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派遣法勉強会

 昨日は、18時30分より、静岡県司法書士会において、青司協主催で「派遣法勉強会」が開催された。講師を私と司法書士S氏が務めた。
 「派遣切り」が蔓延し、「2009年問題」を間近に控え、私たち司法書士に何ができるのか、ということについて考えるために、派遣法の基礎から講義を行ったものである。県内の司法書士20名前後が参加した。
 
 派遣法について考える前に、まず、他企業の労働者を活用することは、そもそも労働者供給契約に該当し、職安法44条に違反するという大原則を確認する必要がある。
 労働法は、本来、直接雇用を予定しているのだが、例外的に派遣法において、他企業労働者の活用が許容されているに過ぎない。
 だからこそ、派遣法の解釈は厳格になされなければならないのだ。


 という趣旨の講義を行った。
 
一人でも多くの司法書士が派遣問題等を中心に個別労使紛争に取り組んでいただけることを切に願う。

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静岡青司協東部地区勉強会

 昨日は、19時より、静岡青司協の東部地区勉強会があった。
 参加者は、東部地区の司法書士10名ほどと、平成20年の司法書士試験合格者3名である。
 合格者は、つくばでの中央新人研修が終了したばかりであり、今週末からは、次は神奈川で特別研修が始まるとのことである。合格者の合格後の研修日程が極めてタイトになってきているようだ。

 さて、勉強会の内容は、登記業務にまつわる疑問点に関するディスカッションという形で行われた。『登記はできて当たり前』という意識をもっているものの、いざ細かい論点がテーマとなると、悩んでしまうものも多々あり、司法書士は登記業務をおろそかにしてはいけない、ということが再確認された。

 このような勉強会も、たまには良いものだ。

高校生法律講座

 本日は、2時限続けての高校生法律講座を担当した。
 時間通りに高校に着くと、私の講座の前に別のクラスを担当していた司法書士のY氏らが、私の講座も傍聴していくという。突然の申入れに躊躇ったが、断る理由もない。
 しかし、高校生に向かって消費者問題の講座を行う私を後ろから3人の司法書士が傍聴しているのである。何やら私の講義を添削されているようで、かなり気になる。とくに司法書士のY氏は県内でも消費者問題・高校生法律講座の第一人者とも呼べる方であるので、そのような方に見られていると、やはりやりづらい。
 それはさておき、肝心の講座のほうは順調に進み、いつもどおりの進行である。要所要所で、生徒の意見を求め、できるだけ自分の頭で考えてもらうという形式である。
 クラスによって、雰囲気が違うので、活発に意見がでるときもあれば、正直話がはずまないときもある。話がはずまないときは、もちろん私の責任である。高校生が居眠りをしていても、それは昼食後だからというのが主たる原因ではない。講義がつまらないという主張である。いかに高校生をあきさせないか、話にくいついてこさせるか、常に真剣勝負である。

今日の高校生も、これからの人生で、消費者被害にあいそうになったとき、今日の講義を思い出してくれたら、よいのだが…
 それに加え、講義中の対話の中から、リーガルマインドが少しでも芽生えてくれれば、実は、これに勝る喜びはない。
 『自分の頭で考える』ことの大切さを伝えること、これが高校生法律講座の最大の目的であると私は考えている。

 

司法書士総合相談センターしずおか

 本日は、司法書士総合相談センターしずおかの東部会場の相談員である。
 東部会場は、三島市の商工会議所で行っており、毎週火曜日の14時から17時まで、予約制で相談を行っている。
 クレサラ相談をはじめ、登記に関する相談や一般民事に関する相談など、幅広く受け付けている。(ただし、法律相談は簡裁代理権の範囲内)
 いきなり司法書士事務所に相談に訪れるということを躊躇する方もいらっしゃるので、「まずは司法書士に気軽に相談を」、という意味でも、このような相談センターの利用価値は高い。
 つまり、司法アクセスの拡充ということだ。
 本当は、各司法書士事務所がアクセス先になれば、このうえなく良いのだか、それはまだもうしばらく先の話になりそうで・・・

 『司法書士総合相談センターしずおか』のご予約は、こちらまで。



2009年問題

 派遣労働者への相談に際し、2009年問題への対応に関する厚労省の通達を熟知しておく必要があるのは、いうまでもない。
 すなわち、クーリング期間経過後、派遣社員で再雇用することは、原則として認められない。
 雇用形態は、指揮命令の必要性に応じて、① 直接雇用か、② 請負か、である。

 わたしたち司法書士は、派遣労働者の権利保護はもちろんのこと、労働市場全体を見据えて、雇用形態の適法性ついても、注視していかなければならない。

 通達の詳細は、こちら


『司法書士による派遣労働者のための110番』開催のお知らせ

 全国青年司法書士協議会では、派遣労働者の地位が極めて不安定である現状に鑑み、次のとおり、派遣労働者のための相談会を開催する。当日は、全国からの電話相談を受け付ける。私も相談員として参加する。緊急を要する事案では行政等の手続を利用し、派遣労働者の生活の安定を図ることが最優先事項である。その後に、派遣労働者の意向により、請求が可能である事案については、派遣元・派遣先に対する法的請求等を行っていく。雇用調整のために、派遣社員から切り捨てていくという労働市場には構造的問題がある。その問題提起も、今回の相談会の狙いだ。

