書籍紹介「司法書士という生き方」

 司法書士山田茂樹氏が執筆された「司法書士という生き方」が早稲田経営出版より、発行されている。本書は、同社の司法書士受験誌「司法書士WIN」に好評連載されていた「事件は現場で起きている」を単行本用に編集しなおしたものだという。
 同氏が取り組んだ実際の事件が紹介されており、司法書士受験生が試験合格のためのモチベーションの維持のためには最適の本であろう。
 また、司法書士であっても、同じ司法書士がこのような事件にまで取り組んでいるのか、という刺激を受けるところが多いと思われる。
 惜しむらくは、同氏による挿絵がないところであろうか。

 詳しくは、こちら
 電子ブックで第1話が読めるので、ご覧頂きたい。

全青司役員会

 平成21年3月28日、29日は、東京において、全青司役員会が開催された。事実上、新執行部になり、1回目の役員会であり、今後の具体的事業計画を煮詰めるための委員会も開催されるため、私も参加した。
 協議の結果、司法アクセス・ADR推進委員会の事業計画は次のとおりとなった(旧カンジュニ部門に限る)。
 4月中旬から5月中旬まで
  司法書士ホットラインの広報を兼ねて、借主のための賃貸トラブル強化月間
 6月6日  一般民事シンポ(三重)
 6月10日 全国一斉労働トラブル110番(主に派遣)
 6月28日 委員会開催(主に仙台分科会の打ち合わせ)(神戸)
 9月26日、27日 みやぎ全国研修の分科会開催(割販、労働)
 12月5日 一般民事シンポ(徳島予定)
 その他、個人的には、1月以降に、借主のための賃貸トラブル110番を東京集中型で開催したいとも考えている。
 その他、「これもやったらどうだろう」というご要望があれば、積極的に提案していくつもりであるので、随時、要望をあげていただきたい。


 

派遣法抜本改正を求める緊急シンポジウム

3.26緊急シンポジウム 派遣切り・雇い止めの実態に迫る!!
~派遣法抜本改正を求める緊急シンポジウム~

 平成21年3月26日(木)18時より21時まで、日本弁護士連合会(以下「日弁連」という)主催で、「3.26緊急シンポジウム 派遣切り・雇い止めの実態に迫る!!~派遣法抜本改正を求める緊急シンポジウム~」が東京都千代田区の日本教育会館で開催された。以下、概要を報告する。

【各地派遣村の取り組み】
 3月21日、22日に、さいたま市で開催された「派遣村」の報告があった。両日ともに100名を超える相談者が訪れたという。また、仙台市では、3月15日に、「反貧困フェスタ2009」が行われ、500名を超える参加者があったという。
 
【各地の派遣労働者からの訴え】
全国の派遣労働者が派遣の切実な実態を次のとおり訴えた。
① 製造業において、派遣労働者から請負労働者に切りかえ、3か月経過後、さらに派遣労働者に切りかえがなされたという事例の報告(4月以降は再度請負労働者に戻されるという)
 ② 住宅メーカーに派遣社員として働いていたが、行っていた仕事は原則1年間の期間制限のある一般事務であったが、書類上は、期間制限のない26業務のうちのOA機器オペレーションとされていた事例(地位確認や慰謝料を求めて提訴中)
 ③ 派遣労働者をしていたもののクーリング期間の間だけ、直接雇用され(3か月と1日)、すぐに派遣に戻るという働き方を長年していた。年末に、派遣切りにあい、就職安定資金融資により生活をつないでいるという事例
 ④ 製造業において、3年を超える期間、偽装請負がされていた状態であったが、直接雇用を求めると休業を通告されたので、派遣先に対し直接雇用を求め訴えた事例
 ⑤ 客室乗務員として派遣社員をしていたが、実質的には、航空会社から直接雇用の状態で働いていたとして、派遣元・派遣先に対し雇用契約上の地位確認の訴えをした事例
 ⑥ 製造業において、派遣労働と直接雇用を繰り返され働いていたが、直接雇用の場合、契約更新に限界があったので、派遣労働に戻ったところ、派遣切りにあったという事例
 ⑦ 製造業において、偽装請負、2重派遣等、雇用形態を変更されながらも、ずっと同じ仕事をしていたのだが、賃金が一向に変わらず、派遣切りにあい、派遣元と派遣先に対し、地位確認の訴えをした事例
 ⑧ 長期間、自動車メーカーの期間工として働いている労働者がされた雇い止めを無効として訴えをした事例(雇い止めの際、社員寮の即日退去を求められた)

