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静岡東部地区勉強会

 平成21年5月27日は、静岡県青年司法書士協議会東部地区勉強会が三島市において行われたので参加した。今年度の研究テーマを「債権法改正」とし、スケジュールを組んだ。
 具体的には、『債権法改正の基本方針』の5つの準備会に沿って、発表担当者を決め、6月と7月にかけて、改正試案をまず一回転し、8月と9月は公表されるであろう『基本方針の解説』を踏まえての論点整理をしながら二回転目、そして10月と11月には、それら論点整理に対する分析・批判・意見をまとめあげていく作業を三回転目として行う予定である。
 5つの分野の担当チームも決まり、いよいよ6月からは読込みの作業に入ることになる。

 一つのテーマをチームを組んで取り組むことは、非常に有意義である。
 理解を深めることができるとともに、結束力も強まるからだ。

 とくに、今般予定されている民法改正は、司法書士業務においても、重大な影響をおよぼすことは間違いない。全国においても、同様の研究チームを発足し、民法改正に向けて、司法書士らが多くの意見を述べていくことが肝要であろう。

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労働者派遣法改正に関する全青司意見書

 労働者派遣法改正に関し、全国青年司法書士協議会から、意見書がだされたので、引用する。


平成21年5月26日

労働者派遣法改正に対する意見書

全国青年司法書士協議会
会 長  小山田泰彦
東京都新宿区四谷1-2 伊藤ビル7F
TEL 03-3359-3513 FAX 03-3359-3527
E-mail:KYW04456@nifty.com
URL http://www.zssk.org/


 私たち全国青年司法書士協議会は、全国の青年司法書士約3,000名で構成する「市民の権利擁護及び法制度の発展に努め、もって社会正義の実現に寄与すること」を目的とする団体である。当協議会は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下「労働者派遣法」という)につき、次のとおり意見を述べる。

意見の趣旨
 労働者派遣法において、登録型派遣は禁止すべきである。


意見の理由
 近時の世界的な不況を受け、非正規社員を中心に労働者を削減する企業が後を絶たない。
とくに間接雇用である労働者派遣では、派遣先の業績悪化等に伴い、派遣元と派遣労働者との労働契約が終了するという、いわゆる「派遣切り」が相次ぎ、社会問題となった。
 このような状況を受け、当協議会では、平成21年2月15日(日)に「派遣労働者のための110番」を開催し、全国からの相談を受け付けたところ、僅か一日のみの開催であるにもかかわらず80件以上の電話相談が寄せられた。
 相談内容は、「派遣期間が残っているにもかかわらず、一方的に派遣労働契約を解除され、収入が断たれてしまった。貯えもほとんどないので、今後の生活ができない」という逼迫したものがほとんどであった。
このような相談内容の要因として、①賃金水準が総じて低いため、万一に備えた生活設計ができていないこと、②派遣元が急に派遣労働契約を終了させることが多いため、失業に備えた準備期間が不足すること、③雇用保険の失業給付を受けることができないケースが多いため、失職後、直ちに生活費の困窮という事態に陥ること、等が考えられる。
それら要因について分析をしたところ、登録型派遣に問題の根源があることが判明した。
すなわち、①については、そもそも派遣先と派遣元との間の労働者派遣契約が商取引であるため、派遣先は派遣代金の減額を要求するという構造になる。一方、顧客を失いたくない派遣元は、これを受け入れざるを得ないことが多いと考えられる。つまり、経済的優位の立場に立つ派遣先が、ほとんどの場合派遣代金を決定しているのである。労働者派遣契約は商取引であるので価格交渉が行われること自体は本来好ましいことである。ただし、労働者派遣においては、その減額分が派遣労働者の賃金の低下に直結することになる。すなわち、商取引の価格交渉の影響を派遣労働契約は直ちに受けるのである。特に派遣先と派遣元との間の労働者派遣契約が成立したときのみ、派遣元と派遣労働者との間の派遣労働契約も成立するという登録型派遣においては、この影響が一層顕著となる。
また、②については、登録型派遣は、派遣先と派遣元との間の労働者派遣契約が前提となるので、その前提となる労働者派遣契約が解除された以上、派遣元と派遣労働者との間の派遣労働契約が終了してもやむを得ないという考えにたった裁判例もあり、そのような見解を受け、派遣先が安易に労働者派遣契約を解除する傾向がみられるところである。その結果、派遣元が派遣労働者に補償をせずに、派遣労働者が、派遣先と派遣元との間の労働者派遣契約の解除により生じるリスクを被っているケースも散見されている。このように派遣労働者は、明日の生活の保障もないまま働き続けなければならなくなってしまっているのである。
さらに、③については、登録型派遣では派遣期間が短期間であることが多く、雇用保険の加入対象とならないケースもあり、また、仮に雇用保険の加入対象となっていたとしても、派遣元が雇用保険に加入していないケースが散見されるところである。その原因として、前述のとおり労働者派遣契約では価格ダンピングが生じているので、派遣元には社会保険料等のコストを抑えたいというインセンティブが強く働いているものと考えられる。このインセンティブは労働者派遣の構造に起因するものであり、雇用保険法の改正のみによって対処することは期待できない。
以上のように、労働者派遣の問題(派遣労働者の労働条件が一層悪化し、その地位も不安定であり、かつ、失業後の保護も不十分)は、登録型派遣において、特に顕著である。現にそれらを裏付ける実態が当協議会の開催した相談会に寄せられた相談内容によっても浮彫りとなっている。
このような登録型派遣の諸問題は労働者派遣の構造上の問題であるといえるため、登録型派遣の制度を廃止するほか、解決の道はないと考えられる。
 よって、労働者派遣における問題は他にも多数あると考えられるものの、今般審議されている労働者派遣法の改正では、少なくとも登録型派遣を一切禁止すべきである。
 なお、登録型派遣を禁止する際には、経過措置を設ける等により、既存の登録型派遣労働者への配慮をすることが好ましいと考える。