  
司法書士による派遣労働者のための110番
       実 施 要 領

開  催  日  平成21年2月15日(日)
電話番号 0120-285-289(通話料無料)
開 催 時 間  午前10時00分~午後4時00分


相 談 内 容
■労働相談全般
・派遣元への解雇予告手当請求や損害賠償請求、解雇無効の主張の可否
・派遣先への雇用継続の主張の可否
等派遣問題を中心とする労働問題全般の相談を受け、法的主張の必要があれば紹介先の司法書士が代理人となり(※)、訴えの提起や裁判外交渉を行う。
■住居問題
 派遣元からの社員寮の退去勧告等住居の問題は切り離せないため、住居問題の相談にも応じる。必要があれば、紹介先の司法書士が代理人として、派遣元に対する社員寮の居住継続や家賃相当額の補償請求を求めたり、さらには未払い賃料の減額や明渡期間の猶予を求めていく。
■就職安定資金融資制度の紹介
 社員寮の退去を余儀なくされた相談者に対しては、就職安定資金融資制度を紹介し、手続きについて説明する。派遣元が労働契約終了を証する書面の交付に応じないなど非協力的な場合は、派遣元に対する法的主張を行う。
■借金問題
 消費者金融等から借金がある相談者に対しては借金問題の相談に応じ、必要があれば、紹介先の司法書士が債務整理にあたる。
■生活保護制度の紹介、申請同行
 明日の生活さえままならない相談者に対しては生活保護制度を紹介し、必要があれば、紹介先の司法書士が役所に申請同行する。
■その他
 法律扶助制度の紹介等

※ 相談者の代理人となることができる司法書士は、法務大臣の認定を受けた司法書士に限られ、また、金額が140万円以下の事件に限られ、司法書士が代理人となることができない事件に関しては、書類作成を通じて法的支援を行う。




過払金消滅時効に関する最高裁判決

 本日、最高裁で、継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が、利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合には、上記取引により生じた過払金返還請求権の消滅時効は、特段の事情がない限り、上記取引が終了した時から進行するとの判断がなされた。

 詳細は、こちら

 近年、貸金業者が主張してきていた個別進行説を否定するものであり、過払金請求において残された争点のひとつであった時効の起算につき、終局的な結論がでたものといえる。
 実務において、利用者保護にたった判断であり、この判断を高く評価すべきであることはいうまでもない。

 こうなるとクレディアの再生計画で定められた差額分配条項が、やはり不合理なものと考えざるを得なくなる。差額分配実施まで、あと9年・・・
 


日司連市民公開シンポジウム「対話のチカラ」(再掲)

 平成21年3月19日開催予定の日司連市民公開シンポジウム「対話のチカラ」の後援が、静岡県・静岡市・浜松市のほか、法務省・日本司法支援センター(法テラス)からも、後援していただくこととなった。
 
 申込書は、こちら

 既に参加受付は開始されている。定員制なので、興味のある方はお早目の申込みを。

沼津市役所司法書士相談

 1月20日の午後は、沼津市役所で、司法書士相談の当番である。
 相続等の不動産登記に関する相談から、派生する遺言相談等が当然多い。それに加え、債務整理の相談も途切れることなく続く。
 沼津市役所での相談は、毎月1回、第3火曜日に行われている。このような相談会に参加することによって、司法書士が行う業務内容に関する市役所の職員・相談者の認識を知ることもできる。
 個人的には、一般民事事件や個別労使紛争事件の相談がもっと寄せられてもよいのではないかと思うのだか、そのような相談が少なかったということは、すべての業務内容が未だ認知されていないということなのだろう。
 司法書士業務は広範であり、とくに少額民事紛争においてはすべての分野が対象である。
 しかし、業務内容の周知徹底を図るには、現時点においては外と内の双方に働きかけていく必要があると言わねばならない。
 個別労使紛争事件を扱っているのは一部の司法書士だけ・・・などと言われぬよう司法書士全会員で幅広い相談に取り組んでいくべきである。



平成20年度第3回会長会

 平成21年1月19日、20日に亘り、東京四谷の日司連ホールにおいて、会長会が開催された。会長会というのは、全国の司法書士会会長と日司連執行部との会議であり、年に4回以上開催される。私は、月報発行委員会の取材という立場で1日目の会議に参加している。
 司法書士会のトップが集う会議であり、議題はいつも山積みである。
 取扱い注意の議題もあるので詳細の記述は避けるが、会長会の取材から得るものはいつも多い。会議資料から得る情報が重要なものばかりであるのはもちろんであるが、司法書士界最高峰の会議において、何が議論されていないのか、どこまでしか議論されていないのか、ということを知ることをできることが、とくに重要である。
 おそらく、このような考え方・見方は、何にでも通じるのだろう。

 
 

全青司代表者会議2日目

 1月18日も、仙台で引き続き、全青司代表者会議が行われた。
2日目の議題は、簡裁事件受任推進委員会担当の「労働トラブル110番」「借主のための賃貸トラブル110番」の開催結果報告と「派遣切り110番(仮称)」の開催に関する内容協議等も議題となった。
 協議の結果、「派遣切り110番(仮称)」を2月の可能な限り早い段階で実施することになり、そのための段取りが確認された。
 緊急を要する相談も相当数寄せられるので、全国の司法書士にも協力を依頼することになるので、各地の青年会代表者にも協力依頼を行った。
 110番開催の詳細が決まり次第、再度アップすることとする。


全青司第4回代表者会議

 本日から明日にかけ、仙台において、全青司第4回代表者会議が開催されている。代表者会議とは、全青司役員と全国の青年会の代表者が一堂に集まり行われる会議である。毎回、100名以上が参加する。
 なお、本日の朝から会議があるため、前日に仙台入りしておかなければならなかった。やはり、仙台は寒い・・・

 さて、午前中に行われた役員会(全青司役員のみの会議)では、私の所属する簡裁事件受任推進委員会からは、派遣対策110番開催についての承認を求めた。実施方法については、詳細を煮詰める必要があるが、協議の結果、開催の承認が得られた。
 受ける相談への対策や事務的な段取り、広報方法など、早急に決めなければならないことばかりである。
 今晩から、準備をすすめなければ間に合いそうにない。
 なお、この議論は、明日の代表者会議で、全国の青年会の代表者とともに、さらに協議することが予定されている。



高校生法律講座講師候補者会議

 昨日は、静岡県司法書士会法教育委員会主催により、県司法書士会館において、高校生法律講座講師候補者会議が行われた。私は、法教育委員会委員という立場で参加した。講師候補者の司法書士を対象に、講義の流れやレジュメの解説を行った。