【3.9ホットライン報告及び日弁連意見書解説】
 日弁連貧困と人権に関する委員会事務局次長の棗一郎氏より、「3.9ホットライン報告及び日弁連意見書解説」と題し、日弁連が3月9日に行った相談会の報告があった。わずか1日の相談日に全国から相談の電話が1067件あった。相談の傾向として、登録型派遣労働者の不安定な状況が窺えるという。食費費すらない、医療費すら払えない、という深刻な相談も殺到したとのことである。
 日弁連の労働者派遣法の抜本改正に求める意見は、次のとおりである。
① 派遣対象業種は専門的なものに限定すべきである。
② 登録型派遣は禁止すべきである。
③ 常用型派遣においても事実上日雇い派遣を防止するため、日雇い派遣は派遣元と派遣先の間で全面禁止すべきである。
④ 直接雇用のみなし規定が必要である。
⑤ 派遣労働者に派遣先労働者との均等待遇をなすべき義務規定が必要である。
⑥ マージン率の上限規制をすべきである。
⑦ グループ内派遣は原則として禁止すべきである。
⑧ 派遣先の特定行為は禁止すべきである。
 相談の実態から、上記意見のうち、とくに②を最重要の意見として考えているという解説があった。

【パネルディスカッション「労働者派遣法抜本改正に向けて」】
 コーディネーターを弁護士の小島周一氏が務め、パネリストに専修大学法学部教授の有田謙司氏、NPO派遣労働ネットワーク理事長の中野麻美氏、大阪派遣・請負センター所長の村田浩治氏をむかえ、「労働者派遣法抜本改正に向けて」をテーマにパネルディスカッションが展開された。
 登録型派遣の場合、派遣元と派遣先との間の労働者派遣契約を解除することによって、簡単に派遣労働者の派遣労働契約をも終了させてしまうことは、問題であり、立法的に解決されなければならないという意見も出された。
 今回の労働者派遣法改正は、平成11年改正前に戻すというだけでは不十分であり、構造的瑕疵(①派遣労働者と契約関係にない派遣先の責任が薄い、②労働者派遣契約は商取引であるのでダンピングが行われやすく、とくに登録型がその影響を直接に受けやすい、③直接雇用の労働者と派遣労働者との間の格差を埋めることができない)等をなくさなければならないという意見もあった。
 それらの意見につき、政府案の解説や今後運動を進めるべき方向性の確認等がなされた。また、労働者派遣法は業法という性質のほかに、派遣労働者の権利を定めた保護法としての性質も有するべきであるという意見も出された。



SFCG破産手続への移行

 平成21年3月24日、SFCGは、再生手続が廃止され、破産手続に移行することとなった。

 経営陣への資金の流れ、債権の帰属、関連会社の債権回収方法等、不透明な部分が多々あったので、職権型の倒産手続に移行することは望ましいことであるといえよう。

 そもそもグレーゾーン金利が存続する限り、資産価値の算定方法も、①約定残高、②利限残高、③処分価格等のさまざまな考えがあり、債権者についても、届出のない過払い債権者をどのように保護するかという悩ましい問題がある。
 ところが、債務者主導の再生手続では、究極的には、債権者の異議がなければ、手続が進行してしまい、あいまいな部分がそのまま放置されてしまうおそれもある。
 そのため、グレーゾーン金利に関する上記の問題につき、裁判所の統一的に運用がなされ、倒産手続の実務として定着するまで、職権型の倒産手続で勧められるべきである。