新型インフルエンザと旅行キャンセル料

 新型インフルエンザが猛威をふるっている。
 既に国内に蔓延しているとみることもできるので、もはや新型インフルエンザ発生国への渡航を止めるという理由も薄れてきたようにも感じられる。
 しかし、今までの過程で、直前に旅行をキャンセルし、キャンセル料の支払いについて、トラブルとなっているケースが散見されるようだ。

 問題点は、2段階に分けて考えることができる。

① キャンセル料を定めた約款が消費者契約法9条に抵触するのではないかという考え方。この点、内閣府国民生活局消費者企画課編「逐条解説消費者契約法(新版)」196ページで「(キャンセル料を定めた約款の)条項は、事業者に生じる平均的損害を超えているとはいえないので、無効とはならない」と解説されているところである。しかしながら、キャンセル料の条項が、直前のキャンセルにより生じた損害を超えているとはいえないという理由付けについては不明であるので、同条について直接有効性について司法判断を求める余地もあるものと考えられる。

② 約款のキャンセル料条項自体は消費者契約法9条に抵触しないものの、今回のように新型インフルエンザが世界的に発生し、合理的行動をとれば海外旅行等を自粛することが妥当であると思われる事態においては、一律に約款を適用することは妥当ではないという考え方。この考え方にたつと、新型インフルエンザの蔓延という事情変更により、約款の条項の効力を制限的に解すことになる。

 いずれの見解に立ったとしても、現行の解釈よりも、消費者に有利なものとなるが、現時点でこれら主張を旅行業者が任意に認めるとは思われないので、司法判断を得ることになろう。

 今回のように重大な社会現象の発生時に、キャンセル料リスクを消費者に負わせることは妥当ではない。これからも同様の事態が生じないとも限らないので、この機会に旅行業約款の見直しを図るべきである。



ADR市民フォーラム開催

 平成21年5月21日(木)13時30分から16時30分まで、静岡県司法書士会において、ADR市民フォーラムが開催されたので、参加した。
 市民の方が8名ほど参加してくださり、紛争解決の方法を、①評価型、②妥協要請型、③対話促進型のそれぞれの類型別に寸劇を行ない、その違いを参加者に感じていただいた。
 なお、私は、この寸劇の脚本作成と評価型調停人を演ずることを担当させていただいた。
 寸劇における紛争の概要は次のとおりである。
 