 高校生法律講座のための司法書士講師派遣は数年前より活発に行われており、毎年20校ほどに派遣が行われており、派遣される司法書士としても、非常に刺激になっている。
 講義の最中であっても、高校生はすぐに無駄話や居眠りをされてしまう場合があるからである。高校の教諭からは、「指導不足で申し訳ない。最近の子はいうこと聞かなくて…」等と言われるようだが(なぐさめられる?)、実は、そんなことはない。
 高校生が講義に集中しないのは、大半の場合、講義が悪いからなのである。
 高校生は素直である。
 つまらなければ無駄話や居眠りをするし、おもしろければ(自分にとってタメになれば)集中して聴く。
 講師としても、話す内容だけではなく、声の大きさ・話し方・身振り手振りなど、あらゆる工夫をして講義に集中するので、自分の話法の上達にもつながる。
 高校生法律講座は、受講する高校生だけではなく、講師をも成長させる。
 だから、私は好きなのだ。

 そんな高校生法律講座の講義内容は、当委員会では消費者問題と労働問題の2パターンを用意している。高校側のニーズに合わせてテーマの選択をしていただいているが、いずれも、対話を重視し、高校生に自ら考えてもらうことを意識したものとなっている。
 
 実際の講義模様は、また後日・・・







日司連月報発行委員会(平成21年1月開催)

 昨日、東京の日本司法書士会連合会において、月報発行委員会が開催され、出席した。
 月報発行委員会というのは、日司連が発行する「月報司法書士」の企画・編集・出版等を行う委員会である。私は、3期前から委員会に所属しており、現在は委員長をしている。
 「月報司法書士」は、司法書士が各地の司法書士会に入会すると(司法書士は強制入会制度である)、日本司法書士会連合会の名簿にも登載され、当該名簿に基づき、毎月司法書士会員に送付される。また、有料購読の受付も当然してる。司法書士が全国で1万8000人以上おり、その他有料購読会員や行政庁等にも送付しているので、発行部数は2万部以上である。
 ネットによる情報配信と異なり、半ば強制的に送付されるので、司法書士への情報発信のツールとしては、もっとも効果的なものであるのかもしれない。

 さて、その「月報司法書士」が1月号から、リニューアルをする。主なリニューアル点は次のとおりである。月報司法書士1月号の裏表紙の部分を抜粋する。

リニューアル1【表紙の変更】 
 表紙は、司法書士の「親しみやすさ」と「頼もしさ」をモチーフにデザインし、イラストを全面に用いることで、堅苦しさを感じさせない、柔らかで親しみやすい雰囲気を醸し出しました。大きな温もりをテーマに描かれる作品世界は、市民の権利を守る司法書士の使命と重なります。人が包み込む「鳥」は、水面で「星」として映っています。本当に大事なものは身近にあるという「青い鳥」をイメージしたものです。身近な市民の権利を大事にしていきたいという思いを込めました。

リニューアル2【横書化】
 今までは一部の原稿のみ横書きでしたが、今回のリニューアルを機に、すべての原稿を横書きとし、左綴じとしました。

リニューアル3【フォントの変更】
 読みやすい誌面とするために、フォントを大きくしました。

 月報司法書士は、司法書士会員を含め、広く一般の方にも、司法書士を知ってもらうための広報誌です。これからも、読みやすく、充実した内容の誌面を目指していきます。今後とも、ご愛読のほど、お願い申し上げます。


 リニューアルされた「月報司法書士」は、1月下旬には送付される。アンケート用紙も同封されているので、ご意見・ご感想などを、ぜひ月報発行委員会にまでお寄せいただきたい。

 なお、司法書士以外の方で定期購読をご希望の方は、こちら

簡裁代理権

 司法書士の特徴として、代理権が簡裁の事物管轄に制限されるということが挙げられる。
 簡裁代理権については、本来、司法書士が民事紛争に代理人として関与することの是非から、再考すべき問題であろう。
 なぜなら司法書士は、そもそも裁判書類作成業務を通じ、紛争をかかえる当事者を側面から支援することによって、当事者の紛争解決能力を助長し、当事者をエンパワーする専門家として発展してきた経緯があるからだ。代理人に任せることのできない紛争というものがあり、そのような紛争をかかえる当事者にわたしたち司法書士は、ずっと携わってきたのである。
 したがって、代理業務と裁判に関する本来の司法書士職務は、性質上相反するものといえるのかもしれない。
 では、簡裁代理権は司法書士にとって不要なのだろうか。
 わたしはそうも思わない。
 簡裁代理権を活用することによって、紛争当事者を支援するという形態もありうるはずである。
 そのような簡裁代理権の活用形態を模索している。

 現時点での簡裁代理権の活用方法は、
① 140万円までの民事紛争(以下「少額」という)に関して代理権を行使することに特化し、少額事件の専門家として活用する方法
② 裁判書類作成業務を軸にし、その過程で紛争が少額の場合に、いわばトッピング的に代理権を行使する方法
③ 相続や登記等の業務を軸にし、その過程で紛争が少額の場合に、いわばトッピング的に代理権を行使する方法
が考えられる。

 裁判業務に関する司法書士の経緯からは②が素直な活用方法であるといえるのかもしれない。
 一方、登記業務をメインとする司法書士は、③の活用方法が入りやすいだろう。
 また、代理権行使を中心とし、少額事件の専門家として、①の途を選択する司法書士も近年増加傾向にあるようである。
 いずれかがベストの活用方法であるとは言い切れない。

 ただし、①の活用方法で展開していくのであれば、簡裁代理権を訴訟上行使するだけではなく、訴訟外においても活用していくことが必要である。
 少額事件の解決手続は、訴訟という重厚な手続になじまないからだ。

 訴訟外における簡裁代理権の活用方法の一例につき、
詳しくは、こちら


 
 