 そのような意味においても、SFCGの破産手続への移行は高く評価するべきであろう。

三和ファイナンス(SFコーポレーション)2度目の債権者破産申立て

 平成21年3月24日に、三和ファイナンス(SFコーポレーション)は、債権者らより2度目の破産の申立てをされた。
 詳細は、次のとおりである。

 事件番号     平成21年(フ)第4901号
 係 属 部     東京地裁民事20部 特定管財(K-9)係
 申立債権者数   1631名
 申立債権額     過払金等の元金10億1802万9122円
            (うち有名義1億7252万5439円、
             無名義8億4550万3683円)
             損害賠償金 4億8930万円
            (1人あたり30万円)
 申立代理人・複代理人弁護士 308名
           関与司法書士 216名

 一度目の破産の際に、これからは親会社が誠実に過払金の支払いをするとの約束をしたので、その言を信じ、債権者らから破産の取下げがなされたものの、三和ファイナンス(SFコーポレーション)は、すぐに元の対応に戻ってしまっていた。
 そのため、今回、2回目の債権者破産申立てとなった。
 当事務所の依頼人は今回の申立てにも参加している。
 三和ファイナンス(SFコーポレーション)の焼け石に水のような対応は、もう控えていただきたいものである。

破産事件と司法書士

 自己破産の相談は非常に多い。
 司法書士は、そのような相談に対し、通常は債権調査を行ない、破産状態であることが明らかになった後、方針を破産と確定し、裁判書類作成関係業務として破産書類の作成を行う。

 静岡地方裁判所沼津支部の場合、自己破産申立後数週間で債務者審尋の期日が指定され、申立人は裁判所に出頭しなければならない。裁判官から「負債状況」「資産」「負債の原因」等の調査を受けるためである。私の場合、自分が担当した事件は、この審尋期日に申立人と同席をするようにしている。
 債務者審尋において、破産状態であることが認められたら、破産手続開始の決定がなされ、その後8週間の債権者の意見申述期間を経て、とくに問題がなければ免責許可の決定がなされる。免責許可の決定の際、裁判所への出頭は原則として不要である。つまり、申立人は、少なくとも1回は裁判所に出頭しなければならない。事件の受任から免責許可まで、およそ5か月から6か月かかる。

 裁判書類作成関係業務というと、「破産書類を作成して終わり」というイメージがあるかもしれない。
 しかしながら、司法書士の行なう裁判書類作成関係業務は、書類作成後も、裁判所に同行したり、家計簿をチェックするなどして申立後の生活再建のフォローをしたりしているのだ。
 「書類を作成して終わり」という仕事であれば、市民は司法書士を利用しないだろうし、私も司法書士をしていないだろう。

日司連市民公開シンポジウム「対話のチカラ」

 平成21年3月19日、しずぎんホール「ユーフォニア」において、日司連市民公開シンポジウム「対話のチカラ」が開催され、実行委員として参加した。
 当日は、一般市民を中心に220名以上の方にご参加いただいた。
 基調講演は、弁護士の堀田力氏である。「対話のチカラ」をテーマに、人間関係のコミュニケーションについてご講演をいただいた。
 次に、大学教授、高校教師、企業代表、司法書士をパネラーとして、パネルディスカッションが行われた。静岡県司法書士会では、「裁判まではしたくない。だけど、このまま放置したくない」という紛争を解決するために、「調停センターふらっと」を立ち上げたばかりである。
 市民の紛争の態様を把握し、市民が望む解決方法に近づくよう「調停センターふらっと」は、いよいよ稼動を始める。
 今回のシンポジウムにご参加いただいた多数の方々にも、「調停センターふらっと」に興味をもっていただくことができた。
 「調停センターふらっと」において司法書士は、あくまで紛争解決の促進をするだけである。
 紛争当事者の紛争解決能力をいかに引き出し、紛争当事者自らが紛争を解決するか、ということが主眼である。
 その意味において、「調停センターふらっと」の真の主役は、紛争当事者となりうる市民全員であるといえよう。
 このシンポジウムを通じ、そのようなメッセージが参加者に伝わっていれば幸いである。