山田さん(32才)
食堂のバイトをしながら、俳優を目指している。
俳優のオーディションを受け続けているものの、今までに演じた役でTVに出たものは、綾乃はるか演じる「春のソナタ」のクラスメート役だけである。
そんな山田さんが、ある日、バイトの帰り道に、鈴木さんの飼っていた犬(ジローくん。ミニチュアダックス、オス、4才)に、顔を咬まれてしまう。
この日は、手ごたえのあったオーディションの結果発表の日だったので、期待して帰途を辿っていた。その途中、ミニチュアダックスが電柱につながれていたので、バイト先でもらった魚肉ソーセージを、その犬にあげようとしたところ、顔を咬みつかれてしまったのである。
咬みつかれた顔の血を拭きながら、「もう俳優ができないかもしれない…」と呟いたところ、そのときになって、ようやく近づいてきた飼い主の鈴木さんに「どうせ…」と言い放たれてしまう。また、鈴木さんの謝罪も形式的なものであると感じており、飼い主として誠意のない鈴木さんの対応にも腹を立てている。
なお、事故の後、自宅に帰ったところ、オーディションの落選通知が届いていた。
治療費3万円のほか、俳優としての将来に影響を及ぼしたとして慰謝料100万円を請求したいと考えている。
当事者同士での交渉では、一向に話が進まないので、この度、調停センターを利用し、紛争の解決を図ることにした。


 さて、寸劇の後の参加者からは、概ね脚本の意図どおりのご感想をいただけたので、寸劇の目的は達することができたものと考えている。
 この場をお借りして、参加してくださった市民の皆様、寸劇を担当してくださった司法書士の皆様に厚くお礼申し上げる次第である。

裁判員制度開始

 本日より、いよいよ裁判員制度が開始される。
 司法書士にとっては周知の事実であるが、司法書士は裁判員になることができない。
 法律専門職は規定上排除されているのである。

 このことを翻ってみると、司法書士は法律専門職として裁判員制度に関与することが期待されているといえよう。
 刑事訴訟法が試験科目に入っていないからといって静観するわけにはいかないのだ。

 民事と刑事は、パラレルな事件ばかりではなく、相互に絡みある事件もある。民事事件により深く関与するためにも、裁判員制度に寄与するためにも、司法書士は、さらに積極的に刑事に取り組んでいくべきである。




静岡県東部県民生活相談

 平成21年5月20日は、午後1時より、静岡県東部県民生活相談の相談員であった。
相談は、3時間の枠一杯埋まっており、あいかわらず盛況である。
さて、本日は、午後12時より、友人が喪主となる葬儀があったのだが、最初に挨拶に行けただけで、肝心の告別式に参列できないという不義理をしてしまった。
 資格業になると代替がきかないので、このような事態も生じてしまうことがある。
 自分のことより、相談者、依頼人のことを優先しなければならない。
 今日のように非常につらいときもあるが、自分で選んだ職業である。
 
 友人のご家族のご冥福を心よりお祈りする。

全青司「労働トラブル110番」事前研修

 平成21年5月17日(日)は、大阪において、全青司司法アクセス・ADR受任推進委員会主催で「労働トラブル110番」事前研修会が開催されたので、委員として参加した。
 既に案内のとおり、6月10日(水)「ろーどーの日」に「労働トラブル110番」が全国一斉で開催される。その事前研修のため、「労働相談Q&A2009」が資料として配布された。
 「労働相談Q&A2009」は総数300ページ弱あり、労働相談の各分野を網羅したものであり、司法書士作成の資料としては、司法書士界最高水準にあるものと自負している。今回「2009」の改訂にあたり、労働者派遣分野の大幅加筆がなされた。担当常任U氏とM女史のおかげである。
 「労働相談Q&A2009」は、すべての司法書士に無料配布することを目的としている。全青司HPで全青司会員は無料でダウンロードできる。(パスワード等は、各単位会の代表者にお問い合わせいただきたい)