日司連市民公開シンポジウムIN静岡

 平成21年3月19日(木)13時から17時まで、日本司法書士会連合会主催、静岡県司法書士会主管で、しずぎんホール8Fにおいて、日司連市民公開シンポジウムが開催される。テーマは、「対話のチカラ~納得・解決・話し合い~」であり、基調講演に、さわやか福祉財団理事長・弁護士の堀田力氏をお迎えする。
 開催趣旨は次のとおり。
「~もめごとに悩んでいる。でも、裁判まではしたくない・・・
わたしたちは、そんな悩みを「対話のチカラ」によって解決する「場」をご提供します。
お仕着せへの「妥協」には、「不満」「相手とのしこり」が残ります。
「対話」を積み重ねることでたどりつく「合意」は、”WIN-WIN”と表現されます。
 あなたも納得。相手も満足。
そんな”WIN-WIN”の世界を、共に考え、実感していただきたいと思います。
””ふらっと””お立ち寄りください!!」

 今回のシンポジウムは、静岡県司法書士会の調停センターふらっとの開設記念も兼ねて開催されるので、シンポジウムの内容はADRに重点をおいたものとなる。
 基調講演の後には、市民代表・有識者・司法書士らによる紛争解決のためのパネルディスカッションも予定されている。
 400名の参加者まで受付け、参加は無料である。
 
 問合せは、日司連市民公開シンポジウム事務局
         電話 054-282-8741 まで。


書籍紹介『個別労働紛争解決支援の実務』

 司法書士による個別労使紛争解決に関する書籍が出版されている。日本司法書士会連合会編『個別労働紛争解決支援の実務』である。執筆は、日司連の裁判事務研究委員会の委員らであり、同委員であり日司連での活動に軸足を置く静岡県沼津市の司法書士のS氏も執筆に携わっている。書籍の内容は、労働紛争の基礎知識に留まらず、ADRによる解決や使用者側から見た視点についても言及する等、意欲的な内容となっている。
 個別労使紛争に取り組む司法書士にとっては必携の一冊となろう。

 詳しくは、こちら

 ところで、日司連は、近時、全国一斉「労働トラブル110番」の呼びかけや、今回紹介したように個別労使紛争に関する書籍の出版などを行っているのだから、そろそろ労働分野の専門委員会を立ち上げる時期にあると思うのだが…
 

専門分野習得研修プログラム【2日目】

本日も、昨日に続き、専門分野習得研修プログラムが行われている。

両日行われた各講義の概要は次のとおりである。

【第1講】
 第1講のテーマは、派遣労働者の未払賃金請求である。現在、労働者派遣の「2009年問題」を控えており、さらにその問題を先行する形で「派遣切り」が大きな社会問題となっているところであり、まさに時事に適した講義テーマであるといえよう。
事前課題は、常用型労働者が、突然、派遣元から契約更新を拒絶されたが、仕事上のミスで壊した高価な花瓶代との相殺を主張され、最後の賃金が支払われていないという事案である。
 未払賃金の請求に付随して、はたして契約更新拒絶が解雇に該当するのか、派遣先との間に黙示の労働契約は成立する余地があるのか等、いくつもの論点をめぐり、ディスカッションが展開された。
 派遣契約は、派遣元と派遣先そして派遣労働者をめぐる三面契約となっており、直接雇用の労働契約に比し、複雑な法律関係となるが、事前提出された訴状の集計結果等をみると、多くの受講生は派遣契約の仕組みを正確に理解しているようだった。

【第2講】
 第2講のテーマは、課長補佐であった労働者の残業代請求である。いわゆる管理職であっても、労基法第41条に規定される管理監督者でない限り、残業代は支払われなければならないが、「名ばかり管理職」が社会問題となっているように、実際には残業代の支払われていない管理職が数多くいる。講義では、そのような管理職が支払われていない残業代を請求したいと相談に訪れたという事案につき、ロールプレイが行われた。チューターが相談者役となり、受講生がそれぞれ司法書士役となり、事情聴取や具体的残業代の計算、立証方法の検討等を行った。

【第3講】
 第3講のテーマは、労働者性の検討である。労基法上の労働者であるか否かにより、解雇規制等の労働法の保護の有無という重要な相違が生じるため、非常に重要な論点である。
講義では、まず、チューターがトラック運転手の労働者役となり、受講生が司法書士役となったロールプレイが行われた。事案は、トラック運転手が労働組合を作ろうとしたところ、解雇になってしまったというもので、トラック運転手の労働者性について検討した。また、派生論点として労働組合についても解説がなされた。次に、チューターが手間受大工役となった事案についても、ロールプレイが行われた。この事案では、労災を請求するものであり、事案の手間受大工が労働者と認められれば、労災も認められるというものであった。事案の派生論点として、労災に関する解説もチューターよりなされた。

【第4講】
 第4講は、セクハラ・パワハラ、解雇・退職に関する事案に関するディスカッションである。詳細な事例設定がなされ、その事例に基づいた評価根拠事実を抽出し、セクハラ・パワハラと認定しうるかという論点につき、受講生から活発な意見が数多く出され、深いディスカッションが展開された。
 また、解雇に関しても、事例に即し、懲戒解雇の要件、また、懲戒解雇から普通解雇への転換等の論点が検討され、解雇予告手当請求事件等のモデル訴状の検討まで行われた。
 解雇等の労働契約終了の局面における労使紛争は、訴訟という形で紛争がもっとも顕在化する類型である。そのため、最終講義であるにも関わらず、熱のこもったディスカッションが展開された。

 

平成20年度専門分野習得研修プログラム

 日司連の平成20年度専門分野習得研修プログラムが、平成21年1月10日(土)11日(日)に亘り、横浜市東戸塚で開催されている。私は今回チューターとして参加した。同研修プログラムは、「多重債務」「交通事故」に続き3回目であり、今年度は「個別労使紛争」がテーマであった。全国から司法書士104名が受講した。
 この研修プログラムは、10月下旬から必読図書である「労働相談Q&A2008」の通読による予習と必読図書の解説DVDによる視聴研修を行うことが前提となる。さらに、11月中旬からは事前課題の検討による課題研修を行い、事前課題のテーマである派遣契約解除に関する派遣労働者からの未払賃金請求の訴状を事前に提出し、1月のグループディスカッションによる集合研修をむかえるというスケジュールになっている。
 集合研修は、第1講がテーマを「事前課題の検討」として事前課題の解説とグループディスカッション、第2講がテーマを「賃金請求の相談」として相談ロールプレイとディスカッション、第3講がテーマを「労働者性」として相談ロールプレイとディスカッション、第4講がテーマを「セクハラ・パワハラ、解雇・退職」としてグループディスカッションを行うという流れで実施された。1日目に第1講と第2講が行われ、2日目には第3講と第4講が行われる。講義時間は、述べ9時間に及ぶものだ。
 受講生が10名前後のグループに分かれ、それぞれのテーマにつき、チューターを中心に少人数制の集合研修が行われた。

