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民法(債権関係)改正法案成立

 平成29年5月26日に民法(債権関係)改正に関する法案が成立した。
提出された法律案から実質的な変更はない。
国会での審議の過程の中では、司法書士が参考人として招致される(平成29年5月11日参議院)など、司法書士界にとっても意義のある成果があった。
施行までの期間は、公布から3年以内である。
おそらく平成32年春になるだろう。
これからは、成立した法案に魂を入れていく作業をしていくことになる。
 日本司法書士会連合会でも、近日、改正法に関する書籍を発刊する予定なので、参考にしていただきたい。

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マラソン大会の出走権特約について

 先日、あるマラソン大会の代理出走が話題となっていた。
 ハーフにエントリーした男性と5キロにエントリーした女性とが、それぞれ入れ替わって走ったというものだ。
 女性のゼッケンで5キロを走った男性が入賞してしまったことで発覚した。
 両名とも失格となったようだ。
 なぜ、失格となったかというと(私自身が確認したわけではないが、おそらく)大会規約で代理出走は認めないとなっていたからであろう。
 代理出走を認めると、緊急時の連絡先が不明となってしまう点、大会記録が不正確となってしまう点などから、この特約自体の合理性はあるといえる。
 同趣旨で、出走権の譲渡も認められていないことが大多数である。

 しかしながら、問題点の本質は、これらの特約の有効性だけにとどまらない。
 本来であれば、出走権のキャンセルによる代金不返還特約についても合わせて考えなければならないからだ。
 市民ランナーとしては、仕事や体調の都合により大会に参加できない事態となっても代金不返還特約によって、エントリー代が返ってくるわけではないので、それならば、もったいないから代わりの人に走ってもらおうと考えるわけである。

 ここで留意しておかなければならない点は、出走しない以上、その対価であるエントリー代は返還されるのが原則であるということだ。
 たとえば、エステに通う契約をして、途中で通えなくなったら、その分は精算して相当額を返還しなければならないというルールも特定商取引法に定められている。
 また、消費者に一方的に不利な特約は、消費者契約法によって無効となるものもある。

 たしかに、大会直前のキャンセルのように、主催者が準備をほとんど終わらせているような段階であれば、エントリー代不返還特約の合理性が認めらるケースもあるだろう。
 しかし、現在まかり通っている特約は、いったんエントリーすると、その時期を問わず、一切返金は認めないという画一的なものである。

 インターネット取引でも、ここまで強硬な特約は、いまどき見かけない。

 こういった特約がまかりとおっているのは、エントリー代が比較的少額である点、契約の相手方となるランナー側の良心による点が大きいだろう。

 このように、これらは顕在化していない法律問題といえそうだが、市民の代弁者であるべき法律実務家としては、出走者側のモラルを批判するだけでなく、こういった大会の代金不返還規約自体の見直しもされなければならないと考える。

債権法改正と公証人手数料

 国会で審議中の債権法改正では、消費貸借契約が要物契約のみだったものから、要物契約と諾成契約と併存さえるものとなる。
これによって、技術的な面ではあるが、公証人手数料が影響を受けることになるだろう。
すなわち、公証人手数料が現行のままであれば、片務契約(要物契約)では額面どおりだが、双務契約(諾成契約)では倍額となるからだ。
 http://www.koshonin.gr.jp/hi.html

 改正後、締結された消費貸借契約が要物契約か諾成契約かというチェックは登記原因に影響を及ぼすことから、司法書士にとって重大事であるのは当然であるが、公証人もまた同様となりそうだ。否、報酬額に直結する分、より大きな関心事となるのかもしれない。

司法書士とランニング

私の趣味はランニングであるが、主にマラソン大会において、司法書士として気になる点が3点ある。

1 マラソン大会の約款・規約に疑問がある。
 → すなわち、キャンセル時期を考慮しない代金不返還特約である。消費者契約法に抵触する可能性があるのではないかと考えている。

2 マラソン大会の参加費の使途に疑問がある(大会もある)。
 → ランニング人口の急増を受け、年々、大会数が増え、人気大会はエントリー料がアップしているが、その使途が明らかとなっていない。また、明らかにすることを求める権利も、ほとんど保障されていない。

3 トレイルランの環境づくり。
 → 森林、山林を走るためには、所有者の承諾を得る必要があるところ、森林、山林は相続登記未了などで、所有者が不明となっているものも少なくない。

 走る司法書士として、これらの点について動く必要があると考えている。

相続放棄をする前に

 「疎遠の兄弟が亡くなった。兄弟には妻子がなく、両親も既に死亡している。どうも家賃を滞納しているようだ。」というような相談を受けることがよくある。
 この場合のスタンダードな回答は、「3か月以内に相続放棄してください。」というものだろう。
 確かに、相続放棄の手続をすれば、なんの債権債務も負わなくなる。
 しかし、実際に相続放棄をする前に、上記の例であれば家主の立場から振り返って考えてみたほうが良い。
 兄弟全てが相続放棄をしてしまい、相続人不存在となったら、家主は、相続財産管理人の選任を申し立てなければならない。亡くなった方に、とくに資産がなければ、けっして安くはない予納金を家主が納めることになる。
 家主にしてみれば、滞納家賃を放棄してでも、相続人である兄弟に建物を円滑に明け渡してもらいたいと考えるのが合理的であるので、相談されている事案についても、実際に家主が望んでいるのは、どういったことであるのかと知ることが、まずは先決であろう。
 そういった事案ごとの事情を考慮せず、判で押したように「相続放棄」を勧めるのであれば、生身の法律実務家は、もはや不要である。


プロフィール

赤松 茂

Author:赤松 茂
あかまつ司法書士事務所
静岡県沼津市下河原町48番地

【TEL】055-963-8002

【Mail】 quick-response@nifty.com

(平成26年5月に事務所移転しました。)

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