 ダウンロードは、こちら

 大阪で行った事前研修の模様も、DVDに収録し、5月末までには各単位会に送付されるので、ご覧いただきたい。





静岡県司法書士会定時総会

 平成21年5月16日(土)、静岡県司法書士会の第88回定時総会が開催された。
 平成20年度事業報告がなされた後、平成21年度の事業計画が承認された。
静岡県司法書士会の平成21年度事業計画の重点事項は次のとおりである。
1、登記オンライン申請等の普及促進
  (司法書士業務の高度情報化対策)
2、簡裁訴訟代理等関係業務の受託促進
3、成年後見制度の普及促進へ向けた対応
4、市民権利擁護事業の推進
5、「司法書士総合相談センターしずおか」の事業推進
6、「静岡県司法書士会調停センターふらっと」の運営
7、民事法律扶助制度の活用推進
8、消費者問題等への対応
9、研修制度の充実
10、司法書士制度広報の推進と情報公開
11、「日本司法支援センター(法テラス)」との連携
12、隣接士業者団体・行政機関等との連携、協働
13、支部活動への支援体制強化
14、会務財政の改善に向けた施策の検討

 私は、平成21年度相談事業部を理事として担当することになった。
事業計画における相談事業部の重点テーマは次のとおりである。
1、多重債務問題撲滅活動
2、法テラス及び行政各機関との連携
3、各種相談会、110番等の実施
4、静岡県司法書士会調停センターふらっととの連携

 相談事業部には、「多重債務対策問題委員会」「消費者問題対策委員会」「相談業務推進委員会」「犯罪被害者支援委員会」がある。
 それぞれの委員長も既に内諾を得ているので、これから具体的な事業計画に基づき、委員を選任していくことになる。
 静岡県会の司法書士の皆様方には、何かとお願いすることが多くなると思うが、今後ともご協力をお願いしたい。



月報発行委員会

 平成21年5月15日は、東京の日司連において、月報発行委員会が開催されたので、委員長として参加した。
 6月に、日司連の定時総会があり、私の委員長としての任期もそこまでである。
 次期委員長予定者は、さいたまのN氏が快く引き受けてくださったので、次年度以降、私も安心して、別の事業に専念することができそうだ。
 
 ところで、月報司法書士には、アンケート用紙が別刷りで同封されている。読者の生の声を聴くことが、よりよい誌面作りのための参考および編集者の励みにもなるので、月報司法書士の購読者の皆様におかれては、ぜひアンケートにご回答の上、日司連事務局にまでFAXをお願いしたい。

 なお、これからの月報司法書士の特集は、次のようなテーマを企画している。(予定)
5月号「憲法関係」
6月号「法教育関係」
7月号「司法アクセス関係」
8月号「賃貸トラブル関係」
9月号「不動産登記関係」
10月号「地域連携関係」
11月号「商業登記関係」

 ご希望のテーマがあったら、ご連絡をいただきたい。
 (参考意見として、積極的に委員会で提案させていただく)

三島簡易裁判所にて

 本日、三島簡易裁判所の期日があった。
 貸金業者Aに対する不当利得返還請求である。
 それは、いつものことであるのだが、本日は、三島の司法書士I氏が事務所の司法書士I女史と有資格者K氏を同行していた。
 新人の事務所研修を兼ねているのだろう。
 司法書士I氏は、新人研修に力を入れており、自らの事務所でも積極的に有資格者を受け入れ、指導をしている。とても良いことだと思う。

 司法書士は、弁護士と違い、司法修習制度がない。そのため、合格後、中央研修、ブロック研修、県単位の研修、事務所での配属研修等多くの研修制度を設け、実務習得のサポートが試みられているものの、すべて合わせても数ヶ月という研修期間では実務経験ゼロの合格者が独り立ちするには足りないというほかない。
 だから、各事務所が合格者を雇用することによって、新人育成を図るのだ。