 近年、個別労使紛争に取り組む司法書士が増加し、司法書士会員から労働相談に関する知識をさらに深めたいとの要望も数多く出されているところであるので、日司連において、個別労使紛争をテーマとした研修プログラムがなされた意義は大きい。
 この研修プログラムの受講生が、さらに全国各地で同様の研修を行うことにより、司法書士の個別労使紛争に関する取り組みがさらに深化することを強く期待する。

書籍紹介「高齢者の消費者被害Q&A」

 学陽書房から「高齢者の消費者被害Q&A」が出版されている。この書籍の読者対象は、民生委員の方等、通常、高齢者の方に接する機会の多い方々である。強引な訪問販売等の勧誘を断ることができず、不本意ながら高額な契約を締結してしまうという消費者被害があいかわらず多い。とくに一人暮らしの高齢者の方は、家族と同居している方と比べ、相談相手がいない分、相対的に勧誘を断ることが困難であるという。また、別居の家族等にも、不要な契約をしてしまったということが、あたかも自分の落ち度であるかのように受け止められることをおそれ、秘密にしたまま、代金の支払いを続ける傾向があるので、被害が顕在化することも、他の場合に比すと少ないという。
 この書籍では、そのような一人暮らしの高齢者の自宅を訪問した際に、チェックするポイント等が図示されており、実践的な知識がふんだんに盛り込まれている。
 司法書士にとっても、高齢者の消費者被害の横断的整理に役にたつものと思われる。
 監修は、日ごろお世話になっている小澤吉徳司法書士であり、執筆者陣も、消費者被害に関する第一人者の司法書士ばかりである。

 詳細は、こちら

 なお、この書籍のイラストは、イラストレーターでもある司法書士のY氏によるものである。同氏も消費者被害に関する第一人者であるので、執筆内容とイラストとのマッチングは特筆すべきものとなっており、司法書士がイラストまで描いた書籍としても、評価することができる。



平成20年労基法改正(平成22年4月1日施行)

 今回の労基法改正は、①時間外手当の割増率の引上げ、②有給休暇の時間帯取得、の2つである。

① 1ヶ月60時間を超える時間外労働の割増率が現行の25%から50%に引上げ。ただし、中小企業については当分の間引上げは猶予。
② 労使協定を締結すれば、1年間で5日分を限度に有給休暇の時間単位での取得ができる。

 詳しくは、こちら

 今回の改正部分は、労働者保護であるとの評価を一応することができるが、『名ばかり管理職』の問題に象徴されるように、法律が適正に解釈・運用されなければ、このような改正も絵に描いた餅となりかねない。
 施行までの間に、事業所や労働者に、法改正および適切な解釈の周知をしていく必要がある。

 なお、今回の改正に関し、時間外労働の割増率の引上げは残業代が増える(もしくは請求できる)ようになるということを意味するのではなく、割増率が引上げられたから残業させるのは控えようという抑止力として働くことを期待する。



 

静岡県東部地区新年会

昨日は静岡県東部地区の司法書士らで集まり、新年会を行った。

 集まった司法書士は10名ほど。
 それに加え、平成20年度司法書士試験合格者のうち、静岡県東部地区に住む4名も出席した。
 出席者は、それぞれ今年の抱負や目標をかたるなどして、親睦を深めた。
 私の今年の目標は、①労働相談の充実、②司法書士の間に「ネゴシエーション」を定着させること、③ブログを継続すること、である。

 合格者らは、1月下旬の「中央新人研修」から研修がはじまり、「特別研修」「関東ブロック研修」と研修が続き、これらが終了するのが3月中旬である。
 その後に「特別研修」の考査試験があるから、研修終了後も気を抜くことはできない。
 研修を消化することだけで精一杯になるかもしれないが、研修の最中、「こんな司法書士になりたい」という気持ちを持っているか否かで、研修の習得具合は大きく変わるような気がする。

 なお、私は、関東ブロック新人研修では、合格者が司法書士役となり、クレサラ相談の模擬面談を行う「クレサラゼミナール」のチューターと、事前にクレサラ相談の面談の雰囲気をつかんでもらう「プレクレサラゼミナール」の講義を担当する。「プレクレサラゼミナール」とは、司法書士Y氏とS氏に、それぞれ司法書士役と債務者役を演じてもらい、いわゆる模範模擬面談を受講生の前で行うものである。私は、監督といった立場で総括を行う予定である。
 相談業務は、いくら数をこなしても、毎回、相談者の事情や境遇は異なるので、「これが正解」というものはない。
 研修の準備にあたり、何のためにクレサラ相談をするのか、自分自身、初心に戻り問い続けている。

 

 
 

サービス残業

 『月報司法書士』(全司法書士に送付される日司連が発行する内外に対する広報誌)2008年10月号に、「サービス残業代請求事件から労働問題を考える」というテーマで、実際のサービス残業代請求事件の報告記を寄稿している。
 サービス残業について悩んでいる労働者の方は、実際の相談以降のイメージ作りのひとつとして、また、これからサービス残業代請求事件を受託するかもしれない司法書士の方は、ひとつの参考事案として、ご覧になっていただきたい。

 詳細は、こちら


労働者派遣法の抜本的改正を求める意見

 全国青年司法書士協議会では、平成20年12月に、次のとおり派遣法の抜本的改正を求める意見書を出しております。なお、全国青年司法書士協議会は意見を述べるとともに、速やかに具体的行動を起こしていきます。