アエル再生計画

 平成21年3月18日、アエル再生事件につき、債権者集会が開かれ、再生計画案についての賛否を決がとられたところ、賛成多数で可決されたとのことである。おそらく、この可決を受け、極めて近い将来に、東京地方裁判所は認可決定をだすのであろう。
 アエルが提出した案は、5%の弁済率、破産なら配当ゼロというハードな内容である。
 たしかに認可されれば、たとえ5%の弁済でも受けることができるといえるが、果たして、それを根拠に賛否を決定しても良いのだろうか。
 アエルの再生計画案は、形式的には未届の過払債権者を保護しているとはいえ、アエルは既存の債権回収のみを行ない、近い将来消滅することが予定されている。未届の過払債権者がいざ請求をしようというときに、既にアエルはなくなっている可能性もあり、そうすると実質的には、未届の過払い債権者を保護しているとはいえないのではないだろうか。
 今回届出をした過払債権者の中でも、僅かな弁済額よりは、債権者全体の公平を求めるために、積極的に反対という意思表示をした方々が多数いる。
 では、多数の過払債権者をかかえる代理人や書類作成者は、賛否の意思表示に関与した際に、どれだけ熟考したのだろうか。
 弁済率だけが判断材料であれば、「民事再生」という手続を選択された以上、必ず賛成票を投じるという結論になる。清算価値保障の原則があり、少なくとも「破産」の配当率よりは弁済率が高く設定されているからだ。ただし、民事再生の場合、破産よりはましなので賛成するというでは、果たして…


 個人的には、やはりアエル再生計画案は、きわめて不十分であるとの評価を変えることはできない。今となっては認可後のアエルを注視していくほかないが。
  

静岡県司法書士会沼津支部業務研究委員会

 平成21年3月16日は、静岡県司法書士会沼津支部業務研究委員会が、三島市において開催されたので、私は委員として参加した。
 議題は、次年度の委員選出、委員長の予選、研究テーマの決定等である。
 次年度は、さらに多くの会員が業務研究委員として参加してくださる予定である。
 また、委員長予定者として、伊東市の司法書士S氏が選出された。
 研究テーマとしては、家事事件や一般民事事件等の裁判書類作成業務を中心として研究をしてはどうだろうということになった。
 いうまでもなく、わたしたち司法書士は、支援型法律家であり、本人訴訟を支援していくのが本来の在り方である。業務スタンスも、本人への助言の方法も、代理型とは明らかに異なる。
 すなわち、司法書士法3条1項5号相談と同項7号相談との相違であるということもできよう。
 司法書士の存在意義そのものを確認する意味でも、本人訴訟支援の形態を再考する時期にさしかかっているように思う。

静岡県青年司法書士協議会定時総会

 平成21年3月15日は、静岡県司法書士会館において、静岡県青年司法書士協議会の定時総会が開催された。会長は、三島の司法書士I氏から浜松の司法書士O氏へと交代された。
 私は、平成20年度の事業報告として、クレディア対策について報告させていただいた。
 クレディア再生事件は、認可後の一括弁済をもって、裁判手続は終了したが、クレディア事件をリーディングケースとして、オークス・アエル・SFCG等多くの貸金業者が民事再生を利用している。
 未届過払債権者の保護を中心に議論を継続していく必要がある。
 新体制においても、貸金業者の倒産事例を研究していかねばならない。
 また、「派遣切り」を中心とした労働事件も、社会問題となっているところであるので、司法書士がどのように関与していくか、ということを含め、取り組みを浸透させていくことが求められている。
 新会長O氏の事業計画の目玉である「炊き出し」も、実現に向けて、細かな点を煮詰めていかねばならないだろう。
 

関東ブロック新人研修Ⅱ

 平成21年3月14日は、関東ブロック新人研修で、クレサラゼミナールが開催された。先日行われたプレクレサラゼミナールの本番である。受講生がそれぞれ司法書士役と相談者役にわかれ、多重債務相談のロールプレイを行った。今回、私はチューターという立場で、14名の受講生を担当した。時間が4時間40分もあったので、2つの事例を丁寧に行うことができた。
 ほとんどの受講生は、多重債務相談の面談をしたこともないので、ロールプレイもぎこちないものとなるのはやむを得ないが、早い段階から「何を聴けばよいのかわからない」という頭が真っ白になる状況を経験しておくことは有益である。
 実際の相談者は、藁をもすがる思いで、司法書士のもとに相談に訪れる。そのときに、頼りない対応をして、信頼を損ねるようなことがあってはならない。
 そのため、新人には、研修を通じ、凝似体験をすることにより、少しでも早く実務の雰囲気をつかんでおいてもらいたい。
 受験時代の「答練」も、ただの模擬試験として受けるか、本試験と同様の緊張感をもって受けるかによって、効果が明らかに異なるものであった。
 今回の受講生も、クレサラゼミナールを本番さながらの緊張感をもって、受講していただいたものと思う。