 司法書士試験の合格者をみていると、合格後の配属研修、雇用先によって大きな影響があるようだ。
 これからの時代を生きる司法書士事務所は、制度全体を見据えて、もっと合格者を雇用すべきであるし、合格者は自分の将来がかかっているので、自分が雇用される事務所を慎重に吟味すべきである。

 司法過疎地のさらなる解消のためにも、会をあげて新人研修には、さらに力を入れていくべきだろう。

静岡県東部県民生活相談

 平成21年5月13日は、静岡県東部県生活相談の相談員として、沼津市の通称パレットビルで相談を担当した。
 相談内容は、多重債務、相続、相隣関係、離婚等、広範である。
 本日も、3時間の相談時間一杯、相談者が訪れた。
 行政の相談は、無料相談であるため、相談される方も気軽に来ていただける。
 30分の相談時間で一定の解決の道筋をつけることが目的であるため、聴き取りも集中し、コンパクトにまとめていかなければならない。そのようなことを意識して相談を聴き取るため、自らの相談技法のスキルアップにも繋がる。
 司法書士は、このように自分の事務所以外で、もっと相談を受けるべきなのかもしれない。
 司法書士の敷居は、おそらく司法書士が思っているほど低くはない。
 敷居を低くするためにも、どんどん外に出るべきなのだろう。

6月10日(ろうどうの日)労働トラブル110番開催のお知らせ

 静岡県青年司法書士協議会が、全国青年司法書士協議会と共催し、下記のとおり全国一斉労働トラブル110番を開催する。労働トラブルを抱える方は、お気軽にお電話していただきたい。


開 催 日        平成21年6月10日(水)
相談電話番号      0120-610-614
開催時間         10時から21時まで
      うち、12時から17時までは静岡の司法書士が直接電話対応いたします。

相 談 内 容

●労働相談全般
・派遣元への解雇予告手当請求や損害賠償請求、解雇無効の主張の可否
・派遣先への雇用継続の主張の可否
等派遣問題を中心とする労働問題全般の相談をお受けします。

●住居問題
 派遣元からの社員寮の退去勧告等住居の問題は切り離せないため、住居問題の相談にも応じます。

●就職安定資金融資制度の紹介
 社員寮の退去を余儀なくされた相談者に対しては、就職安定資金融資制度を紹介し、手続きについて説明します。

●借金問題
 消費者金融等から借金がある相談者に対しては借金問題の相談に応じ、必要があれば、紹介先の司法書士が債務整理にあたります。

●生活保護制度の紹介、申請同行
 明日の生活さえままならない相談者に対しては生活保護制度を紹介し、必要があれば、紹介先の司法書士が役所に申請同行いたします。

●その他
法律扶助制度の紹介等

「司法書士のための法律相談NAVI」執筆会議

 平成21年5月11日は、東京において、書籍「司法書士のための法律相談NAVI」(第一法規)の改訂執筆会議が行われたので、雇用問題の改訂担当として参加した。
 編集代表である加藤新太郎判事ほか、司法書士の執筆者が集まり、それぞれ原稿のチェックを行った。
 今回の改訂は、事例の追加(雇用については、「パワーハラスメント」と「派遣切り」を取り上げた)のほかに、「ワンモアアドバイス」という新たなコラムの追加がメインである。総論で述べられている相談技法や相談姿勢を、どのように実際の相談に生かすか、という視点で、各論にあてはめることが、「ワンモアアドバイス」の目的である。
 総論と各論の関連を重視し、より一体化した書籍を目指しているのである。
 今回の改訂は、夏には追録が送付されるとのことである。