          労働者派遣法の抜本的改正を求める意見

                             平成20年12月24日

                         全国青年司法書士協議会
                          会 長  稲 本 信 広

 我々全国青年司法書士協議会は,全国の青年司法書士約2900名で構成する「市民の権利擁護及び法制度の発展に努め,もって社会正義の実現に寄与すること」を目的とする団体である。当協議会は,今般,臨時国会へ上程された「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案」(以下「改正案」という。)が抜本的な改正を必要とする数多くの問題点を残していることから,以下のとおり意見を表明する。

意見の趣旨

 労働契約は直接雇用が原則であることを踏まえ,すべての労働者が安定した生活と働くことへの希望を見出せる雇用社会の実現に向けて,労働者派遣法の抜本的な改正を求める。


意見の理由

 現代社会問題となっているワーキングプアや格差社会の要因の一つに労働者派遣の拡大が指摘されている。労働者派遣法は,昭和60年に制定された当時,一定の専門的業務に限り派遣が認められていたが,平成11年に派遣業務が原則自由化されたことに伴い,スキルを必要としない単純な業務までがその対象となった。労働者派遣制度が労働力需給の調整システムとして機能する一方で,常用労働者と派遣労働者の入れ替え(常用代替)は加速的に浸透した。しかし,その間,最も強化しなければならないはずの労働者の雇用の安定と労働条件の確保に関する担保措置は,十分に機能していたであろうか。そもそも労働者派遣制度は,「雇用関係」と「使用関係」が分離した特殊な事業形態であり,構造的に問題のある制度なのである。
 労働者派遣は,実質的には派遣労働者の労働力の貸与であり,派遣先は低廉で雇用の需給に応じて指揮命令権を取得できる一方,経営状況により派遣契約を解約すれば,解雇というリスクを負わずに労働者を切り捨てることができる。他方,派遣元にはできるだけ多くの派遣先と派遣契約を締結し,派遣労働者の賃金を下げ,マージンなどの利潤を得ようというインセンティブが働く。したがって,派遣元,派遣先が派遣労働者の生活や労働条件を保護するという構造になっていないのである。
 労働者派遣法の改正に当たっては,現代のワーキングプアや格差社会が上記構造の抱える問題点の解消を図るために,法的な整備を施してきた経緯の中で生まれたものであるということをまず認識し,労働者派遣制度の在り方の基本的な視点から抜本的に見直すべきである。

改正案には,具体的に次のような問題点がある。
1 日雇派遣等について(第35条の3関係)
 日雇派遣に関しては,全面的に禁止するのではなく,政令で定める一定の業務に関しては容認している。また、改正案は30日以内の期間を定めて雇用する労働者についてのみ原則として労働者派遣を禁止し,それ以外の派遣に関してはなんら是正措置を講じていない。

2 有期雇用派遣について(第30条関係)
 有期雇用派遣にあっては、派遣労働者の不安定雇用の温床となっており、かつ違法派遣,違法な給与天引き,労災隠しなどの多くの問題を発生させてきた。
 にもかかわらず,改正案は、これを容認し,有期雇用派遣から期間の定めのない派遣労働者,又は派遣労働者以外の期間の定めのない労働者への転換措置に関する努力義務を定めているにすぎず、派遣労働者の不安定雇用を実効的に解消するものとなっていない。

3 派遣労働者の待遇の確保について(第30条の2関係)
 現行のままで派遣元事業主に派遣労働者の賃金を決定するうえでの勘案要素を定めても,単なる努力義務では適正に賃金決定するためのインセンティブが働かないため,派遣労働者の待遇を真に是正することへは繋がらない。

4 違法派遣の是正のための派遣先の措置について(第49条の2第2項関係)
 改正案における法違反への対応は,あくまでも行政が派遣先に対し労働契約の申込みを勧告する権利を有するものに留まるため,現在横行している違法派遣を是正する抑止力としては不十分である。

 上記以外にも,改正案は,全体を通して現代の派遣労働者が置かれている状況を是正するための改正としては甚だ不十分で実効性に欠けるものと言わざるを得ない。
 近時の派遣労働者の現状を鑑みれば,今派遣労働者に必要とされていることは,改正案の拙速な議論ではなく,現行の労働者派遣法を派遣労働者の雇用の安定と待遇の改善,社会保障の観点から改めて抜本的に見直すことである。日雇派遣の派遣期間にのみ制限を設け,それ以外の派遣労働を許容することを前提とする改正案のもとでは,ワーキングプアや格差社会,派遣労働者の不安定雇用の解消は到底期待できない。
 労働者派遣制度は,構造上問題のある制度であり,雇用は本来直接の雇用が望ましい在り方であると考える。したがって,労働者派遣法の改正に当たっては,専門性の確立された一定の業務に限り労働者派遣を許容してきた原点に立ち返り,改正を行うべきである。
 金融危機による企業経営の悪化により,大企業の派遣労働者の首切りが相次ぎ,派遣労働者が住む場所すら失おうとしている。派遣先と派遣元の利潤の犠牲において今日明日を生きるために労働者としての権利を放棄し,低賃金で稼働せざるを得なかった労働者がさらに劣悪な環境に置かれるような雇用社会は直ちに是正しなければならない。
 今こそ,労働者派遣法の抜本的な改正が必要なときなのである。
         

クレディア再生事件の総括

 平成19年から20年にかけて、静岡を中心に、クレディア再生申立に関する相談が非常に多かった。この事件は、再生計画案認可を経て、一括弁済も終え、一応の終了をしたかのように思われるかもしれないが、残された課題は多い。

 それら残された課題と新たな問題については、改めて述べるとして、今までの一連の流れをまとめ、民事法研究会『市民と法』第54号に寄稿しているので、クレディア事件に興味のある方は、ご一読を。

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借主のための賃貸トラブル110番

全国青年司法書士協議会では、今年度、全国一斉で「借主のための賃貸トラブル110番」の開催の呼びかけをした。当該110番開催を担当する簡裁事件受任推進委員会委員として、この度、報告書をまとめたので、参考までに掲載する。