関東ブロック新人研修

 平成21年3月12日は、東京(多摩)で、関東ブロック新人研修が行われており、講師として参加した。テーマは、「クレサラプレゼミナール」である。司法書士試験合格者の受講生500名前後を前に、私が進行役となり、司法書士S氏が新人司法書士役、司法書士Y氏が相談者役となり、ロールプレイを行ったのである。
 自動車を手放したくないという相談者に対し、どうやって破産手続を勧めるかという問題を踏まえ、債務整理の受任から手続終了までの一連の流れを説明するというものである。
 司法書士Y氏の迫真の演技もあり、ロールプレイは予想を上回る出来栄えとなった。
 また、司法書士S氏のぎこちなさも、新人司法書士を表現するための高度な演技テクニックであったと評価することができよう。研修委員の千葉の司法書士I氏からお褒めの言葉もいただいた。
 (脚本上のハプニングもあったのだが、次年度以降も実演させていただけると期待して、次年度以降の受講生のためにネタばらしはしないこととする。)

 多重債務相談で大事なことは、破産や再生、任意整理等の手続に熟知していることではない。それも重要であるが、司法書士が手続に熟視していることは当然であり、手続がすべてではない。
 もっとも大事なことは、相談者の債務整理後の生活にまで思いをよせて、相談者のための面談を実施できるか、という点である。
 
 果たして「クレサラプレゼミナール」で、受講生にどこまで伝わったものか。

日司連「会報THINK」編集会議

 本日は、東京の司法書士会館で、日司連の発行する「会報THINK」の編集会議があり、委員として参加した。「会報THINK」とは、「司法書士実務及び制度並びに法制度に関する研究論文及び研修情報並びに研修資料等に関する記事」を内容とする日司連の発行する刊行物であり、その編集権限は、「連合会企画担当常務執行機関が統括し、月報発行委員会・司法書士中央研修所・司法書士総合研究所において組成する編集会議に存するもの」とされ、「毎年1回以上発行するもの」とされている(日司連定期刊行物発行規則)。
 実際のところ、掲載内容は、月報司法書士よりも学術論文的なものが多く、よりアカデミックな内容となることが多い。
 今年も、日司連の総会前には発行できそうである。内容は、「法律家としてのこれからの研修制度構築に向けて」「総合研究所の中間報告書及び会長諮問部門報告書」「大学定型研究報告書」「寄稿論文」等、多彩なものとなる見込である。ご期待いただきたい。


 

月報発行委員会

 平成21年3月9日は、日司連会館で、月報発行委員会が開催され、委員長として参加した。
 毎月の特集の確認も、順調に進んだ。任期が本年6月開催の総会で切れるので、気持ちが軽くなったせいもあるのかもしれない。
 ところで、月報の特集は、これから次のような内容を企画している。
4月号 「渉外業務」(仮)
5月号 「憲法」(仮)
6月号 「法教育」(仮)
7月号 「司法アクセス」(仮)
8月号 「不動産登記」(仮)
9月号 「賃貸トラブル」(仮)

 今まで、競合誌と特集がかぶることもあったが、実は月報の特集は、上記のように数ヶ月も前から企画して、準備を進めているのである。雑誌編集にかけては素人の司法書士が集まり、毎月の委員会で、少しでも有益な情報を提供できるよう議論を重ねている。
 なお、時事的な話題については、特集以外の枠で、単発の原稿として、いつでも掲載できる体制も整えている。

 ところで、まさか私が司法書士になってから、毎月2万数千部発行している雑誌の編集長になるとは受験時代思いもしなかったものである。
 そうはいっても、事務所の業務ばかりやっていると、自然と視野が狭くなってしまう。それは、きっとよくない。おそらく今とは違う司法書士になっていただろう。
 会務を多くこなすようになると、「まさかこんな仕事が…」ということまで任されるようになり、自分自身非常に啓発される。
 だから、会務は、自分自身のためにも、どんどん受けたほうがよいと思うのだ。