 詳しくは、こちら


新型インフルエンザと旅行業約款

 今回、新型インフルエンザの発生とGWが重なり、警戒のために海外旅行等をキャンセルした人も多いだろう。
 ただし、新型インフルエンザの報道が4月末とGWの直前だったために、その時期にキャンセルをするには、旅行業約款に沿ったキャンセル料の支出を覚悟する必要がある。
 一部の地域は、渡航が禁止され、キャンセル料が発生しないケースもあるが、それ以外の地域では契約どおり旅行業約款に沿った取扱いがなされたようだ。
 そうすると、旅行者の視点では、「高額のキャンセル料が生じるくらいであれば、旅行をキャンセルせずに、決行してしまおう」というインセンティブが働きかねない。
 ところが、その旅行により、万が一、新型インフルエンザ感染という事態となっても、それは自己責任ということになる。
 ウイルス等を警戒すべき時期に、海外旅行に行く、行かない、という選択自体は、当事者がすればよい。その判断自体は確かに自己責任である。しかしながら、その判断に、「キャンセル料」という要素を組み入れるべきではないだろう。自らの健康管理のリスクとキャンセル料という金銭喪失リスクを天秤にかけることは、消費者の健康障害を金銭に換算することにもなりかねないからだ。
 このような意味において、約款という一方的な契約内容に従い、事務的な取扱いがなされるのは、消費者の立場からすると妥当とはいえない。
 このようなトラブルは、一過性のものであり、とかく泣き寝入りとなりやすい。
 しかしながら、消費者が声をあげなければ、ほとんどの事態は変わらないのだ。
 


シンポジウム「債権法改正の基本方針」⑥

【第5準備会に関する報告】
 第5準備会は、「条件及び期限」「期間の計算」「時効(消滅時効)」「債権の消滅」等を担当した。
 神戸大学教授の山田誠一氏より、「債権の消滅等」をテーマに報告がなされた。
 ①弁済、②相殺、③一人計算、④債権時効が主な報告内容である。
 ①弁済につき、今までは正当な利益を有する者以外の者は、債務者の意思に反してまで弁済をすることができないが、基本方針では、債務者の意思に反して弁済をすることができるとし、その弁済をしたときは、債務者に対して求償権を取得しない、と提案する。また、弁済による代位についても、任意弁済を廃止する提案をした。
 ②相殺につき、受働債権については、その弁済期到来を相殺適状の要件とせず、自働債権に抗弁権が付着していないことを相殺適状の要件として明らかにし、相殺適状の規律について現状の解釈を明文化する提案をした。ほかにも、相殺の効力や債務者以外の者による相殺について提案をした。
 ③一人計算とは、「多数当事者間の債権債務関係を決済するために用いられることを予定した新規の制度」であり、その提案の内容は、次のような内容の合意が、将来の債権者(A)と将来の債務者(B)との間で行なわれ、それを計算人(清算機関)が承諾すること。提案内容は、将来Aに対してBが負う債務(甲債務)に応答する債務(甲1債務)を計算人に対してBが負い、同様の債務(甲2債務)をAに対して計算人が負い、かつ、甲債務が成立すると、甲債務が消滅し、甲1債務と甲2債務が成立する。その後甲1債務が履行されない場合であっても、甲債務の消滅は影響されないというものである。
 ④債権時効は、可能な限り時効期間を統一、起算点について見直し、時効障害を合理化、時効の効果について2通りの考え方を示すという基本的な考え方に基づき、提案がなされた。時効の起算点については、債権を行使することができるときから、若しくは、債権者が債権発生の原因及び債務者を知ったときからのいずれかが経過したことにより債権時効期間は満了するという提案である。また、今までの短期消滅時効規定を廃止し、時効期間は可能な限り統一すべきであり、例外的に、人格的利益等の侵害による損害賠償債権の債権時効期間を設けるべきであるとの提案がなされた。
 債権時効に係る時効障害について、今までの中断と停止に対し、「更新」「進行の停止」「満了の延期」という新たに3種類の時効障害を設けるべきである等という提案がなされた。
 時効期間満了の効果として、一般的な規律につき、2つの案を併記した提案となっている。1つは、債権時効を「援用」をすることができるという考え方。もう1つは、債務者は履行を「拒絶」することができ、債権者はその債権の実現を求めることができず、債権は消滅するという考え方である。また、債務者以外の者に対する規律としても、2つの案を併記した提案となっている。1つは、債務者以外の保証人等であっても、債権時効を「援用」することができるという考え方。もう1つは、債務者以外の保証人等は、債務者に履行を拒絶するか否か催告すべきことを請求し、債務の履行を留保することができるという考え方である。この場合、催告の請求の時から一定期間内に主たる債務者が履行拒絶権を放棄しないときは、主たる債務者が債務の履行を拒絶したものとみなすというものである。
 ほかに、債権時効によって履行を拒むことができる債権を自動債権とする相殺、形成権に係る期間制限についても提案がなされた。