第1、開催会と相談件数
 平成20年10月を開催月間として、「借主のための賃貸トラブル110番」の実施を呼びかけたところ、10月より12月にかけて、次のとおり15会が応じてくださり、計156件の相談が寄せられた。(相談結果の回答があった単位会のみ)
 【開催会(北から)】
  札幌、青森、千葉、東京、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、岡山、広島、徳島、LAしまね、熊本、宮崎

第2、開催の目的
1、司法書士の受任事件偏在の是正対策としての110番
 平成19年までの司法統計をみると、司法書士の被告事件関与率の低さが顕著であり、かつ、この傾向は当初より指摘され続けてきたが、未だ改善の見込みが薄い部分である。そのため、組織的に被告事件関与率向上のための対策を講じることが必要であると考え、被告事件も多く含まれると想定される本110番の開催を企画したものである。
 また、次に述べるように一般民事事件における被告代理人は重要である。その意味においても、被告事件対策が求められるといえる。

2、被告事件対策としての110番
 (1)原告代理人の限界
 原告代理人の交渉により、被告の生活に配慮した解決も可能ではあるが、原告代理人は、被告からみれば「敵」であり、本来、信頼関係が成立しにくい構造にあるといえ、その関与の在り方には自ずと限界がある。
 たとえば、現実には、交渉の余地のない相手方も多く、原告代理人が交渉のテーブルを設定すること自体が困難となる場合も少なくない。
 また、交渉のテーブルが設定できたとしても、原告代理人が被告に不利な内容を受け入れるよう説得するためには高度の信頼関係が必要となるが、原告代理人と被告との間では、その信頼関係を築くことが困難となる場合も多い。原告代理人の行う説得は、原告の利益を中心に交渉を試みることになるので、被告に交渉に応じるメリットがないと判断されると容易に決裂してしまうからである。 
 一方、原告代理人が訴訟による解決をするほかなく、判決になったとしたら、それまでに信頼関係が成立していない被告が自発的な履行をすることは期待できず、強制執行をすることになる場合も多い。その結果、被告の経済生活のみならず、生活基盤そのものを破壊してしまうことも少なくない。
  
(2)被告代理人の重要性
 前述の原告代理人の限界は、被告代理人が関与することによって、そのほとんどが解決する。
たとえば、被告代理人がつくことによって、少なくとも代理人同士で交渉のテーブルが設定されるし、原被告の代理人双方がお互いの利益を考慮した交渉内容を検討することによって、被告が交渉に応じる見込みも高まると思われる。
 また、仮に交渉が決裂し、判決になってしまったとしても、被告代理人が説得することによって、強制執行を回避することができる場合がある。被告は、原告代理人の説得には応じなくとも、自らが委任した代理人であれば、それまでに成立した信頼関係に基づいて説得に応じることがあるからである。

3、貧困対策としての110番
 近時、「貧困」が社会の病理現象として問題視されている。
 これまで司法書士は多重債務問題を中心に、貧困問題に取り組んできたが、多重債務を解決するだけでは貧困の問題は解決しないということに多くの司法書士等が気づきはじめ、貧困問題に対する取り組みは広がりと深まりを見せつつあるという現状である。
社会全体においても、多重債務者や生活保護受給者以外の貧困層も、「ワーキングプア」「ネットカフェ難民」等と名付けられることによって、徐々に顕在化されており、そのための対策が講じられつつあるところである。
 しかしながら、ネットカフェ難民やホームレスのような住居喪失から生じる問題については事後的な対策を講じるばかりでなく、この問題の本質的解決のためには、住居喪失のダメージを最小限に抑えるという予防的な対策も行っていくべきであると考えられる。
ところが、家賃滞納者においては、住居喪失という究極の生活基盤破壊の局面で生じている問題であるにもかかわらず、「家賃を支払わない方が悪い」「賃料収入のみで生計をたてている貸主の立場はどうなる」等といった意見も散見されているように、実務上、家賃滞納者の保護が不十分であると感じられる。
 このような状況の中、建物明渡請求事件は、ほとんどの司法書士にとって、なじみやすい紛争類型であるといえるし、訴額も簡裁の事物管轄におさまることが多い。したがって、貧困問題に幅広く対処するためにも、わたしたち司法書士が、この建物明渡請求事件のように簡裁代理権の範囲内でできることから、まず、取組みを始めていくことを提案したい。その取組みの一つが本110番である。

 4、賃貸借契約における不当条項監視のための110番
 賃貸借契約は、貸主が相対的に情報力・交渉力をもち、借主に対して、貸主に有利な契約を要求するケースが多い。借主は、契約締結の際、そのアパート等を「借りるか、借りないか」という選択肢しか有せず、契約内容を交渉するという力は持ち合わせないのが通常である。
 とくに、最近は「ゼロゼロ物件」等に見られるように、敷金・礼金を取らない代わりに家賃を1日でも滞納すると、翌日には鍵を入居者に無断で取り換える等の不法行為を容認するような不当条項すら賃貸借契約に組み入れられている事例もある。
 わたしたち司法書士には、このような不当条項を監視していく責務があるのは論を待たない。その実現のためにも本110番を実施する意義はある。

5、「借主のための賃貸トラブル110番」開催の目的
 今まで述べたように、「借主のための賃貸トラブル110番」開催の目的は次の3点である。
① 生活困窮者の住居喪失の過程に司法書士が生活困窮者側の立場に立って関与することにより、住居喪失のダメージを最小限におさえる。
               ⇔ 家賃を踏み倒すことが目的ではない。
② 賃貸借契約における不当条項を監視する。
③ 被告事件に目を向けることにより、被告事件関与率を増加させ、ひいては司法書士の一般民事事件の関与率を増加させる。