静岡県司法書士会主催「クレサラ110番」開催

 平成21年3月8日は、静岡県司法書士会主催で「クレサラ110番」が県内の御殿場・伊東・富士・静岡・掛川・浜松で開催され、それと連動する形で、行政機関である賀茂県民生活センター・東部県民生活センター・藤枝県民相談室でも、多重債務相談会が開催された。私は、東部県民生活センターの相談員を担当した。
 静岡県司法書士会主催のクレサラ110番に寄せられた相談件数は次のとおりである。
相談件数 114件(電話49件、面談65件)

内訳 静岡 44件(電話39件、面談 5件)

   伊東 11件(電話 5件、面談 6件)

   御殿場10件(電話 5件、面談 5件)

   富士 12件(面談のみ)

   掛川  9件(面談のみ)

   浜松 28件(面談のみ)

 このような相談会を開催すると、必ず、「今までも、相談の電話をしようと迷っていたが、決断ができず、困っていた。今回やっと思い切って相談することができた。ほんとうによかった。」という声を聴く。
 わたしたち司法書士にとっては日常業務の相談であっても、相談者にとっては一生に一回あるかどうかの重大事である。相談の電話をかけた際の担当が横柄な態度であったり、不適切な回答をしたりしてしまうと、その相談者の人生に影響を及ぼしかねない。
 相談者の人生を背負う、などということが、わたしたち司法書士にできるわけはないのだが(仮にできると思っているのであれば、それは思い上がりである)、少なくとも相談者の生活再建を支援することはできる。
 クレサラ110番に参加すると、いつも、一本の電話や一回の面談を大事にしていこう、と気が引き締まる。

静岡県司法書士会裁判事務研修

 平成21年3月7日は、静岡県司法書士会において、裁判事務研修が開催され、参加した。
テーマは、改正特商法・割販法であり、第1部の講師は明治学院大学消費情報環境法学科准教授の圓山茂夫氏である。同氏は、悪質商法被害救済のためのバイブルともいえる「詳解 特定商取引の理論と実務」(民事法研究会)の執筆者でもある。
 圓山氏から、改正法に関する詳細な解説がなされた後、第2部に「悪質商法被害救済の実務」と題して、パネルディスカッションも展開された。
 ディスカッションのテーマは、今回の改正から漏れたカード決済や決済代行業者にまで広がり、すでに次の改正を視野に入れているかのようであった。なお、司法書士のY氏も、パネラーとして参加していた。


 クレジットで負った債務の救済は、2通りの処理方法がある。
 「契約の入口」で処理する方法と、「契約の出口」で処理する方法である。
 「契約の入口」での処理とは、消費者契約法に抵触するような不当に契約を締結されたり、特商法に抵触するような行為で契約を締結されたりした場合は、契約をクーリングオフや取り消すことにより、負債を免れ、クレジット会社に対しては、それに基づき支払い停止を行い、場合によっては赤伝処理などにより既払い金の返還を求めることになる。
 一方、「契約の出口」での処理とは、既に負った負債の支払い方法に対する法的手続である。すなわち、破産、個人再生、任意整理等により、支払い額の減免を求めていくことになる。
 法律相談は、現在から過去にさかのぼって救済を図ることになるので、相談を担当する司法書士は、ややもすると安易に「契約の出口」での救済を選択してしまうこともあるかもしれない。
 その場合、被害はクレジット会社の貸倒金に計上されることにより、悪質商法の実態が顕在化する機会が奪われてしまうことにもなりかねない。
 悪質商法被害救済のためには、「契約の入口」をきちんと見据え、適切な手続選択をすることが最も肝要であろう。



