度について

 時効期間が満了し、消滅時効が完成した場合の効果については、現在、不確定効果説のうち停止条件説が通説であり、判例のとる立場であるが、簡易裁判所を傍聴していると、貸金請求訴訟の被告となった債務者が消滅時効の援用という法制度を知らず、そのまま債務を認めて和解に至るケースや欠席判決により債務名義を取得されるケースが散見される。
 少なくとも多重債務事件の債務者の視点からは、消滅時効期間の経過とともに債権が消滅する確定効果説を採用すべきではないかと常々感じていたところである。

 そこで、今般の民法(債権関係)改正では、市民のために分かりやすい民法、を目標としているのであるから、消滅時効の制度を知らなくとも、債務者が不利益を受けないような民法としていただきたい。すなわち、確定効果説の明文化である。

 しかしながら、今のところ学者の見解などからは確定効果説の採用を前提とした議論は、ほとんどなされていないようであり、立法時に採用される見込みは少ないとも思われる。

 現場の声が少しでも立法担当者に届くことを強く期待している。

根保証の要件緩和の議論

 法制審民法(債権関係)部会では、先日、保証制度についても議論され、その資料が公表されているところである。
資料によると、根保証についても、その主たる債務の範囲を貸金等債務に限定しないという考え方についても議論されているようである。
 さて、この根保証の改正が実現すると、大きな影響があるかもしれないのが、賃貸借契約である。
 賃貸借契約の保証債務を負う場合、考え方によっては、これを根保証と解する余地もある。そうすると、極度額を定めなければ、根保証の効力が生じないという制度が適用されることになるとしたら、賃貸借契約の保証人との契約の際も極度額という、いわゆる上限額を定めなければならないことになりそうだ。
 もちろん、現時点では、検討の段階であるので、そのような改正が実現するかは、これから次第であるし、立法の過程で根保証の定義から賃貸借契約の保証債務を外すという技巧的な措置がなされる可能性もある。
 しかしながら、賃貸トラブルの保証人救済という視点では、ぜひ根保証に含めていただきたい、むしろ、それだけでは保護が足りないという視点から注視していきたい論点である。


プロフィール

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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