シンポジウム「債権法改正の基本方針」⑤

【第4準備会に関する報告】
 第4準備会は、「消費貸借」「使用貸借」「賃貸借」「雇用」「請負」「委任」「寄託」「組合」「終身定期金」「和解」等を担当した。
 東京大学教授の中田裕康氏より、「賃貸、役務提供その他各種の契約」というテーマで報告がなされた。
 基本方針において、①新たな典型契約として「ファイナンス・リース」を設け、②役務型の契約の再編成と「役務提供」の章の配置、③継続的契約に関する規定、既存の各種の契約の現代化・平明化を行った提案がなされた。
 ①は、ファイナンス・リースを「リース提供者が、ある物(目的物)の所有権を第三者(供給者)から取得し、目的物を利用者に引き渡し、利用者がその物を一定期間(リース期間)利用することを忍容する義務を負い、利用者が、その調達費用等を元に計算された特定の金額(リース料)を、当該リース期間中に分割した金額(各期リース料)によって支払う義務を負う契約」と定義し、リース期間の開始、リース提供者の義務、利用者の義務等について提案がなされたものである。
 ②は、「雇用」「請負」「委任」「寄託」等のように役務の提供を目的とする契約の総則という位置づけを持ち、さらに、それらのいずれにも該当しない契約の受け皿として、提案において1つの典型契約としたとのことである。役務提供契約を「役務提供は、当事者の一方(役務提供者)が相手方(役務受領者)から報酬を受けて、または、報酬を受けないで、役務を提供する義務を負う契約」と定義し、役務提供者の基本的義務、有償の役務提供契約における報酬、役務提供契約の終了について提案がなされたものである。
 ③は、継続性という横断的観点から規律をしたものであり、継続的契約を「契約の性質上、当事者の一方または双方の給付がある期間にわたって継続して行われるべき契約をいう。ただし、総量の定まった給付を当事者の合意により分割して履行する契約(分割履行契約)は、これに含まない」と定義し、機関の定めのない契約の終了、期間の定めのある契約の終了、解除の効果、多数当事者型継続的契約について提案がなされたものである。
 ほかに、今まで要物契約とされていた「使用貸借」「消費貸借」「寄託」を諾成契約化した提案をしているとのことである。

シンポジウム「債権法改正の基本方針」④

【第3準備会に関する報告】
 第3準備会は、「債権者代位権・詐害行為取消権」「多数当事者の債権及び債務」「債権の譲渡」等を担当した。
 一橋大学教授の沖野眞巳氏より、「債権譲渡・保証、多数当事者、詐害行為取消権、債権者代位権」をテーマに報告がなされた。
 基本方針策定にあたり、債権譲渡については、今までの債務者をインフォメーションセンターとするという理念を見直して、①債権譲渡禁止特約、②将来債権譲渡、③対抗要件、④異議なき承諾を主要課題として取り組んだとのことである。
 ①は、債権譲渡禁止特約はできるが、その特約に反してなされた譲渡も有効であるという原則を示し、例外的に、一定の場合特約に反した譲渡につき、債務者は譲受人に対抗することができないとの提案である。
 ②は、将来債権譲渡の有効性を確認し、その効力の範囲についても譲渡人の契約上の地位を承継した者に対しても、効力を対抗することができるとの提案である。
 ③は、現在の特例法と同様に対第三者と対債務者の分離、金銭債権と非金銭債権との区分、債務者の弁済の規律の明確化を念頭に置いた提案である。
 ④は、債務者の意思表示による抗弁の放棄として、異議なき承諾を位置づけた提案である。
 保証については、連帯保証を今までどおり保証制度の特則とし、保証人の保護のための制度を設け、貸金等根保証契約に関する規定の一般化を図り、補償契約の成立については債務者と保証人の合意による保証債務を成立し、保証と併存的債務引受との関係につき、保証の規定を準用されるべきこと等が提案されている。
 多数当事者の債権債務関係は、連帯債務の成立範囲、連帯債務に関する絶対的効力事由の見直し等につき、提案がなされている。
 詐害行為取消権は、弁済等の偏頗行為否認の対象行為の取扱いにつき2案が併記された提案となっている。なお、総債権者のための責任財産の保全として制度設計すべきであるという点では一致しているとのことである。