月報司法書士新連載「家族法最新判例ノート」

 平成21年3月5日は、日司連月報発行委員会の事業として、京都において、4月より連載を再開される立命館大学の本山教授との打ち合わせがあった。
 家族法は相続などの問題と直結し、司法書士業務とは切っても切れない分野である。
 そのため、本山教授の連載を再開してほしいとの要望も多く受けており、今回、3回目の連載開始となった。
 本山教授は、これからの高齢化社会に向けて、さらに相続に纏わる紛争が増加するのは間違いがない。そこに、司法書士がいかにかかわっていくか、という点に、専門業としての意義が試されているとおっしゃった。
 そのとおりである。
 時代に合わせて、市民のニーズに合わせる必要がある。
 司法書士も常に進化しなければならない。
 (なお、相続紛争の場合、温故知新といえるかもしれない。)

関東ブロック平成20年度第2回総合法律支援対策担当者会議

 平成21年3月4日、関東ブロック平成20年度第2回総合法律支援対策担当者会議が東京で行われ、静岡の担当者として参加した。
 議題は、「各会の法テラスの運営について」「情報提供業務について」「センター相談について」「扶助相談について」「簡裁代理権基準について」等であり、各議題に沿って、各会の実情を協議した。
 静岡といえば、法律扶助の書類作成援助の件数が高く、破産申立て等で司法書士が積極的に法律扶助を利用していることを裏付けられており、どうすればそんなに高い利用件数になるのかという問合せを毎回されるが、いつも「実際に債務整理をする司法書士が『法律扶助を利用するのが当たり前』という感覚をもっているので、特段の工夫はない」と答えている。
 そうはいいながらも、昨年のデータをみると、他会には急激に利用件数を伸ばしているところもあり、このままのやり方でよいのか、という疑問も湧いてくる。すなわち、既存の会員は現状のやり方で続けていくほかないが、問題は新規会員である。
 これから登録する司法書士に対して、法律扶助の利用方法などを教えていかないと、いずれ利用件数は先細りしてしまう。
 そのため、静岡県司法書士会の新人研修においても、「法律扶助」の研修枠を設けていただくよう提案する次第である。

少額訴訟について考える

 司法書士が簡裁代理権を活用するためのひとつの方法として、少額事件に特化するという方法がありうる。140万円という制限付の代理権の活用方法としては、もっとも素直な活用方法である。
 訴額の大きい事件と少額事件とは、紛争の解決方法に大きな相違がある。
 訴額の大きい事件と同様の手法で、少額事件にあたっていては、やはりペイできない、ということになりかねない。その結果、多くの司法書士が受託することを敬遠し、紛争当事者は今までどおり泣き寝入りをするということになってしまうのだろう。
 少額事件は、少額事件なりの解決方法があり、そのために司法書士は簡裁代理権を少額事件に特化した形で活用していくべきなのである。
 その活用方法とは…
 もう少しまとめた形で、後日述べさせていただく。

 今回は、少額訴訟債権執行について司法書士が代理人となる意義を事例を交えて述べたものがあるので、そちらをご参照いただきたい。

 詳細は、こちら

 少額訴訟債権執行における司法書士の役割は、 「債権の捕捉」がキーワードである。





過疎地での開業について考える

 司法書士は、全国あまねく存在する。
 だからこそ、市民の法的需要を満たすための隣接専門業として、簡裁代理権も付与されたわけである。
 ところが、近時、そのバランスが崩れつつあるという。
 地方で開業していた司法書士が高齢等により廃業する一方、その地方には、それを上回る新規開業者がいないからだ。
 日司連や全青司でも、有資格者向けに、「開業フォーラム」等のイベントを年に数回実施し、地方での開業を推奨しているところである。
 月報司法書士でも、「過疎地の司法アクセス」をテーマに7月号に特集を組む予定である。

 ところで、過疎地で開業することは、「公益だから」という理由だろうか。
 もちろん、マクロ的な視点で考えるとそのとおりである。

 しかしながら、開業する司法書士の視点、すなわちミクロ的な視点においても、そういえるだろうか。
 司法書士が公益に取り組むことは、当たり前のことである。
 であるならば、過疎地に赴く当該会員にしてみれば、全会員に義務が課されているにもかかわらず、なぜ自分が公益のために過疎地に行かなければならないのだという疑問がでてこないだろうか。

 過疎地での開業は義務ではない。魅力である。
 環境面や収入面においても、都会にはない魅力がある。
 だから、開業を考えている有資格者の合理的な選択として過疎地での開業が選択されるのだ。

 