労働審判

 『労働裁判は時間がかかる』
 以前から言われていたこのような意見は労働審判制度が活用される今では、半分妥当であるし、半分妥当でないといえる。
従前は、労働紛争を民事上直接規律する法律がないため、主に民法を中心に、不足する部分は裁判例の積み重ねによりその法的解決が試みられてきた。それら紛争の争点は規範的要件であることが多いため、立証すべき事実もおのずと膨大にならざるを得なかった。そのため、冒頭のような意見が多かったのである。
 さて、周知のとおり労働審判制度は、まず調停による解決を試み、調停による解決に至らない場合には労働審判を行うという手続である。特色は、①地方裁判所が管轄になるという点、②労働審判官(裁判官)と労働審判員(一定の有識者)からなる労働審判委員会が手続を行うという点、③原則として3回以内の期日において審理が終結されるという点などが挙げられる。
 この労働審判制度は期日に制限があるため、審理期間が相当短縮される。そのため、労働審判制度を活用するのであれば、前述の『労働裁判は時間がかかる』という意見はもはや当てはまらないのではないかとも考えられる。
 ところが、労働審判制度は、原則として解決案に強制力がないものとして制度設計されている。すなわち、各期日における調停案に応じるか否かは、当事者の選択に委ねられているし、調停による解決に至らず、審理が終結し、労働審判が行われても、これに不服のある当事者は異議を申し立てることによって、その効力はいとも簡単に失われてしまうのである。
そこで、労働審判制度では、労働審判の実効力を高めるために、異議の申し立てによって、労働審判手続の申立ての時に訴えの提起があったものとみなされ、自動的に訴訟係属すると定められている。そこで、私たちには、労働審判制度を有効に機能させるために、事案に応じて、「異議を出すと時間も費用もかかる訴訟に自動的に移行してしまう。そうすると、判決が多少有利なものに変更されたとしても、費用対効果に照らして事実上不利益となることが多い。したがって、多少の不満はあっても、労働審判に応じた方が得策となる場合もある」と、当事者に説明することが求められている。
 つまり、労働審判が実効力を持ち、有効に機能するためには、『時間も費用もかかる労働裁判』という悪玉が必要なのである。なお、異議による訴訟への自動移行は、労働審判からカウントすると事実上の4審制となってしまうという制度上の問題点も立法当初から懸念されているところであり、『時間も費用もかかる労働裁判』は悪玉といっても、必要悪ともいえ、制度的に求められるものでもある。
 『労働裁判は時間がかかる』という意見が今も半分は妥当するというのは、以上の理由による。

 司法書士は、労働審判をさらに活用し、個別労使紛争に関する実績を積んでいくことが望まれる。

派遣切り

 近時、派遣切りや派遣期間満了後の更新拒絶が後を絶たない。
 企業は経営が悪化すると、容易なところから、コストカットを図る。
 派遣社員が労働力調整として現場で活用されてきたことの証左である。
 これは社会構造が生み出す問題であり、派遣社員は被害者である。
 派遣という労働形態を選択した派遣社員の「自己責任」では、けっしてない。

 まずは、被害に遭った派遣社員のために、生活の安定を図ることが必要であり、そのための喫緊の対策としては、生活保護申請や緊急融資制度の活用などと平行して、職のあっせんを受けていくことであろう。
 ただし、忘れてはならないのは、派遣元や派遣先への対応である。
 労働契約を一方的に安易に終了させることは許されることではない。派遣だから、景気が悪くなったら、切ってもよいというわけではない。(とくに、派遣切りの場合)
 派遣期間満了後の更新拒絶は、2009年問題を控え、景気の悪化とともに、これから一層増加するのではないかと懸念されるが、派遣元・派遣先に対して主張しうる法律問題を整理していかねばならない。

 司法書士が労働問題を扱っていることは、ここ数年の間に浸透しつつある。
 では、わたしたちは、この社会状況の中で、何をやるのか。
 
 すぐに動かなければならない。
 

司法書士となって、早・・・

私の場合、司法書士試験に合格したのが平成14年であり、司法書士として登録したのが平成15年、開業したのが平成16年である。

司法書士となって、かれこれ5年が経過する。

司法書士の業務で登記ができると知ってからも、かれこれ5年・・・
(合格する直前まで、よく知らなかった)

恥ずかしながら、受験当時は、「司法」という位だから、裁判業務の仕事に関する資格であろうし、合格率も低いので、受かれば、きっと良いことがあるのだろうという程度の認識しかなかったのである。

 それが今では、新人研修の講師等をやっているのだから、恐ろしい。

 ところで、近年の合格者は姿勢がなっていないなどという意見を聴くことがある。
 そのような意見を言う人には、きっと近年の合格者が安易に勤務司法書士となる道を選択し(ているように見え)たり、都会で働きたがったり、儲けることにばかり興味があったりするように、見えるのかもしれない。

 だけど、自分自身を振り返っても、受験時代は法律家としての姿勢を持とうと考えたことなどは、まったくなく、一生懸命受験勉強をしていたら、何となく受かってしまったというのが実情だ。

 そもそも、よく考えてみると、司法書士試験は、憲法・民法・刑法などの知識を問い、不登法・商登法の書式の記載例などを問うものの、法律家としての姿勢などは、採点にまったく関係がない。

 司法書士試験は、あくまで試験に過ぎない。

 法律家として、いかに生きるか、というのは、きっと合格してからの研修で決まるのだろう。

 合格者に色はない。

 色をつけるのは、新人研修の講師なのである。

と、そんなことを考えつつ、3月にある関東ブロック新人研修のレジュメ作成を行っている。



ブログの開始

本日より、ブログを始めようと思う。
今までHPはあったものの更新がほとんどできない状態であったので、
更新の利便性を考え、ブログの開設となった次第である。

ブログの目的は、次のとおりである。
① 司法書士を知らない人のために、業務内容などを掲載することにより司法書士を知ってもらう。
② 司法書士を目指す人のために、業務内容や受験体験などを掲載することにより受験のモチベーションをあげてもらう。
③ 司法書士を探している人のために、あかまつ事務所の業務を掲載することにより、司法書士の選択の参考にしていただく。
④ 自分自身を含め、司法書士のために、会務や制度的な活動を掲載することにより、司法書士制度を、より深く考察していく。

どこまで、目的に沿ったブログとなるかは不明であるが、まずは気軽に書き、継続することを最優先としようと思う。
プロフィール

赤松 茂

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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