シンポジウム「債権法改正の基本方針」③

【第2準備会に関する報告】
 第2準備会は、「法律行為(「条件及び期限」を除く)」「契約の成立」「贈与」「売買」「交換」等を担当した。
 京都大学教授の山本敬三氏より、「法律行為、約款・消費者契約、売買」をテーマに報告がなされた。
 大きな方針として、(1)法律行為法の見直し(①法律行為概念・制度の維持、②基本原則の整備・明文化、③無効・取消原因の現代化)、(2)消費者契約・約款規制(①消費者契約法の一般法化、②消費者契約法の統合、③約款規制の導入)の2本立てとした。
 法律行為のうち無効・取消に関し、「暴利行為の無効」「意思能力のない行為の取消若しくは無効」「事実錯誤・表示錯誤の取消」「沈黙による詐欺についても取消を認める」等の新たな規定が複数提案された。また、消費者契約法の「不実表示の取消」を一般法化し、「断定的判断の提供の取消」「困惑類型の取消」については締結過程の規制の統合を図ったとのことである。
 また、基本方針では、約款規制の導入と不当条項規制の再編も行われている。
 「売買」については、定義規定を設け、原則として有償契約に準用されることとした。売買に関し、売買契約の履行障害と契約の履行障害との関係、民法と商法の関係について解説がなされた。売買の特則として代金減額請求権を新設した。

シンポジウム「債権法改正の基本方針」②

【第1準備会に関する報告】
 第1準備会は「債権の目的」「債務不履行の責任等」「契約の効力」「契約の解除」等を担当した。
 京都大学教授の潮見佳男氏より、「債務不履行(履行障害)に関する規律について」をテーマに報告がなされた。
基本方針では、「債権者は、債務者に対し、債務の履行を求めることができる」と履行請求権を認めている。その履行請求に対する障害要件として、同時履行の抗弁権、不安の抗弁権がある。また、履行を請求することができない場合として、「不可能+契約の趣旨に照らし合理的にみて期待不可能」というルールも設けた。
不完全履行につき、追完が合理的にみて期待不可能であれば、債権者からは追完に代わる損害賠償請求ができる追完請求権等を新設し、債務者からの追完権も新設された。
 損害賠償の要件については、今までの「無過失」を理由とする免責から、基本方針では「契約で引き受けていなかった事由による不履行」を理由とする免責へと免責ルールの大きな変更を提案した。ただし、この変更は、債務不履行責任を「無過失責任」にするというわけではないということであった。
 損害賠償の範囲については、今までの相当因果関係のルールから、契約に基づくリスク分配を基礎として賠償範囲を決定すべしとの見解に立ち、基本方針では予見可能性ルールへと変更を提案した。
 金銭債務の不履行の特則として、絶対無過失賠償責任を否定し、法定利率は変動利率に、利息超過損害の賠償可能性を許容するとの提案をした。
 契約の解除については、今までの「責任」追及手段として考えられていたが、基本方針では「契約の拘束力」からの離脱制度としての解除を提案し、解除をするためには「催告+相当期間経過+重大な不履行」を要することになる。
 なお、基本方針では、危険負担制度を廃止し、解除による一元処置を提案することとされている。すなわち、債権者主義の場合、解除権を認めないというルールである。
 債務不履行に対する救済と期間制限については、起算点と時効障害の統一を図る方向で提案しているとのことであった。

プロフィール

赤松 茂

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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