全青司かごしま全国大会

 平成21年3月1日は、第42回全青司定時総会が開催された。
 最初に、ご来賓からの祝辞の後、物故者への黙とうが行われた。

《議長選出》
 議長に鹿児島会の上前田会員が選出され、副議長に三重会の山田会員が指名された。議事録署名人に鹿児島会の上前会員と三重会の鈴木会員が指名された。議長より、議事日程や議案への質疑等の留意点等の説明がなされた後、議案の審議に入った。

《議案審議》
〈第1号議案〉2008年度事業報告の件
 執行部より、2008年度は、「情熱」をテーマに事業を行ってきたところであるが、その実現のために、市民紛争委員会、登記・法務研究委員会、刑事法研究対策委員会というように新たな委員会を設置し、新しい分野にも、常に情熱をもって取り組んできたといえる。
 大阪で開催された全国研修会には、登録者が1000人を超すという快挙も果たし、その他にも、有資格者向けに開業フォーラムを複数回実施する等の活動も精力的に行ってきた。
なお、全青司と単位会又は会員との距離を感じるという指摘があったので、この距離を縮めるべく可能な限りの方策を採ったとのことである。
 その後、各委員会の事業報告等も詳細に行われ、事業報告に対する質疑応答がなされた。

〈第2号議案〉2008年度収支決算報告及び監査報告承認の件
 執行部から、2008年度収支決算報告及び監査報告がなされた。
第2号議案につき、議場に諮られたところ、満場異議なく承認された。

〈第3号議案〉2009年度事業計画案承認の件
執行部より、2009年度のスタンスとして、「私たちはプロフェッションである。」「私たちは司法アクセスの拡充に資する法律家である。」「私たちは経済的・社会的弱者の側に立脚した存在である。」ということを再度認識し、市民とともにある司法書士になるべく、疾走していくとともに、新たな制度構築を追求し、研究・研修活動、相談・紛争解決などの実践活動、法改正運動などの活動を行っていきたい、との報告がなされた。
なお、2009年度は、簡裁事件受任推進委員会、市民紛争委員会、登記・法務研究委員会が廃止され、司法アクセス・ADR推進委員会、プロボノ委員会が新たに設置されるとのことである。
会員より2009年度の事業計画に対する質疑がなされ、執行部より、それぞれ応答がなされた。

〈第4号議案〉2009年度予算案承認の件
 執行部から、2009年度予算案についての説明がなされた。
 第3号議案と第4号議案につき、一括上程され、議場に諮られたところ、いずれも満場異議なく承認された。

〈第5号議案〉2009年度役員及び相談役選任の件
 2009年度の会長に、岩手会の小山田泰彦会員(2008年度副会長)が選任され、副会長8名、常任幹事26名、会計監査2名、会計1名、事務局長1名、相談役2名も選任された。

《閉会の辞》
 議長より、閉会の辞が述べられ、定刻どおり総会が終了した。

     *

 全青司の2008年度のテーマであった「情熱」は、各委員会の活動によって、2009年度以降も引き継がれていくことであろう。司法書士法改正を間近に控え、全青司の情熱の籠もった活動に、これからも期待したい。

日本労働弁護団主催「第21回労働法講座」

 平成21年2月28日は、東京において、日本労働弁護団主催による「第21回労働法講座」が開催されたので、参加した。内容は、次のとおりである。
 第1講座 リストラ、倒産にどう対処するか
 第2講座 派遣法の本質とこれに対峙する実践活動
 第3講座 名ばかり管理職(偽装管理監督者)問題

 いずれも、タイムリーなテーマであり、それぞれの第一人者の弁護士が、極めて実践的な講義をしてくださり、得るものが多い内容であった。

 派遣問題を突き詰めていくと、労働者側の司法書士としては、最終的には企業の破産も辞さない、という覚悟が必要になる。(そのような事態を引き起こすことは、現実には極力回避すべきであるが…)
 残業代請求も、同様である。
 いざというときの覚悟を持ちつつも、バランスのとれた解決を目指していきたい。
 この講座を受けながら、そう思った。

 さて、労働法講座が終わると、その足で、鹿児島へ向かった。
 全青司の定時総会に参加するためである。


プロフィール

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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